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はてなキーワード: 政府支出とは

2024-05-01

anond:20240501030458

ちゃんと会員登録して全文読んだぞ。

この記事を読む限りでは従来の人間税金政府支出の財源だと認識してるのに対して、

MMTはいわゆるスペンディングファースト国家通貨発行主体であり、税金とは政府が発行して民間支出した通貨を回収しているだけである)の立場にあるので

まりは同じものに対して異なった認識解釈をしているために話が噛み合わない、という話でMMTが間違ってるという話ではないね(私が貼った別の記事趣旨としては同様)。

*その国の通貨日本銀行券等)は中央銀行負債であるので、統合政府で見たら税金政府自分で発行した負債を回収してるために会計的にはその負債、つまり通貨消滅するので

やはりMMT的な解釈の方が正しいように思う。

2024-04-14

anond:20240414160207

トリクルダウン理論とは「富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される」と主張する経済理論

から政府支出を増やし、その金が回ることによって経済活性化」が詐欺とは言い切れない

増やした政府支出殆どが富裕者に吸収される場合トリクルダウンと同様に詐欺と言っていい

anond:20240414155130

トリクルダウン詐欺なら、「政府支出を増やし、その金が回ることによって経済活性化」も詐欺だよね

2024-03-19

[] 株価変動理由説明は後知恵バイアスがかかる

政府支出が増加し、マネーサプライが増加し、インフレになる、といったことは予測可能事象である

ところが株をどう購入するかという戦略はそれほど予測可能ではないので、特定事象と合わせて後知恵で説明される

日銀マイナス金利解除すると発表し、株価が下落」と言うこともあれば、「日銀マイナス金利解除すると発表し、株価が上昇」と言うこともある

株価説明は大体が後知恵なので、膨大な特徴量を用意して予測させない限り「上がる下がる」の予測はできないと考えたほうが良い

そして仮に上がる下がるを予測できたとしても、多く見積もって50%±5ぐらいの範囲と考えておいたほうが良い

2024-03-15

岸田よりBingちゃんが「税収」の意味を教えてくれる

納税は、その文字通り、税金を納めることを指します。日本国憲法第30条によれば、国民法律の定めるところにより、納税の義務を負いますしかし、この納税意味は、一般的理解とは異なる側面があります

ミクロ視点マクロ視点を考えてみましょう。多くの人々は、税金国税)が国家予算の財源であると考えていますが、実際にはそうではありません。以下で詳しく説明します。

ミクロ視点:

ミクロ視点では、個人家計企業会計場合収入が増えればオカネは増え、支出が増えればオカネは減ります。この原則は、我々が日常的に経験しているものであり、当然のことと思っています

しかし、税収はミクロ場合とは異なります。税収が増えると、市中から貨幣政府によって回収されてしまい、市中の貨幣は減少します。

マクロ視点:

マクロ視点では、税収が増えると、政府から公共事業への支払額として市中に貨幣供給されます。つまり政府支出が増えると市中の貨幣は増加します。

一方、税収が増えると、市中に流通している貨幣は減少します。これは、ミクロ場合とは逆の関係です。

結論:

税収は、国家予算の財源ではないだけでなく、何の財源でもないのです。税金は、通貨の回収という側面を持ちますが、それが国家予算の財源であるわけではありません。

税金存在は、貨幣を獲得・保有するインセンティブ国民に与えます国民は、納税使用できる貨幣を持っている方が得であると感じるため、納税に対する動機が生まれます

総括すると、納税通貨の回収であると同時に、国家予算の財源ではないことを理解しておくべきです。123

詳細情報

1 eonet.ne.jp

2 gentosha-go.com

3 advisors-freee.jp

https://sl.bing.net/d7BMSSC3XFY

2024-03-06

anond:20240306200723

株高の方はまだ調査していませんが、円安の方は一定知識があります

まずコロナ禍において「政府支出を緊急財政出動で増やした」ということが各国に共通しています

これにより貨幣供給量が増加し、貨幣価値が低下し、各国でインフレが起きました。

しかアメリカ金利上昇という政策をとるなど、インフレ対処してきました。結果的に、アメリカについてインフレ悪化は深刻化しませんでした。

一方、日本は「賃上げによる物価転嫁」「膨大な政府支出」をはじめとして、インフレを許容する方向になっています

故に、貨幣供給量が増加し、円の価値は低下し、アメリカ相対的に見れば円安になっているのではないでしょうか。

もちろん、当初説明されていた「ウクライナ危機における、石油価格」も物価上昇に関連する可能性はありますが、それよりもコロナ禍の緊急財政出動の方が効果は大きかったのではないでしょうか。

2024-03-01

anond:20240301234925

単に仮説なので事前のエビデンスはない。

普段ニュースソースロイターフォーブスウォール・ストリートジャーナルあたり。

なぜそういう仮説をもったかというと、「インフレ」というものに対するアメリカとの温度差。

アメリカインフレ対策金利を上げているときに、日本政府支出を減らさなかったり賃上げしたりしてるから

まあ事前のエビデンスがあったらHARKingだと思うが。

2023-12-18

anond:20231218190437

日本の科学研究の実力が急速に低下している 政府支出を評価する「独立財政機関」の設置を | 若者のための経済学 | 東洋経済オンライン

2017年度版の「科学技術白書」(6月2日政府閣議決定)によると、主要な科学論文誌に発表された論文のうち、引用された件数の多い論文の国別順位で、日本はこの10年間で4位から10位に下がっており、基礎研究力の低下が著しいと指摘されている。

この要因について『ネイチャー』は「(科学分野における地位の)全般的な低下傾向により、日本若い研究者たちは厳しい状況に直面しており、フルタイムで働けるポジションも少なくなっています日本政府研究開発支出額は、世界で依然としてトップクラスであるものの、2001年以降ほぼ横ばいです。一方で、ドイツ中国韓国など他の国々は研究開発への支出を大幅に増やしています」と指摘。

日本科学技術関係費における基礎研究比率が高い。しかし、政府部門支出割合は低下しているため、本来であれば官主導で行う必要がある各種基礎研究民間部門依存していることになる。

2023-11-06

anond:20231106130652

結局は政府支出やすには財源が必要になるし増税への追い風になるんだよな

国立科学博物館クラウドファンディングへの批判について

国立科学博物館(科博)がクラウドファンディングした件について、「本来税金から出すべきだ!!」などとの批判が強い。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.sankei.com/article/20231105-YVMHEHQHQVKOPPDF7YG5LYJGC4/https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20230807/k10014155491000.htmlhttps://b.hatena.ne.jp/entry/s/www3.nhk.or.jp/news/html/20230808/k10014157121000.html

そこで、世界代表するスミソニアン博物館大英博物館予算を調べてみた。

スミソニアン博物館

スミソニアン博物館運営するスミソニアン機構予算は、政府から7割弱、自前(寄付運用等)で3割強の構成となっている。

年間予算は1800億円程度だが、スミソニアン機構には50以上の機関所属しているので額の比較は行いにくい。なお、入場料は無料である

ちなみにベゾス(アマゾン創業者から200億円以上の寄付があったりと不定期に大口寄付もある。

大英博物館

大英博物館予算は、政府から6割、自前で4割の構成となっている。

年間予算は100億円程度。なお、入場料は無料である

国立科学博物館

国立科学博物館予算は、政府から8割、自前(主に入場料。その他寄付等)で2割の構成となっている。

年間予算は40億円弱。

まとめ

今回調べてみて、単純に国が悪者というのは不適切に思えた。

おそらく政府立場からすると、

「各国の博物館くらいには寄付を募るなり稼ぐ(入場料や運用)なりしろ

となるだろうし、政府支出の絶対額が少なすぎると言う人は

寄付が少ないのは事実だがそもそも政府支出も少なすぎる」

となるだろう。どっちの言い分にも理がありそうだ。

2023-10-31

anond:20231031101203

何の話?政府支出の話がなんで急に投資リターンの話になってるんや。

anond:20231031081653

じゃあ政府支出減らさなかったらGAFAMやTMSCみたいな企業日本にできてたと?

anond:20231031080229

業界会社単位での失敗はあるだろうがマクロ日本全体で見た場合経済政策が影響しないわけないないじゃん。

社会保険料やら消費税やらの増税による可処分所得の低下、日銀金融引き締めによる金利上昇、97年まで政府支出増加させてそのころは成長していたがそれ以降は緊縮財政ほとんど政府支出増やさなくなってんだから実質的に数兆円単位需要を減少させたりしてるのが経済に影響しないわけないやん。

2023-10-07

anond:20231007102523

今年生産される600のGDPを全部使えるのであれば、その一部は投資されて翌年以降の生産を増やしているわけ。

仮に150の投資で2%成長しているなら、逆に言えば、150の投資が無ければ2%の成長はできないの。

600のうち30を別のことに使わなければならないなら、消費なり輸出なりその他の政府支出なりも削るだろうけど、投資も直接削られるでしょう。

仮に直接は削らなくても、消費なり輸出なりその他の政府支出なりが削られれば、当然、それらを見込んでいた分の投資が間接的に削られる。

いずれにせよ、30使うことによってGDPの成長率は下がり、つまり、翌年のGDPは減少し、したがって、翌年の投資は今年30を使わなかった場合よりも減少するので、翌翌年のGDPさらに減少する。

なお、翌年にも30使うなら、それは上述の効果とは別に生じる。

2023-09-25

財務省がタダで減税するわけがない

財務省ポチの岸田政権といえど最近支持率低空飛行状態は厳しいらしく

いよいよ庶民のご機嫌とりで減税を行わざるを得ない雰囲気が出てきた

野党経済政策も主流は減税となり、税収増と円安による為替益で減税できない言い訳も無くなってきていよいよ減税への世論圧力は高まっている

しかしそこは減税したら死ぬ財務省、たとえ減税が実施されてもただで転ぶはずがない

どこかで必ず帳尻を合わせてくるはずだ

具体的には減税で税収を減らす代わりに政府支出を減らしてプラマイゼロを狙ってくるだろう

特に狙いやすいところは高齢者向けの社会保障費や医療費

増えすぎた年寄り若者搾取しているというイメージを利用して、高齢者向けの支出カットすることで政府の損失を少なくしようとするだろう

2023-09-15

[]Twitterアカウント作った

経済ニュースに感度を持つために、分析専用のTwitterアカウント作りました

分析」と言うのだからブログを作ろうかということも悩んでいますが、ブログはあまり長く続いたことがありません(プログラミングブログは4年ほど続きましたが)。

例えばインフレがなぜ起ったのか。原油高だけではなく、コロナ禍で各国が政府支出を拡大したことも要因と考えています

原油不動産インフレ経済爆弾は色々とありますが、建設的な分析ができるように日頃から勉強をしておきたいと思います

2023-08-31

天才的な減税案思いついちまった

ドイツ経済対策で数年かけて5兆円分減税するらしい

日本では財務省が幅を利かせているせいか、減税したら負け、絶対に減税だけはやってはならんって雰囲気だよな

補助金や貸付金でお茶を濁すのがせいぜいだ

そこで天才的な解決方法を思いついた

消費を刺激しつつ、政府支出を抑えて財務省もニッコリのwinwinな作戦

ランダム会計時の支払いを100%控除にすれば良い

速い話が時々タダになる会計金額ガチャをやればいい

予め予算を決めてその額以上は当たりが出ないようにすれば良い

paypay最初キャッシュバックキャンペーンの仕組みを国全体で実施するのだ

こうすれば庶民はたまには当たりでタダになるかもと積極的に消費するようになり景気刺激効果があるし、

財務省も減税しなくて良い上に予算自分たちコントロールできる

全方位良しの完璧作戦

見てるかキッシー、お前が復活するにはこの作戦しかない

2023-08-16

anond:20230812172010

GDPで見るのは間違っている

あれはエレクトロニクス化以前まで有用だった指標特に今の日本に置いては実態乖離がしすぎる指標に成り下がってる

なぜならば一切生産をしない派遣中抜きたちの売上すら組み込まれているし何より計算式を見れば自明だが政府支出っていう水増し可能変数存在してる

そもそも日本消費税は売上税であり海外消費税付加価値税的な性質が強い

2023-07-30

anond:20230730224613

少子高齢化の桁が違う

GDPに占める若年層への政府支出の額が2~3倍違う

老害にとっては耳が痛いだろうけど少子高齢化経済面では百害あって一利なし

2023-07-25

[] GDPとは?

GDP指標にすることが資源枯渇などの問題を引き起こすとは言われるが、まずはGDPがなんなのかよくわかっていなければ話にならない。

GDP = C + I + G + Ex - Im

とよく表される。マクロ経済学では統計的にこれらを計算するが、Cは消費、Iは投資、Gは政府支出Exは輸出、Imは輸入である

三面等価原則とは、生産、分配、支出三面いずれからみても国内総生産GDP)は同値になるということだ。つまりGDP支出としてみたとき、その量が増えているなら、生産、分配の量も等しく増えている。

ただし経済の実質値は、物価で割ったものであるため、名目GDPと実質GDP区別する必要がある。

さら国民幸福分析するときは、特に「一人あたりの実質GDP」という値を使うことが多く、中国はこの値が低い。

GDPのこの式だけだとざっくりしすぎなので、消費関数投資関数といって、より詳細な式を考えて分析を行うことができる。

例えば「消費は所得に応じて増加するだろう」と予想できるため、所得関数としてモデル化できる。

C = a + bY

Y: 可処分所得

b: 限界消費性向 (1単位所得が増えたときの消費の増加)

a: 基礎消費

これをケインズ型消費関数という。しかモデルの例でしかなく、より厳密にやろうと思うなら、貯蓄や予算制約を考慮する必要がある。

同様に、企業などの視点から見れば投資関数を考えることができるし、政府視点から見れば政府支出の項目を算出できる。

増税を行えば可処分所得が低下する一方で、政府支出が増加するが、限界消費性向の値により、増税することがGDPの増加を抑制する可能性がある。

貿易について考えるなら、一見するとExばかりを増やせば良いように思うが、海外製品がより安い場合Imを増やすことによって総余剰(豊かさの一つ)が増える。

各国政府関税をかけ、保護貿易を行うと、産業を守れる可能性はあるが、数値的に見ると総余剰は減る。これは余剰分析という。

2023-05-02

anond:20230502080245

資金循環にとって「資金調達して支出する(投資)」の及ぼす影響が大きく投資の量の調整のために金利を操縦するんだよ。

MMTも「現代において通貨自体政府負債自国通貨建て国債財政破綻しない。外貨借金財政破綻否定していない。」までは言えるけど、国債廃止だとか、金利制御廃止はだいぶ怪しいな。そもそも誰が言ってんのそれ。MMTの笠をかぶって好きかって言ってるだけじゃないの?

それから格差の拡大防止は、累進課税労働需要大による賃金待遇上昇が第一でしょ。MMTでどうやって格差是正するの。JGPは、最低保護以上の支出は期待できないぞ。賃金根拠がないし、政府支出はやはり減らせるものなら減らしてできるだけ多くの事業をしたほうが良いからな。

2023-04-20

anond:20230420100305

政府支出について血税って言ってるから緊縮になるんだよなあ。

2022-12-16

経済のこと考えると、ネット政治絡みするより、国内研究国内商品紹介がメインになった方がマシでは

大手メディア政治チェックをするという目的で、今のままでいい。

日本経済については、政府支出増やせばというが、パイやすだけの力はない。

好景気の時に税収が増え、不景気の時のショックを税金使って和らげるくらいしか力ない。

それに国が産業を引っ張ろうとすると、多くの人は失敗すると批判するだろうし、不正も起こる。


ネット場合大手メディア拡散しているだけで、チェックしていない。


代わりに国内研究内容や、国内商品特にBtoBが増えた方がいいと思うんだよな。

2022-11-11

北千住商店街を抜けた先にある荒川にはきっと大切なものが詰まっている。

デービッド・アトキンソンがいうには、1990年から2021年までに生産性年齢人口(16−64歳)が1299万人も減っているらしい。高齢者は2141万人も増えている。人口動態によって、社会保険料消費税も増えて、移転政府支出が増えている。そんなツイートをみて僕は「どうすんだよこの社会・・・」とつぶやいた。


どうすんだよこの社会


「おれはさ、どんなに社会がクソだったり、自分の身の置かれている環境がどうしようもなかったり、システムによってどんな不利益が被られようと、そういったことを理由に行動をせずに批判者側に回るっていうのが一番嫌いなんだ」

Kは黙って聞いている。きっとこのクソムカつくどうしようもない共感性皆無男をどうにかして言いくるめてやろうと思っているのだ。

「それでさ、どうするわけ?大事なのはその置かれた状況を出発点にどんな一歩目を進めるかじゃん」

あなたって本当に、なんてことを言ってくるんだろうね。むかつく」

「おれがそれを言って嫌われるかもしれない可能性は、そいつにいったときそいつ人生好転するかもしれない可能性とは関係がないからな」

人はみんな弱い。日本人とかじゃなく、人類全体で弱いのだ。30年間も生きてきて、ようやっと肌で理解してきた。

おそらく自分雇用者側に回ったからだろう。その人間の本性を前提にシステムは構築されなければならないのだ。

自分はそれをものすごく憎んでいる。いや、憎んでいた。正確に言えば、昔はそういった理不尽な抑圧がものすごく窮屈で、どうにかなりそうだった。

なぜだか知らないけど、自分は昔からずっとそうだ。そういう人間として生まれ育った。

でも今は違う。それは社会として必然的存在しているものだ。それを自分体感してしまった。


エリート女性システムに抑圧されるのは、女性全体の勤労意欲が低いからだ。きみがどんなに自分のことを才女だと思ったとしても、それを証明する方法が他になければ、面接の時に語り得るものなんて雇用者側は信用することなんかできやしない。どうせ好きな人ができて、その人と結婚したら、すぐに子供を作って辞めていくんだろうって。そう思われている。きみがどうかは重要じゃない。問題は、社会がずっとそのように回ってきたということなんだ」

「だけどそれは間違っている。社会女性の機会均等を実現すべきだし、資本体力のある会社だったらそれを実現できるはずでしょう?」


「なんで?会社が何十年と高い法人税を払いながら貯めてきた内部留保を、なぜ利益がでるかどうかもわからないもののために使わないといけないの?そしてなんでそのような貯金が当然の権利として自分提供されると思っていて、そうしない社会が間違っていると思っているの?」

「そんなの綺麗事だよ」

「そうかなぁ。極めて現実的なことしか言ってないけど」






理想というのは脆いものだ。僕は理想論者だ。正真正銘の。正真正銘すぎて理想同化しているかもしれない。

それほどの理想論者がいうことが極めて現実に即したものになるなんて、だいぶ皮肉の利いた人生だと思う。

「でもね、なんであなたがそれを言ってくるのかをよくよく考えてみると、あなたになにか得になることがないっていうのがわかってくるのよ。そういう意味で、稀有存在よね

あなたって。どうしてそんなことをしているの?」


Kは自分LOVE輪廻を回したいんだと言った。僕は「自分もそれをやっているつもりなんだ」と言った。

「誰かにもらった恩を、別の誰かに与えたい」 それ自体は物凄い誇大な理想論かもしれない。








Kの彼氏は1年前に死んだ。自殺だった。

正確にいうと、元彼氏だ。別れた後に、いろんなことが重なったのだという。

彼氏理想論者だったそうだ。とてつもない理想論者だったのだろう。きっと、世の中に蔓延する悪意や、欲望を受け止めきれなかったんだと思う。

高尚な理想を掲げることは、現代ではとても難しい。







僕たちは北千住にいた。ずっと北千住にいた。Kと出会ったのも北千住だった。

ずっと仲が良かったわけではないが、期間だけで見ると長い付き合いとなる。僕がまだサラリーマンの時だった。

「まだ学生だった頃からすると、だいぶ、変わったね」

「それって、いい意味よね?」

「もちろん。ふわふわした足が、ちゃんと地についてる」










僕たちはよく荒川に行った。深夜の荒川は静かだった。

河川敷ほとりで缶チューハイを飲む。

「この広い空に包まれているせいで、きっと気が大きくなっちゃったのよ。こんなこと言うつもりなんてなかったのに」



Kはそう言って泣きながら笑っていた。




今日は月がすごく明るいから、だいぶ遠くまで見通せたのかもしれないね



僕は橙色のランプが等間隔で並ぶ夜の首都高が魅せるトラックの明かりをぼんやりと眺めているのが好きだった。

それは北千住に住む僕にとって、今日の星空と同じくらい、大切なものだった。

僕がKにプライベートのことを聞くと、Kは仕事に集中するんだって言った。

Kはなにか煮え切らぬ様子で僕に話を聞いて欲しそうだった。2件目に行けるような時間だったから、「もう少し話していく?」と聞いて、

それでいつものように荒川まで歩いていった。


前の彼氏の話を聞くと、Kは「うーんそれは言えない」と言った。

言えないんだったら話さなくていいし、きっといろんなことがあったんだと思う。


そうして1分くらいぼんやりしながら、Kは「まだ自分の中で整理がついていないのよ。この感じをどう処理したらいいのかわからなくて」と言った。



「なにやら元カレが死んじゃったような心残りだね」



「死んじゃったのよ」

Kは言った。










彼氏はとても誠実な人だった。不誠実なことは許せない。浮気や、不倫だとか、そういうものに自ら手を染めるようなことはしないんだって

相手に対してそんなことがあるかもしれないだなんて想像もしないほど実直な人だったのだと言う。

一社目に入った会社を辞めて転職した会社ちょっとブラックみたいなところでね、自分と別れたタイミングっていうのもあったのか、いろんなことが重なって、それでかな。

実家のお母さんから電話がかかってきたとき、私は会社にいたんだけど、気が動転していてね、私の様子を見兼ねて先輩がタクシーGOで呼んでくれて、それで帰ったの。

から私のお母さんも私がぐちゃぐちゃになっていたことを知ってるし、私その時子供ときのように泣きじゃくってた。葬式はもう済ましているって向こうのお母さんは言ってた。カレが亡くなってから3日後くらいに連絡がきたから。それで、東京にいるカレの友達に連絡をして欲しいって。ひどくない?それを私に頼むのよ。

でもね、私よくわからないの。何だろう、栃木実家に行くなんて、いまだにできてない。だって、なんかそれをしちゃったら、もう二度と戻ってこないような気がするでしょう?もし、私が会いに行かなかったら、まだカレは生きているのかもしれないって。確かに私は人の死に携わることが多かったけど、葬式が残された人たちのためにあるんだってこと、いまだったらすごくわかる。



僕は煌々と輝く月を見上げてから、その隣にある星に向かって念じるように言った。

「行こう。絶対行こう」



だよね。いかないとだよね。



絶対に行きなよ」



「あとね、一つ、言えることがあるとしたら。俺の姉も、当時付き合っていた彼氏を亡くしたことがあるんだ。

からKに言えることは」



その経験は必ず乗り越えられる人にしか訪れない。




僕は「絶対に生きなよ」と言った。生きるしかないんだよ。どんなに絶望の淵に立たされたって、残された側は後を追うことができないんだ。

だって、それは、負けたことになるじゃん。相手に。ずるいよね。ムカつくよね。自分勝手だよね。



「私もね、最初に聞かされた時、なにかずるいってきもちが片隅にずっとあった。何だろうね、ずるいよね。卑怯よね。ムカつくよね」




「わかんないけどさ、Kちゃん応援してるから、どうにかしなよ」



「なにそれ笑雇ってくれるってこと?笑」



「それもありなのかな笑」



「800万円で、秘書!とかどう?」



たかいなあ笑」










僕たちが今経験していることは、必ず乗り越えられるものなんだと思う。

認識できるものしか経験できるものはない。僕は、Kにとって4人目の人間だった。

幸か不幸か、僕はKの背負っているものを一緒に背負うことになった。

「こんな話を聞かせてもらえるなんて、俺の人生って素晴らしいなぁ」と僕は言った。


僕はきっと他の人よりも背負うものが多く生まれてきた。

から、僕は自分にできることを増やさないといけないと思う。


商店街を抜けて駅に向かう前に僕はKの腕を引っ張って、力一杯抱きしめた。

そこに純粋気持ちしか込められていないことを理解したKがいることがわかった。


「本当、あなたって、稀有存在よね」


「泣かせることにかけてはベテランからね、よくも悪くも」



「悪い方がほとんどでしょうね」









理想現実があることを理解している。理想現実は明確に区別されるものでなく、現実の一部として理想存在していることを理解している。

僕は極めて現実的立場から理想のためにできる一歩目を進めている。その区別ができなくなってしまった先に死が存在していることを理解している。

僕は生きるために、現実理想を分けて考えるようになった人間だった。この社会の答えを生み出すために。





改札に上がる東口エスカレーターの前でKはじゃあねと言った。

僕は言った「頑張ってね」



「あのさ、きょーこちゃん。とにかく、頑張ってね」



僕は静かに笑った。



Kはエスカレーターを登っていった。


僕はそっと歩き出した。

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