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はてなキーワード: 国民国家とは

2020-04-28

anond:20200428000102

それより日本国民という概念がなくなってしまうよ

教育無くしてどうやって国が立つんだ?

国民国家解体が始まってるのかもしれないな

2020-02-16

古今伝授ウイルス

思うところあって中屋敷均『ウイルスは生きている』を再読。走り読みなので細部までは目が行き届いていないが、これを読んだ時に受け取った熱を思い出した。2016年3月初版発行からそう経たぬうちに読んだと思うが、今は随分ここから遠くに来た気がする。本書が今の自分とは縁遠いものという意味ではなく、寧ろ逆にずっと俺の心を捉えて離さなかった。自分世界認識に深く影響を与えた(与えている)ので、もっとずっと昔から自分の中にあったように感じていたが、たった4年前のことなのか。

思うところが何かを明確に言語化するのは難しいが、

古今伝授を真に理解するためには、それが中世社会特質と深く関わっていることを考えなければならない(古今伝授和歌という縦糸だけで説明しようとするからダメなんだ。中世という横糸を忘れている)。中世は壮大なコジツケの体系が構築された時代神仏習合本地垂迹説・卜部神道中世日本紀等々…の奇妙奇天烈世界観!古今伝授もその一環として見るべきではないか。コジツケと言われればそうだけど、それはその時代の人々にとってとても必要なコジツケだったのだ、という。もし積極的な意義を見出すのならその方向から説明しなければならないのだ。(古今伝授を受けた天皇を中心に優れた歌人が輩出された、だから歌学教育として意味があったとかバカか。優れた和歌とは何かという定義評価軸じたいが古今伝授支配圏内形成されるのだから、優れてるかどうかを論じること自体ナンセンス。)

古今伝授古今伝授になっていく過程、つまり古今集という単なる書物が、あるいは勅撰集編纂という律令制国家の一事業が、その枠を超えた何か大きな・尊い民族文化の精髄のように認識されていくそ過程において、付与された様々な言説――三木三鳥だの八雲神詠だの人麻呂がなんちゃらかんちゃら、後世から荒唐無稽とさんざ罵倒されることになるこれらの言説は、あたか胎盤形成におけるシンシチン(syncytin)のような役割果たしていた、と考えることはできないのか。異物を異物と感じさせない、捏造捏造と感じさせない仕掛け。それは、倫理的断罪とか文化価値の優劣の俎上に乗せるのはふさわしくなく、その仕掛けを通じて何が実現されたか、その何かはその仕掛けを用いずには実現され得なかったのか、をこそ見るべきではないのか。

本来ウイルスもつ能力自己の一部として、機能として取り込む。生物自己の維持に必要機能の一部を外部環境依存する。ポータブル外部環境としての細胞生命と非生命境界は我々が思っているほど明確に線引きできるようなものではない。我々の生命定義は、あまりにも我々が日常的に馴れ親しんだもの見方に、「個人」という概念にひきずられてやしないか・・・というのが本書の示唆するものの最も深い所だ。

契沖や子規の批判は分かる。俺も一個人としては古今伝授(に代表されるもったいぶったコジツケ家)はバカジャネーノと思う。が同時に、それは文化・知・個人といったものについてこっちの定義/概念押し付けてるだけじゃないの?とも思う。

根拠がない、合理的でない、和歌質的向上につながっていない、という。では何故根拠がなければならないのか?合理的でなければならないのか?なぜ質を向上させなければならないのか?

これらの批判は、文化とは何か、個人とは何かについての定義をすでに前提にしていて、その立場から加えられている(反論する側(古今伝授擁護する側)にもその立場から反論するやつがいからどうしようもない)。まず始めに個人がある、歌は個人気持ちを詠むものだ、しかるにコレコレの御方に入門しなければ和歌は詠めないのだとはけしからんしかもその御方の教えたるやひたすらややこしい制約ばかり、かつ透明性のかけらもない、おまけにそう教える根拠はどこにあるかと探してみれば無い、要はこいつがでっち上げた妄説じゃねえか、それで偉ぶったり金巻き上げたりするなんて悪どい奴らだ・・・、こういう自他の区別、新旧の区別、真偽の判別をつけずにはいられない、ある意味病的な正義感いかにも科学合理性に偏っている。

しかし、それとは全く異なる評価軸があって、古今伝授は(中世の壮大なコジツケ志向は)その軸からみればもっとずっと整合的に理解できるはずだ。

本書の示唆する構造は、外来文化自家薬籠中の物にする日本文化性質(漢字仏教等々)、中世の遺制としての近世身分制(身分的周縁論)、象徴天皇制(近代国民国家の中の「伝統」)などに比較してみると実に都合がいい。

本来異質な要素を自己の維持に不可欠な一部として取り込み、その「元異質たち」も含めた全体として再生産されていく。あるいは新しい政権が成立する際に、それ以前からあったが途絶えかかっていた慣習を改めて制度化し流用する。取り込まれた方は同一性が失われ単なる機能に解消されてしまことなく、細胞異変があれば細胞生物独立した生物としての振る舞いを取り戻すこともあり得る(少なくともあり得ると見なされる。226事件を想起せよ)。天皇機関説ならぬ天皇ミトコンドリア説。

文化じたいが多かれ少なかれこういう性質を持っているのだが、特に日本はその傾向が顕著というか、世界中に普遍的にみられる文化現象の一例というだけでは説明のつかない点が多い。(なぜ先端技術の粋を凝らした構造物を建てる前に、土地の霊を鎮めるための宗教儀礼をやるのか?なぜ参加者は誰もその宗教信者でないのか?わけがからない。)こういう部分を説明するうえで本書の示唆する構造は役に立つ。その応用系として、古今伝授についても似たようなことが云えるのではないか

2020-01-14

anond:20171214135656

韓国だと光復後もしばらくは日帝残滓漢字語がたくさんあったけど、朴正煕大統領のころから国語醇化といって漢字語固有語にいいかえる運動がすすんだ(感謝합니다→고맙습니다、みたいな)ので、日本人がおもってるより同音異義語はすくないです。

おなじようなはなしだと、トルコ共和国建国後のトルコ語醇化運動オスマン帝国がずっとイスラム世界盟主だったのでオスマン語にはアラビア語由来のことばがたくさんあったのけど、これをトルコ民族のことばにおきかえた)がとられたね。

ことばは民族をその民族たらしめる大切なものから、どこの国でも国民国家をつくるときには国語政策というのはとてもおおきな意味もつよ。(↑と逆むきだと、最近ではスペインにおけるカタルーニャ語公的立場とか)

日本ではなぜか言語政策という観点がないどころか、琉球諸語が絶滅しそうなのを放置してたり、なかなかしょっぱいね

2019-10-16

なーにが手続き正義だよ、全ての法秩序領域国民国家による不当な暴力装置の独占という不正義のたまものなのに。

2019-10-14

anond:20191014191125

行政には国民生存権を守る義務があるけど、国民にはないんだけど。

でもそれって近代国民国家でしか通用しない理屈ですよね?

例えばイスラームでは喜捨は全てのムスリム義務ですが。

ていうかそもそも行政」「国民」という二分法がダール・アル・イスラーム平等理念に真っ向から対立してるわけで。

2019-10-01

anond:20190930125547

とりあえず原則的な話としては歴史義務教育に入ってるのは将来国民国家主権者の一員になるため。

歴史を全く知らずに政治的判断投票とか)はできないし、同じ国の国民としての意識涵養が無いと近代以前のアジアアフリカの一部の国みたいに国の命運を私利私欲でズタズタにしたり※派閥争いですぐに殺し合ったりするから。いわば主権者が共同で国に責任持つための仕掛け。仕掛けの善し悪しは別にして。

次に、理科だってフロギストンが間違いだったり、個体発生が系統発生を繰り返すとかが消えたり研究の進展で「正しい科学知識」は結構変わる。さら歴史人間がその時代に合わせて作ったものから、余計変わりやすい。

人間社会経験総体という意味での歴史は今まで生きてきた無数の人々の無限相互作用の積み重ねだから、そんなもの簡単に整理してこれが正しい歴史ですなんて言えるわけがない。なので整理された歴史っていうのは、混沌の中から重要もの」をその時代価値観から選び出し整理して(解釈して)作られた、人類経験ジャングルの中で道に迷わないための見取り図しかないわけで(年号とかは見取り図記号みたいなもん)。

それでも見取り図がなければ、人類経験認識することもみんなで語り共有することもできない。言葉がなければ人と会話もできないけれど、言葉時代によってどんどん変わってしまう。だからといって言葉なんて曖昧ものを覚えても仕方ないとはならないみたいなもの

まぁこんな感じでどうかな。却って歴史なんていらないと思われそうな気もするけどw

2019-07-07

anond:20190707140143

国民国家がどうでもいいだけで、若者の間では、公共とか共同体とかはどちらかと言えば強化方向だぞ。

から自己責任論が流行るみたいな話になるんだし。

2019-06-19

anond:20190618210243

いや無理だろ。確かに『どこが濃いねん』ってトラバが↓に付いてたよ。

https://anond.hatelabo.jp/20190618093950

それは同感だけど、じゃあ本当に『内容の濃い記事』にしようと思ったら色々無理がある。

なんせ、理解の前提となる知識絶望的に普及してない。ざっと考えても、

に入る前にまず、

  1. 近代国民国家が成立してない社会(中東の大半)を理解するために必須部族/宗派共同体支配的な社会様相解説
  2. サウジアラビアがどんな国かの解説
  3. イラン革命防衛隊がどんな組織なのかの解説

の3つぐらいは最低限必要というのは自明

で、だ。

1.はまあ、いわゆるムラ社会のことだから多少は説明ショートカットできるけど、

2.は地獄のように分量が増える。ちゃんとしようとすると、どんどん遡っていく必要がある。

ざっと考えても、

2-1.現在サウジ権力構造解説

2-1-1.なぜそんな構造になったのか~スデイリ7と宗教石油

2-1-1-1.スディリ7とは何かを説明するためのイブン・サウード(アブドゥルアジーズ)王の来歴

2-1-1-2.宗教的傾向を説明するためのワッハーブ運動サウジ建国前後からの略史

2-1-1-3.オイルマネーがもたらした西側との歪んだ関係を、冷戦から現在まで軽く説明

ぐらいは用意して、その上で、

2-2.現在サウジ国際的立ち位置

を書く必要がある。


3.も酷い。イラン革命以後の全史がほぼ必須。パーレビ王朝説明サウジ説明を流用して最小限に抑えたとしても、それ以降は、


このぐらいやれば多分、


を書けるようになるはず。あまりにも遠い。

その後で本題のイエメン内戦の話を書く余力があると思う? 無理だよね。

2019-05-09

左翼右翼の種類

自由主義

政治面では「俺たちには自由に生きる権利があって国王貴族でさえそれを侵害できないぜ」という感じ。

民主主義とか共和主義フランス革命時における「左翼」。

経済面では「俺たちが自由商売すれば自然バランスが取れるんだから政府は余計な口出しすんな」という感じ。

資本主義とか市場主義

どちらにせよ、個人権利を重視して「国家権力は小さくあるべき」と考える。

社会自由主義」の台頭後は、区別のために「古典的自由主義」と呼ばれる。

社会自由主義リベラル

古典的自由主義のように市場に任せて野放しにしていると、

差別や不平等が拡大して却って個人自由制限されるから

政府が介入して是正していくべきだ、という感じ。

中道左派。いま日本で言われているところの「リベラル」。

新自由主義ネオリベ

社会自由主義反動から、一周して市場主義に戻ってきた感じ。

自由市場のために規制緩和をし、法人税を下げたり、国営企業民営化したりする。

リベラルとの対比で中道右派と見なされる。

社会主義

資本主義格差が激しくてついてけないからもっと平等を目指そうぜ、という感じ。

共産主義マルクス主義)と社会民主主義に大別される。

左翼

マルクス主義

資本主義の発展に伴い、土地工場などの生産手段私有する資本家が、

労働者をこき使って搾取するようになったので、それを打破して平等社会を目指す。

そのためには、労働者自身生産手段管理する体制プロレタリア独裁)を、

武力を用いてでも築くべきだ(暴力革命)、という感じ。

暴力革命志向するテロリストスターリン毛沢東のような独裁者を生み出す。

左翼テロリストとかまでいくと極左

社会民主主義

マルクス主義反省して、暴力革命プロレタリア独裁否定する。

民主主義を通じて政府に働きかけ、平和的に社会主義を達成しよう、という感じ。

中道左派北欧福祉国家など。

保守主義

何らかの急進的な政治運動に対して、それに反対する立場が「保守」と見なされる。

それぞれの政治体制歴史的経緯によって何が「保守」となるかは異なってくるが、

現在のところ、政治的には「国家主義」を、経済的には「新自由主義」を指すことが多い。

右翼

国家主義ナショナリズム

もとは自由主義と連動していて、

かに支配されたりするのではなく「俺たち」が主体的に行動すべきなんだ、という感じだったが、

国民国家が成立して「俺たち=国家」となると、

「おまえも俺たちと一緒だよな」と均質化を強要したり、

「おまえは俺たちと一緒じゃない」と排外主義になったりした。

「俺たち」を結びつけるものは「民族「家族」宗教」「伝統文化」などである

個人権利よりも国家利益が優先される」までいくと「全体主義ファシズム)」となる。

こうなると自由主義とは対極という感じ。

スターリン毛沢東全体主義者とみなされたりするが)基本的には右翼排外主義とかまでいくと極右

2019-05-05

anond:20190505211358

大丈夫大丈夫若い日本人男性改宗ムスリムなんて9割方ロクデナシみたいな連中しかいないしそうそうのことでは浮かないよ

それに領域国民国家がどうこうとか神の前にあっては何の意味も持たないから、たぶん誰も気にせず接してくれるはず。

2019-05-01

共和制に移行したどころか旧共産圏東欧諸国ですら旧王族とかの貴族はいるわけで、そういう人たちが存在するかどうかと、政治的システマチック制度として国民国家に組み込むかとは、また別問題よね

一応ルーマニアとかだと王政復古への支持率はわりと高い、みたいな話も聞くし、その気持はわからんでもない。

2019-04-24

anond:20190424062156

もちろん両方知ってるけどネット上級国民煽りしてるよ

だって日本社会もっと上下で分断して可能な限り国民統合が失敗してくれたほうが、国民国家オワコンだってみんな気づいてくれるもん。

2019-04-20

anond:20190420145216

まあでも、国民皆に平等徴兵制国民国家を強化して民主主義暴走させる意味は確かにあるけどね

詳しく知りたかったらなんか適当に信用できそうな徴兵制歴史の本とか借りて読んどけ

2019-04-06

品田 悦一(しなだ よしかず、1959年1月30日[1] - )は日本日本文学研究者東京大学総合文化研究科言語情報科学専攻教授。専門は日本古代文学歌謡和歌特に万葉集』の東歌)。

群馬県出身東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学聖心女子大学文学教授などを経て、2004東京大学准教授2011年10月教授。初の単著万葉集発明』では、『万葉集』が近代国民国家文化装置として「国民歌集」の地位を与えられるようになり、「創られた伝統」として成立していくことになった過程研究。同著は中国語訳もなされた。斎藤茂吉万葉集享受研究でも知られる。

ネトウヨは「学者は信用できない」と反知性主義に逃げるしかない。

2019-01-31

anond:20190130235309

んー、そういうのは個々のデモ評価に関わる問題で、いわば各論でしょ。元々の話題もっと総論的なものだったはず。

で、(革命はともかく)デモ政治に及ぼす影響力が強化されることは、総体としては公正を実現する方向に働くと、私は思うよ。

あと本筋からはズレるけど、移民問題は難しいよね。国民国家という枠組みの限界というか、リベラルコミュニタリアン論争的な葛藤というか、そういうものを感じる。

2019-01-27

俺が生きてるうちに起きそうなこと

20で80まで生きるとして

富士山噴火南海トラフ地震

首都直下地震米中戦争朝鮮統一

新型インフルエンザ流行

イスラム帝国建国。各国でベーシックインカム導入。

ips細胞で作った臓器販売義体化。

火星移民。月に都市ができる。

国民国家消滅から建国ブームで「ハーモニー」の生府みたいなのができるがフランスだけ国民国家にこだわって死ぬ

義務教育大学みたいになる。普通科高校が減って色々な高専ができる。

ツバルが沈む。インドネシアで大噴火が起きて人類滅亡しかける。

みんなARゴーグルをつけて見たいものだけ見るようになる。スマホ衰退。Amazonが潰れる。人工知能が一番の友達になって人と人は関わりをやめる。

新海誠が娯楽映画を作るのをやめて難解なアニメを作り始める。俺の親と祖父母死ぬ

やばい

2019-01-09

anond:20190109223037

イスラームでは初めから全ての法源は神の法(クルアーンハディース)ですが。

行き詰まってるのは近代領域国民国家だけやで。

2018-11-14

偉大な我が国民の太陽たる尊敬する指導者である安倍晋三閣下!!

移民政策だのわけのわからんことを野党やらは言っているが、そんなことどうでもいいのだ。治安悪化するって?日本を壊すのは将来の世代のためだ。渋谷暴動を見ただろう。渋谷スラムから破壊は始まる。ハイパーインフレ?貯蓄ゼロ世帯を増やしてくださる素晴らしい閣下感謝だ。賃下げ政策だって世界標準賃金になれば国民国家正当性もなくなる。保育園落ちた日本死ねだって世界的にポピュリストとやらが面白いことやってるが、国民国家こそが悪の根源なんだ。小泉進次郎だって必ず腐敗するって言ってるじゃないかテロリズム蔓延だってそうだ、暴力私有化、おお、すばらしい。中世ジャップランド中世に戻ろうぜ。国境なくして国家なしだ。政府なんかよりみんなに銃を配ったほうがいい。下克上戦国時代のほうが社会流動性もあってすばらしい。革命を支持するなら、我らの同士安倍晋三閣下を。憲法なんかいらない。地方自治体州軍をもって都市国家になればいい。法律なんていつの時代もなかったじゃないか人間はただの動物だ。兵農分離こそ悪の根源!!返信する気はないからな。

2018-11-13

anond:20181113111047

彼らは自分たちでも、自由主義と、平和主義と、反国家主義市民主義混同しているので。

国民国家は、自由を抑圧しかしないし、平和を壊ししかしないという、第二次大戦反省レジームから一切頭の中が進んでない。

から国家を守ったら平和だし自由になるだろ?という考えはそもそも考慮に入ってないのだ。

勉強する=第二次大戦反省レジーム内面化する、とも思っているし。

2018-10-09

anond:20181009123204

ワンピースに限らずファンタジー世界観だと

「言うて人間一人ひとりの戦闘能力かにはそんな隔絶した差はないだろう」って国民国家の前提がまるまるひっくりかえるから社会制度考えるの大変そう

2018-10-05

教育勅語歴史的役割普遍性

教育勅語は、過去歴史的においては、日本近代化一定役割があったと考えられるが、時代を経るについて、その位置けが変わっており、どの視点に立つかによって評価が変わってシマウマ

江戸時代以前、幕藩体制下においては、人々は藩(クニ)というコミュニティへの帰属意識はあったが、日本という統一された国家への帰属意識存在しなかった。しかし、欧米列強アジア進出に直面し、明治国家統一された近代的な「国民」を創出する必要性に駆られた。そこで、井上毅が中心になって起草されたのが教育勅語である

江戸以前の封建社会では、お殿様がいて、家来衆がいて、そのまた家来がいて、農民商人工人がいて・・・と、多層的な社会構成となっていた。欧米を直接視察した当時の指導者たちは、このまま身分により分裂した社会では、我が国近代化を成し遂げて欧米に伍してゆくことは難しいと考えた。そこで、表向きは日本人に馴染みのある儒教的用語を使いつつも、勤勉であれというプロテスタンティズム精神を注入したもの教育勅語である。(米英独における近代資本主義形成プロテスタンティズムが果たした役割についてはマックス・ウェーバーの説に譲る)

教育勅語の登場により、日本人の中にプロテスタンティズム的な精神形成され、曲がりなりにも、なんとか我が国近代国民国家を創りだすことに成功した。また、一番問題になっている「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ・・・」の文言についても、歴史的には欧米の「国民軍」形成の流れと相似をなすものである位置づけられる。(というのも、それ以前は武士階級のみが軍事に専念して、一般市民にとっては軍事は全くの埒外であった。このままの意識が続いていたとしたら、本邦は他のアジア国家と同様に、欧米植民地となっていたであろう)

ただし、時代を経て昭和の激動期に入ると、明治憲法と同じく、長所よりも欠点が目立ち始める。

欠点第一要因は、明治憲法や教育勅語が、現人神である天皇から臣民に下されたもの(実際は、明治元勲が起草したものだが)という形式を取ったことであろう。明治憲法も、首相権限が明記されておらず、その基盤が弱小である等の問題はらみつつも、「不磨の大典」化してしまったため、政治家軍事官僚を縛ることすらできなくなってしまった。教育勅語時代に即して改定を行う動きもあったものの、やはり天皇から下された「聖典」という位置づけから改定ができなくなり、戦時下においては国民を総動員する装置となってしまった。

以上を踏まえると、教育勅語日本近代化推し進めた功績があり、現代資本主義社会においても引き継がれる価値観を含有するという点では一定の「普遍性」を持つ一方で、戦時下においては国民を動員する装置となったという点で「負の側面」も多く有するという、なんとも白黒つけがたい存在である評価できる。

なお、現代では教育勅語は、その歴史的役割をすっかり終えており、今さら道徳のために引っ張り出してくる必要性は無いという私見最後に付け加えておく。

https://anond.hatelabo.jp/20181004143708

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