はてなキーワード: 業務委託とは
不満あるかって言われても別にって感じで何も言わないんだけど。
次は違うところに行こうと思ってるので契約更新しない予定だから尚更。
ってかみんな不満点言うの?
一員であるけど外部じゃん?
どうなんだろうな。
昨日書いたやつ 1/2
https://anond.hatelabo.jp/20231013202510
それから一年が経った。N子と交際していることは職場には内緒にしていた。
そんな折、コロナ禍がちょっと静まってたのもあって、あの時と同じ場所で新人歓迎のバーベキューが行われることになった。
当時はまだ青年部長だったので、手伝いとして参加することにした。T君も一緒だ。去年と同じくらいの人数が集まって、みんなでワイワイと騒いだ。
バーベキューが終わりかける頃だったか。飲み会の場だったガレージの出口あたりで、T君がN子とお喋りしていた。去年、N子と一緒に話をした炭火焼きのスペースだった。
N子はその時、大きなごみ袋をふたつ持ち上げて所定の場所に捨てに行こうとした。すると「一緒に行くよ」と、おそらくは勇気を出してT君が提案した。
周りの人は、「いい雰囲気だね」とばかり2人を推していた。ごみ捨て場に行くまでの相応の距離や、ごみの量や、その他の状況からして恋愛イベント以外の何物でもなかった。
N子は、ちょっと振り返って自分の方を見た。目が合うと、体をちょっと振ってモジモジしていた。T君が「重いよ。一緒に行こう」と言ってN子のごみ袋を取ろうとした。でも、N子はやっぱりもどかしい様子で、こっちの方をまた見た。
「N子さん。行こ!」と、T君が片手でN子の手首に軽く触れたところで、俺はすぐ近くに寄っていた。T君の方を向いた。それで彼の顔をまっすぐに見て、「付き合ってるんだ」とシンプルに言った。
T君は、ちょっとばつの悪い顔になって、ほかの皆は「えー……」みたいなボソッとした声が上がって、居たたまれない空気がガレージを覆った。
T君が「そっか。ごめんごめん。今後はさ、N子ちゃんと最低限しか話さないようにするから。本当ごめん」ってN子に言うと、彼女はこっちを振り返った。何か言いたげな視線で何秒かだけ見つめると、1人でゴミ袋×2を持って、ガレージ下の国道際にあるごみ捨て場まで歩いて行った。
秋頃だった。付き合って1年が過ぎていて、その年も一緒に紅葉を見に行った。今回は遠方まで足を運んだ。渓谷の奥には、紅葉が植えてある観光スポットがあって、そこら中に植えてある紅葉を見て回ったり、釣り堀で川魚を釣ったり、そのまま直火で焼いたマスを齧ったり、休憩所でゆったりとした時間を過ごした。これが普通のカップルなんだなって思えた。
N子の存在が馴染んでいた。1年前までは恋愛のことなんて考えず、ただただ自分の好きなことをしていた。おいしい食材や飲料をAmazonで箱買いしたり、剣道の稽古に励んだり、たまにネトゲ友達と新宿とかでオフをしたり、学生時代の延長みたいな生活環だった。
彼女ができて何か変わったかといわれたら、別にそんなに変わってないんだけど、心の隅っこに何か大事なものが芽生えたような、そんな気持ちだった。
日曜日に会社に出て、取引先に提出する書類作りに励んでいた。自分だけじゃなく、ほかの部署の人もちらほら出勤していた。
自分の部署は2階にあって、トイレに行くのに1階に下りていくのだが、そこにT君がいるのを見つけた。彼は経営企画の部署で働いている。あとは先輩方が何人かいて、一緒に何か打ち合わせをしながら皆でパソコンを叩いていた(追記:キーボードの意)。
会社の玄関の方には事務員もいた。A3の書類を2人で読み合わせて何かのシステムに数字を入れてる様子だった。すると、トイレから出てきた社長とばったり会って、「増田君はいつも熱心だね。残業手当は絶対につけるんだよ」と言ってくれたっけ。
夕方になって、消防組合に出す報告書を作る仕事も片付いたし、さあ帰ろうかとなった。パソコンの電源を落として、空調や給湯室やプリンタのオンオフも確かめて、会社の玄関に向かうと誰もいなかった。ゼロだ。
玄関口のスライドタイプの自動ドアは閉まっていて、別の入り口から出るしかなかった。工場の方を経由して出ていく道になる。ちょっと暗いのが気になる程度だった。
そっちの方に回り道をして、廊下をひたすら進んでいって、スチール製のごく一般的な引き戸を開けて駐車場に出ようとした時、電気設備の点検場の方から物音がした。金属片がカンカンと地面を転がるような音がした。
嫌な予感はしたのだが、そっちの方におそるおそる歩いていくと、工場内にある点検場の視界が開けた。太陽が落ちていない。まだちょっと明るい。
N子と、T君がそこにいた。点検場の端っこの天窓の真下。入口の柱の影から見てた。
何か話してる様子だった。全然聞こえない。様子を伺うと、N子がちょっと緊張した様子で体を左右に振っていた。
すると、T君がN子の肩を掴んで、寄って行って、ゆっくりと顔を近づけていって、N子にキスをした。N子はちょっと強張っていて、体を後ろに仰け反らせたけど、何秒か経つと、T君の肩に手を触れるようにして口づけに応えた。
2人の唇がくっついて離れて、くっついて離れてを繰り返していた。時間にして20秒ほどだろうか。そうして唇を押し合っていると、ふたりの距離が密着して、激しい動きで唇を重ねるようになった。
俺は童貞ではない。わかる。ディープキスだ。どちらともなく舌を入れあって、ずるずると唇を舐め合って、ちょっと止まって、するとN子がだらしない様子で舌をT君のそれの上に乗せていて、互いに見つめ合っていた。それから舌をヘビみたいにチロチロと動かして、舐めずっていた。
この時、変な感覚が襲ってきて、自分が履いているジーンズの股の方を見た。弾けていた。いや違う。弾けている最中だった。それを確かめると、もう2人を見る気は失せていた。そう感じたかっただけかもしれないが。
音を立てないように点検場を後にした。廊下を進んでいく時も心臓がバクバクしていた。
工場から会社の外に出て、玄関口の前に停めてある自分の車に乗って、エンジンをかけようとしたところで、右手が震えていることに気が付いた。視界が暗いと感じた。外は明るいのに。頭が痛いはずなのに痛くない、そういう変な感覚。脳に血が回らなくなって、急にボウっとなった。頭がもやもやしていた。やはり心臓がバクバクいっている。
このまま車で発進したらどうなるのだろう。信号の色を間違えたりするのだろうか。エンジンをかけたものの、じっと運転席に座っていた。
「このままじゃ危険だ、車から降りた方がいいんじゃないか?」と思い、エンジンを切って車外に出た。すると、会社の玄関のところで2人分の姿が見えた。誰であるかすぐにわかった。N子とT君だ。
互いの手がほぼ接近した状態で、2人が玄関口から出てくるのに合わせて――俺は近づいて行って、2人の目の前に立ち塞がるようにして立った。N子がびくっとした様子で後ろに下がった。
冷静だったのを憶えてる。T君をにらみつけると、「言い訳は聞かない。なんでこんなことしたんや?」と、単刀直入に聞いた。すると、だんまりを決めたのではないかと思える様子で顔を背けた。いや、何か喋っていたかもしれない。N子にも聞いてみた。「さっき見てたんだ。T君が好きなんだな」と聞いたら、「ごめんなさい」とだけ返ってきた。
この時、もやもやとした感じがスッと消えた。
T君の方に寄っていった。彼が身構えるのと、正面からの蹴りが至近距離で腹に命中して、T君が真後ろに倒れたのは同時だった。すぐに起き上がろうとするT君の脇腹を、真横から蹴っ飛ばして、正面で馬乗りになった。
「ブチ殺すからな。覚悟しとけよ。おい、わかっとんか、返事せえ!!」
遺伝子が殺せと命令していた。「すいません、すいません」と叫ぶT君の顔や胸や頭を何十回も殴った後、両手で髪の毛を掴んで、玄関床のレンガブロックに頭を何度も打ちつけた。N子が叫んでいたが、よく覚えていない。
やがて、ほかの社員数人が飛んできて自分を取り押さえた。それで、いったん距離が離れると、「どうしてこんなことを?」という声が後ろから聞こえた。振り返ってよく見ると社長だった。
「すいません! 暴力振るって。すいません……」と、社長の前に行って謝った。直後に左を向くと、T君が尻もちをついた姿勢でうずくまっていて、N子が心配そうに肩を撫でていた。
俺はほかの社員を振りほどいて走り出した。そのままT君の髪の毛を両手で掴んで、「お前が馬鹿にしたんだろうが!!」と叫んで髪を引き千切った。それでまた、ほかの社員に羽交い絞めにされた。理性では諦めていたけど感情が止まらなかった。大声で何度も叫んで、周りが制して、叫んで、制してを繰り返した。そうこうしているうち、ようやく感情が収まった。怒りの心が眠りについた。
もう動けなかった。社長が、「事情があるのはわかったから。増田君は今日はもう帰りなさい」と言うので、自動車のところに行って乗り込もうとした。後ろを向くと、社長が俺に付いて来てて、「自分の車で送る」と提案してくれて、そのまま家まで届けてもらった。
社長の車の中では無言だった。冷静だったけど、やがてT君を殺したいという情動がまた沸き上がってきて、時間が経つとまた冷めた。
辛い話をした。これを書いてる今も、いい大人なのに涙が止まらない。悔しさもあるし、いや多分悔しさしかない。自分自身への。あとちょっとで終わりにする。
休み明けに出勤すると、社長と人事部署のトップに呼ばれた。それで、いろいろ事情を聴かれた。正直に全部話した。N子とT君については、あの日のうちに聞き取りを終えたらしい。ほかの社員についても同じように聞き取りをするとのこと。
その週末だったかな。社長から告げられたのは以下のところだった。
・あなたがこんなことをする人だと思わなかった。信頼していた
・あなたの行為は刑法にも社内規定にも違反する。本来であれば懲戒免職
・だが、T君にも非があることがわかったので、今回に限って停職1か月と減給1/10で済ませる
・N子とT君にも二度とトラブルの種は撒かないように厳重注意している
・次は絶対にない。私に悲しい思いをさせないでほしい。あなたを信じている
こんなことを書いてる以上はわかってると思うが、それから1年以内に会社を辞めた。自分という人間の変化に気が付いて、別の会社の方がいいんじゃないかと思えた。それにもう、あの2人を見たくなかった。
同じ電気関係でよさそうな会社を知っていた。近所にある其処に直接訪問して、採用試験のアポを取ってもらって、そのままスルッと採用されて今に至る。面接の回数は1回だった。
自分という人間は、あれから本当に変わってしまった。まだあそこで働いていた頃、市役所に消防設備の(総合・機器)点検結果報告書を持って行った時だった。事務スペースの前にある窓口で説明を始めたところ、向こうの担当者(冒頭の人と同じ)から、「もっとわかりやすくなりませんか?」「判定不備の一覧表は用意できますか?」「総合点検と機器点検との違いとは」とネチネチ聞かれた。
つい怒鳴ってしまった。
T君の時と一緒だ。頭がスーッと冷静になったかと思うと、自分の気持ちが突然表に出てしまう。その時も、口が先に動いたのだ。理性的思考はない。相手は急に黙り込んだ。ばつが悪そうな顔をしていた。だったら始めから言うんじゃねえよ。
「これが法定の報告書の書き方です。判定不備の一覧表は契約に入ってませんよね?」
「入っているかは何ともいえませんが、一般的に作る物ではないですか」
「私ではなんとも……」
「じゃあ、分かる人呼んでくださいよ! 総合点検と機器点検もわからないって、発注者として問題だと思いますが」
「じゃあ切れよ!!」
席から立ち上がって、T君に向けたのと同じ殺意で、事務スペースの奥野須美の方を睨みつけた。すると、上役と思われる人が飛んできて謝罪を始めた。
どうやら、相手方もそこまで信頼のある職員ではなかったようだ。信頼があったのなら、上役はもっと神妙な面持ちで警戒するはずだ。窓口で怒鳴るという、社会人としてよくない行為をしたのだから。謝罪から入ることはないと思われる。
※今の電気関係の会社では1年ほど働いてるけど、仕事中にキレたことは二度しかない。会社のみんなはいい人だ。俺という人間でも普通に受け入れてくれる。感謝してる。ほんとに感謝してるよ。
N子とは、それから1回だけ会った。会社の近くにあるサイゼリヤだった。デートで何度か行ったことがあった。
「あの時はごめんね」と俺が言うと、首を振ってテーブルの上のジュースに視線を落とした。
「あれから会ってない」
「もう許した。許したから。俺よりも多分いい奴いるよ」
「T君の方がいいよ。絶対」
「……ごめんなさい」
「ごめんなさいじゃねーよ、ボケ」と叫びたい気持ちが沸き出ていた。自分はもう、人間としてかなり良くないと思う。
その場で、N子に「別れよう」と言うと、か細い声で「嫌です」と言われた。その場で、テーブルを片手で叩くみたいにして席を立って、千円だけ置いてサイゼリヤを出た。
N子の様子がおかしいことに気が付いたのか、女の店員さんがレジのところでこっちの方を見ていた。「失礼しました」と言って店を出た。後で確認すると、その店員さんがN子の方に向かっていた。これで大丈夫だろう。
今回は、嫌なことを書いてしまった。書いていて辛かった。でも、ちょっとスッキリした。気が晴れた。
心が濡れている。転職直後は、何をやっても楽しくないし、恋人も作らなかった。でも、N子と交際する経験をしたことで、女という存在に慣れていた。
ほかの人と交際をするきっかけは何度もあったよ。同じ会社の先輩とか、ネトゲのオフ会で知り合った人とか、夜のスナックやラウンジで働いている女の子とか、チャンスは何度もあったけど、それでも付き合おうとは思わなかった。またひどいことになる気がして。
そろそろ終わりにしよう。
ここまで読んでくれた人がいたなら感謝を申しあげたい。
ありがとう。読みにくかったならごめんなさい。
離婚して、娘はかみさんが親権、相場通りの養育費を払って、共同だった持ち家の権利は自分、家財道具と貯金100万円分がかみさんの取り分で決着しました。
浮気相手には弁護士立てて慰謝料請求して、本日、最終的に300万円で合意。弁護士費用引かれた残りが振り込まれるそうです。
一人暮らしも三ヶ月経過した感想としては、全然大丈夫な自分にびっくり。
掃除はルンバ、洗濯はガス乾燥機に業務委託したんで、家事は炊事ぐらいだけど、一人分なら大した手間でもないし、そんなに食事にこだわらないんで、酒とビタミン剤があれば平気っぽい。
寂しくなったりするかと思ったけど、趣味に100%投資できるようになった分、自由な時間が増えてラッキー、ぐらいな感じ。
無理して結婚生活続けるぐらいなら、定年後に熟年離婚でグダグダするより、さっさと離婚して正解。どっちかが死んだ時点で、どうせ独身だしね。
この世に正義はない。
だからだろうな。はてなー筆頭にネット民はジャニ性加害をことさらに大声上げて楽しんでいる。
正義はない。ただのババ引き。しかも「下の奴に押し付けていい」っていう絶対のルール。
切り替えせない奴に押し付けるだけ。
ジャニ性加害も恐らく「下の奴に押し付ける」んで、痛くも痒くもないよ。
事件にさえなっていない。刑事事件になるか?被疑者死亡だから終了。商慣例は変えられるが代わりのルールが出てくるだけ。
正義じゃないぞ。人道でもない。商慣例だけ。今騒いでいるだけで、新しいルールは「下の奴が自発的にやっている」ってなるだろう。
多分これから雇用は無くなり、業務委託と言う名の奴隷契約が続くだろう。
少しでも「自己判断・自主性」があればいいんだから。支払金額が減ってもそれは「自己判断・自主でやったことがクオリティ以下」ってだけだしね。
労働者だろ! って言うのも「自主性メインです」っていう実態があればそこまでだ。自主性のせいで支払いが減ってもそれは自己責任。
唯々諾々としているのも「仕様を受けての対応でした」って自分で言ったらそこまでだし。
これは仕事で疲れ切っていた若くて馬鹿な私が、云年越しの真実に打ちのめされる話かもしれない。
どこか嘘かもしれないし全部本当かもしれない。ただただやりきれない気持ちだけで書く。
この日記を一行でまとめると下記の通りだ。
業務時間外に書いた云十万字の小説の権利が、一切自身になかったことを知った話、である。
* * *
学校卒業後に就職したのは小さな小さな編集プロダクションだった。執筆も編集者がやるタイプの編プロだった。
ニッチな界隈の本を細々と出していた会社で、今はもう存在しない。
好みの分野を扱うことが多かったので仕事自体は楽しく、担当していた界隈がにわかに盛り上がったときは激務に次ぐ激務だったがかなりのやりがいを感じていた。
編集者のいいところは、自分の関わった商品が本屋という身近な場所に陳列されて、しかも奥付に自分の名前が載ることだと思う。
「私はこれを作ったんだ」という実感は激務を忘れさせるほどの麻薬だった。
+
会社にはいろんなタイプのオタクがいて、コミケにサークル参加するような同人作家も在籍していた。
スタッフが創作者であることは仕事に生かされ、それが会社の強みにもなっていた。
私もそんな創作者のひとりだった。小学生のころから二次創作小説を書いていたような、生粋の創作する側のオタクだ。もちろんコミケにサークル参加したことがある。会社でも小説を書くことは隠していなかった。
前述したとおりいろんなオタクが集まっているのはこの会社の強みであり、取引先からも面白がられていたので、何かとそれは話題にあがった。「あなたは何のオタクなの?」という感じの雑談から、私が小説を書くオタクであることは取引先にも知られていた。
+
ある日、上司に呼ばれて席まで行くと、「小説を書いてみないか」と言われた。
とある人の半生が面白いので、脚色を加えて小説にする企画があるのだが、書き手(ライター)が見つからない。
そういえば御社に小説を書く人がいたよね? ――と、取引先からお声がかかったらしい。
素人の思い出話を物語として成立させるには、筆力のほかに構成力も必要になってくる。
小説が書けて、編集者の視点も持っている人にお願いしたい、というのが私が選ばれた大まかな理由だ。
「人生何が起きるかわかんねぇな」と思いつつ、正直先方の正気を疑ったが、特に断る理由もないので「自分でよければ」と答えた。
そして、企画が動き出した。
+
当時私は中堅の社員で、後輩の教育も任されており、わりと大きな継続企画も抱えていたので、まあそこそこ忙しかった。
そこそこ忙しくはあったが、後輩に任せられることは任せ、溜まりに溜まっていた有休を無理くり使い、執筆作業に当てた。
徹夜もよくしたし、午前中にネカフェで執筆して午後から出社、終電後まで働くみたいなことも多かった。
執筆はすべて業務時間外にしていた。これは単に会社にいると仕事が降って来るので落ち着いて書けないし、原稿料をもらうからには切り分けねばと思ったからだ。
会社を空けることが多くなり、雑用や確認作業が頼みにくいと上司からはよく嫌味を言われた。
+
通常の仕事に加え、睡眠時間を削りながらの執筆、「自分で書くのだから」と資料作成・装画周りにも関わり、とんでもなく忙しくはあったがやりがいも楽しさも感じていた。
初稿が上がり、大勢の人の目が入り、製作も大詰めというときだった。
上司が、軽い調子でこう言ったのだ。「著名は原案者だけにするかも」と。
反射で「私の名前が載らないってことですか?」と尋ねると、「そういう案も出ている」と言われた。
忙しくて頭の回っていなかった私は、ただただ「そんな話が出ているのか」とショックで、会話はそれで終わりになったと記憶している。
(デスクに座ったまま、ぽろっと言われたくらいのノリだったように思う)
その日の夜になってようやくだった、「いや、私の名前が載らないのはおかしくないか?」と怒りが湧いてきたのは。
+
前述したとおりこの本は、とある人物の半生を脚色して小説化するというものだ。
当然、この「脚色」は私の創作である。些細な話題を膨らませてドラマチックにしたり、つなぎになるエピソードを創作して物語を盛り上げた。
たとえば登場人物の紹介をするのに、設定にある特徴から勝手にエピソードを作ったりした。
こうした追加エピソードについては、原案者からも「まるで本人を知っているかのような描写で驚いた」とお褒めの言葉をいただいている。設定から妄想を広げるのは二次創作同人屋の得意分野だ。
そう、この小説は相当私の「創作」が含まれているのだ。それなのに何故、ゴーストライターにされてしまうのか。
+
怒りのまま、とはいえギリギリビジネス文章に落とし込んだ形で、私は上司と出版社の担当者にメールを書いた。
個人のアドレスから送ってやろうかと思ったがそれはやめた。不審なメールとしてはじかれたら元も子もないからである。
要は「私の名を出さないのなら、創作部分をすべてカットする」という内容だ。原案者が著者なら創作部分は生まれなかったはずだから、という理論だ。
私のガチギレぶりにめんどくささを感じたのだろう。私のペンネームは原案者と併記されることになった。
ガチギレメールについて上司から小言をくらったが知ったことではない。私のやることなすこと気に食わない上司の文句などすでに聞き飽きていた。
今思えば原案/著で記載されるべきだったのだろうが、この後の出来事を考えるとこの時からすでに事は動いていたのかもしれない。
+
発売後、今度は社長に呼び出された。社長と総務の前へ、何事だろうと寝不足の頭で棒立ちになっていた。
私個人と出版社の契約でなく、会社と出版社で契約を結び、入金された印税の中から褒賞として私に支払う形にする、という通達だった。
当時二十代半ばの私は、この言葉の意味をよく理解しないまま、印税がもらえるならいいかと了承してしまった。
ここがすべての間違いであったのだが、そんなことは当時の私が知る由もない。
その後、若い私にとってはそこそこの額の執筆料をもらったが、当然のことながら重版などかからなかった。
なんやかんやあってその数年後、いろいろ限界を感じた私は逃げるように辞職した。このままでは飼い殺される、という危機感が一番強かった。
同じ家に暮らす家族から「最近顔を見ていないけど元気?」とメールが来るような日々だったのだ。
それなりに「できる社員」として取引先にも認められていたので、おかげで再就職は比較的スムーズに進んだ。
* * *
それから結構な時間が過ぎたころ、なんと前述の本のメディアミックスが決まった。
私がそれを知ったのはネットニュースでだった。
起き抜けのTwitterTL巡回中、見覚えのあるタイトルが目に入って一気に目が覚めた。それは結構な規模のメディアミックスで、有名な人も参加するプロジェクトだった。
スタッフクレジットの「原作」欄には、原案者の名前しか書かれていなかったのだ。
とはいえ、今も同人活動をしている身としてはあまり名が売れてほしくない思いもあり(商業活動をしているわけでもない)、それについてはそこまで怒りも湧かなかった。
何よりかにより私が衝撃を受けたのは、原作欄に掲載された書影から私の名が消されていたことだった。
ぱっと見た瞬間、変だと思った。画像の一部に雑な加工の跡があったからだ。何故加工されているのか、よく見たら名前が消えている。そういう順番での認識だった。
なんだかんだ長く出版界隈に居座っているので、画像加工については見慣れている。本職デザイナーの手にかかれば、あたかも初めから存在していなかったような「画」を作れることも嫌というほど知っていた。
その書影の加工は、どこから見ても素人仕事で、スタンプツール連打したんだろうなって感じのものだった。私でももっとましに作れる。
加工者が誰であれ、私の名は意図的にその画像から消されたという事実に変わりはなかった。
+
少し前に好奇心から知財の本を読んでいた私の頭には、人格権、翻訳権、氏名表示権などなどいろいろな言葉が浮かんでいた。名を消されたことに関する影響も危惧していた。
それと同時に、ずぅっと謎だったけれど、見ないふりをしていた疑問も浮かんでいた。
私の印税ってどうなっているんだろう。
前述したとおりこの本はほとんど広告が行われていなかったため、重版など夢のまた夢だと思っていた。だから、それまで考えないようにしていた。
メディアミックスされるとなると話は別だ。
この時私は打算的にものを考えていて、名前を消した理由を尋ねるところから入り、この本に関する私の権利について確認を取ろうと思っていた。
正しくない書影を掲載したという非が向こうにはあるので、多少強気でかかって話を引き出せると思ったのだ。
微々たる額でも印税がもらえたら御の字だなと考えていたのだ。なんたって印税契約をしていた会社はすでに倒産していた。
担当部署に直で聞くのが手っ取り早いが、権利に関する問題であるし、内々で片付けられても困る。よそを巻き込んで大事にしてやろうと思ったのだ。
結果、私は惨敗することになる。
なんと、当時の担当者がライツ部に異動になっていたのだ。こんな偶然があるのだろうか。
+
この本が出たのはもうずいぶん昔の出来事で、だから、当時を知る人がもう社内におらず、だから、私と連絡が取れず、だから、書影から名を消していたのだろうと、そう思っていた。
問い合わせのメールには、連絡が取れないから名前を消したのだろうか、だとしてもこんな雑な方法で消すのはどうなのか。何故名前を消したのか理由を知りたい。権利にかかわる問題をはらんでいる恐れがあるためライツ部に連絡をした。製作時も記名に関してひと悶着あったというのに残念だ。そんなようなことを書いた。
当時を知る人がいない前提の文面だ。
だというのにどうだ。その担当者は私が転職したあとも仕事のやり取りがあり、だから、私の連絡先は知っていた。なんなら携帯番号も知っている。
連絡しようと思えばいつでもできたはずだった。
+
返信には、非常に軽い調子でこう書かれていた。
「先方に間違った画像を送ってしまった(入稿前のものだったのかも?)。今正しいものを送ったので即時修正されるはずだ。今後の重版に関しても名前が消されていることはないので安心してほしい」
製作に関わっていた私が、そんな画像が存在しないことくらい知っているだろうに、そう、本当に軽い調子で書いていた。
誤魔化すつもりなのだ。公式サイトに私の名を記載しないが故、書影との差異を出さないように雑に消したのだろう。バレないとでも思っていたのだろう。これだけ対応が早いということは、この人が本件に関する責任者なのだろう。
つまり、あの時私の名を本から消そうとしていた担当者が、私の名を表紙から消したのだ。
+
大事にしたかったのにならなかった。この時点でもう打つ手はないなと感じつつ、「当時を知る人がいるとは心強い!」とよいしょしながら、本書の権利について尋ねた。
念のため最初からメールの署名からは電話番号を消していた。電話では余計なことを口走ってしまう可能性があるし、丸め込まれる恐れがあるからだ。諸々のことを文章として残しておきたかったのもある。
この時点ですでに、職務著作という言葉が頭をよぎっていた。簡単に言うと、業務で制作した著作物の著作権は会社に帰属するというものだ。
わざわざ業務時間外に小説を書いていたが、契約を会社に委ねてしまった時点で私は著作権を放棄したことになっているのだろうなとほぼ確信していた。
とはいえ契約先である会社はすでに倒産しているわけだし、そこはどうなっているのだろう。この際だからという気持ちでいろいろ疑問をぶつけてみた。
会社在籍中は印税の一部は会社から支払われることになっていると聞いたが、という話も伝えていた。
(誤魔化そうとしているのは明白だったので、雑な加工については「画像の送付間違い」ということで流した。一応修正前の魚拓は保存している)
+
結果、分かったことは以下のとおり。
・著作権は原案者のみが所持、会社とは業務委託の契約しか結んでいない。
+
はあ、つまりだ。
職務著作どころでなく、はじめっから私の権利は知らんところで放棄されていたのである。
ずいぶん話が戻るが原案/著表記にしなかったのは、こうすると私が著作者として確立してしまうからだったのでは?みたいな気持ちもある。
こんなめんどくさい人間を絡めるといろいろやりにくいと思われたのだろう。事実暴れてしまった前例もある。
そしてこの本がいくら売れようと、印税が入るのは案件ノータッチの元社長の懐だ。
結局、知識のある人間が得をするのだ。悪いのは無知な私だ。目の前の仕事で目を回していて、いったん持ち帰るということができなかった、仕事に疲れ切っていた若くて馬鹿な私なのだ。
+
いろいろ教えてくれたことに感謝はしつつ、とはいえ雑に私の名を消した恨みは募っていたので、最後っ屁のつもりでやり取りの最後はこう締めた。
「本来の書影に書かれている名が意図的に消されていると、『この消された人物は何者なのか』と無為な詮索にさらされる危険性がある。それが一番の懸念だった。もう二度とこのようなことが起こらないよう留意してほしい」
シンプルに名前が消された怒りもあるが、この危惧もあった。メディアミックスに際して名を消された著者。もし、私がこのペンネームで商業活動をしていたとしたらどう思われるだろうか。
消されるだけのことをしでかしたのではないかと思われる危険性は高い。これは信用問題になってくる。
それに、今のネットの「面白そうなおもちゃ」に対する残虐性は認識しているつもりだ。自分が掘り出した“真実”を喧伝し、当事者を炎上させる。何かあったら嫌だ、と身構えるのは致し方ないと思われたい。
とはいえ、これを読んでいるような人なら理解してくれるだろうが、出版社のこの手の人間には理解されないだろう。
それでも、もう二度とこんな雑に人の存在を消さないでほしい、という訴えは届いてほしかった。
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* * *
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この件に関して、私は別に詐欺にあったわけでも、法を犯されたわけでもない。ただただ無知で、己の権利に鈍感だっただけだ。
手痛い授業料だと思っている。このエントリーは半ば逆恨みだし、書いてすっきりして忘れたかったのかもしれない。炎上させたいわけではない。
自分の無知で痛い目にあった私ができるのは、二度と同じ過ちを犯さぬよう、そして後進たちが同じ轍を踏まぬよう努めることだけだ。
提案は一度持ち帰って調べろ、即決するな。とくに寝不足のときは危険だ。
教訓として、とりあえずこの一連についてはいたるところで語っていきたい。
なんせ、私と出版社は(ついでに元社長も)、なんの契約も交わしていないのだから。
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ほんの少しだけよかった話をする。なんと印税をもらえたのだ。
印税契約を譲渡した元社長の現会社から連絡があり、お小遣い程度の収入を得た。夢にまで見た不労所得である。
連絡をくれたのが元総務の人だったので(元の会社の上層部がそのまま現会社に移っていた)少し話をしたのだが、出版社の担当者の話題は一切出てこなかった。私とその人がやり取りしたことは知らないようだった。出版社から入金があったので粛々と対応した、という感じだった。
献本は送られてこなかったので自分で買った。初版と第二版の年月日を見比べると渇いた笑いが漏れた。ずいぶん長い時間がかかったものだ。
メディアミックスについてはとくに興味も湧かず、とはいえ周囲から話題を聞くこともないので、爆死も盛況もしていないのだろう。
ほんとすぐ死にたいのだけれど、死んで困るのは老人ホームに入居している母のこと。ホーム代は母親の年金でまかなえるんだけど、役所に申請するいろいろな手続きとか、半分ボケた彼女ができるはずがない。きょうだいはひとり居るけれど、こちらも強度の鬱状態で10年以上、声すら聞いていない。母親にも関心がなく、ただ私に押しつけている。いちばんの理想は母が亡くなって、そのあと私が死ぬことだが、90歳を過ぎてもまだ元気そうだ。車イスだけど。
こちらの経済状況も相当厳しくなってきた。もうお金をもらえたらなんでもいいので、初めて風俗店デリヘルの求人募集に申し込んでみた。でもやっぱりダメだった。免許はあるけれどペーパードライバー。「いまはドライバーさんしか募集していないんです」との返事だった。
でもなんか、ちょっとだけ心が軽くなった。LINEで応募したんだけど、向こうの担当者の言葉遣いが丁寧だったから。久しぶりに人に丁寧に扱われた気がする。
春先にクビになったWeb編集部の編集長は最悪だった。会議でも人を罵倒する。私の業務委託の契約を切るリモート会議のときの様子はいまで夜に思い出して寝られなくなる。
もともと1年契約だったのだが、6か月で辞めてくれと言われた。契約書の文言とかなにも読んでない人だし、そもそも私も毎週の会議が辛くなっていたので、「わかりました」と返事をすると、彼女(編集長です)はzoomの画面の向こうで
「やったあ!!」
と、両手を挙げてバンザイをして、小躍りした。あのシーンが今も私を苦しめる。迷惑はかけていないつもりなんだけどな。どうせ死ぬなら訴えてやろうかと考えたが、その仕事はその社の若い友人が紹介してくれたものだから、彼に迷惑がかかるのを恐れてやめた。もともとパワハラで有名な人物だが、旦那がその社の偉い人というやっかいさもある。それ以外にもいろいろひどいことが重なったけれど、また後日
先日、同じ仕事をしている人が亡くなった。交通事故だった。割ときつい死に方で、身体の一部が裂けるというか、それによる出血多量で亡くなったと聞いている。ショッキングな話だ。
同じ仕事といっても、職場が一緒とか会社が一緒というわけではなく、業務委託で同じ仕事をしている人だ。LINEのグループで繋がっていて、そこには何百人かの同じ仕事をしている人がいる。その日、仕事中に怪我人が出たという書き込みがされたが、それ以降は本日に至るまで一切の続報がない。これに憤りというか、人が死んでも再発防止の対策どころか周知もされないという事実に、怖さみたいなものを感じている。
そんなもの、隠してもどこか経由で伝わるのだ。店舗の人もいるし、事故はその近くで起こったわけだし。すごく特殊な車両だし、側面には企業のアピールになるような情報も刻まれている。しかし、検索してもどの事故かいまいち分からない。注目された自転車レースの事故と被ったのもあるかもしれないが、詳細が分からない。そのため、具体的にどういうことに注意して運転すればいいのか、それも分からないという現状がある。
以前、社員として大きな企業に勤めていた際は、事故したら大問題だった。上司には怒られるし、暫く車に乗れなくなる。普段だって2人1組でないと運転させてもらえなかったし、それがかえって面倒に感じていたのもあった。死人なんて出そうものなら企業のイメージも悪くなるし、場合によっては大きく報道もされる。けど、業務委託だとこんなに差あるの?再発防止どころか、情報の共有もしてもらえないの?したら辞めちゃうから?業務委託だし、ショッキングな事故だから、辞めちゃうからって情報共有してもらえないの?それ、人の命使い捨てにしすぎじゃない?かなりの確率でまた、違う形だろうけど怪我人や死人でるよ?
しかし、あれだけ分かりやすい車両で事故して、なんでこんなに情報が出てこないんだ?そういうもんなんか業務委託とか配送って。アマゾンとかウーバーイーツとかヨドバシも実はそれなりに事故してて、人も死んだりしてるが、企業名が出ないだけなんだろうか。そんでだいぶ例外的な自転車レースの事故とか、そんなんだけが大きく報道されて、非常に発生確率の低い事故が、より発生しないように改善されていくのだろうか。それはそれでいいことだけど、うーむ。
雰囲気で仕事っぽいことしてるだけで実際には仕事してないんだよな
だから実際の仕事をきっちりタスク化してステータス管理しようとすると破綻する
「実際の業務はそんな単純じゃない」
とか言い訳するけどタスク化すると無茶苦茶簡単なことを時間をかけてやってるだけになるんだよね
オフショア開発の失敗も同じだし、業務委託が上手く行かないのもほとんどそれ
というかコロナ前も出社してすぐに客先に出かけて一日居ないってのはザラだったしね
リモートワークができるってことはタスク化されててステータスとして管理されてるってことであって
それがタスク管理ツールでもカレンダーでも別に構わないと思うけれど
出社が前提のツールなんて無いよね
ZoomとかTeamsとかを整備して「これでリモートワークできます!」とか言ってるアホ経営陣が多いけど