はてなキーワード: 家計調査とは
野原ひろしの年収は650万であり、これは2016年現在から見れば5%のエリートに属するというブログを斜め読みした。
ふむ。では当時ならひろしは平均、あるいは平均よりちょっといい程度とみなされたのだろうか。
Wikipediaによれば野原ひろしの年収650万はアニメ94話の台詞からの推測であり、これが放送されたのは1994年4月である。
そして国税庁の資料を見ると1年勤続者(男性)の平均年収(賞与含む,単位:万円)は当時以下のように推移している。
西暦 | 平均年収 |
---|---|
1989 | 493 |
1990 | 520 |
1991 | 547 |
1992 | 558 |
1993 | 555 |
1994 | 560 |
1994年の平均年収は560万である。650万は当時の平均より90万多い(ちなみに彼は35歳だが、1994年の35歳~39歳の平均給与は全体平均と同じ560万である)。
年収というやつは必ずしも正規分布しているわけではなく、一部の凄まじい金持ちが平均値を引き上げる傾向がある。従って中央値は基本的に平均よりも低いと見た方がいい。
その点も含めると、おそらく1994年の野原ひろし650万は中央値よりも100万ほど多いと思われる。平均給与より月収が8.3万多い計算になる。これを平均よりちょっと良い程度と思うかどうかは……まぁ人によると思うが、どちらかというとそこそこ年収のあるやつが自分の年収を隠して言う時に「いや俺だって安月給だよそんなん。え?平均とくらべて?同じようなもんだよ、あー、まぁ、ギリギリ平均よりちょっとだけ良いくらい?」的な雰囲気を感じる。イラッ☆
1年勤続者(男性)の平均年収は1997年の577万をピークとして緩やかに下っていき、リーマンショックでとどめを刺される。
野原ひろしは35歳の男性社員である。ということでこの全盛期で見ると、35歳~39歳男性の1997年の平均は589万である。バブル全盛期の中央値は平均値と殆ど同じだったと仮定すれば、1997年のひろしの年収650万は平均よりちょっと良い、というのは、まぁわからなくはないだろう。月給にして他の人より5万円多いのを「ちょっと」というのは、多い側からみればそうかもしれないが、少ない側から見ると「あ?それちょっとっていうならよこせや」と思うところな気はするが。
なお2014年の35歳~39歳男性の平均年収は502万である。やんなるね。
一方で春日部市における平均年収から見た野原ひろしはどうか(春日部市の平均収入でググると妙な数字が出てくるけど、これソースが不明瞭だし計算式も公開されてないので信用に値しないと考え無視した)。
総務省統計局では都道府県別の家計調査が2000年からしかないが、ひとまずこれを参照する。春日部市単独のデータは無いが、春日部市は人口15万人以上であることから中都市に該当する。曰く、2000年の賞与を含めた年平均月額の世帯主収入は466,591円である。12倍すると534万。バブル全盛期をちょっと過ぎた2000年でこの数字である。
650万とは実に120万の差がある。中央値はこれより更に下であることを考えれば、春日部市における野原ひろしは当時から見ても平均的、あるいはそこからちょっと良いだけとは言い難いように思う。
野原ひろしのような人生は、なるほど現代からすると相当なカチグミであるように見える。しかし当時の社会背景を考えれば、こうしたレールに乗ることは平均的な能力プラスアルファでどうにかなる範囲だったのではないか。
彼は1994年当時で35歳、二十歳で大学を中退して(つまり高卒で)入社したとのことである。従って1979年入社であり、これは残念ながらバブル期前である。
加えて彼は高卒であり、今ほど大卒信仰が強くない時代とはいえこれがプラスに働くことはまず無い。ゆえに就職活動において基本的には不利な立場にあったと言える。
どう考えてもこの時点で相当なカチグミである。これを平均よりちょっと良いレベルとは当時ですらやはり言えないように思う。
そういうわけで、野原ひろしは1994年当時で見てもエリートだと思う。バブル真っ盛りの時と比較してギリギリ「平均よりちょっといい程度だね」と見栄込みでいうことは出来ると思うが、それ以外ではいささか厳しい。
さらに国内商社は年功序列で給料が上がるため、2014年55歳の野原ひろしの年収はほぼ間違いなく1000万を超えているだろう。2014年の55歳~59歳の男性平均年収は631万であり、彼は最終的に平均の1.5倍を上回る所得者ということになる。
彼は今からみてもエリートだが、当時からエリートであり続けた、というのが正しい見方ではないだろうか。
子供のいる夫婦に限定すれば野原ひろしは平均になりえるのではないか、というブコメを見て「あ、それは見てなかったわ」と。
そういうわけで追加で調べた。
1996年の国民生活基礎調査「1世帯当たり平均所得金額,世帯主の年齢(10歳階級)・世帯構造別」を見ると、「夫婦と未婚の子のみの世帯」の平均所得は621万である。おお、これなら650万は平均よりちょっといい程度やんけ、と思ったが、問題がある。
これは世帯収入、すなわち共働きを含めた数字だからである。ひろしは単独で650万である以上、この数字と直接比較はできない。
この基礎調査に世帯主収入のデータは無いようだったため、これを推測すべく、2000年の家計調査の「有業人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」を見ると「全国・勤労者世帯(核家族世帯)」の世帯収入と世帯主収入のデータがある。核家族における世帯の実収入は月額568,391円、このうち473,674円が世帯主収入である。割合にして83.3%。
この比率が4年で大きく変動していないとすれば、621万の83.3%は517万である。残念ながら650万とはかなり差があると言わざるをえない。
96年の「1世帯当たり平均所得金額,世帯人員・地域ブロック別」を見ると、世帯人数ごとの所得額が地域別で分かる。ここでとりあえず「3人」を見てみると、全体平均が718万、一方で埼玉が属する「関東Ⅰ」ブロックでは829万である。当時全体平均に対して首都圏の所得は115.4%になる。
この比率を当てはめると、517万の115.4%で596万。これが1996年の東京ブロックでの子持ち既婚男性30代の平均年収の推測値である。
ただし、この「関東Ⅰ」には丸ノ内線内在住かつ子持ちの夫婦が含まれている数字であり、彼らが平均を大きく引き上げることは間違いないだろう。従って都内在住の子持ち夫婦というカテゴリで見るなら野原ひろしは平均的かもしれないが、埼玉県春日部市という点で考えれば、97年の最も所得の良かった時期の子持ちの夫婦という点で比較してもやはり平均的な家庭よりも所得に余裕がある立場ではないかと思う。
野原ひろしの務める双葉商事は中央区日本橋にある商社という設定だが、例えば日本橋にある神鋼商事の四季報を見ると平均年齢39歳で平均年収711万である。これと比較してみると35歳の営業課長で650万というのはちょっと低い印象がある。
とはいえ商社も色々である。総合商社なら平均で1200万~1300万になるが、中堅商社でいえば650万というのは平均的かもしれない。
Wikipediaによればバブルは86年から91年だそうで。顔真っ赤にして「ITバブルがー!サブプライムがー!」とか書こうと思いましたが、無知をお詫び申し上げる。
しかし政府統計を見る限り、この86年から91年の所得平均がずば抜けて凄いかというと特にそんなことはない。上述の通り、一番平均所得額がいいのは97年だからである(なので無知な自分は97年がバブル全盛期だと信じて疑いませんでした)。ただしピークへ向けて毎年のように平均所得と可処分所得が上がっていっているので、サラリーマン的に印象の良い時代だったことは間違いないとは思う。
バブル時代はボーナスがたくさんでた、というのは嘘ではないだろうけれど、全国的な平均を取るとそうでもなかった。給料が銀行振込ではなく手渡しだったなら「札束!」という印象が今よりあっただろうこと、東京の一部の羽振りの良い連中が誇張されたこと、当時の情報メディアは新聞とテレビが全てだったこと、といった条件下で醸成された「バブルの頃はみんな高給取りだった」んじゃなかろうか。
http://anond.hatelabo.jp/20130120041944
http://anond.hatelabo.jp/20130121050222
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gk02.pdf
実際には食料品でも軽減税率にならないのもあれば食料品以外でも軽減税率になるのがあるけど、
とりあえず『食料5%、その他10%』となる場合をベースラインにした。
その場合と同じだけの税収を得るためには『全てを一律で8.9%』にすればよく、
おまけとして、『全てを一律で10%にする代わりに、食料品の増税で増えた税収を一律で全世帯同額だけ還付した場合』も計算。
還付額は年額約35,000円で、月当たり約3,000円(正確には2944円)。
注意点として、実際に消費税を導入すれば消費を控えたりするので全体的に数字はもっと小さめになるはず。
年間収入(万円) | 消費支出 (消費税込み) | うち食料 | 消費支出 (消費税抜き) | うち食料 | 食料5%、その他10% の時の消費税額 | 一律8.9% の時の消費税額 | 軽減税率の メリット | 一律10% の時の消費税額 | 一律10%で一律約3000円還付 の時の純消費税額 | 還付金の メリット |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | B | A÷1.05 | B÷1.05 | C | D | D-C | E | F | D-F | |
平均 | 275,999 | 61,807 | 262,856 | 58,864 | 23,342 | 23,342 | 0 | 26,286 | 23,342 | 0 |
~350 | 165,289 | 40,704 | 157,418 | 38,766 | 13,804 | 13,979 | 176 | 15,742 | 12,799 | 1,181 |
350~482 | 223,148 | 53,626 | 212,522 | 51,072 | 18,699 | 18,873 | 174 | 21,252 | 18,309 | 564 |
482~626 | 261,363 | 60,050 | 248,917 | 57,190 | 22,032 | 22,105 | 72 | 24,892 | 21,949 | 156 |
626~827 | 313,714 | 70,440 | 298,775 | 67,086 | 26,523 | 26,532 | 9 | 29,878 | 26,934 | -402 |
827~ | 416,482 | 84,214 | 396,650 | 80,204 | 35,655 | 35,224 | -431 | 39,665 | 36,722 | -1,498 |
リンク先のPDFをよく見ろ
グラフ付きでこう書いてあるぞ
まずは資産富裕層にはどのような特徴がみられるのか確認してみる。「家計調査」では金融資産残高の階
級別の最高階級は4,000 万以上であるため、以下ではこの層を資産富裕層とみなすことにする。同世帯層の
数は全体の約1割を占めるが、資産金額でみると全体の約4 割を保有していることになる。資産富裕層の世
帯比率はここ10 年程特に変化はみられない。これに対し、下位層と見做せる300 万未満の世帯比率は増加
傾向にある一方、富裕層と下位層の中間にある層は低下する方向にある
富裕層世帯は全世帯の1 割を占めており、消費支出に占める割合も1 割程度となっている。日本の全貯蓄
額の4 割を富裕層世帯が保有していることを考えると、これら世帯層が消費に十分貢献しているとは言い難
い。上記のように、現状はむしろ同世帯層の1 世帯当り消費支出は低下傾向にある。こうした「資産はあっ
ても消費をしない」という現象は、人口減少の我が国経済にとって深刻な事態と言わざるを得ない。
「資産はあっても消費をしない富裕層」について考えられるのは、①資産取崩し型消費への抵抗感、②市
況悪化による金融資産評価額の目減り、③「子孫に美田を残す」的な価値観の強さ、といった要因が関係し
ているように思われる。①は消費支出の源泉が所得から資産に変化する中で生じる現象である。リタイヤ後
の富裕層の場合、給与所得というフロー収入が殆どなくなり、代わりに保有資産というストックを取り崩し
て消費に充てるというスタイルに抵抗を感じる人も多いと思われる。実際、団塊世代のリタイヤによって期
待されたシニア市場の盛り上がりは殆ど起こらなかった。②の金融資産の目減りは、長期化する株安や円高
による外貨建資産の評価損、金利低下による分配金の低下など、富裕層のみならず消費を減退させる要因と
なっている。③は日本人の民族性も関係しているかもしれないが、シニア世代には自分の資産を子孫に残す
べきという価値観が強いとみられ、自分の消費よりも資産保全を優先するため、多くは預貯金として眠る結
果になっている。
富裕層が保有資産に見合った消費をせず、さらに中流層から下流層への転落が進行するとなると、現在欧
米諸国を中心に懸念が広まっている資産・所得格差の拡大による消費の長期低迷という現象が起きる可能性
は十分考えられる。
それに図表23を見ればわかるが、消費の8割近くは年収2000万以下が占めていて、2500万円以下は2割程度しか占めていない
注)数値の間違いや計算違いの場合もあるのでネタとしてお読みください。また以下の数値は簡単化のため丸めてあります。
月平均電気料金:8000円(総務省『家計調査報告(家計収支編)-平成23年平均速報結果の概況-』)
10%の値上げがあった場合、全家計で合計すると1800万×(8000×0.1)円=144億円。
従業員数:36700人(Wikipedia)
平均年収:760万円(年収ラボ。ただし管理職は除く一般社員のみ。)
年収は多分、去年発表された20%の削減前。(管理職を含めた場合、約800万円になるそうです。)
この場合、月に支払われる給与の合計は36700人×(760/12)万円=約230億円。
社員給与カットにより値上げ額分を補填した場合の割合は(230-144)/230=約37%。