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はてなキーワード: 文学とは

2024-04-12

   ジュピターが神に問うたとき、神は、移ろいやすものだけを美しくしたのだ、と答えた。逆に、数学問題は、ただ存在しているだけで移ろいやすものではない。従って、数学とそれ以外の文科系

  の事柄、 法学とか文学数学は違うように思う。数学定理は、一般に、発見者は、偉大でありなおかつ天才である評価される。しかしそれならば、数学でないもの、例えば、法学において

  特定規定解釈発見したとき、なぜその人は天才とは言われないかというと、よく分からない。学会では、理学部数学のしていることは極めて特殊で毛色が違っており、同じ理学部でも物理学科や

  数理科学科とは違うし、更には、法学部や文学部、経済学部とは違うのではないかと言われている。しかし、その辺りの事は分からない。

   文学部では、朝から晩まで、16世紀のフランス革命の、中世の人々が何回も戦争をして殺し合った結果として、近代市民社会ができたといったような凄惨な話ばかりしている。

  実務法律学には、~による、とか、適用するという言葉がある。平成16年に全国の大学法科大学院が出来てから、実務法律学はそこでするということになった。実務法律学技術はもしかしたら

  その透明なヴィルディングの中で教えているかも知れないが、東京大学でも、そこに入れる人は限られているので、1つも分からない。

   逆に法学部では、法の歴史を習うだけで、法の結論技術は1つも教わらない。法の結論がどのように美しいのかとか、法にはどのような可能性があるのかとか、法の何がいいのかとかそういう興味の

  あることは何も教えない。

2024-04-08

サウナ推し活、筋トレ

最近は、時間ができると「サウナ行きたい」と思うことが多くなった。

中年にさしかかった年齢のせいなのかもしれないが、最近世間的にもブームになっているから、きっとみんな、昔より、サウナに行きたがっているということなのだろう。だが「行きたがっている」というのは本当だろうか。みんなただ単に、やることがないだけではないのか。

現代自分を含めたある種の人々には、やるべきこと、欲しいもの価値のある行為が何もない。SNS時代にはすべてが細分化され、相対化されてしまう。映画音楽文学も、たくさんの人がそれを見たり聞いたり読んだりすることで名作になるのではないかしかし、そういうことはもう望むべくもない。あらゆることは、単なる好みの問題しかない。

それが楽しめるなら、幸せだろう。しかし誰も自分の好みだけで生きていけるはずがない。「推す」なんていうのも、すべてが相対化されてしまったあとに何かを信じるために、自分を「推し」に明け渡す、ある意味宗教的自己犠牲のような行為だと思う。

「推す」というのは、自分を信じられない人間が考え出した、自己否定による「好み」の止揚だ。

そして、現代におけるサウナとは「推す」ことの裏面ではないだろうか。

「推す」が、自己否定から他者を経て創造される「生きる意味であるとすれば、「サウナ」は、自己否定自体の緩やかな肯定である

あらゆる価値が相対化され、何も信じられなくなった人間には、本当の意味欲望がない。やりたいことも、欲しいものも、行きたい場所もない。しかし、そのことに向き合ってしまうのはとても危険だ。それ自体フィクションに過ぎないとはいえ「生きる意味」がなくなってしまうからだ。

そこでサウナとは「何もしない」ということであり、サウナに行くとはつまり「どこにも行かない」ことだ。つまり欲望すべきものがないということを、「何もしない」をすることで、無理なく肯定する。「すべきことがないので、何もしたくない」という恐ろしい事実に目を背けつつ、何もしないままで何かしたような安心感が得られる。そういう効果サウナにはあると思う。

自分は縁がないけれど、おそらく筋トレにも近いものがあるだろう。「筋肉は裏切らない」というキャッチコピーがあるが、それは、ほかに確かなものが何もないという絶望しか聞こえない。

信じるに値する価値がないということを、他者を通じた自己犠牲で埋め合わせるのが「推し」、信じないこと自体を信じることによってやりすごすのが「サウナ」、自己をモノとして信じようとするのが「筋トレ」といった感じだろうか。

なんでもいいから何かを信じて生きたいと思っているが、とても難しい。

2024-04-06

anond:20240406161909

鬼頭莫宏エヴァ好きではあるが「エヴァに似てる」と言われすぎたせいでうんざりして

ロボット漫画「ぼくらの」を描く際はまた絶対エヴァエヴァ言われるわと予想し

エヴァよりも前のロボットものであるザ・ムーン」を引用ザ・ムーンに沿った要素を出すことで「エヴァ避け」をしたと語っていたな

「数年前に流行ったアレと似てる」だと軽薄だけど、知る人ぞ知るマニアック作品とか古典文学とか神話とかだとむしろ深みが出る

2024-04-02

強くなければ優しくなれない 優しくなければ生きていく資格がない

まり、強くなければ生きていく資格がない

現代社会の基本構造はコレに尽きる。

弱肉強食自然界とはまた別の地獄、弱悪強善の世界だ。

こんなにも余裕なくアクセクと動く社会の中で、他人を気遣える余裕をもてと声高に誰もが叫ぶ。

弱者は手を差し伸べぬ者達を罵り、強者は当たり前を守れぬ無能を蔑む。

正しくあるためにはまず強さが必要であり、強さがないがゆえに正しくないものは悪として断じられる。

まりにも社会は窮屈だ。

この社会弱者が生き延びるすべは強者から「生き延びる資格」を譲り受けるしかない。

アルツハイマーの老人であっても介護者がいれば、生きることが出来る。

どんな人格破綻者であっても大人しく牢屋に入っていれば死ぬことはない。

強者の設定した枠組みの中に己を押し込めることで、かろうじて生きる権利が手に入る。

自然界に比べれば何千倍もマシなのは分かっている。

生きるために必要コスト、それが奪われないために必要コスト大分軽くなった。

まれつき強者であることが人生幸福に生きるための絶対条件なのは変わらないが、弱者なりに生きることはそこまで難しくはない。

だがまだまだ貧しい。

絶対的に貧しい。

はいだってこのことを社会に訴えたくて仕方がない。

人類社会はまだまだ全然貧しいじゃないか、と。

一部の勝利者たちが語る「豊かになりすぎて我々は何かを見失った」という言葉が本当に嫌いだ。

お前らはまず「この世界が豊かだと感じることが出来ない弱者がまだまだ無数にいること」を見失うのをやめろと叫びたくて仕方がない。

そのための武器を探している。

文学なのか?

デモなのか?

革命なのか?

2024-04-01

ではミーハーな私の偏愛邦楽100選をどうぞ

1.黛ジュン - 天使の誘惑(1968)

2.山本リンダ - どうにもとまらない(1972)

3.ペドロ&カプリシャス - ジョニィへの伝言(1973)

4.麻丘めぐみ - わたしの彼は左きき(1973)

5.サディスティック・ミカ・バンド - タイムマシンにおねがい(1974)

6.岩崎宏美 - ロマンス(1975)

7.森田童子 - たとえばぼくが死んだら(1980)

8.YMO - 君に、胸キュン。(1983)

9.安全地帯 - 悲しみにさよなら(1985)

10.岡田有希子 - Sweet Planet(1985)

11.渡辺美里 - My Revolution(1986)

12.KUWATA BAND - BAN BAN BAN(1986)

13.米米CLUB - Shake Hip!(1986)

14.小泉今日子 - 木枯しに抱かれて(1986)

15.本田美奈子 - Oneway Generation(1987)

16.松田聖子 - Strawberry Time(1987)

17.中山美穂 - 50/50(1987)

18.BOØWY - MEMORY(1987)

19.光GENJI - ガラスの十代(1987)

20.UP-BEAT - NO SIDE ACTION(1988)

21.氷室京介 - ANGEL(1988)

22.X - SADISTIC DESIRE(1988)

23.工藤静香 - MUGO・ん…色っぽい(1988)

24.BUCK-TICK - JUST ONE MORE KISS(1988)

25.BARBEE BOYS - 目を閉じておいでよ(1989)

26.浜田麻里 - Return to Myself〜しない、しない、ナツ。(1989)

27.UNICORN - 大迷惑(1989)

28.DEAD END - I WANT YOUR LOVE(1989)

29.Wink - One Night In Heaven~真夜中のエンジェル~(1989)

30.ZI:KILL - I4U(1990)

31.D'ERLANGER - Moon and the Memories(1990)

32.Gilles de Rais - Blue(1990)

33.フリッパーズ・ギター - カメラカメラカメラ!(1990)

34.MOTHER GOOSE - In The Far East(1990)

35.STRAWBERRY FIELDS - FADED BLUE NIGHT(1991)

36.WANDS - もっと強く抱きしめたなら(1992)

37.VIRUS - 小さな恋のメロディー(1992)

38.DIE IN CRIES - FUNERAL PROCESSION(1992)

39.LUNA SEA - Claustrophobia(1993)

40.シャ乱Q - 上・京・物・語(1994)

41.B'z - Don't Leave Me(1994)

42.福山雅治 - IT'S ONLY LOVE(1994)

43.Mr.Children - innocent world(1994)

44.松任谷由実 - Hello,my friend(1994)

45.SAKRUN - 白昼の足跡(1994)

46.Kneuklid Romance - Painted time(1994)

47.DREAMS COME TRUE - サンキュ.(1995)

48.hitomi - GO TO THE TOP(1995)

49.MY LITTLE LOVER - Hello, Again 〜昔からある場所〜(1995)

50.JUDY AND MARY - Over Drive(1995)

51.L'Arc~en~Ciel - Still I'm With You(1995)

52.スピッツ - ハチミツ(1995)

53.globe - Joy to the love(1995)

54.MAX - TORA TORA TORA(1996)

55.安室奈美恵 - PRIVATE(1996)

56.Eins:Vier - Not saved yet(1997)

57.MOON CHILD - ESCAPE(1997)

58.SHAZNA - すみれSeptember Love(1997)

59.華原朋美 - save your dream(1997)

60.DA PUMP - Love Is The Final Liberty(1997)

61.ROUAGE - Cry for the moon(1997)

62.Kiroro - 長い間(1998)

63.トーコ - BAD LUCK ON LOVEBLUES ON LIFE〜(1998)

64.浜崎あゆみ - YOU(1998)

65.the brilliant green - There will be love there -愛のある場所-(1998)

66.モーニング娘。 - 例えば(1998)

67.ゆず - いつか(1999)

68.野猿 - Be cool!(1999)

69.タンポポ - たんぽぽ(1999)

70.Cocco - 樹海の糸(1999)

71.倉木麻衣 - Love, Day After Tomorrow(1999)

72.鈴木あみ - Don't need to say good bye(2000)

73.藤井隆 - ナンダカンダ(2000)

74.LOVE PSYCHEDELICO - Your Song(2000)

75.ポルノグラフィティ - ミュージック・アワー(2000)

76.矢井田瞳 - my sweet darlin'(2000)

77.鬼束ちひろ - 眩暈(2001)

78.宇多田ヒカル - DISTANCE(2001)

79.Tommy february6 - EVERYDAY AT THE BUS STOP(2001)

80.藤本美貴 - ロマンティック浮かれモード(2002)

81.ZONE - true blue(2003)

82.玉置成実 - Realize(2003)

83.SOPHIA - 僕はここにいる(2003)

84.SPEED - Be My Love(2003)

85.嵐 - PIKA★★NCHI DOUBLE(2004)

86.YUKI - JOY(2005)

87.YUI - feel my soul(2005)

88.NANA starring MIKA NAKASHIMA - GLAMOROUS SKY(2005)

89.GLAY - つづれ織り〜so far and yet so close〜(2005)

90.Perfume - コンピューターティ(2006)

91.AKB48 - 夕陽を見ているか?(2007)

92.ゴールデンボンバー - 女々しくて(2009)

93.少女時代 - BORN TO BE A LADY(2011)

94.サカナクション - 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』(2011)

95.あいみょん - マリーゴールド(2018)

96.SEVENTEEN - 舞い落ちる花びら (Fallin' Flower)(2020)

97.TWICE - BETTER(2020)

98.TOMORROW X TOGETHER - Force(2021)

99.Mrs.GREEN APPLE - Magic(2023)

100.羊文学 - more than words(2023)

まもって守護月天!を読み終えた その2

https://anond.hatelabo.jp/20240401122022

文字数制限関係で2つに分けています

その2で終わりです。



【第6巻】

この巻では、太助シャオに試練が降りかかる。太助はなんとか突破するのだが、ここでシャオ恋愛感情について○△◇~といった事情で、とてつもない壁があることを思い知る。

でも、シャオも止まってばかりじゃなくて、恋愛感情の生まれかけみたいな想いと向き合って、自分ちょっとずつ変えていこうとする。

シャオリンが新春カルタ取りで一番になれなかった後、山野辺と帰る時のシーン

「あーあちょっと残念だったです」

「ん?」

カルタ大会で一番になりたかたから…」

「なんか叶えてほしい願いでもあんのか?」

「願いっていうかね 神様に許してほしいんです」

「?」

太助様が言ってました 俺に頼れって… だけどね… …不安なの 本当に太助様に頼っていいのかわからいから… 本当に私… 変わっていっていいのかわからいから… 神様に聞いても答えてくれないでしょ だからカルタ大会で一番になって 許してほしいなって思ったんです」

(あちゃ――ウソついてまずかったかな――なんか罪悪感 でも…ま……いっか)

神様は許してるよ シャオは 七梨に頼っていいし変わっていっていいんだ あたしがさっき願っといたからさ シャオの願いが叶いますようにって そんでもって あたしってばカルタ大会で一番になったことなんて 数えきれないほどあるんだぜ!!」

翔子さん…」

(――ありがとう…)


シャオは素直である山野辺の「新春カルタで一番になったら願いが叶う」という嘘を信じて、神社でのカルタ取りに挑戦する。

このあたりからシャオが気になってしょうがなかった。果たしてシャオの心を変えることはできるんだろうか? 実は、そのあたりの伏線は登場している。その原因についての。

もし俺が15才とかだったら、すっかりシャオが大橙好きになっていたと思う。今は40代のおじさんだから、素直に好感が持てるとか、そんな月並みな印象でしかないのだが。いずれにしても、実弟がドはまりした理由がこれでわかった。

この『まもって守護月天!』というのは、絵柄の綺麗さもあるけれども、なにより男女に共感される形で登場人物リアル感情の動きがわかったり、それを具体的な行動に落とすところとか、そういう所作ハイレベルである

現代漫画だと、『鬼滅の刃』とか『恋は雨上がりのように』とか『Vivy』とか『僕の心のヤバイやつ』とか、そういう畢生の作に連なるものがある。



【第7巻】

バレンタインデー舞台だ。リアル増田は、2/14頃にこの日記の初稿に取りかかっている。

え、俺がもらったチョコレート? ……会社若いからひとつもらえたよ。事務のおばさんからひとつ義理チョコだけどな。

ああ、あとは妻からチョコレートをもらえたよ。義理チョコだけどな。

⑦-1ひと悶着ありつつも、河川敷シャオ太助チョコを渡した後のシーン

翔子さんに教えてもらいました今日バレンタインデーっていう日だって…」

「そ…そう」

チョコと一緒に 自分気持ちを伝える日だって……」

(シャ……シャシャシャシャオの………気持ち!?)

太助様」

「ハ…ハイ!!」

気持ちって なんですか?」

(へ………?)

バレンタインデーチョコと一緒に伝える気持ちってなんですか?」

「……………」

気持ちを伝えたい人はいっぱいいちゃダメなの? 一人だけに伝えるの?どうして一人だけなの? 伝えるのどうなるの? 翔子さんに教えてもらったこととか 私の気持ちとか…考えたらよくわからなくなっちゃって… …でもね そのチョコ買ってここに来るまで なんだかそわそわしちゃいました …えっと 太助様 そのチョコ受け取ってもらえますか? まだ気持ちは伝えられないけど…」

「もちろん!」

⑦-2キリュウに不敵な内容の試練をメモ書きで要求し、突破した後のシーン

ちゃんと来れただろ 学校に!」

「…………」

約束だ なんでこんなもの[※メモ]を私に渡したか教えてくれ」

自分で望まなきゃ 試練にならないと思ったんだよ そうでなきゃ与えられた辛いことに耐えてるだけで 越えられないだろ もったいないじゃん せっかく成長できるチャンスなのに いやいや受けてるよりは 試練とだって仲良くした方が効果あると思わないか?」

「…ああ そうかもな…」


リュウというのは、この7巻からの新キャラである。万難地天という、主人に試練を与えるキャラクターである物理的にモノを巨大にできる。やはり、この時代ラブコメ暴力性が強い。ジョジョ5部に出てくるホルマジオの「リトル・フィート」を思い出した。あっちは小さくするんだっけ。

上記の場面で太助は、この試練を利用して力をつけ、シャオとの心の距離を埋めて一緒になることを意図している。



【第8巻】

文学性とでも言おうか。レベルが高い漫画って、文学みたいだよな。

百年の孤独』とか『ライ麦畑でつかまえて』とか『わたしを離さないで』みたいなガッツリしたやつじゃないにしても、キャラと行動が嚙み合っていて、しっくりときて、心にスッと入ってきて、それで自然と涙が出てくる。そんなやつである

この巻あたりからシャオ自身太助に近づこうとしてアプローチをがんばる場面が出てくる。あくまで俺の考え方だが、恋愛って、基本は男性女性にいくものだ。恋愛必要ステップ10あったとすると、そのうち9くらいは男性が引っ張っていく必要がある。

ラブコメ作品では、現実世界よりはるかに――女性恋愛積極的である現実にいたとしたら痴女恋愛ハンターである。そんなレベル恋愛Junky

しかし、シャオリンの場合は、奥ゆかしさがあるというか。最初きっかけはシャオが作ることもあるけど、最後太助バッチリ決めようとする。空振りになることも多いが笑

⑧-1その年の梅雨最初に振った雨が止むまでに誰とも話さなかった二人は……夏に幸せになれるという山野辺の嘘を真に受けたシャオリンが太助と一緒に路上を走っているところ

(――ねぇ翔子さん 私… わがままなのかな ずっと雨止まないでほしいなって 思っちゃうの)

⑧-2太助と一緒に登山中、遭難して夜になり山林で小休止しているシーン

「…俺 もうちょっとまわり見てくるから シャオはそこで待ってな」

「――え… ――太助様… ねぇ離珠 太助様怒っちゃったかな …私守護月天なのに 支天輪忘れてきたなんて言ったから[※太助に嘘をついた] 役立たずだ………って 思われちゃったかな………」

太助様… でもね…私 頼りたかったの ――あなたに…)


シャオは、太助に近づこうとしている。不安げな気持ちが読者に伝わってくる。自分気持ちに向き合おうとする姿が印象的だった。ピュアと言うほかないのだが、大人になって忘れていた感情を思い出した。

ただ、やはり非現実的な描写が目立つ気がする。この回では、乎一郎が山中樹木の上に夜中じゅう放置されて終わりという、トンデモエンドを迎えてしまう。しかも、ルーアンが気が付いたのは次の日の朝という……。



【第9巻】

太助家族の話だ。本来は4人家族で、一緒の家に住んでいるはずなのだが、みな海外に旅に出ている。普段、家には中学2年生の太助しかいない。ラブコメ的な都合にしてもちょっとひどい。

この巻では、太助の母であるさゆりが出てくる。実は、太助が赤子の時に旅に出ているため、彼からすると他人状態である

実際、太助もそんな人間を母と認めるような甘いことはせず、放置気味にさゆりを突き放すのだが、とはいえ母親が恋しい感情もある。そんな葛藤を描いた巻である

太助放置親への感情を整理した後、シャオがその手を握りしめた直後のシーン

「え…?」

(私が ここに来たのは あなたの中にある孤独や寂しさが 私にはよくわかったから あなたのその気持ちが 言葉じゃなく 私の心に 届いたから ――ねえ太助様 大切なのは 話すことじゃなくて お母さんのことを知りたいと思えたその気持ち そのことにどうか気づいてほしいの)

太助様 お話なんてしなくても 伝わることはたくさんあるでしょう?」


母への気持ち。俺個人の話になるが、放置子に近かった。

実の母親実弟ばかり可愛がっていた……まあしょうがない。俺は、小学生の頃から警察補導されてばかりだった。母親が、俺を損切りして弟をかわいがるのは当然だったかもしれない。

大学生になっても、京都祇園木屋町とかの飲み屋街で暴力沙汰を起こして、何度もパトカーに乗せられたよ。俺はそっち側の人間だった。母の判断は正しかったのだ。

ただ、かくいう俺も実弟かわいいとは思っていた。ドジだったけど、優しい気質だった。将来どんな人間になるのか楽しみだった。事故で死んでいなければ、まともな社会人になっていたと思う。「家栽の人」になっていたかもしれない。



【第10巻】

これを含めてあと2巻である

この巻はキリュウが主役だ。7巻から出てきたキリュウだが、俺はこの子が気に入った。シャイキャラで、芯が強いみたいな感じだ。この作品についてはググらないと決めていたのに、この子についてはググってしまった。キャラ人気では相当上位らしい。

第9巻の冒頭にあった人気投票でも、主人公である太助が5位で、キリュウは2位だった。シャオリンが1位を獲得。

⑩キリュウ太助の姉との関係性の悩み(※嫌われるのが当然なのになぜか好かれる)をルーアン相談するシーン

ルーアン殿は自分が変わっていくことについてどう思う シャオ殿が言ってた ここは昔と違うことが多くて自分を変えなきゃいけない シャオ殿は自分を変えたいと思ってる でも変わるのは怖いと言ってた」

「……………」

ルーアン殿は変わったな こうやって私の愚痴を聞いている ルーアン殿は変わるのは怖くないのか?」

「変わるって何? あたしは変わってないわよ 変わるってなんだと思ってるの? 何か今まで気付かなかったことに気付くこと? あたしはここに来ていろんなことに気付いたけど 変わったなんて思わないわよ? 変わったんじゃなくて… 知る暇もなかった知らないことに 気づける余裕が出来ただけ」

「……………」

ルーアン殿の言う通り 「変わること」が「気付くこと」なら 私はもう気付いてる ここには今まで感じたことのない 優しさがあって安らぎがあって 悲しくなる程の幸せがある でも…だから私は そのことに気付かない振りをしてるのに…)


作者はラストシーン意識している? と思った。

この巻では、登場人物それぞれの悩みをガッツリ表現している。キリュウは、「ご主人に試練を与える」という性質上、主やその家族必然嫌われることになる。ずっとそうだったのだが、ここは現代社会である。昔に比べると価値観が相当異なる。そんな中で、彼女らも『気付いて』変わっていかないといけない、というのが上記の会話のテーマである

リュウは、幸せになることを受け入れたくない、変わりたくないと思っている。だが、ラストでそれに向き合おうという気持ちに変化している。

キャラの心情を精緻に描いている作品は少ない。物語作ってるプロの人ってさ、やっぱりこれくらい悩むものなのだろうか。自分分身であるキャラそれぞれの心持ちについて、本気で考えてるんだろうな。きっと。



11巻】

この巻で終わりである。実は当初、全11巻で一応の完結が見られると思っていた。そんなことはぜんぜんなかった。

この巻では、10からの一連の流れで、キリュウがこれまでと趣向を変えた試練を太助に与えている。シャオが○○して、これはもうダメかも……と思わされるのだが、太助がその試練を乗り越えて、シャオ対話をして、心で向き合うことができて、今後にご期待ください~といった具合で11巻は終わる。

どこかを引用しようと思ったが、やめておこう。もしかしたら、まもって守護月天!大事な思い出になっている増田読者の方で、電子書籍で読んでみたいという人がいるかもしれない。うん、きっとそれがいい。

代わりに、カバー裏にあった桜野みねね先生によるおまけコーナーを紹介したい。

巻の⑪です――。

 ここらでここに描くものちょっと変えたいなーってことで今回は、

ルーアンコスチュームシャオ!!です。

 前回までやってた「のたもーた」とかは、まだやってないキャラもいるので、そのうちまたやろうかな、と思っているわけなのです。

 ではまた12巻で~~。 みねね

コミックス裏面カバー下に「ルーアンコスチュームシャオ」のイラストあり。

イラストURL

https://tadaup.jp/4232fa2b.jpg


これで最後だ。

弟なんだけどさ、交通事故病院に入ってからは大変だった。自転車で走っている最中、真後ろからトラックにぶつけられたのだ。それで轢かれたらしい。外傷だけじゃなく内臓もやられていた。苦しんでいる姿がストレートに目に入ってきた。

それでも、お見舞いに行く度に、病室には守護月天漫画が置いてあってさ。何度も繰り返し読んでたんだろうなって。

今、俺が手に取っているのはまさにそれである。本自体、相当なダメージを受けている。何回読み返したんだろう。弟は、セリフの細かい字面とか、…の数も気にして読むタイプ人間だった。漢字で書ける台詞ひらがなになってるとかも。

ただ、何度繰り返し読んだとしても、この作品であれば楽しめたのではないか



桜野みねね 様

日記をご覧になる機会はないとは存じますが、このようなメッセージを失礼いたします。

桜野先生作品を読ませていただき家族について考える機会をいただき感謝でいっぱいです。

実弟も、病院の中で苦しんで逝ったとは思います。でも、弟は先生作品出会いました。痛みや苦しみの中でも、僅かばかりの楽しい時間を過ごすことができました。

一人の読者の家族として、重ねて感謝いたします。『まもって守護月天!』という作品を世に産みだしてくださり、誠にありがとうございました。

令和6年3月16日

2024-03-27

anond:20240327120624

正直好みもありそう

俺は翻訳モノは必要以上に難解にとらえられてると思ってるし、テキストいじりだけが文学ではないとも思う

ホームレスという外来語ではなくそれを表す日本語はないのか?

・家なき者 ←なんて明治翻訳文学だよ

大伴家持「じゃないほう」 ←いつのはなしをしてんねんな

・無宿者 ←西部劇か!

2024-03-26

最近書き始めた日記と、本人には見せない感謝言葉

近頃、日記を書くことの効用が分かってきたような気がする。

文章を読むことは他ならぬ知識の蓄積であるしかしながら、脳裏に浮かんだ取り止めのないことも形として残さなければ、それはただ消えゆくのみである

書けば文学、書かねば妄想。誰が言った言葉かも覚えがないが、実に的確なように思う。

怠惰で自堕落、そして堪え性のない私のことだから明日日記を書かないのかもしれない。

習慣化は難しいことで、習慣化してしまうことによって失われるものもきっとある

自分の思ったことをただ文章に書き連ねていると、それによって分かってくることもある。

書くべきか書かぬべきか。それすらも文字として並べていく。

兼好法師徒然草執筆過程がふと浮かんでくるようだ。

データは何年も残らない。

それでも日記を書くことにどれだけの意味があるのかと思う。

自己満足とはなんなのか、追い詰められた人間の搾り滓が文章なのか。

生きるというのは畢竟、苦に満ちたこである

その心の気休めとして書く文章に、私だけは誰よりも価値見出したい。

文章を書くことが、何よりも真摯に己に向き合うことだと信じて。

この余白の片隅から、誰にも見せない日記、その一節だとしても。

何も出来ない人間なりに、栄えある先達をささやかに見送らせて頂く。

敬愛すべき先輩方に心から感謝を捧げます

社会に正当に向かい合い、戦い続ける方々に、この上ない賛辞を込めて。

ありがとうございました。あなたと過ごした日々が、私の人生で最も価値のある時間でした。

2024-03-24

ITの次にくるもの

なんだろうか

ITの先にあるもの

文学とか哲学とかなんだろうか

anond:20240324172601

そもそも、本当に「王道なのはハイカルチャー系の文学美術伝統を受け継ぐような作品のことだよね

少年ジャンプに載るようなバトル漫画は「王道」ではなく、ここ数十年くらいでぽっと出できたサブカルに過ぎない

文学ってのは古来より金のあるやつがやるもの

対して、絵は金のないやつもやる

2024-03-23

大学へ行くということ

4月から大学生になる親戚の子に寄せて。

自分大学生になるまで、「印刷物ではない油絵」を見たことがなかった。

自分北関東山里出身だ。最寄りの駅まで車で30分、まともな蔵書のある図書館は近隣の市まで行かなければなく、一番近い美術館がどこにあるのか未だに知らない。そういう場所で生まれ育った。

両親は芸術にまるで興味がない人だった。

高校生の頃、美術の授業で油絵を描く機会があった。

水彩画のような塗りしかできない自分教師は「もっと絵に絵の具を乗せて」と言った。

しかし、当時の自分は何を言われているのか理解できなかった。

油絵というものを見たことがなかったからだ。

今思えば、当時は教科書や本に載っている絵が油絵なのか水彩画なのかさえ気にしたことがなかった。

時が経ち、自分都内大学に進学した。

大学には、それなりの家庭水準で育った人が多かった。周りは皆幼い頃から音楽美術文学に慣れ親しんだ人ばかりだった。

そして、なんといっても都内はあちこち美術館がある。

先輩や同期に連れられ、自分美術館へ足を運んだ。

そこで初めて油絵を見て、「美術先生が言っていた油絵とはこういうものだったのか」と実感した。

歴史教科書の絵も、偉人肖像画も、油絵だったということを大学生にして初めて知った。

もし地元で生涯を終えていたならば、自分油絵がどんなものかを知ることはなかっただろう。

美術だけではない。音楽にしても、文学にしてもそうだ。

様々な芸術を見聞きし知った今、それらに出会わない人生が「自分人生であったかもしれない」と思うと、ときどき空恐ろしい気持ちになる。

学歴にこだわるような年齢ではなくなった今も、自分大学へ行って良かったと心の底から思える。

志望した大学でなくとも、名のある大学でなくとも、人生を豊かにする学びをひとつでも得られたならば、大学へ行く価値はある。

卒業、おめでとう。これから始まる新生活を、どうかのびのびと楽しんで欲しい。

2024-03-21

anond:20240321052857

才能の民主化 以外の表現はありますか?

ChatGPT

才能の民主化以外にも、AIによって特定スキル能力が広く一般アクセス可能になる現象を表すいくつかの表現があります。ここでいくつかの代替表現を紹介します:

1. スキルの普及(Skill Diffusion):

この表現は、特定スキルセットが特定グループ個人に限られていたのが、AI技術のおかげで広範囲にわたる人々に広がっていく様子を指します。

2. 能力平等化(Capability Equalization):

こちらは、AI提供するツールサービスが、さまざまな能力スキルに対するアクセス平等を促進することを強調しています。これにより、誰もが高度なスキルを身につける機会を得られるようになります

3. 創造性のアクセス拡大(Creativity Access Expansion):

AIツールデザイン音楽文学などの創造的な活動において、専門知識必要としない方法で広範囲の人々に利用可能になることを指します。この表現は、創造的な表現の機会がより多くの人に開かれていることを示します。

4. 技術エンパワーメント(Technological Empowerment):

AIを含む先進技術が人々に力を与え、以前は不可能だったことを可能にするプロセスを指します。これは、個人自身能力拡張し、新たな可能性を探求する手段としての技術役割を強調しています

5. イノベーション普遍化(Universalization of Innovation):

AIイノベーション創造的な思考を促進し、これまで専門家特定の才能を持つ人に限定されていたイノベーションプロセス一般大衆に開放している現象を指します。

これらの表現は、AIいか社会におけるスキル能力創造性に関する障壁を低減し、より包括的平等アクセス提供しているかを様々な観点から捉えています

2024-03-17

anond:20240317050530

とか言ってるコイツ文学映像学の権威でもなんでもないただの鬱陶しい素人ジジイからなあ

2024-03-15

× 文学は役に立たない

文芸書物学問有用だが文系から出てくる社会人が総じてクソ

2024-03-13

anond:20240313142527

さっきTwitterで流れてきて読んだが読んだ上で要らねぇって思うわ。

"特に古典必須としているのは、日本文化歴史的形成への自覚を促し、真の教養を涵養するには古典が不可欠であると考えるからです。"

と書かれてるけど、

"日本文化歴史的形成への自覚"?”真の教養”の意味定義不明だし古典文学読んでそれらが達成される理路の説明もない。

これが解答になってると思ってるなら権威を使った詐欺に騙される才能あるから気をつけた方がいいで。

anond:20240312204312

悪魔のメムメムちゃん(2016)

めんつゆひとり飯(2016)

名探偵コナン 犯人の犯沢さん(2017)

トマトプーリコピン(2017)

スナックバス江(2017)

ぼっち・ざ・ろっく!(2017)

主夫道(2018)

姫様“拷問”の時間です(2019)

無能の鷹(2019)

しかのこのこのここしたんたん(2019)

君のことが大大大大大好きな100人彼女(2019)

僕とロボコ(2020)

ぷにるはかわいいスライム(2022)

ベイビーブルーパー(2022)

漫古☆知新-バカでも読める古典文学-(2022)

ヤニねこ(2023)

サウナウォーズ(2023)

接客無双(2023)

きゃたぴランド(2023)

ハンサムマストダイ(2023)

サチ録~サチの黙示録~(2023)

ウマ娘 ピスピス☆スピスピ ゴルシちゃん (2023)

超巡!超条先輩(2024)

2024-03-11

anond:20240311200541

分かったよ。

これから金持ちっぽさは表に出さず、弱者男性キャラ作りに徹するわ。

オレの手は弱者男性文学を生み出すためにある!

マンガアニメ弾圧オタク差別の話はもういいって…

いじめられっ子オッサンいじめニュース警察が介入しろとか死刑しろとか喚いてる感じ

コンプレックス爆発がミジメすぎてハズいわ

最初否定されたのは文学ロックだって同じだし、娯楽ってそういうもんだろ

2024-03-09

anond:20240309003758

選手生命おわっても長生きするからだろ

漫画家漫画家生命より人体生命のほうが短いからあげる暇もなく、なくなっちゃう 残念だ

ノーベル賞理系)はこの2つの中間で一番わりにあわないがな。

若い頃の業績が社会に伝播し定評ができた老齢まで生き延びた学者だけノーベルプライズがもらえるんだけど

たいていもう3周おくれくらいの技術になってて

今どきの受賞学者さんは「オレはもういいか若いヒトの育成につかわせたって」っていって寄付したりするんよね

政治文学はしらん。

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