はてなキーワード: 引く手数多とは
多分他人からしたらめちゃくちゃ些細なことだろうが、家の食器が全てプラスチック製なのが気持ち悪い。
安くて軽く、割れることもないので雑に使える
でも考えても見て欲しい。ペラペラのプラ皿でカレーを食べる気持ちを。味気なさすぎる。子供会の催しかと突っ込みたくなる。小さい食器棚にスタックされた皿々のみすぼらしさと言ったらない。料理は好きでよくするが、プラ皿に盛り付けるのではテンションが上がらない。
それから弁当。これは毎朝交互に作っているんだが、妻はおかずを使い捨てのスチロール容器に入れる。おかずと言っても茹で野菜1つと焼いた肉1つという簡素なものだが。俺の職場では弁当はみんなで食べるので恥ずかしい。しかし、これも忙しい妻だから仕方ない。使い捨て容器は1つ10円そこらの容器で弁当箱を持って帰って洗う手間が省けるなら安いものだ。合理的だ。
それから報連相。夫婦の報連相はGoogleカレンダーを駆使して行なっている。合理的だ。言った言わないの水掛け論などない。が、予定について報告するついでに本来あるような会話がなくなる。とても味気ない。「今度職場でBBQが…」「ああ何日の何時ね」といった調子で悲しい。本当は無駄が多くても無駄な会話をして無駄なすれ違いをしたりしたい。
買い物も合理的だ。通販、セールを駆使して安くなった時に買う。消耗品の在庫管理も得意なようで、(妻は意外とアナログな人間で)ノートに鉛筆で詳細を書き記しきっちり管理する。財布は俺の浪費癖もあって共同で、(実質妻が握っているようなものだが)衝動買いが許されない。買い物がストレス発散だった自分にはとてもストレス。コンビニスイーツを買いたくなったり、なんとなく高い方のベーコンを書いたくなったときでさえ、あっちのケーキ屋の方が美味しいし安い、とか、そのベーコンを買うなら〇〇スーパーで、とか言う。確かに今は節約しようと決めている時期だし正しい。正しすぎる。
その他にも、彼女はともかく一から十まで合理的な判断を下す。例えばもし育児などでどちらかが仕事を辞めねばならないときはあなたがやめてね、など。妻の方が給料が高く復職が難しい仕事だからこれは正しい。俺の方が家事も好きだ。「私が仕事を辞めることのメリットは〜、デメリットは〜あなたが仕事を辞める場合は〜」などと紙に書いて説明してくれる。妻が合理的な判断を下しているのは明らかだ。
妻はともかく合理的で、それは長所でもあるが結構息苦しい。妻の判断は正しい。それは俺には肯く他ない。妻が判断を下し俺が従う形にも納得している。単なる価値観の相違もあるが、合理的な妻に合わせたほうが基本的にうまく行く。
でも「お皿がペラペラで嫌」「でも弁当が貧相で恥ずかしい」とか俺がくだらない(自分でもそう思う)わがままを言うと、妻が「陶磁器の皿を使うメリットデメリットは〜今の皿は〜だけど、あなたはどっちを選ぶの?」と聞いてくる。これが辛い。こんなに合理的な説明をされて「でも嫌なんだもん」とか言いづらい。それに妻は「人と違って恥ずかしいから嫌」みたいな感情をあまり持ち合わせていない人種だから、俺がそういう風にいうと「?……気にしなきゃいいじゃない」ときょとんとしてくる。もちろん「あなたがこれだけのデメリットがあるにも関わらず、どうしてもそうしたいならそうして。その意思は尊重する」といってくれるがそういう問題ではない。
妻の尊重は俺を同等の権限を持つもう一つの意思決定機関とみなしているような、そんな感じの尊重だ。友人にするような、顔色や感情を伺い、探り合うような種類の尊重はない。それはお互い愛し合っていて、信頼しあっているという確証から来るものだろう。妻が人間関係の探り合いや暗黙の了解を苦手としているのも理由の一つだろう。けど、自分は少し嫌だ。
妻はどこまでも合理的だけど、俺の感情的問題を計算に入れない。それは多分正しい。でもやっぱり感情的にはそれが嫌だ。
叩かれるつもりでぼやいた増田だったので皆同情的でびびった。皿については、諸事情あって引越しが多いのと、ラップかけてそのまま他所に持ってくことがちょいちょいあるから軽いのと捨てやすい安さなのは多分理にかなってる。でも特別な日用にちゃんとしたのを買うって案はいいと思ったので提案してみようと思う。家事は完全折半だが、仕事量は妻の方が多いので弁当は作ってもらってるだけありがたいのでやっぱりわがままだと思う。お小遣いは交渉してみようと思うが、自分で使うより妻に任せたほうがお金の有効活用ができるだろうと思う。多分言えばくれるので、小額から貰ってみる。
普段から妻の判断に従うのは多分そんなに嫌じゃない。それが難しいところで、妻の合理的な判断を覆すほど強く嫌かというと……みたいなことが多いからなかなか嫌だと強く言えない。結局愚痴ってるから自分を納得させきれてないんだろうが。自分の判断には自信がないから、妻のロジカルな説明を聞くとその時は妻の言う通りにしようと思える。自分さえ納得できれば完璧なのにうまく不満を解消できないことで悩んでしまう。頭では妻の言い分に賛同しているのに、感情的には不満を持つ自分がノイズのように感じる。「男女逆ならありそう」と沢山言われていたが、うちのような夫婦はどうやって上手くやってるんだろうか。
以下蛇足
なんで結婚したの?と言われまくってるが、交際してた頃からこういう人で、優秀でしっかりしてるところに憧れて好きになった。自分にないものを持っている。独特な感性と倫理観の持ち主ではあるが、親切で人格的にも立派な人だと思う。スペック的には向こうが上で、ちょっと変わってるにも関わらず引く手数多な人だったからコンプレックスとか負い目はある。
妻が俺を選んだのも合理的判断か……っていうのは俺にはわからない。妻は目標を決めて逆算する人だから結婚もその一部なんだろうなという気はする。妻からプロポーズされたとき「貴方と結婚することでキャリアに影響を及ぼすけど、そのデメリットを考慮しても貴方と結婚しようと思った」と、「〇〇さんと比較検討した結果貴方の方が〜という点で良かった」みたいなことを言われた。前者は単純に嬉しかったが、流石に後者は凍りついた。〇〇さんは遠距離恋愛だったころに妻に言い寄ってた男(馬鹿正直で嘘が下手な人なので浮気はなかった筈……)。「好きな人と結婚して仕事をしながら子育てしたい」と交際前の遥か昔に言っていたのが真実ならいいなあ。
トラバのディストピア嫁は笑った。ほんと言い得て妙だ。AIみたいなんだよね。考え方もそうだし、食べ物なら栄養価と食べやすさ、服装なら周りからの評価と温度調節、みたいな選び方をする。正直メシは不味くはないが旨くない。味付けが簡素なので不味くなりようもないんだが、絶妙に美味しくないんたよな。薄味で健康的だが。AIみたいだけど、AIの中に可愛らしさがあって、それを見つけると嬉しくなったりもする。
性生活は普通だと思う。妻は淡白っぽい印象を与える人だがそうでもない。ただ精神的な繋がりの強化とストレスの軽減ために性的な交流は〜とか言うから合理的な行動の一つなのかもしれない。わからないが。あれはそういう冗談なのかもしれない。妻の冗談は丸2年気づかなかったこともあるほどわかりにくい。営みについて、妻が2人の一ヶ月の予定を見て日程を決めて前日と当日朝にリマインドされるところはちょっとおかしいと思うが、妻が忙しいので仕方ない。ただ、以前やけに奉仕してくれるなと思って尋ねたら「前に貴方がそうしてくれたからバランスを取るため」みたいなことを言われて、五分五分になるようにしなくてはみたいなプレッシャーはある。何書いてるんだろうね。
知らない人も多いくらい有名な流派だし、マス大山っていうと誰でも名前聞いたことがあると思う
俺はITエンジニアになって色々会社を回って思ったんだが、流派の拡大と、ITベンチャーが拡大するうえでの失敗点や成功点ってすごくよく似ていると思うようになった。
これ、ブラック化するかホワイトになるかの選びの分かれ目にもなると思うから、書きたいと思います
・成功している場合、初期立ち上げ期において求める人材はしっかり分掌されている、失敗されている場合はありません。
極真空手は、初期は体格がデカくて強い人材を求めていたのは当たり前なんだけど、実は「技術」もしっかり分掌して求めていました。
打撃系ならボクシング経験者とか、他流派で言えば「高木流」という剣道の防具つけて当身のスパーやりまくってる古流柔術経験者とかを求めていたりする、共通点は「打撃系のスパーリングや試合をがちがちにやりこんでた経験があること」それだけ。
結果的に、初期の人材は「自分の想定していた技術レベルを超える創意工夫や技術開発でどんどん勝手に強くなった」の連鎖に入って拡大していきました。
失敗するITベンチャーや人が居付かない場合は、人材に求める範囲がぼんやりしすぎて、結果的に「オタクが求める理想の彼女像」みたいなエンジニア来てくれとなっていることが多いですね、これでは多少経験積んだエンジニアなら「仕事の範囲はどこまでやるのか?そもそもなんの技術を使うのか?その技術を使ってどういうサービスやブラッシュアップをするのか?そもそもチームはちゃんと分けられてどういう仕事の回し方をしているのか?」と当然ご飯食べていくために聞くわけです(ブラック当たれば実質的には会社に殺害される可能性もあるIT業界なんだから当然な話で)
ITベンチャーの人事や経営者が、それを聞いて答えられない場合、これはもう赤信号です。なぜなら当人たちがどういう組織をシステム化しているのか全く把握できていないから。
え、なんでAWSで特定のどういうもので使うのとわかってて何の言語か聞いて答えられないの、そもそも求人で隠してるの、クラウドサービスと書くけどフロントよりなの、バックエンドなの?使う技術は、てかAWSって異様に広いのにAWSでって、AWSの何を使うんですか?
こう聞かれて「クソ生意気だ!」とか「細かい!」と思った人、「僕(私)が付き合いたいと思う理想の美少女(イケメン)」に告白されて半分OK貰った場合、向こうの美少女やイケメンが「具体的に自分のどこを好きになったのか」「付き合うのはいいけど、どれくらいの頻度であえるのか」「自分はこういう感じで合える日はこれくらいになるし、趣味もこうだけどそこは問題ないか」と聞かれてうぜぇとか思いますか?当然聞きますよね。それとおんなじレベルです、引く手数多なエンジニアほど自分にできることとできないことをフィットさせますし、長所も短所も知り尽くしています。
こういうタイプは、技術力や知識はあっても、具体的にそれを実装してICTとしてビジネスに実装するということが不得手な役員が多いです。「知識とか経験は研究者レベルになれるほど豊富だけど、いざ実戦になると何もできない奴」の典型です。そういうベンチャーはハマる奴にはハマるけど、相性が合わないと目も当てられない惨状になるので、よく考えましょう
・別分野の一流どころを繋ぎ止めることができる。
極真はそれこそ別の流派で一流どころだったりエース級の人間が、そのまま居付いてしまうようなくらい魅力的なシステムや制度を導入していて、何より時代時代で立ち位置が変化して人の流れも盛んでした。
初期は顔面禁止ルールでの国際大会は、ロシアで流行りすぎてオリンピック人材が空手に行き過ぎたせいで協議が低迷し、当時のソ連政府が空手禁止令を出して特殊部隊以外には習わせないなんてくらい流行していました。
「ほかにできることがないくらい魅力的な環境、将来性への安心感」これらをロードマップで示すことができたわけで、その後立ち技系格闘技のベースの様な立ち位置で、グローブ空手と併存するようになっています。
失敗するベンチャーは、エース級の人間が結構抜けます、別に実績の実力も技術力もあるんだから、自分にやりたい仕事とかできなくなれば、女宛がうか経営権寄越すくらいじゃないと、いる理由がありませんし、この業界本当に職場環境が激変します、常に流行りに載れなければ去年は女〇高生ナンパして付き合ってスタバでmacで西海岸で飲むいつもの味とかイキりまくれてたのが、来年にはキ〇ガイ同然のア〇ペとか、座敷牢か鉄格子のついた病院から逃げ出したとしか思えない会話が成立しないキチ〇イ連中がこびり付く旧態依然のIT業界カーストでいびられながら生活費のためにつまらん仕事を延々し続けるはめになりかねません。おそらく復帰するのに一度トチれば3年はひどい目にあうでしょう。
結果的に、人材を繋ぎ止められなくなって拡大から縮小になって失敗します、教育システムも構築できなくなるので、取った人育てることもできなくなり、そもそも入れて来た実力者もミスマッチで半数くらいは抜けることが多くなります。これもすべて、しっかりしたロードマップを示せてないから、この一言に尽きます。
https://yashio.hatenablog.com/entry/20200407/1586270571
僕も文才がないなりに言葉を尽くしてみよう.
四月いっぱい,四割程度の日数で在宅勤務を始めることになった.本店ほど割合が高くないのは製造が関わる業務のつらいところだ.
部員は管理職から信用されていない.だから毎日進捗を確認されるし,業務遂行できていないと管理職に判断されたら,在宅勤務が終了する可能性がある.業務を回せると説得してどうにか在宅勤務を承認していただくのだ.まず出勤をやめてから業務を調整するのではない.そして,進捗を守るためなら,従業員の命を守るためのはずの在宅勤務を取りやめると言う.再スケジュールは話題にすらあがらない.僕だけじゃなく,職場全体の士気が下がっているように感じる.
やってられない,というのが正直な思いだ.
しかし,これはあくまでいち社員の身勝手な意見に過ぎない.管理職には僕に見えないものがたくさん見える.何十倍の利害関係者を抱えている.管理職を無能だと罵ってみたところで,それは僕らの無能さを管理職に押し付けて無理難題を言っているだけに過ぎないのかもしれない.管理職の仕事は,業務をどうにかして終わらせることだ.業務が止まるということは許容されない.
これは悪意を持った想像だけど,彼らにとって従業員の命を守るという選択肢から得られる報酬は,大きくないのだろう.たしかに,人命が失われたならば,再発防止のためのペーパーワークに忙殺されることにはなるだろう.だがそれは,自らの判断でプロジェクトが失敗した際に負わなければならない責任ほど重いものだろうか.
なんにせよ,ほどほどに在宅勤務を取り入れつつ,業務を継続するという選択がなされた,この事実は変わらない.チップは「COVID-19の与える被害は大きくならない」・「顧客の計画は変化せず,需要はすぐ回復する」・「従業員がCOVID-19に罹ることはない」にベットされた.
ここで一つ明確にしなければならない.ベットしたのは会社の側だけではない.僕もそうだ.僕が自己保身をはかりたいのと同様に,会社は存続や利益を追及したい.この意味で,僕たちは対等だ.僕と会社とは,労働と給与を交換する対等な契約をしている.僕もまた,契約を破棄すること,退職することで,自分の身を守る選択をすることができる.
でも,僕はそうしなかったよね?
それはつまり,COVID-19に罹るリスクを考慮しても,このまま正規雇用という既得権益の甘い汁を吸い続ける方が,得られるものが大きいと判断した結果に他ならない.実際に,非正規雇用のようにすぐにクビを切られるということにはなっていない.逆にGAFA勤務みたいな人だったら,引く手数多,多くの選択肢があったのだろう.でも僕はそうじゃない.平均未満のしょぼい一般社員だ.これから先の不景気に生きていくためには,今の仕事にしがみつくしかない.
つまり現状は,利益を最大化するべくお互いに合理的な選択肢を取った結果なのだ.
つくづく,救いがない.こうして僕は,もしかしたら会社も,自らの愚かさによって,淘汰されていくのだろう.でもきっと,これは誰かにとっての希望なのだ.既得権益を打破し,虐げられてきた人々がのし上がるチャンスなのだ.
そうとでも思わなければ,心が折れてしまう.
元々激重瞼のほぼ一重に見える奥二重で、何をどうしても芋にしかならない絶望的ブスだった。
あとオタクのコミュ障で友達は片手に数えられるくらい。彼氏なんか出来たこともない。
もちろん周りの人間もコミュ障ばっかりで、自分の話ばかりする女に囲まれうんざりしていた。
まあ色々あって病んで、大学進学を機に整形した。二重埋没法。
プチ整形だから大したことないんだけど、自分にとっては人生最大の決断。お金は親に頭を下げて出してもらった。
手術後は内出血した目で大泣きした。コンプレックスが消えて、解放されたような気分だった。治りが遅くなるから本当は泣いたら駄目だけど。
1週間ほど引き篭ってDTを乗り越え、完成した顔を見たとき思った。
あれ、私、可愛くないか?
色白でぱっちり二重の女の子が鏡の前にいた。今までコンプレックスだった部位も可愛く見えた。目が変わっただけで、こんなに印象が変わるなんて。
じゃあ最初から綺麗な二重の人はきっと生きるの楽だったんだろうな。とか、虚しい気持ちになったけど、次には嬉しさが勝った。これからの私は生きるのが楽になるかもしれない。
私は顔が綺麗なことで得られる様々な利益が欲しかった。美しい容姿には必ずメリットがある。そう信じていたし、実際それは正しかった。
大学入学のとき、入学式で隣がたまたま男子だった。思い切って話しかけたら、友達になれた。革命的な出来事だった。
全ての男性がそうとは言わないが、少なくともクラスにいた男には好かれていないと思っていた。オタクキモイとか、陰キャが喋るなとか、ブスは顔見せるなとか。
入学式の彼は違った。オタクでもなければコミュ障でもない。自分の話ばっかりしない。優しい。面白い。
私は憧れた。彼のようになりたかったし、彼と友達になれるような明るい人間になりたかった。
そこからはがむしゃらだった。女友達は欲しかったけど、まず一番は彼氏だ。男子に手当たり次第に声を掛けた。
好きな色は?と聞かれて、ピンクだよと答えたら「へえ、可愛いね」と照れながら褒められた。今でも覚えてる。いやピンクが好きな事実は可愛くないじゃん。可愛いのは私でしょ。
女友達も増えた。
新しく出来た女友達に「正直自分の顔に自信あるでしょ?」と半笑いで聞かれた。そんなことないよ、と答えたが図星だった。
いつもと違う系統の服を着たら可愛いと友達が言う。教習所のおじさんが「でもあなた可愛いから引く手数多でしょう」とからかってくる。
他にもあったけど、忘れてしまった。「可愛い」は言われる度にその価値が低くなっていくことを知った。高校時代は、決して忘れず日記にまで書き留めていたのに。
あるいは、自分が可愛いと自覚してる子と話せるようになったことで衝撃発言を聞いた。その二重美人は言ったのだ。
「泣いた次の日、一重になっててびっくりしたんだよね。すごくブスだった。私、一重に生まれてたら本当に死にたかったと思う」
一重とは死にたくなるほどのブスのことらしい。悔しかった。けど、私はそのブスを克服したのだ。私を元一重ブスだと思う人間はもういない。「そうなんだ」と笑顔で彼女に対応できた。
何よりの変化は、人と目が合うようになったことだ。
今までは街を歩いても視線なんて感じなかったのに、今はすれ違う人がちらりと私を見る。大きな違いだった。美人は注目されるのだ。
綺麗な人はこんな世界を生まれた時から見ているなんて。虚しかった。二重になっただけで、私を取り巻く世界は優しくなった。
もちろん、私に自信がついて振る舞いが変化したのも理由の一つだろう。でもその自信の源は、二重だ。
私もまた、顔に振り回されて生きている。