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2024-01-26

anond:20240126183251

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

 〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法である。これは、山口和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。

 私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法からの流れの中で位置づけるべきだと考える。

 同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊合憲化(57)、③日本経済的地位に見合った国際貢献必要性、④国連軍国連警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリスト武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から護憲立場から改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである

 同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲である。同提言軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから北朝鮮中国軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラル過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである

 佐藤が語る、愛国心必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである佐藤饒舌から私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。

 馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事平和維持活動において殉死殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊追悼施設必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。

 ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツ独自イラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたかである。翻って日本場合多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国国際社会理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。

 元国連職員吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍軍事活動積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである

 なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実国際政治の中で、山川ソ連侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。

10.おわりに

 これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮アルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略植民地支配反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的保障する国家先進国主導の戦争積極的に参加し、南北格差固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である

 大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派大国路線に対抗して、日本経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪補償必要とした路線が、東アジア諸国民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合破綻といった状況に規定された、リベラル左派危機意識から生じている。九〇年代東アジア諸国民衆から謝罪補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本私たちが、進んで過ちを正しみずから正義回復する、即ち日本利益のために」(69)(傍点ママ歴史清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争植民地支配可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立リベラル左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である改憲後、蛹は蛾となる。

 ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル左派意図的計画したものと捉えているわけではない。むしろ無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力からあいもつあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治立場から期待されている人物統合象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴人物の未分性という日本政治特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディア追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリスト発言力を確保しようとする学者、無様な醜態晒す本質的には落ち目思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからあいもつれあって」、集団転向は進行している。

 ところで、佐藤は、「仮に日本国家国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家同胞日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまたからには、自国国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間異端者扱いするのが目に見えている。

 この佐藤発言は、安倍晋三首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族配慮するという意図からだろうが、アメリカ一丸となって事件対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである国益からむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)

 文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ総連弾圧をめぐる日本言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したこと物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本リベラル左派安倍政権ときに敗北したのである

 〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである侵略植民地支配過去清算在日朝鮮人人権擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア世界平和にとって大きな災厄である(73)。

改憲戦争国家体制拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア知識人等を徹底的に批判すべきである

(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。

(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。

(3)ただし、編集者佐藤右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。

(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。

(5)インターネットサイトフジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37

金光翔 『<佐藤優現象批判

インパクション』第160号(2007年11月刊)掲載

目次

1.はじめに

2.佐藤優右派メディアでの主張

 (1)歴史認識について

 (2)対北朝鮮外交について

 (3)朝鮮総連への政治弾圧について

3.佐藤優による主張の使い分け

4.佐藤優へ傾倒する護憲派ジャーナリズム

5.なぜ護憲派ジャーナリズム佐藤を重用するのか?

 (1)ナショナリズム

 (2)ポピュリズム

 (3) 格差社会

 (4)「硬直した左右の二項対立図式を打破」―〈左〉の忌避

6.「人民戦線」という罠

 (1)「ファシズム政権樹立」に抗するために、人民戦線的な観点から佐藤擁護する

 (2)「論壇」での生き残りを図るために、佐藤擁護する

7.「国民戦線」としての「人民戦線

8.改憲問題と〈佐藤優現象

9.「平和基本法から佐藤優現象〉へ

10.おわりに

1.はじめに

 このところ、佐藤優という人物が「論壇」を席巻しており、リベラル左派系の雑誌から右派メディアにまで登場している。

 だが、「論壇の寵児」たる佐藤は、右派メディア排外主義のものの主張を撒き散らしている。奇妙なのはリベラル左派メディアが、こうした佐藤の振舞いを不問に付し、佐藤を重用し続けていることにある。

 佐藤による、右派メディアでの排外主義の主張の展開が、リベラル左派によって黙認されることによって成り立つ佐藤の「論壇」の席巻ぶりを、以下、便宜上、〈佐藤優現象〉と呼ぶ。この現象意味を考える手がかりとして、まずは、佐藤による「論壇」の席巻を手放しに礼賛する立場記述検討からはじめよう。例えば、『世界』の編集者として佐藤を「論壇」に引き入れ、佐藤の著書『獄中記』(岩波書店、二〇〇六年一二月)を企画編集した馬場公彦(岩波書店)は、次のように述べる。

 「今や論壇を席巻する勢いの佐藤さんは、アシスタントをおかず月産五百枚という。左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない。」「彼の言動共鳴する特定編集者と密接な関係を構築し、硬直した左右の二項対立図式を打破し、各誌ごとに異なったアプローチ共通の解につなげていく。」「現状が佐藤さんの見立て通りに進み、他社の編集者意見交換するなかで、佐藤さんへの信頼感が育まれる。こうして出版社カラーや論壇の左右を超えて小さなリスク共同体が生まれ編集業を通しての現状打破への心意気が育まれる。その種火はジャーナリズムにひろがり、新聞社会面を中心に、従来型の検察官邸主導ではない記者独自調査報道が始まる。」「この四者(注・権力民衆メディア学術)を巻き込んだ佐藤劇場が論壇に新風を吹き込み、化学反応を起こしつつ対抗的世論公共圏形成していく。」

 馬場見解の中で興味深いのは、〈佐藤優現象〉の下で、「硬直した左右の二項対立図式」が打破され、「論壇」が「化学反応」を起こすとしている点であるある意味で、私もこの認識を共有する。だが、「化学反応」の結果への評価は、馬場と全く異なる。私は、これを、「対抗的世論公共圏」とやらが形成されるプロセスではなく、改憲後の国家体制に適合的な形に(すなわち、改憲後も生き長らえるように)、リベラル左派が再編成されていくプロセスであると考える。比喩的に言えば、「戦後民主主義体制下の護憲派が、イスラエルリベラルのようなものに変質していくプロセスと言い替えてもよい。

 以下の叙述でも指摘するが、佐藤は対朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮武力行使在日朝鮮人団体への弾圧必要性を精力的に主張している。安倍政権下の拉致外交キャンペーンや、一連の朝鮮総連弾圧に対して、リベラル左派から批判や抗議の声はほとんど聞かれなかったのは、「化学反応」の典型的ものである。「戦後民主主義」が、侵略植民地支配過去とまともに向き合わず在日朝鮮人に対してもせいぜい「恩恵」を施す対象しか見てこなかったことの問題性が、極めて露骨に出てきていると言える。〈嫌韓流〉に対して、リベラル左派からの反撃が非常に弱いことも、こうした流れの中で考えるべきであろう。

 私は、佐藤優個人は取るにたらない「思想家」だと思うが、佐藤右派メディアで主張する排外主義を、リベラル左派容認・黙認することで成り立つ〈佐藤優現象〉は、現在ジャーナリズム内の護憲派問題点を端的に示す、極めて重要な、徴候的な現象だと考える。

 馬場は、佐藤が「左右両翼の雑誌寄稿しながら、雑誌の傾向や読者層に応じて主題文体を書き分け、しかも立論は一貫していてぶれていない」などと言うが、後に見るように、佐藤は、「右」の雑誌では本音を明け透けに語り、「左」の雑誌では強調点をずらすなどして掲載されるよう小細工しているに過ぎない。いかにも官僚らしい芸当である佐藤自身は自ら国家主義であることを誇っており、小谷野敦言葉を借りれば、「あれ(注・佐藤)で右翼でないなら、日本右翼なんか一人もいない」。

 佐藤が読者層に応じて使い分けをしているだけであることは誰にでも分かることであるし、事実ウェブ上でもブログ等でよく指摘されている。そして、小谷野の、この現象が「日本知識人層の底の浅さが浮き彫りになった」ものという嘲笑も正しい。だが、改憲派の小谷野と違い、改憲を阻止したいと考える者としては、この現象について、佐藤優に熱を上げている護憲派を単に馬鹿にするだけではなく、〈佐藤優現象〉をめぐって、誰にでも浮かぶであろう疑問にまともに答える必要がある。なぜ、『世界』『金曜日』等の護憲派ジャーナリズムや、斎藤貴男魚住昭のような一般的には「左」とされるジャーナリストが、佐藤に入れ込んでいるのか? なぜ、排外主義を煽る当の佐藤が、『世界』『金曜日』や岩波書店朝日新聞出版物では、排外主義ナショナリズムの台頭を防がなければならない、などと主張することが許されているのか?

 この〈佐藤優現象〉はなぜ起こっているのか? この現象はどのようなことを意味しているのか? どういう帰結をもたらすのか? 問われるべき問題は何か? こうした問いに答えることが、改憲を阻止したいと考える立場の者にとって、緊急の課題であると思われる。

2.佐藤優右派メディアでの主張

 まず、佐藤排外主義的主張のうち、私の目に触れた主なものを挙げ、佐藤排外主義者としての活躍振りを確認しておこう。

(1)歴史認識について

 佐藤は言う。「「北朝鮮が条件を飲まないならば、歴史をよく思いだすことだ。帝国主義化した日本ロシアによる朝鮮半島への影響力を巡る対立日清戦争日露戦争引き起こした。もし、日本ロシアが本気になって、悪い目つきで北朝鮮にらむようになったら、どういう結果になるかわかっているんだろうな」という内容のメッセージ金正日に送るのだ」。朝鮮植民地化に対する一片の反省もない帝国主義者そのもの発言である。また、アメリカ議会における慰安婦決議の件に関しても、「事実誤認に基づく反日キャンペーンについて、日本政府がき然たる姿勢反論することは当然のことだ。」と述べている。

 特に大川周明テクスト佐藤解説から成る日米開戦真実大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』(小学館、二〇〇六年四月)では、極めて露骨に、日本近現代史に関する自己歴史認識開陳する。以下、引用する。佐藤が自説として展開している部分である

 「日本人は(注・太平洋戦争)開戦時、少なくとも主観的には、中国アメリカイギリスによる植民地支配から解放したいと考えていた。しかし、後発資本主義である日本には、帝国主義時代の条件下で、欧米列強植民地になるか、植民地を獲得し、帝国主義国となって生き残るかの選択肢しかなかった。」(三頁)、「「大東亜共栄圏」は一種棲み分け理論である日本人はアジア諸民族との共存共栄真摯に追求した。強いて言えば、現在EUを先取りするような構想だった。」(四頁)、「あの戦争を避けるためにアメリカ日本妥協を繰り返せば、結局、日本アメリカ保護国、準植民地となる運命を免れなかったというのが実態ではないかと筆者は考える。」(六頁)、「日本武力によって、列強による中国の分裂が阻止されたというのは、日本人の眼からすれば確かに真実である。(中略)中国人の反植民活動家の眼には、日本列強とともに中国を分割する帝国主義国の一つと映ったのである。このボタンの掛け違いにイギリスアメリカはつけ込んだ。日本こそが中国植民地化と奴隷支配を目論む悪の帝国であるとの宣伝工作を行い、それが一部の中国政治家と知的エリートの心を捉えたのである。」(二八一頁)。また、蒋介石政権については、「米英の手先となった傀儡政権」(二五七頁)としている。他方、佐藤は、汪兆銘南京国民政府は「決して対日協力の傀儡政権ではなかった」(二四九頁)とする。

 右翼たる佐藤面目躍如たる文章である。ちなみに、こんな大東亜戦争肯定論の焼き直しの本を斎藤貴男は絶賛し、「大川こそあの時代知の巨人・であったとする形容にも、大川の主張そのものにも、違和感を抱くことができなかった」としている。

(2)対北朝鮮外交について

 佐藤は、「拉致問題解決」を日朝交渉大前提とし、イスラエルによるレバノン侵略戦争も「拉致問題解決」として支持している。「イスラエル領内で勤務しているイスラエル人が拉致されたことは、人権侵害であるとともにイスラエル国権侵害でもある。人権国権侵害された事案については、軍事行使も辞せずに対処するというイスラエル政府方針を筆者は基本的に正しいと考える」。さらに、現在北朝鮮ミュンヘン会談時のナチス・ドイツに準えた上で、「新帝国主義時代においても日本国家日本人が生き残っていける状況を作ることだ。帝国主義選択肢には戦争問題解決することも含まれる」としている。当然佐藤にとっては、北朝鮮の「拉致問題解決」においても、戦争視野に入っているということだ。『金曜日』での連載においても、オブラートに包んだ形ではあるが、「北朝鮮に対するカードとして、最後には戦争もありうべしということは明らかにしておいた方がいい」と述べている(10)。

 さらに、アメリカが主張してきた北朝鮮米ドル札偽造問題が、アメリカ自作自演だった可能性が高いという欧米メディア報道に対して、佐藤は「アメリカ政府として、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』の記事に正面から反論することはできない。なぜなら、証拠を突きつける形で反論するとアメリカ情報源情報収集能力が明らかになり、北朝鮮を利してしまうからだ」(11)と、いかなる反証根拠も示さずに(反証必要性を封じた上で)、「北朝鮮情報操作」と主張しているが、この主張は、保守派原田武夫にすら否定されている(12)。佐藤現在右派メディアの中でも最も「右」に位置する論客の一人であると言えよう。

(3)朝鮮総連への政治弾圧について

 佐藤は、「在日団体への法適用拉致問題動く」として、「日本政府朝鮮総連経済活動に対し「現行法の厳格な適用」で圧力を加えたことに北朝鮮逆ギレして悲鳴をあげたのだ。「敵の嫌がることを進んでやる」のはインテリジェンス工作の定石だ。/政府が「現行法の厳格な適用」により北朝鮮ビジネス利益を得ている勢力牽制することが拉致問題解決のための環境を整える」と述べている(13)。同趣旨の主張は、別のところでも述べている(14)。「国益」の論理の下、在日朝鮮人の「人権」は考慮すらされてない。

 漆間巌警察庁長官(当時)は、今年の一月一八日の会見で、「北朝鮮が困る事件摘発拉致問題解決に近づける。そのような捜査に全力を挙げる」「北朝鮮日本交渉する気にさせるのが警察庁仕事。そのためには北朝鮮資金源について事件化し、実態を明らかにするのが有効だ」と発言しているが、佐藤発言はこの論理と全く同じであり、昨年末から激化を強めている総連系の機関民族学校などへの強制捜索に理論根拠提供したように思われる。佐藤自身も、「法の適正執行なんていうのはね、この概念ができるうえで私が貢献したという説があるんです。『別冊正論』や『SAPIO』あたりで、国策捜査はそういうことのために使うんだと書きましたからね。」と、その可能性を認めている(15)。

3.佐藤優による主張の使い分け

 排外主義者としての佐藤の主張は、挙げ出せばきりがない。前節で挙げたのも一例に過ぎない。では、佐藤は、こうした主張を『世界』『金曜日』でも行っているのだろうか。

 佐藤が仮に、「左」派の雑誌では「右」ととられる主張を、「右」派の雑誌では「左」ととられる主張をすることで、「硬直した左右の二項対立図式を打破」しているならば、私も佐藤をひとかどの人物と認めよう。だが、実際に行われていることは、「左」派メディアでは読者層の価値観に直接抵触しそうな部分をぼかした形で語り、「右」派メディアでは本音を語るという下らない処世術にすぎない。「左右の二項対立図式」の「打破」は、「左」の自壊によって成り立っているのだ。佐藤が『金曜日』と右派メディアで同一のテーマを扱った文章を読み比べれば、簡単にそのことはわかる。

 一例として、米国下院での「慰安婦」決議に関する佐藤の主張を読み比べてみよう。産経新聞グループサイト上での連載である地球を斬る〉では、「慰安婦問題をめぐるアメリカ報道を「滅茶苦茶」と非難し、「慰安婦問題に関する二〇〇七年三月一日の安倍発言についても「狭義の強制性はなかった」という認識なのだから正当だとして、あたかも「慰安婦」決議案自体不正確な事実に基づいたものであるかのような印象を与えようとしている(16)。ところが、『金曜日』では、こうした自分の主張は述べず、国権論者としての原則的立場から日本政府謝罪には反対だとしている(17)。なお、『金曜日』の同文章では「歴史認識を巡る外交問題 Permalink | 記事への反応(1) | 18:32

2023-09-04

日本学術会議はなにをしているのか?

最近の処理水放出に関して色々な意見が出ている。問題なしとする意見も多いが、そうでない意見も多く割れていると言っても過言ではない。

twitterでも、有象無象匿名人間だけでなく高名な学者でも政府見解批判し処理水放出に反対する意見がある。例えば

宮台真司 https://twitter.com/miyadai/status/1697486382837407787

水俣で言ってごらん。湾とは違うってか。だったら地球規模の海流シミュレーションと魚介分布の動的重ね合わせを精査しな。精査する義務放出側。実定法は「推定無罪原則=疑わしきは罰せず」。環境汚染は「予防原則=疑わしきは回避」。何も知らないお前がゴミ

山口二郎 https://twitter.com/260yamaguchi/status/1698544796313497990

そもそも廃炉を前提とした処理水放出というやり方が、世界を欺くということを言いたかったわけです。マイナンバーカードと同じく、何段階か遡って、政策意味を考え直すという態度が日本政府官僚にあればとつくづく思う。

牧野淳一郎 https://twitter.com/jun_makino/status/1697964368850571399

第三は、内部被曝評価生物濃縮や、半減期考慮していないこと。告示濃度に対する比率がかなり大きい I-129 は海藻によって数千から数万倍濃縮される上に、半減期が 1570万年と長い。

いずれも一流大学に属する高名な学者であり、様々な論点を述べている。

学術会議もさ、「日本学術会議とは」(https://www.scj.go.jp/ja/scj/index.html)に

とか挙げてるのなら、こういうとき意見の整理なり、科学事実の把握なりした上で提言や、談話などの発表をするべきじゃないの?

政府から諮問されていないから答えなくていい、とかい意見もあるけど、過去提言とか別に諮問されてなさそうなのも沢山あるじゃん。こういう科学的なことで多くの人が混乱して困っているようなときに助けにならないって存在理由ないんじゃない?10億円って国家予算からしたら大したことないけど、年俸1000万円の人間100人分の人件費からね。Xみてたら若手研究者給料は500万円くらいらしいから、若手なら200人分だよ。

政府に反対意見を言える組織は貴重だから本来学術会議はあった方が良いし、政府は任用問題での干渉もやめるべきだと思う。しかし現状では反対でも賛成でもなんの意見も言えていないのだからタダ飯食らってるだけの無駄存在と言われても仕方ないのではないか

2023-05-29

(追記あり)共産党批判は急に始まってなどいない

anond:20230528220009

「去年から急に」と言ってるけども、去年は共産党結党100周年で共産党のものへの注目が(野党共闘の今後も含めて)高まってたんだよね

そこに中公の『日本共産党』が出てきて、更に社会の注目が集まり参院選で党勢が退潮したのも併せた結果一部党員から改革の機運が高まる結果になったのよ

小池パワハラ事件はいい例で、一部の共産党地方議員問題を指摘した事で小池自己批判に繋がったし、徐々にボトムアップ政党に変化していくのではないか?と期待が野党界隈では高まってた

そこに松竹鈴木両氏への除名処分

期待が失望に変わった分だけ批判がかなり大きくなって、マスコミ各社からも苦言を呈される異常事態に発展

指導部はマスコミ批判で乗り切ろうとしたけども、地方統一選の選挙結果残酷だった

地方統一選で「一人負け」すると、政局も大きく変化

泉健太体制が成立して共産党との距離感を測っていた立憲民主党も、共産党大敗北を受けて「共闘」の解消へ

市民連合呼びかけ役の山口二郎氏や「あの」枝野代表立憲民主党の自立を支持するに至ってしまったのでした

(追記)

メディア報道から共産党への期待が失望へと変わっていくのがよく分かるページのまとめを置いておきます

これ書いた人はまた更新再開してくれないだろうか このページを見てたらぜひ対応お願いしま

https://undou.net/blog/2023/summary-of-issues-by-jcp-and-nobuyuki-matsutake/?amp=1#i-30

2022-12-19

本当は恐ろしい暇アノン

https://anond.hatelabo.jp/20221219213213

続き

このような罵倒誹謗中傷公然と行われた。多分これで国会議員、市会議員はコラボへの追求をやめてしまっただろう。

当然マスコミ女性記者もそうだ。社会学者デフォルトコラボに乗っかって貧困ビジネスをやる連中しかいないので、一切期待することはない。

しかし諦めていない

GUTTI@2023年SR

@on_gutti

#暇アノン

このタグめっちゃ便利だな。

ミュート・ブロックすべきヤベェアカウント達を片っ端から確認できる

午後7:50 · 2022年12月15日

17 件のリツイート3 件の引用ツイート96 件のいいね

GUTTI@2023年SR

@on_gutti

大阪近郊を気が向いた時にのんびり走る自転車乗り/ 引用クソリプは許さない/ろんつく食団派社員 /2018〜2023年SR/キャノボ双方向達成(2018年OT2022年TO)/2019年ベレスティング達成(大垂水峠)/2019年七葛達成/2020年ランドナーOTキャノボ達成(23:50)/フノレチソ済

https://twitter.com/on_gutti/status/1603341638348464132

これをコラボが良いねしているのだが、なぜだろう?

Tiiduka ☮️4Ukraine

@Tiiduka

アノンな人は暇氏が書いたこと(たいていは思いついて入力したこと)を本当のことだと信じる(だからアノン)。

なのでこういう事実確認すら無視する。

作者が知らんと言っているのだから本当だと思うのが普通。暇アノンは「暇さんすげーよ!」と信じ込む。

午後5:02 · 2022年12月14日

https://twitter.com/Tiiduka/status/1602937158721232896

Tiiduka ☮️4Ukraine

@Tiiduka

ただのメガネ好き(増永・白山・與市) チェーン店ではオンデーズメガネスーパー推し Mac mini 2020 利用者メカニカルキーボード好き 音楽大好き、MTクルマ好き(ジムニーJB23W-10)、オーディオ好き 社会科大好き。数学嫌いなのになぜか理系 労働組合もどきの専従経験あり RT多数 水戸出身

作者が気づいていないかもしれないし、そもそも領収証がないのが問題なんだよね。しかコラボに肩入れするのは組合活動をしていたくらいしか接点がない。

学生プロパガンダに駆り出された

漬物

@threestep21

8時間

アノンって言葉を見た時、いくらなんでも現実で使うやついないだろって笑ってたら身近にいたし、それなりに賢い人だったという恐怖体験

おかげで自分はcolaboの正当性を主張するための資料作りとかい苦役従事させられるハメに。なんでだよ

午後2:15 · 2022年12月18日

https://twitter.com/threestep21/status/1604354335441588224

漬物

@threestep21

9時間

上の世代の人らはオタク文化日本を衰退させている要因だと本気で考えているんだなあ……

オタク文化が軟弱な日本男子を量産し、女性蔑視を加速させ、労働生産性悪化させたのだって大真面目に理論展開をしてくるし

どっちが旧弊的な価値観なんだろうか。というか旧弊的な価値観ってなんだよ

漬物

@threestep21

自分別に表現規制に反対しているわけではないけど、オタク文化抹殺したところで社会が良くなるとは思えない(根拠があるわけではない)

それよりも目の前の問題雇用における男女格差など)を片付ける方がよほど重要だとは思うんだけど、人の気を引く話題からこっちばかりにみんな構う

午後0:49 · 2022年12月19日

https://twitter.com/threestep21/status/1604685390635761664

漬物

@threestep21

大分まれ大阪育ち東京在住、イチローハンカチ王子に憧れて野球を始めた漬物石です。 贔屓球団特になし、強いて言うなら全球団ジェンダー学やフェミニズムを細々と学んでます

まず表現規制に反対する立場ではないということは、憲法反故にしていいとフェミニスト学者確信しているというわけである

ジェンダーとかなんとか倫理の前に、まず人権についてなにも学んでおらず、平気で無視するような学者が大量に存在しているということになる。しかオタクを敵視するというカルトなわけである

なぜこれがダメなのか。そもそも憲法を守っっている人間から税金を掠め取って大学は維持されているかである

馬の眼🐴

@ishtarist2015年9月6日

もう一度いうけど、この意味不明ロジックが「社会構築主義」であり、フェミニズムの多くは、そのロジックの極めて強い影響下にある。その意味不明ロジックをわかったフリができる人たちが、「お前たちはなんでこんなこともわからないんだ」と怒っているのが今回の論争。

https://twitter.com/ishtarist/status/640457879850369024

結局この指摘は今でもあたっていると言えるだろう。

オタクを敵視するというのは大衆には人権がないという意味であり、人間ではないかであるオタク有権者であり納税者であり人間からである

したがってジェンダー平等というのは大衆には人権を奪うファシズムしかならない。

そもそもジェンダー平等は完全にインチキアファーマティブ・アクションインチキしかならない。

韓国を見れば分かる通り、財閥閨閥を維持する役目にしかなっていない。ナッツ姫は最近は働いているようだが。身分を固定しているだけである。全く平等でもなんでもない。

したがって、ジェンダー平等を口にするものは全員が詐欺師であり、ヤクザである。平気で嘘をつき、大衆を騙し、裏切り税金をかすめ取る人間以外一人もいない。それが学者であれ、政治家であれ、社会活動家であれ、マスコミであれ、一切の例外はない。

なぜならジェンダー平等ジェンダー自体が男女なのかLGBTQまで入るのか場合によって異なる。平等も垂直も水平もある。

そんな無理をせず男女平等と言わない時点でおかしい、

日本語に一切訳せない。

これがでたらめでなくしてなんというのだろうか。勉強すればわかるのではなく、単なるデタラメにすぎないのでなんの価値もない。

こんなもの標語にすること自体が異常だ。カタカナを使わない日本語でだれも言えない。理解していないしする気もない。

まり単純にこの単語を利用しているだけだ。

誰もが傷つかない社会といってやたら配慮を強調し、税金チューチューシステムうまい汁を吸っている人間けが泣き叫べばマスコミが取り上げ、政治家が取り上げ、学者が取り上げる。大衆ことなんて気にしない。

ちなみに木下ちがや所詮そういう存在山口二郎もそう。もし気にしているんだったらこ問題放置しない。

ネットに流れているのは今でも暇アノンだけである

だが、なぜこの単語を流す必要があったのか?

2022-12-05

anond:20221204111742

一方で

学者ってか活動家やんと思うほど政治的バイアスがかかってるで有名な人による

・毒にも薬もならん社会学アンケート調査みたいな「研究

に、億単位予算がホイホイつくといふのはどういうカラクリなんだろう?

私は山口二郎氏を念頭に言ってるわけだが

サヨクに金やるのはけしからん! と言いたいわけではない。

2022-07-09

先日のぜんじろうや「あべしね」の池田香代子、「人間じゃない叩き切ってやる」の山口二郎共産党の吉良よし子や井上哲士等、故安倍晋三氏の死や不幸を願うパフォーマンスをした連中は全員死ぬまで十字架脊負って行けとしか思わねぇわ。

2021-09-06

枝野閣僚をお願いできるのは野田さんと岡田さんしかいない」

政権交代しても野田岡田閣僚じゃ第二自民党政権じゃねぇかYO

2021-07-13

[]2021年7月12日月曜日増田

時間記事文字数文字数平均文字数中央値
009914694148.434
018010097126.247
02668824133.759
03403325905808.7870
0416143889.926.5
05132928225.256
06184420245.652.5
07396708172.042
0878770098.752.5
09929675105.237
10108898983.246
1112615314121.536.5
121621095767.626
13144825757.330
141571530297.544
1516429298178.644.5
161351172786.947
1712518995152.053
181611340883.330
191451217884.036
2013119328147.554
2112325655208.634
221401361097.239.5
2312418475149.055
1日2849613882215.551

本日の急増単語 ()内の数字単語が含まれ記事

メモリリーク(4), 内孫(4), ピクロス(4), 山口二郎(3), フと(3), ロードス(3), publickey(3), 乱痴気騒ぎ(3), withnews(3), vaporwave(3), 自公政権(4), ⭕(13), 激怒(12), ひろゆき(19), 注射(11), 醤油(15), ワニ(9), 立憲民主党(11), 政権交代(7), 東京五輪(8), パック(13), 観客(12), 寿司(20), ロジック(9), 育ち(19), 皿(10), チケット(9), 会わ(7), 飲食店(18), 接種(19), 選挙(19), 袋(12), 伸び(14), ホモ(12), 打っ(14), 自転車(13), 悪さ(10), 五輪(15)

頻出トラックバック先 ()内の数字は被トラックバック件数

■どうにもならない今日だけど /20210712033224(373), ■彼女がパック寿司のフタを醤油皿にしてたが育ちの悪さはフとした瞬間に出るよな /20210712124840(37), ■物の名前が途中で変わることってあったの? /20210711135946(27), ■注射が痛いかワクチン打ちたくない /20210711034748(20), ■あのころの私へ。「バストトップの痒み」 /20210711231323(19), ■エセ腐男子腐女子と仲良くなろうとしてやりがちな失敗。 /20210712153105(13), ■汽車にのりたい /20210711214401(11), ■死んでいく文化商品かき氷を見習えよ /20210711174901(11), ■ /20210712204137(11), ■教え魔おじさんに会わない /20210712171113(11), ■アダルトグッズを買ったことがあるやつらへ /20210711161100(10), ■Twitter政治豚がすごくウザい件 /20210712200950(10), ■最近見てるVtuberの同時接続者数が /20210712161803(9), ■昔の友達ニュース激怒マンになって悲しい私 /20210711021233(9), ■バッハ会長は、何故五輪が無観客なのか理解できない /20210712133247(9), ■初めて18禁BLPCゲームした時のこと /20210712052805(7), ■ツイッターシャザムババア死ねよ /20210711223409(7), ■反出生主義者って何で生まれてくる子の幸福度勝手に決めてるの? /20210712095322(7), ■ブロッコリーが苦手(閲覧注意かも) /20210712163214(6), ■ /20210712020207(6), ■ /20210711154000(6), ■「ひろゆき相手ならネットリンチしてもいい」みたいな空気 /20210712205305(6)

2021-07-12

anond:20210712130623

増えるわけないだろ。

蓮舫はともかく山口二郎津田大介なんて何の影響力もない。

おまえの狭い世界をすべてだと思うな。

立憲民主党のチャンス

せっかく最大のチャンスが来てるんだから蓮舫山口二郎津田大介選挙が終わるまで黙っておくように言えないのかな。

この3人が黙っておくだけで20~30議席分ぐらいは増えると思うんだけど。

何を言っても票を逃がす効果しか生まないんだから、余計なことを喋らんでほしい。

2020-11-22

山口二郎教授 菅政権コロナ対策を見て「戦争に負けた理由がよく分かる」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニ...

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/203d7c6e461318d27f4556a9a36a02304e910a94

とある方のコメント現実と願望を混同とあるが、全くその通りである

だいたい、世界中日本という国を知らない人なんていないと信じている人が日本人の大部分なのだからいか日本人が自国の状況を客観的に見れておらず、願望と現実混同しているかよくわかるものだろう。

この状況であれば本来、本気で国民生命安全を守ろうとするのなら、もはやなりふりかまってなどいられず、韓国台湾に頭を下げてでも新型コロナウイルスの封じ込めについて教えを乞うことになるだろう。

(追)

アメリカ戦勝国とか確信犯的な屁理屈こねてる奴は逝ってよし!

そういう手合は、社長がどうしてもっていうから飲酒運転しましたって言い訳するのと同じだ。

今回の「新コロ戦争」の現時点での「勝者」が韓国台湾であるのは明らかなのにそれが受け入れられないのは昭和20年7月日本と同じメンタリティだ!

なぜ勝者を勝者として認めそこから学ぼうとしない?

学んだらまた我々が追い抜き、勝てばいい、それだけの話だというのに。

2020-07-25

本人が望むならたとえ医学的に健康な人でも安楽死させてもらえるようになることが

本当に実現できそうなら極右政党でも支持するな。

俺は20頁くらいの概説で初めてロールズを知った時にいい印象を抱く程度には

リベラルなんだが、最も恵まれない人にとってよい制度には安楽死必須だと思う。

死にたくないと思える人には十分によいことがあるかあったと思うし、

死後への恐れだけからなら先延ばしなので、

そういう人の生きる権利よりは死ぬ権利のほうが優先度は高いとかなり強く信じている。

上の概説は岩田靖夫の『現代思想の源流』の最終章だな。

ついでに言えば山口二郎講義をその後とったときも、

民主党肯定的な印象を抱いた。

2020-05-24

実際に安倍誹謗中傷されているのか?

答え:安倍誹謗中傷されている。

とりあえず簡単確認できるものでもいくつか挙げられる。なお、強調は筆者によるもの

安倍に言いたい、お前は人間じゃない。たたっ斬ってやる!」

法政大学教授山口二郎

https://www.youtube.com/watch?v=mifhF05u9AA

安倍歴代首相もっとも愚か論理的に考える能力が著しく欠ける。バカほど恐ろしいことはない」

立教大学特任教授金子勝

https://www.youtube.com/watch?v=FlwpzxvpyY4

参議院の審議で、安倍首相専守防衛にいささかの変更は無い、戦争に巻き込まれることは絶対にない、と断言に次ぐ断言を重ねていますけれども、もし彼が言っていることが彼の本心であるとすれば、法案理解していないバカ、ということになります。また、もし、法案の内容をそのように断言によって国民の目をごまかそうとしているのであれば、それは嘘つきということであります

専修大学教授法学部教授東京大学元副学長日本学術会議会長・廣渡清吾

http://oshidori-makoken.com/?p=1423

バカか、お前は

SEALDsメンバー奥田愛基

https://www.nicovideo.jp/watch/sm27014038



それと、まあ、リテラ

今年はサイコパスぶりさらエスカレート2019年安倍首相がついた真っ赤な嘘とインチキまくりLITERAリテラ

https://lite-ra.com/2019/12/post-5177.html

ブコメ基本的にはサイコパス路線同調していて、タグに「嘘吐き」や「サイコパス」をつけているやつも見かけるのだけど、まともなブコメも少しは見られる。

aa_R_waiwai 前々から思うんだが、嫌いな相手精神病よばわりしながら、一方で差別反対を語るのは、それこそ(あえて使うが)「サイコパス」ではないだろうか。そして、そんな紙面に文句もつけない自称反差別の徒たち。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/lite-ra.com/2019/12/post-5177.html


他にブコメでも例示しようと思ったけど、「バカ」サイコパス」「嘘吐き」という3単語なら、タイトルに「安倍」とついていてたくさんブクマを集めているものを見れば、頻出なので省略。

それと「実際に嘘吐きサイコパスなんだから、そう言われるのはしょうがないだろ」とかはてサ人達は思うかもしれないけど、本当のことでも名誉毀損になるから気をつけようね。

もっとも、私人私人ではなくて、公人私人から実際に訴えられることはないけど、公人からどんな言葉を投げかけてもいいわけじゃないよね。

2020-05-03

ブコメ民に感じる不思議

安倍国民の声を聞け!」系

ブコメからしたら、安倍バカサイコパスでどうしようもない奴なんでしょ? そういえば、ブコメ以外でも昔に似たようなものがあったね。脱原発SEALDs関連でも、山口二郎法政大学教授の「お前は人間じゃない」、宮崎駿の「愚劣」、広渡清吾専修大学教授の「バカか嘘つき」、奥田愛基の「バカか、お前は」など。で、「バカで愚劣でサイコパス」な安倍に「立憲主義を守れ」だとか「民主主義ってこれだ」といった訴えを、国会前で叫んだり安倍Twitterリプライしたりブコメ投げかけたりしているわけだけど、「バカで愚劣でサイコパス」な安倍なんだから、当然そんな高尚なお話が通じるわけがないじゃない(笑)

なんで言葉を紡いでいくんだろうねぇ……美徳シグナリング駄々をこねて小遣いをせびる小学生みたいに見えるんだけど。安倍政権に影響を与えたいなら、安倍さんのお友達にでもなることから始めたら?

2019-10-15

anond:20191015204448

ただはてな民が選ぶ現代日本代表的リベラル10人でも評価の差が激しいからな

みんなたくさん本を読んでるのは同じなのにどうしてこうも差がでてくるの?

井上達夫

上野千鶴子

内田樹

小田嶋隆

金子勝

北田暁大

松尾匡

室井佑月

望月衣塑子

山口二郎

2016-11-20

東京新聞 本音コラム首脳会談議事録」 (2016.11.20) が熱い!

安倍トランプによる架空対話による創作議事録

これがあまりにも気持ち悪い作文だったので、記者編集部に対して心地よい吐き気を覚えた。

暇つぶし最後の1行に

「このあとめちゃくちゃセックスした。 」

と追加しておいた。

こっちのバージョンを、掲載してもらえませんかね、

東京新聞さん、おねがいしゃす!

東京新聞 本音コラム 2016.11.20

首脳会談議事録 (法政教授 山口二郎)

トランプ選挙最中ヒラリーに会ったということは絶対に俺が負けると思っていたんだろう」

安倍 「大変申し訳ありません。うちの外務省がドジをこいたもので…」

中省略

トランプ「まったくあんはい心臓をしているよ」

安倍「さっそく信頼してくださりありがとうございます

私は文字通り、善い晋三です」

このあとめちゃくちゃセックスした。           (2016.11.20)

2014-11-01

威力業務妨害ヘイトスピーチ実害1500万円 言論テロに屈服?

元朝日記者の講師契約打ち切りか 脅迫事件の北星学園大(10/31 07:30、10/31 07:56 更新)

札幌市厚別区の北星学園大に、元朝日新聞記者非常勤講師の解雇を要求する脅迫状などが届いている問題で、教職員らで30日に結成した「大学の自治と学問の自由を考える北星有志の会」は、同大が来春、この講師との契約を更新しない方向で検討に入ったことを明らかにした。

有志の会によると、田村信一学長が29日、学内の会議で初めて表明した。講師を雇用し続けるには、人的、財政的な負担が大きすぎ、来年度の入試も不安、との理由を挙げたという。学長は11月5日に予定している評議会に諮問し、理事会の意見を聞いた上で、学長として最終的に判断するとの考えを示したという。

この講師は2012年からこれまで、1年ごとの契約を2回更新している。同大北海道新聞の取材に、「内部の会議での話なので、内容は答えられない。(講師の契約については)学内手続きにのっとって進める」と話した。

大学関係者によると、北星大は脅しの電話、メールに対応する職員や警備員を雇ったため、1500万円前後かかった。爆破予告により、授業や入試が妨害されることも心配している。

攻撃されている非常勤講師は1991年、朝日新聞に韓国の元慰安婦の証言を韓国紙に先駆けて報じた。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/571712.html

朝日新聞元記者を来年度雇用しない意向 北星学園大学2014年11月1日04時02分

慰安婦問題記事を書いた朝日新聞元記者の植村隆氏(56)が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)に、植村氏の退職を求める脅迫文が届くなどした問題で、田村信一学長は31日、植村氏との来年度の契約について、更新しないことを検討していると表明した。

田村学長がこの日、記者会見して明らかにした。学長は、29日にあった副学長、各学部長、事務局長らとの会議で、植村氏との来期の契約を更新しない考えを持っていることを伝え、ほかの参加者からも賛同を得られたという。

11月5日にある大学最高意思決定機関の評議会と、中旬に開かれる理事会でも各メンバーから意見を聴くといい、その上で理事長と話し合い、12月上旬までには決めるという。

田村氏は更新しない意向を固めた理由について、警備強化などで財政負担が厳しい▽教職員が対応で疲弊している▽入試の際、受験生を巻き込んでまで「厳戒態勢」を続けるのは難しい――などの理由を挙げた。

その上で「今期については植村氏との契約を守っており、来期の更新がなくても外圧に屈したことにはならない」と説明した。一方で、「今でも抗議電話はある。我々も小さな大学であり、学生確保も安泰ではない」と語った。

こうした対応に反発する一部の教職員は30日、「大学の自治と学問の自由を考える北星有志の会」を設立メンバーは「更新しなければ、外圧に屈したと受け取られる」と話した。

また、有識者らが結成した「負けるな北星!の会」も31日夜、札幌市内でシンポジウムを開催し、約220人が参加。同会メンバーは「言論テロに屈したように見られることになれば、社会へ与える影響は大きい」と述べた。

http://www.asahi.com/articles/ASGB06D5GGB0IIPE03D.html

慰安婦問題:北星学園大 元朝日記者処遇巡り学内相反 2014年10月31日 06時30分

従軍慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者植村隆氏(56)が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)に脅迫状が届いた問題で、田村信一学長が来年度以降は植村氏を雇用しないとの考えを学内の会議で示していたことが、関係者への取材で分かった。

大学側の動きに危機感を持った教授らが30日、「大学の自治と学問の自由を考える北星有志の会」を結成。メンバーの教員は毎日新聞の取材に「脅迫者の要求に応じれば被害は拡大する。踏みとどまらないといけない」と話した。

関係者によると、学部長らで構成される全学危機管理委員会が29日に開かれ、田村学長が「財政的、人材的問題」と「入学試験が心配」などの理由を挙げ、「来期の雇用はない」と述べた。11月5日に開かれる臨時の大学評議会に諮問。大学評議会理事会での意見聴取などを経て、最終的には田村学長が決定するという。

植村氏は2012年4月から非常勤講師を務め、留学生向けの講義を担当している。

毎日新聞は北星学園大に文書で取材を申し込んだが回答がない。【山下智恵】

http://mainichi.jp/select/news/20141031k0000m040172000c.html

慰安婦:元朝日記者に応援団「脅迫文で講師辞めないで」 2014年10月03日 07時30分

北星学園大(札幌市厚別区)に元朝日新聞記者非常勤講師を辞めさせなければ学生に危害を加えるとの脅迫文が届いた問題で、作家の池澤夏樹さんら識者が呼びかけ人となり、解雇しないよう同大を応援する「負けるな北星!の会(マケルナ会)」が6日に結成され、東京都札幌市記者会見を開く。

元朝日新聞記者非常勤講師は1991年8月11日の大阪本社版社会面で元従軍慰安婦の証言を報道した植村隆氏(56)。

同大によると、植村氏は2012年4月から、非常勤講師として留学生向けの講義を担当。今年3月中旬から、植村氏の採用を疑問視したり辞めさせるよう求めたりする電話や電子メールなどが大学に届き始めた。5月と7月には脅迫文が届いたほか、「大学を爆破する」との脅迫電話など、1日に数十件寄せられる日もあったという。

こうした状況に「脅しによる解雇が通れば、私たちの社会をも脅かすことになる」と案じた札幌市内の女性が9月、同大を応援するメールを送るよう知人らに提案。支援の輪が広がり、会の発足につながった。池澤さんのほか、山口二郎法政大教授らも呼びかけ人となり、2日現在、上田文雄札幌市長100人以上が会の趣旨に賛同している。

脅迫文については、同大から相談を受けた道警札幌厚別署が威力業務妨害容疑を視野に調べている。同大田村信一学長は「大学の自治を侵害する卑劣な行為で、毅然(きぜん)として対処する」との文書を出し、「学生や植村氏との契約を誠実に履行すべく、万全の警備態勢を取りながら後期の講義を継続する」としている。【山下智恵】

http://mainichi.jp/select/news/20141003k0000m040135000c.html

学者や弁護士ら、脅迫状届いた大学を支援する会 2014年10月7日03時39分

北星学園大(札幌市)に、非常勤講師を務める元朝日新聞記者を退職させるよう脅迫状が届いた事件を受けて、学者や弁護士ジャーナリストらが6日、同大を支援する「負けるな北星!の会」を結成した。東京都札幌市記者会見を開き、「学問と言論の自由を守るため市民は結束すべきだ」と訴えた。

この元記者は今春、朝日新聞社早期退職した植村隆氏(56)。2年前から北星学園大の非常勤講師を務めている。

呼びかけ人には元共同通信編集主幹の原寿雄さんや精神科医香山リカさん、北海道大学院准教授中島岳志さんらが名を連ねる。野中広務・元自民党幹事長上田文雄札幌市長ら約400人が賛同しているという。

東京での記者会見で、呼びかけ人の一人で弁護士海渡雄一さんは「言論を暴力で封じ込めるのはテロリズム。テロが放置されないよう市民も結束して『許さない』というメッセージを社会に送るべきだ」。小森陽一・東大院教授は「学問の自由の封じ込めで、憲法違反だ」と主張した。市民文化フォーラム共同代表の内海愛子恵泉女学園名誉教授は「外部からの脅迫で大学がいかようにでも動くという先例を作ってはならない」と訴えた。

小林節・慶応大名誉教授は、ネット上に元記者の長女の写真などがさらされていることに触れ「10代の女の子顔写真や名前までが公開され、自殺を教唆する書き込みもされている。テロとしか言いようがない」と語気を強めた。

会は今後、北星学園大を支援するための署名活動や集会を呼びかけていく。

     ◇

同会は呼びかけ人のメッセージを発表した。

池澤夏樹さん(作家)

たくさんの人が一人の人を非難している。その非難に根拠がないとしたら、もっとたくさんの人が立ち上がってその人を守らなければならない。

ぼくは喜んでその一人になる。

ぼくたちは言葉を使う。暴力は使わない。

■原寿雄さん(元共同通信主幹)

植村さんの勤務先である北星学園大学への脅迫に加え、娘さんに対するひどい脅迫めいたバッシングは、単なるヘイトスピーチではなく、明らかな犯罪だ。こういうことが見過ごされるようになったら、日本社会の自由な言論が封じられ、ものが言えなくなる。これは、大学の自治だけの問題ではなく、日本社会の大問題である

森村誠一さん(作家)

戦時報道の問題で、今「朝日」が他のマスメディアバッシングの的にされています。同業者が同僚の報道内容を餌にして叩(たた)きまくっているのは、「叩けば売れる」からです。次は自分が的にされるかもしれないのに、“武士の情”どころか、売上第一主義で叩きまくっています。

しかし反対者が「朝日」の元記者と家族・学生に至るまで、暴力的脅迫をあたえるとなると、思想、表現、報道、学問などの自由を弾圧するテロ行為となります。

日本はいま憲法をめぐって永久不戦と集団的自衛権が争っています。この両派のどちらからでも、反対思想、反対表現者に対するテロリズムが発生すれば、テロ派が民主主義の天敵であることを自ら露悪することになります。植村隆氏に対する暴力的弾圧を、広島、長崎、三百万を越える犠牲を踏まえて得た民主主義の名にかけて、絶対に許すべきではありません。

     ◇

呼びかけ人は以下の通り。

池澤夏樹(作家)

伊藤誠一(弁護士、元日弁連副会長

内田樹神戸女学院名誉教授

内海愛子市民文化フォーラム共同代表)

太田原高昭(北海道名誉教授、元北星学園大助教授

岡本仁宏(関西学院大教授、ワシントン大客員研究員

荻野富士夫(小樽商科大教授)

小野有五北海道名誉教授、北星学園大教授)

海渡雄一(元日弁連事務総長

桂敬一(元東京大教授)

加藤多一(絵本作家

神沼公三郎(北海道名誉教授

香山リカ(立教大教授)

姜尚中聖学院大学長)

神原勝(北海道名誉教授

古賀清敬(牧師・北星学園大教授)

後藤乾一(早稲田大名誉教授

小林節(慶応大名誉教授弁護士

小森陽一東京大大学院教授)

斎藤耕(弁護士

佐藤博明(静岡大名誉教授・元学長)

新西孝司(元高校教師

鈴木賢北海道大教授)

高橋哲哉東京大大学院教授)

田中宏(一橋大名誉教授

千葉真(国際基督教大教授)

中島岳志北海道准教授

中野晃一(上智大教授)

西谷修(立教大特任教授)

西谷敏大阪市立大名誉教授

原寿雄(ジャーナリスト、元共同通信編集主幹)

秀嶋ゆかり弁護士

福地保馬(北海道名誉教授、医師)

藤田文知(元BPO放送倫理・番組向上機構〉)

藤原宏志(元宮崎大学長)

真壁仁(北海道大教授)

松田正久(前愛知教育大学長)

水越伸東京大教授)

森村誠一(作家)

山口二郎(法政大教授)

結城洋一郎(小樽商科大名誉教授

渡辺達生弁護士

和田春樹(東京大名誉教授

http://www.asahi.com/articles/ASGB67JQTGB6PTIL03H.html

負けるな北星!の会 中野晃一氏と山口二郎氏「日本式マッカーシズム学問の自由への脅迫」 日本外国特派員協会

Koichi Nakano & Jiro Yamaguchi: "Japan-style McCarthyism and Threats to Academic Freedom"

http://www.youtube.com/watch?v=TNjWHwCQbcE

中野晃一

https://twitter.com/knakano1970

中野晃一 Koichi NakanoさんはTwitterを使っています: "情勢は極めて厳しいですが、引き続き北星学園が負けないよう応援を。まだ学内で頑張っている方たちがいます。 “@doshinweb: 北星学園大、元記者の契約更新せず 学長、脅迫問題で方針 http://t.co/yYVgdbsJBS”"

https://twitter.com/knakano1970/status/528353795776843776

山口二郎

https://twitter.com/260yamaguchi

山口二郎 自由を守る 2014年10月06日

先日、本欄で日本におけるマッカーシズムの出現を指摘したが、事態は一層悪化している。元朝日新聞記者で、記者時代に従軍慰安婦について記事を書いた植村隆氏及び家族に対する人身攻撃が常軌を逸している。

植村氏は、今年春から関西の私立大学の教授に就任する予定だったが、右派メディアの攻撃によって辞退を余儀なくされた。現在は、札幌にある北星学園大学非常勤講師を務めているが、関西の一件で味をしめた右翼の脅迫によって、来年度の継続が危ぶまれる状況となっている。植村氏の書いた記事に批判があれば、言論で戦えばよいだけの話である。学生や家族まで巻き込んで危害を加えるなどと脅迫することは、言葉によるテロである

現状を憂うる学者やジャーナリストが集まって、北星学園大学学問の自由を守るよう支援する運動を始めることとした。今の大学への攻撃を見ていると、戦前の天皇機関説事件や蓑田胸喜一派による自由主義者追い落としを思い出す。まさに戦端は開かれた。ここで右翼の横暴を止めなければ、これから日本における学問の自由は崩壊することになるだろう。

意見は違っても、言論には言論で対抗するのが自由主義の本質である。本紙の読者の方々にも、ぜひ関心を持っていただくようお願いする。

東京新聞10月5日

http://yamaguchijiro.com/?day=20141006

慰安婦報道めぐり脅迫文 2大学に元朝日記者の退職要求 2014年10月1日03時00分

北星学園大(札幌市厚別区)に今年5月と7月、慰安婦問題に関する記事を書いた非常勤講師元朝日新聞記者(56)の退職を求め、応じなければ学生に危害を加えると脅す文書が届いていたことが捜査関係者への取材で分かった。大学側から相談を受けて、北海道警札幌厚別署が威力業務妨害の疑いで調べている。

捜査関係者によると、文書は学長ら宛てで、5月29日と7月28日に郵送で届いた。印刷された字で「元記者を辞めさせなければ天誅(てんちゅう)として学生を痛めつける」「釘を混ぜたガスボンベを爆発させる」などと書かれ、元記者や朝日新聞の報道を批判する内容。それぞれ数本の虫ピンが同封されていたという。大学関係者によると、9月中旬に「爆弾を仕掛ける」との内容の電話もあったという。

元記者は91年8月、元慰安婦の証言を韓国紙などに先駆けて報じていた。

また、帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)にも9月13日、慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者人間科学部教授(67)の退職を要求する脅迫文が届いていたことがわかった。大学被害届を提出、府警が威力業務妨害容疑で調べている。元記者は同日付で退職した。

府警や大学によると、同大狭山キャンパスに法人理事長や学長らに宛てた封書が計4通届き、それぞれA4判2枚の文書に「辞めさせなければ学生に痛い目に遭ってもらう。釘を入れたガス爆弾を爆発させる」などと記され、釘1本が同封されていたという。

元記者は韓国・済州島で女性を強制連行したと証言した吉田清治氏(故人)に関する記事を数本書いていた。朝日新聞社が8月、吉田氏に関する記事を取り消した際、吉田氏の証言を最初に取り上げた記事の筆者を匿名でこの元記者と記したが、その後、元記者でなかったことが確認された。

http://www.asahi.com/articles/ASG9Z63FLG9ZUTIL060.html

慰安婦報道 元記者の家族も攻撃 2014年10月7日03時38分

慰安婦報道にかかわった元朝日新聞記者が勤める大学へ脅迫文が届き、警察が捜査を進めている。インターネット上では、元記者の実名を挙げ、「国賊」「反日」などと憎悪をあおる言葉で個人攻撃が繰り返され、その矛先は家族にも向かう。暴力で言論を封じることは許せないと市民の動きが始まった。

この元記者は今春、朝日新聞社早期退職した植村隆氏(56)。2年前から続けてきた北星学園大(札幌市厚別区)の非常勤講師を現在も務めている。

大学は9月30日、学生と保護者に向けた説明文書の中で初めて、植村氏の退職を求める悪質な脅迫状が5月と7月に届き、北海道警被害届を出したことを明らかにした。3月以降、電話やメールファクス、手紙が大学教職員あてに数多く届き、大学周辺では政治団体などによるビラまきや街宣活動もあった。

同僚教員は言う。「もはや植村さんだけの問題ではない。大学教育、学問の自由が脅かされている」

攻撃は北星学園大にとどまらない。帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)にも9月13日、慰安婦報道に関わった元朝日新聞記者人間科学部教授(67)の退職を要求する脅迫文が届き、府警が威力業務妨害容疑で調べている。元記者は同日付で退職した。

ネット子どもの写真や実名

「反日」「捏造(ねつぞう)記者」といった言葉で、北星学園大に勤める植村氏を中傷するネット上の書き込みが目立ち始めたのは今年1月末だ。

週刊文春」2月6日号が「“慰安婦捏造朝日新聞記者お嬢様女子大教授に」との記事を掲載していた。かつて慰安婦の報道にかかわった植村氏が、4月から関西の大学で教鞭(きょうべん)を執ると伝え、植村氏が書いた記事について「捏造記事と言っても過言ではありません」との研究者コメントがつけられていた。

ネット上で、大学へ抗議電話やメールを集中させる呼びかけが始まった。3月、大学側が「採用予定だった植村氏との雇用契約は解消されました」とホームページで公表すると、ネットには「吉報」「ざまぁ」の書き込みが相次いだ。

植村氏によると、その後、自宅に面識のない人物から嫌がらせ電話がかかるようになった。ネットに公開していない自宅の電話番号が掲載されていた。高校生の長女の写真も実名入りでネット上にさらされた。「自殺するまで追い込むしかない」「日本から、出ていってほしい」と書き込まれた。長男の同級生が「同姓」という理由で長男と間違われ、ネット上で「売国奴のガキ」と中傷された。

嫌がらせや中傷は今もやまず、植村氏が弁護士を通じてひどい書き込みの削除をプロバイダーに求めているが、削除が追いつかないという。

■各紙、足並みそろえて批判

朝日新聞は10月1日付朝刊で元記者の勤務先の大学に脅迫文が相次いで届いたことを報じた。2日付で「大学への脅迫 暴力は、許さない」と題した社説を掲げたほか、毎日、読売、産経の各紙も社説で取り上げ、厳しく批判した。

朝日の慰安婦報道を紙面で批判してきた産経は同日付で「大学に脅迫文 言論封じのテロを許すな」と題した「主張」を掲載。「報道に抗議の意味を込めた脅迫文であれば、これは言論封じのテロ」「言論にはあくま言論で対峙(たいじ)すべきだ」と訴えた。

毎日は3日付の社説大学への脅迫 看過できない卑劣さ」で、今回の事件の背景には「一部の雑誌やネット上に広がる異論を認めない不寛容な空気がある」と指摘。「ヘイトスピーチ(憎悪表現)にも相通じる現象だ」とした。

読売も3日付で「大学への脅迫文 言論封じを狙う卑劣な行為だ」と題する社説を掲載した。

■家族や職場への攻撃は卑劣だ

植村隆元朝日新聞記者の話〉 1987年5月、朝日新聞阪神支局に男が押し入り、散弾銃で当時29歳の記者が殺された。私は彼の同期だ。問答無用で記者が殺されたあの事件と今回のケースは異なるが、身近に思えてならない。家族や職場まで攻撃するのは卑劣だ。私が書いた元慰安婦に関する記事に批判があるが、記事を捏造(ねつぞう)した事実は断じてない。今後、手記を発表するなどしてきちんと説明していきたい。

テロ行為にも等しい

五野井郁夫高千穂准教授政治学)の話〉 民主主義の要である言論の自由を暴力で屈服させるテロ行為と等しく、大変危険だ。ネットや雑誌で「売国奴」「国賊」という言葉が飛び交う中、短絡的なレッテル貼りが今回の事件を惹起(じゃっき)していると考えられる。言論を暴力で抑圧してきた過去を日本社会は克服したはずなのに、時代が逆戻りしたかのようだ。私たちはこうした脅しに屈してはいけない。

■社会への不満、背景に

鈴木秀美・大阪大教授(憲法・メディア法)の話〉 嫌韓・反中やヘイトスピーチにつながる排他的な考えのはけ口として、朝日新聞関係者を攻撃する構図がある。背景に現在の社会への様々な不満も重なっている。雑誌が「売れる」ことだけを考え扇情的記事を書き、こうした暴力性をあおっている側面もある。メディアにはものごとを冷静に考える材料となるような建設的な議論が求められる。

■脅迫は許されない

八木秀次・麗沢大教授(憲法学)の話〉 慰安婦問題を報じた元記者が中傷されていることを当事者の朝日が問題視して、読者の理解を得られるだろうか。普段、企業や役所の不祥事を厳しく追及しているのだから、執筆の経緯を元記者が自ら説明すべきだ。ただ、個人を「さらし者」にして攻撃するネット文化にくみすることはできない。脅迫は許されないし、職を奪うまでの行為は行きすぎている。

国際的評価を下げるだけ

古谷経衡(つねひら)さん(著述業)の話〉 朝日の Permalink | 記事への反応(1) | 23:12

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