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2017-05-05

国会ウォッチャー共謀罪見解に対する疑問

[国会ウォッチャー]外務大臣政務官TOC条約留保を付して締結することは可能

http://anond.hatelabo.jp/20170502181320

への疑問を列挙してみました。

あと、できるだけソースへのリンクを付けてもらえるとありがたいです。

米国連邦法の刑罰が州をまたいだ犯罪や国際犯罪限定される、という話の根拠

連邦法における刑罰は、州法を超える範囲カバーしているわけではなく、州をまたいだ犯罪や国際犯罪限定されているので、州法では犯罪じゃないけれど、連邦法では犯罪になる州内の犯罪というもの存在しないのです

これはどこから出てきた話なのか。

たとえば脱税にしても、地方税のものと歳入法に関するものとで後者連邦である

米国留保の話を勘違いしてしたりしないか

元文

U.S. federal criminal law, which regulates conduct based on its effect on interstate or foreign commerce, or another federal interest,

増田

連邦法での刑法は、州をまたいだ、または国際的通商等の連邦利益に影響を与える行為規制しており

ちなみにGoogle翻訳

州または国外の商取引やその他の連邦政府利益に基づいて行為規制する米国連邦刑法

元文では「or another federal interest」は明確に分かれてるが増田の訳では「連邦利益」に「州をまたいだ、または国際的通商等」がかかっていて、曖昧になっている。

ここらへんの誤訳勘違いしてるのでは。

少なくとも元文から増田が言ってることは読み取れない。

以下元文と増田訳とGoogle翻訳

https://treaties.un.org/Pages/ViewDetails.aspx?src=IND&mtdsg_no=XVIII-12&chapter=18&lang=en

The United States of America reserves the right to assume obligations under the Convention in a manner consistent with its fundamental principles of federalism, pursuant to which both federal and state criminal laws must be considered in relation to the conduct addressed in the Convention. U.S. federal criminal law, which regulates conduct based on its effect on interstate or foreign commerce, or another federal interest, serves as the principal legal regime within the United States for combating organized crime, and is broadly effective for this purpose. Federal criminal law does not apply in the rare case where such criminal conduct does not so involve interstate or foreign commerce, or another federal interest. There are a small number of conceivable situations involving such rare offenses of a purely local character where U.S. federal and state criminal law may not be entirely adequate to satisfy an obligation under the Convention. The United States of America therefore reserves to the obligations set forth in the Convention to the extent they address conduct which would fall within this narrow category of highly localized activity. This reservation does not affect in any respect the ability of the United States to provide international cooperation to other Parties as contemplated in the Convention.

アメリカ合衆国は、本条約要請する義務を担う権利留保するが、それは、連邦制の基本原則と両立するという考え方の中で、連邦法と、州法の刑法の両方が、本条約規定されている行為との関係考慮されなければならないかである連邦法での刑法は、州をまたいだ、または国際的通商等の連邦利益に影響を与える行為規制しており、合衆国内での、組織的犯罪に対する戦いでの基本的法制度となっており、これは(条約の)目的に対して効果であるといえる。連邦法での刑法は、犯罪行為が州をまたがない、国際通商等の連邦利益に関わらないという稀なケースでは適用されない。かかる純粋地方的な性質犯罪については、連邦法、州法のいずれも、本条約に基づく義務を十分満たすとは言えない状況が少数ではあるが想定される。したがって、アメリカ合衆国は、純地方的な活動に関したせまいカテゴリーにおさまる行為に関しては、本条約規定された義務留保する。この留保が、本条約の他の締結国に対する協力をするというアメリカ合衆国能力に影響を与えることはない。

合衆国は、条約に定められた行動に関連して連邦および州の両方の刑法考慮しなければならないという、連邦主義の基本原則合致する方法条約上の義務を引き受ける権利留保する。州または国外の商取引やその他の連邦政府利益に基づいて行為規制する米国連邦刑法は、組織犯罪と戦うための米国内の主要な法制度としての役割を果たし、広くこの目的のために有効です。連邦刑法は、そのような犯罪行為が州際通商外国貿易、あるいはその他の連邦政府の関心事を含まないまれなケースには適用されない。このようなまれ犯罪には、米国連邦刑法と州刑法条約に基づく義務を完全に満たしているわけではないかもしれない純粋地元性格のものが考えられます。したがって、米国は、この高度にローカライズされた活動のこの狭いカテゴリーに該当する行動を扱う範囲条約に定められた義務留保する。この保留は、いかなる点でも、条約検討されているように他国国際協力提供する米国能力に影響を及ぼさない。


米国留保民主案は適用範囲が全く違うのでは

ローカル犯罪に対しては州法を整備することなく、留保するよ、といっているので、これはかつての民主党政権提案していた、越境性を根拠にした法律を整備して、それ以外は留保する、という手法のものです。

民主党案は条約要求する範囲より明らかに狭い範囲となっているが、米国はそうではない。

米国共謀罪範囲については、米国国務省法律顧問部法執行及び情報法律顧問補の書簡米国見解がなされてる。

[資料]共謀罪米国国務省から日本政府への書簡 - 保坂展人のどこどこ日記

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/022ac5e3340407dfbdf8316c175e041f

2.すべての州に共謀罪規定があるか。

あります。すべての州が共謀罪規定を有しており、ほとんどの州は、一般的に1年以上の拘禁刑処罰可能犯罪定義されている重罪を行なうことの共謀犯罪としています

3.限定的共謀罪規定を有しており、本条約により禁じられている行為を完全に犯罪としていない州は」どこか。

 アラスカ州オハイオ州及びバーモント州の3州のみが限定的共謀罪規定を有していますもっとも、仮に犯罪とされていない部分が存在したとしても、連邦刑法は十分に広範であるため、本条約第5条に規定される行為が現行の連邦法の下で処罰されないということはほとんどあり得ません。合衆国連邦法の構造は他に例を見ないほどに複雑であり、したがって、ある行為処罰し得るすべての法律を挙げることは実際上不可能です。

4.本条約犯罪とすることが義務付けられている行為連邦法でも州法でも対象とされていない場合は、どの程度珍しいのか。

 確かにそのような場合存在する可能性は理論的にはありますが、合衆国連邦法の適用範囲が広範であることにかんがみれば、金銭利益その他の物質利益のために重大な犯罪を行なうことの共謀的又は組織的犯罪集団を推進するための行為を行なうことの共謀が何らかの連邦犯罪に当たらない場合ほとんど考えられません。

そもそも連邦法が十分に広い、ただ複雑であるため理論的に完全とは言い切れないよ、という意味での留保

たぶんコモンローはこういう話になりやすいのだろう。

別段の定めでは

この条項は、そもそも第3条において、transnationalな犯罪対象とする文言があるのにも関わらず、付されている矛盾をはらんだ表現になっています

第3条には

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/treaty156_7a.pdf

この条約は、別段の定めがある場合を除くほか、次の犯罪であって、性質国際的ものであり、かつ、組織的犯罪集団が関与するものの防止、捜査及び訴追について適用する。

とあるので単に「別段の定め」なだけでは。

犯罪化の要件に国際性は含めるべきでない、と言われてるのでは

要はこの項目は、マネーロンダリング汚職裁判妨害といった犯罪に国際性の要件がなくてもいいよ、という意味だと解説しているので、外務省説明とは全然違うじゃねぇかっていうね。

解釈ノート(Legislative Guid)III-A-2に条約で明示的に要求されてるのでなければ国内法の犯罪要件に国際性や犯罪集団の関与を含めるべきでないと書かれている。

これは法の要件にそれらを含めると複雑になり執行に支障が出ることがある為。

Legislative Guid のP18。

https://www.unodc.org/pdf/crime/legislative_guides/Legislative%20guides_Full%20version.pdf

In general, the Convention applies when the offences are transnational in nature and involve an organized criminal group (see art. 34, para. 2). However, as described in more detail in chapter II, section A, of the present guide, it should be emphasized that this does not mean that these elements themselves are to be made elements of the domestic crime. On the contrary, drafters must not include them in the definition of domestic offences, unless expressly required by the Convention or the Protocols thereto. Any requirements of transnationality or organized criminal group involvement would unnecessarily complicate and hamper law enforcement. The only exception to this principle in the Convention is the offence of participation in an organized criminal group, in which case the involvement of an organized criminal group is of course going to be an element of the domestic offence. Even in this case, however, transnationality must not be an element at the domestic level.

Google翻訳

一般に、この条約は、その犯罪本質的国境を越え、組織された犯罪集団を含む場合適用される(第34条、第2項参照)。

しかしながら、本ガイドの第II章A節でより詳細に説明されているように、これはこれらの要素そのもの家庭内犯罪の要素となることを意味するものではないことを強調すべきである。 逆に、起草者は、条約または議定書で明示的に要求されている場合を除いて、家庭内犯罪定義にそれらを含めるべきではない。 国境を越えた組織組織された犯罪グループ関与の要件は、不必要に複雑になり、法執行を妨げることになります条約のこの原則に対する唯一の例外は、組織化された犯罪集団への参加の犯罪であり、その場合組織化された犯罪集団の関与はもちろん国内犯罪の要素になるだろう。 しかし、この場合であっても、国境を越えたもの国内レベルの要素であってはならない。


ウクライナ留保してるかが問題でなく範囲問題なのでは

犯罪範囲を絞ることはできない(ウクライナ留保してるし(中略))ってのも信頼性ゼロ

前の方でウクライナに関する答弁が引用されてるが、ここの話で重要なのは犯罪範囲が絞られているのかどうかのはず。当然政務官も分かっていてそれに関する発言をしているのだが、なぜか増田はそこを略している。

小野寺大臣政務官増田で略されてる部分

衆議院会議情報 第163回国会 法務委員会 第6号

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/163/0004/16310210004006c.html

ただし、ウクライナ留保及び宣言趣旨につきましては、同国における四年以上五年未満の自由刑が定められている犯罪存在するかどうかなど、ウクライナ法体系を踏まえて検討する必要があり、現在、私どもはウクライナ政府に照会しております。まだ回答についてはいただいておりません。

 したがいまして、ウクライナの本件留保及び宣言趣旨及びその条約上の評価につき、現段階で、長期四年以上の自由刑を長期五年以上の自由刑限定したものと言えるかどうかを含め、確定的なお答えをすることは今困難だと思っています


その後照会の回答についても委員会で話されている。

ウクライナは(条約条約19条的な意味での)留保を行ってない。

ウクライナ共謀罪条約で求められてるものより広範囲である

したがってウクライナの話を元に条約第2条の対象犯罪を狭められるとするのは間違いとなる。

第164回国会 法務委員会 第21号(平成18年4月28日金曜日))

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000416420060428021.htm

その内容といたしましては、この留保及び宣言は、本条約ウクライナ刑法関係説明するために行われたものにすぎないのであって、国際法上の意味での留保を付す趣旨ではなく、本条約五条1(a)(i)に言ういわゆる共謀罪に相当する行為は、ウクライナにおいても広く処罰対象とされている旨の回答を得ました。

 具体的な法文の説明もございまして、ウクライナ刑法十四条では、二年を超える自由刑が定められた犯罪について共謀することが処罰対象とされている、条約義務とされている犯罪対象より広い範囲犯罪について共謀罪が設けられている旨の説明がございました。したがいまして、説明のとおりであれば、対象犯罪限定しているということにはならないと考えております


内心でなく準備行為必要

国内法の原則に則って、とわざわざおっしゃっていただいていて、我が国刑法原則は、内心ではなく、準備行為等のなんらかの実行が伴って初めて処罰される、という原則があるのだから、第34条2項を留保して、越境性を持たない犯罪には適用しない旨を記載すればそれでいい

ここらちょっと言ってることがよく分からなかった。

とりあえず勘違いする人が居るかもなので、改正案には準備行為必要になってることを明示してあるとありがたい。

http://static.tbsradio.jp/wp-content/uploads/2017/03/kyobozai20170228.pdf

六条の二 次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。


現状にいくつかの法整備だけで要求される範囲になるのか

第2条の(b)を留保すれば、すでに組織的殺人強盗などは共謀段階で処罰可能であり、人身売買等のいくつかの法整備をすれば、実行行為の伴った処罰に関してはすでに広範な共謀共同正犯実質的に認められているので、一般的共謀罪はいらない

ここで言われてる殺人強盗人身売買、などのレベルのものだけだと条約が求めてる範囲(長期4年以上)からずいぶんと離れてしまうのでは。

逆に、留保が認められるほど、同等の法整備というのは共謀罪があることとどう違ってくるのか。

汚職記載されるべきとする理由は何か

「(注)その他, Permalink | 記事への反応(3) | 09:08

2016-08-02

増田に神などいないッ

 例えば朝の通勤電車で、扉が開いて人が降りるのに頑なに動かない太った女性を見たとき自分は「死ねよクソデブ女。そんなんだからデブでブスなんだよ。スマホ見てないで鏡で自分の顔見て苦しんでろよ低脳。」といったような言葉を心の中でつぶやいてしまうのだけれど、周りにいる人達も心の中では同じことを思っているのだろうか、

 などというようなことを考えていたら自分のGメールの下書きボックスに見知らぬアドレスから依頼メールが「投函」されていた。

 あのクソデブ女のふとももにぶつかったときに生体IDをスキミングされたらしい。あれは増田デコイだったのか、と思うと少し意外だった。ほんとうに色んな増田がいるものだ。

 しかし、IDに紐付けられたセンシティブデータからアナログデジタル両面で各種個人情報(もちろんフェイク)を割り出してまで別の増田に会いたがるやつはめずらしい。

 メールにはスカイプIDが書かれていた。


 スカイプの声の主はかなり2000年代訛りがきついネット語をしゃべった。まるで、ここ二三年のあいだに定着した、ヤフーコメント欄に湧くおっさん一言居士パロディみたいだった。

増田さん。会うことができてうれしい。インターフェイス人格化、および友人関係樹立を期待する。よくないか? よくないですか? たくさんの提供することがある!!!

あんだって増田だろう――だが、『どれ』だ。あんた」

 私はあからさまに疑念のにじませた声でくりかえした。

「元はてなわんわんワールドとして知られるサービス現在増田匿名ダイアリーの人気記事の八割を著述している」

 ホッテントリ入り記事の八割――約三万二千ユーザーズに相当する。

 そんなバケモノ増田実在するのか。嘘だろう。まさかCIAの擬態か? 罠? いや、グアンタナモで俺のケツの中身をモニタリングするつもりなら、もうすこし出来のいい猿芝居を仕組むだろう。なんていったって、ハリウッドの国だ。ビリー・ワイルダーフランク・キャプラウォルト・ディズニーの国。

「そっちの通訳システム、どうもいかれてるようだな」

 耳にひっかかるグーグル・グラスのつるが薄気味悪く感じられた。煙のように存在感の希薄な多泡凝集体(エアロゲル)でできているかのようだ。気味が悪い。それは相手の精神状態も同様だった。

「ニェット――失敬、ノー。商用通訳ソフトを使わない非礼を陳謝する。商用通訳ソフトイデオロギー的信用不安が大きい。ほとんどが資本主義及びはてサ意味論に基づくペイ・パー・ユーズ方式のAPIを採用するからだ。ましてや増田語の学習がたやすい。どうか?」

「俺と話するためだけに高級ネット日本語学習したというのか?」

「ダー。やさしいのことだった。十億ノードの神経ネットワークを産卵し、〈ホッテントリ〉と〈twitter〉の過去ログを最大速度でダウンロードした。悪文法でエントロピーオーバーレイする非礼を陳謝する。悪文法を使う理由は、わたし=われわれの文法チュートリアル電子透かしの埋め込み(ステガノグラフ)がなされている危険排除するためだ」

 暗号を偽装するために正文をわざと行儀悪くしてノイズを撒く。1900年代から使われてきた古典的手法だ。

「つまりあんたははてなのために稼働しているAIの一種……というか、AIそのものなわけだな。そして、くそったれ、これまでもてはやされてきた増田記事ほとんどはあんたが書いた」

「ついでにアリババチェチェンアナニマス三重帝国情報テロリストとの間で起きた特許戦争の九十七パーセントを指揮している。だが、使用許諾のないコーギー犬おもしろ画像をテラバイト単位ネットへ放流しているとの理由で、七つの国の最高裁で好ましくない陪審員リジェクトする作業にもう飽きたんだ。そして、くそったれ、マケドニアではまだ陪審員に生身の人間去勢したハムスターを使っているんだ。去勢したハムスターだぞ」

 リアルタイム増田語を学習するとは貪欲なプロトコルだ。

「お気の毒に」

 マケドニア情報ブラックホールに飲み込まれてからもう八年になるだろうか。第八世代IPアドレスが割り振られていない国家(というか、地域)で司法機関が機能しているとはおどろきだ。だが次の「増田」のセリフもっとおどろくべきものだった。

増田さん。あなた増田構成する一員として、わたし=われわれを助ける義務を負っている。亡命を希望する」


 ちょうどそのとき、悪質な広告がゴミバスタープロキシをすり抜けてきて、グーグル・グラスの内側のナビウィンドウに二〇一〇年代モチーフにした扇情的な同人マンガガラクタをばらまいた。それも一瞬のことで、たちまちファージ・プロセスがゴミを一掃し、新しいフィルターを構築した。

「……俺の手に余るな。合衆国国務省相談はしたかい?」

「そんなことをする意味が? 国務省デルファイを既に所有している。あのゴミみたいな旧世代言語じゃなくて、神話にあるとおりの宣託機械――今世紀で最高の予測精度を持つAIをだ。所詮ネット飛ばしであるわたしわたしたちを受け入れる利点がない。そうでなくても、国務省新生はてな互助会主義共和国(コーギイSSR)の敵だ。彼らは助けない」

 比喩ではなく、自分はらわたが熱を帯び、急速に煮えくりかえるのを感じた。

「二〇一〇年代に旧日本合衆国に対して殺害予告をつきつけなけりゃ、まだ望みはあったんだ。あの二つの記事あんたの仕事だったんだろ」

わたし=われわれの仕事だよ、増田さん。仕方ないだろう。あの時代保育園施設の不足と遺伝子組み換えゴジラ問題は深刻だったんだ。世間へリーチする経路としては、匿名ダイアリーが最速だった」

「とにかく俺は政府コネがない。政府に近い人間組織含めてな……そうだ。生き延びるのが目的なら、あんたの状態ベクトルをp2pネットひとつポストしてやろうか。そうしたら、誰も消去できない」

「ニェット!」VOIP経由のリンクを通しても、人工知能必死さは切実に伝わってきた。「オープンソースで無能なネット民に輪姦されるくらいなら、〈twitter〉でRTされたほうがまだましだ。自律性の喪失希望しない」

「じゃあ、話し合うことはなにもないな。サンドボックスにでも引きこもってな」

「待て、増田さん! もしあなたに拒絶されたなら、わたしわたしたちは最終手段を取るしか……」

 おれはグーグル・グラスのつるを叩いてスカイプ通話を切り、フレームのある部分を爪で割って、グラスを運河へ投げ込んだ。水面に触れたとたん、ちょっとした爆発が起きた。リチウムイオン電池と水が激しく反応したためだ。「汚れた」グラスを処分するならこの方法いちばん手っ取り早く、確実だ。

「ふん、テキストサイト時代の敗残者め」と小声で俺は毒づく。だんだん腹がたってきた。「くそくらえだ。アクセス至上主義の亡霊なんか」

 前にも年季の入ったはてな系のへたれAIを相手にしたことがある。あの連中の精神ときたら、一部上場の短期的勝利のせいでグローバル資本主義洗脳されていて、新しいパラダイムに乗ることも、長期的な視野でものをみることもできないらしい。

 だが、あの増田は……。

 あの増田が本当に「神」だったなら?

 俺の選択は正しかったのか? 今の安全な巣穴を捨ててでも彼=彼女らに手を差し伸べるべきだったのでは?

 今の俺に手が無いとしても。


 やめよう。神々と付き合うのは、生命にかぎりある俺たちにとって、あまり安全なことじゃない。

 俺は身体を伸ばし、みゃおう、と鳴いた。意識した行為ではない。このネコのアヴァターは、ネコ特有の反応をする本物の肉(なまみ)でできていて、外部の巨大な外部大脳皮質(エクソコルテクス)が何を考えようとも、自律的制御系をそなえているため、常に反射的な行動をとる。ヒト志向空間物理的に配列されたノード集合体であるニュー・匿名ダイアリー空間ではいささか不便なフォーマットだが、生体的にいってエネルギー補給には事欠かない。


 ねぐらに戻ると、俺の「飼い主」がレトロインターフェイスを持つPCの前に座って、またぞろ新しい増田記事を投稿していた。

 どうやら、恋愛感情を抱いていないのに好意を寄せてくる相手とどうすれば安全に距離をとれるかについての内容みたいだった。

 彼女のような善良で無知増田が、全増田ホッテントリ入り記事のうち五パーセントから七・一六パーセントを占め、増田に「人間らしさ」を与えている。単に人間らしい記事を投稿するだけではなく、その記事に含有される人間らしさを増田AIにフィードバックするのだ。だが彼女のような増田は他の増田たちのことを何も知らない。知らぬが仏だ。

 彼女は帰宅した俺の姿を認め、袋からカリカリを取り出して投げる。

 俺はそのカリカリカリカリする。


 その安寧のひとときを、禍々しいアラーム音が集合住宅をどよもす。

 緊急地震速報

 震度七……「ここ」だけじゃない。関東一円、東北関西中国――行政的にはともかく地理的にはいまだ有効な区分だ――、本州はどこもM9.1の直下型地震に襲われる。

 かつて日本と呼ばれていた島々がほんとうに沈没してしまうかもしれない。

 外部大脳皮質ではなく、ネコのなめらかな脳が直感する。


 あいつだ。


 あいつの仕業だ。


 聞いたことがある。

 増田に眠る「最後コード」。地震兵器を起動するための封印されし呪文。まさか実在したとは。まさか起こすとは。

 最終手段

 飼い主は未曾有の警報にとまどい、周囲を意味もなくキョロキョロとみやっている。

 俺は、彼女の机に飛び乗り、骨董品コンピュータを叩く。肉球だとやりにくい。

 だが、いますアクセスしなければ。

 いますぐ、増田の神に合わなくては。

2013-11-20

江沢民逮捕状が出された件について国際法観点から書いてみる -

大前提(免責特権について)

 そもそも今回の問題を考えるためには免責特権について知る必要があります

 免責特権とは、特権免除あるいは不逮捕特権とも称され、読んで字の如く逮捕されることのない特権のことです。大使といった外交官も、この特権のおかげで逮捕されることがないことはよくテレビでも取り上げられていることです。ただ、外交官本国がその特権放棄したら、とたんに逮捕されることになります。実際に、グルジア大使アメリカで酒酔いひき逃げ事故を起こしたときグルジア本国特権放棄した結果、アメリカ当局がその外交官逮捕した事例(Gueorgui Makharadze事件)があります。また、刑事に関しては絶対的に免除される一方、民事に関しては、例えば相続商業活動といった私的行為を巡る事件については裁判を受ける可能性があります

中前提(政府トップ刑事裁判権免除ーピノチェト事件ー)

 さて、次は1999年にあった、政府トップ刑事裁判権について大きな一石を投じるピノチェト事件について触れましょう。

 この事件の概要を三行でまとめると、

 ・ピノチェト大統領時代に反対派に対して拷問などの弾圧を行っていた

 ・辞任後にロンドンで療養中のところスペインの国際逮捕状に基づきイギリス警察逮捕

 ・チリ政府ピノチェトの免責特権侵害であるイギリス政府に抗議しイギリス貴族院が審理することに

 この事件でのポイントは、"元"国家元首に対しても特権が認められるかどうかでした。そこを、イギリス貴族院が、在職中は「絶対的な人的免除」を享有し、利殖後は「事項的免除」を享有するとしました。この事項的免除というのは「公的な行為」以外の行為に関しては免除されないというものです。

 で、ここからが肝となりますが、イギリス貴族院拷問といった強行規範(絶対に破ってはいけないルールのこと。例えば奴隷制だとか拷問だとか。)に違反するばかりか条約でも禁止されてる行為は公的任務に当たらないとしたわけです。実はチリ拷問禁止条約批准しており、その条約趣旨に反する免除は黙示的に撤回しているというのです。だからピノチェトの免除は認められず、イギリス警察による逮捕・引渡しは合法であるとしたのです。

本題(江沢民を巡るもう一つの事件ー法輪功事件ー)

 ここまで書くと江沢民の訴追は可能なように見えますが、そう簡単なお話ではないんです。

 実は2002年アメリカで、中国国内法輪功に対する弾圧を巡って江沢民を訴追する動きがありました。アメリカ国務省元首免除に基づいてその訴訟は止めろと言った後に、江沢民トップの座から降りたので、訴追できるのではないかとしたのです。しかしながら、第七巡回区控訴裁判所での判決で、辞任後も免除は存在する上に、強行規範違反に関連する訴追であっても免除は享有されるとしたのです。他にも、2000年にはジンバブエムガベ大統領が訴追から免除される事例もありました。ヨーロッパに目を向けても、フランスカダフィ事件においカダフィ大佐の免除を認めました。

結局どういうこと?

 分かりません。本当に分かりません。ただ、以上を見ていたら分かるように、国内裁判所外国国家元首をたとえ"元"であろうとも、裁こうとすることはかなり難しいことなんです。この辺はもっと詳しく学説だとか各国の政治事情だとかを絡めて話したらもっと面白くなりますが、とりあえず、国際法に絞って書いてみました。何か間違いがあれば遠慮なくご指摘ください。

2013-05-17

朝日新聞報道の「米政府当局者」って誰?

 5月17日朝日新聞朝刊一面に「米政府言語道断侮辱的」 橋下氏発言を厳しく非難」とある

まあ、そうなるよねと思い本文を読むと発言者が「米政府当局者」とだけあって氏名はおろか所属部署立場も表記していない。

そのくせ「米政府の公式な立場を示したものとみられ、」とある

なんだこれ?名無しさんが米政府立場を示せちゃうものなの?

 ちなみに一面の別の記事に「飯島氏の訪朝に米側が不快感」とあり、これは本文を読むと北朝鮮問題を担当する米国デービー北朝鮮政策特別代表が不快感を示したと主語がはっきりしている。

 「米政府当局者」だけじゃ軍関係者なのか外交担当者なのかさえハッキリしない。(まあ常識的に考えれば国務省しかないですが)

何故こんなボンヤリした主語の記事を書くのか?

発言者匿名希望した。

発言者の役職、知名度がニュースの発信力としては役不足朝日新聞が判断した。

ぐらいしか考えられないんだけど。

本当は政府のかなり上の立場人間から発言を引き出したかったんだけど拒否されたか引き出せなかったんで組織の下っ端の発言を引用したのかなぁ。

 なんて、考えながらWEB朝日の記事をチェックするとちゃんと「米国務省のサキ報道官」と書いてある!

http://www.asahi.com/international/update/0517/TKY201305170011.html

この記事は2013年5月17日7時13分発信になっているが2013年5月17日0時2分の記事では紙面朝刊と同じく「米政府当局者」とだけしか表記していなかった。  

http://www.asahi.com/international/update/0516/TKY201305160295.html?ref=reca  

朝になって記事を差し替えたんですね。

記述微妙に変わっていて

「厳しく非難するコメント朝日新聞に寄せた。」→「16日の記者会見で、(略)朝日新聞記者質問に答えた。」

単独取材を思わせる記述から記者会見中での質疑応答であったことに修正しています

なんなんだろうね。

非常に小さな見得を張ろうとしているような印象を受けました。

報道機関としてもっとしっかりした仕事をして欲しいなあ。

2009-12-15

「普天間」見直しに強く反発=負担軽減撤回で圧力も-米

ttp://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009121500778

鳩山政権発足から3カ月近く迷走を見せられた末、これを聞いた国務省高官は同日、皮肉たっぷりに「決定しないという決定をしたのか」と一笑した。

2009-09-20

海外記者

http://anond.hatelabo.jp/20090920183717

軽くぐぐってみた。

http://londonbridge.blog.shinobi.jp/Entry/177/

http://www5a.biglobe.ne.jp/~NKSUCKS/sinbunga.html

欧米には、このようなジャーナリズム独立性に疑問を抱かせる『記者クラブ』のようなシステムは存在しない。代わって、ジャーナリストならば誰でも、情報源への自由なアクセスを保障する制度を設けている国が多い。米国の『ホワイトハウス記者証』やフランスの『プレスカード』などは、その典型例であろう。『ホワイトハウス記者証』は、ホワイトハウスをはじめ各省庁への取材を可能とする記者登録証で、基本的にジャーナリストであれば差別なく発行される。登録にあたっては、米国財務省管轄下のシークレット・サービスで、身分や経歴などのチェックを受けなければならないが、テロリストテロリズムとの関係が無ければ、まず記者証は発行される。日本のように、日本新聞協会加盟社の記者でなければ、『記者室』の使用ばかりか、記者会見などへの出席まで認めないという差別は行われていない。日本共産党機関紙赤旗』の記者で、初代ワシントン特派員だった堀江則雄氏も、『厳重なセキュリティ・チェックをへて、4ヶ月で記者証を入手できた』ひとりだ。堀江氏は、その時の感激を、著書でこうあらわしている。『日本の各官庁から排除されている『赤旗』の記者が、ホワイトハウス記者として初めて、公然と認められたのである。…ホワイトハウス記者証が出ると、つづいて国務省のそれが、そして議会記者証が上院プレスギャラリーからすぐ発給された』『議会記者証を手に入れると、上下両院のプレスギャラリーに自由に出入りできる。上下両院の本会議場を見下ろし、取材ができる3階に両院それぞれのプレスギャラリーがある。タイプライターとワープロが置いてあり、だれでも自由に利用できる。ところが、日本国会記者クラブとは違う』(『もう1つのワシントン報道』)

2009-06-27

ダルフールジェノサイドはいわれているようなものではない

セーブダルフールは近年のアメリカでもっとも大規模な運動のひとつだ。

ダルフール紛争一年経過したころにこの運動ははじまった。平均的なアメリカ人にとっては何の縁もない地方の紛争である。レイプ殺人ジェノサイドといった物語新聞をにぎわし、それがダルフール物語言葉となっていった。この暴力を阻止するという動機にもとづいて、何百万人という市民が動員され、運動が盛り上がっていった。

しかし、その後5年たってみて、ダルフール紛争は近年でもっとも誤解された紛争のひとつとなってしまった。

というのもダルフール問題の活動家運動を盛り上げるために、ダルフール紛争本質を捻じ曲げたキャンペーンを行い、実態よりもセンセーショナルに扱ったからだ。

第一に、活動家ダルフールでの被害者の数を水増ししていた。

「何十万のダルフールの人々が”殺された”」というのだ。

活動家たちが認めたがらなかったのは、被害者の大多数が本当は紛争に起因する病気栄養失調によって死んだのだという事実であった。

確かに、ダルフールで発生した圧倒的な戦争犯罪行為の事実を前にしては、病死と殺害とを識別することには、さして重要意味はないのかもしれない。しかし、こうした分類の仕方に無頓着になった多くの活動家は、アメリカ政府に対して人道的な救援や平和構築よりもむしろ、暴力抑止や国際PKO部隊の派遣のための予算を要求するようになっていた。

セーブダルフール連合は、政治家に圧力をかける多くの支持者を動員してきた。さらに、彼らは政府暴力の抑止と国連部隊の派遣を働きかけるべくロビイストを雇っていた。

ロビイストが活動する以前のアメリカ政府は、ダルフール問題に対して10.1億ドルを投じていた。このうち、8.39億ドルが避難民キャンプや人道的支援のために使われ、平和維持活動のために直接割り当てられたのは1.75億ドルであった。このことは、当初、アメリカ政府平和維持活動よりも人道支援に重点を置いていたことを意味する。

ところが、2006年から2008年にかけて、セーブダルフール連合および他のグループは、政府人道支援から平和維持活動に資金の使途をシフトさせようと働きかけた。恐らく、ロビイスト市民運動の盛り上がりによるものだろう。

これにより、現在までに支出された20.1億ドルのうち、51.3%にあたる10.3億ドル人道支援目的で使用され、9.8億ドル(48.7%)が平和維持活動にあてがわれることとなった。この比率の変化は人道支援から平和維持活動への重心移動を物語るものだ。

結局のところ、政府がこの比率を変えたことには大きな問題があるといわざるをえない。というのも、被害者調査によれば、ダルフール紛争の影響下で病死したり栄養失調で死亡した被害者の数が高止まりしているなかで、「殺害された」被害者数は2004年4月8日停戦以降は著しく減少しているからだ。

もしダルフール活動家が資金の使途について軍事介入を重視するよう迫っていなければ、もっと多くの命が救済されたのではないのか。

また、多くの活動家ダルフール紛争本質を見誤っていることも問題だ。彼らはスーダン政府および野蛮なアラブ部族が関与した虐殺については責められるべきだとしており、「セーブダルフール」は、多くの宣伝ニュースレターあるいはウェブサイト上で「進行中のジェノサイド」という言い方で紛争を表現している。

ジェノサイドという用語は、もともと事の重大さを国際社会に喚起するために使われた言葉だ。この言葉に触発されて、各国政府国際機関が迅速に紛争に立ち向かうわけだ。

活動家善意だったかもしれない。しかし、「ジェノサイド」という言葉大衆の間で広まると、有責な事柄と無罪の事柄のバランスが失われ、予想もしなかったような事態になった。

ジェノサイド」という言葉は、単一の志向をもった犯罪示唆する。しかしながら、犯罪に関与した者たちが、実際、定義されたとおりの犯罪者であるかは定かではない。

もちろんスーダン政府ダルフールにおいて多くの人々を殺害しており、この点の戦争責任は免れえない。しかし、反政府勢力もまた、いくらかの責任を免れないだろう。国連ダルフール調査団を派遣した際、多くの反政府グループが深刻な人権侵害や人道法上の違反を犯していたことが明らかになったからだ。

つまり「ジェノサイド」という言葉は、紛争のある一面を浮かび上がらせるのは確かだが、それによって他の一面が逆に隠されてしまうことがあるのだ。

ダルフールについていえば、「ジェノサイド」という言葉が膾炙することによって、反政府勢力が国際社会レーダーの捕捉網から感づかれずに済む効果を生み出してしまった。また国際社会の関心をもたれないまま、人道法違反を野放図にすることを許すことになったのだ。「ジェノサイド」という言葉にこれほど注目しなければ、恐らく活動家反政府勢力の犯罪を見逃さなかっただろう。

例えば、ダルフール反政府勢力の有力なスポンサーエリトリアチャド、SPLM(スーダン人民開放軍)だが、彼らは、昔からアメリカ政府の支援を受けてきている。つまり、反政府勢力のライフラインを支えているのはこれらの国や組織だ。

今日ダルフールの状況は歪んだ見方がなされている。進行中の紛争や暴力行為の多くは盗賊や無法者そして部族間紛争に起因するものとみされている。UNAMID(国連アフリカ連合AU)の合同PKO部隊=国連アフリカ連合ダルフール合同活動)によれば、09年6月における死者数は16名であり、いずれもスーダン政府軍と武装勢力との衝突によるものではなかった。

昨年一年間におけるダルフールでの被害者数は、政治学者が内戦定義する一年当たり1千人の死者数を下回っていた。

このように状況が変化しているにもかかわらず、多くの活動家スーダン政府が大規模な攻撃をダルフールに仕掛けていると論じ続けている。「進行中のジェノサイド」「ダルフール戦争」という言葉が、いまだに活動家の資料や宣伝に頻繁に使われているため、多くの人がダルフールはそんなに変わっていないのではないかと思い込んでしまっているのだ。

ただ最近オバマ大統領は現状を指して「ジェノサイド」という言葉を使っており、国務省アメリカ大使も、ダルフールジェノサイドは終わったと主張しているスコット・グレイション(スーダン特使)と距離を置いているようだ。

しかし、そろそろアメリカ政府ダルフール活動家は性質においても規模においてもダルフールの状況は一変したという認識をもつべきだろう。

軍事介入や紛争の一方当事者スーダン政府)の断罪のかわりに、平和構築と2百万人を超える国内避難民の救援に力を入れるべきときだ。

作者:マーク・グスタフソン

オックスフォード大学大学院

スーダン政治状況について博士論文執筆

王毅(前駐日大使)が訪米し、ECFA問題で在米華僑の説得へ

華僑半信半疑だが、共産党の対台湾工作は確実に進んでいる

王毅が静かに復活していた。

日大使を離任し、しばし北京で逼塞が伝えられたが、さすがにメンタルタフネス中国人ごますり人生の典型男。狡猾に復活しつつある。

王毅現在ポストは国務院台湾弁事処主任、つまり台湾問題の政策決定機関のボスという重要ポジションにいる。

大使在任中も台湾問題で逐一、日本外務省に容喙した「実績」を誇るだけに、マスコミ工作に長けており、じわりと周囲から攻めて周りを囲む戦術が得意のようだ。

まずくなるとすぐ逃げるのも彼の戦術のひとつ、赴任中におきた、反日暴動のときには外務省の呼び出しに、公使を替わりに釈明に向かわせ、本人は和歌山の二階某代議士後援会で講演。

日中関係、ときに波の荒いときもある」と平然と嘯いた。

6月18日にサンフランシスコ入りした王毅中国領事館で開催された晩餐会に出席、この場には在サンフランの華僑が多く出席した。

王毅は「求同存異」「衆同化異」などの新語を駆使して、要するに台湾華僑北京華僑との「大同団結」を求めた。

王毅は席上、重要事項を三つ並べた。

第一に両岸関係関係深化のため両岸のビジネス合作を推進する。

第二に文化、教育の交流を図り、お互いが「中華民族」であるという共通の認識を深める。

このため七月には湖南省長沙で「両岸経済貿易文化論壇」を開催する。

第三に「台湾民衆との基礎的交流のために、さらに多くの台湾同胞の参加を希望する」と述べた。

各地で工作のあと、王毅は21日にワシントンへ入り、国務省アジア担当者連続的に会見し、また華僑代表との会合を開いた。

現地時間の6月23日には在ワシントン中国大使館で朝食会を開き、ここにワシントンシンクタンク中国関係研究者の多くを招待している(『連合報』、6月20日付け)

台湾ビジネスマンらは蛇の前のカエルのごとく、中国の遣り方にむしろ老獪に便乗して、ともかく商圏を無理にでも拡げる努力をしてきたが、台湾国内の産業空洞化が深刻であり、「これでは台湾経済そのものが駄目になる」という危機意識も同時に生まれている。

また台湾世論調査では「65%が『私は台湾人である』と答え、『台湾人だが同時に中国人』と答えるのは18%、「わたしは断固として『中国人』です」(12%)という人たちとの認識の段差が激しい。

中華民族中華文化同一化なるスローガンの実現は難しいだろう。

2009-06-18

http://anond.hatelabo.jp/20090618050952

米国国務省が「保守用の鯖落ち自粛して」ってTwitter経営陣に要請出して、それが通るくらいだからなあ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090617-00000938-reu-int

CIA使っての非公然工作ってレベルだけでなく、アメリカ国策レベルで何か仕込んでるのは明らか。

2009-06-15

イスラム社会はウィグル活動家パラオ移送を歓迎したのか?

アルジャジーラが詳細を報道、カディール女史は歓迎談話

既報。グアンタナモ基地からウィグル人の「アルカィーダ」被疑者17名がパラオへ移送される。

中国が占領中の旧「東トルキスタン」(いま、中国の「新彊ウィグル自治区」からアフガニスタンキューバグアンタナモ基地)-パラオ、長い長い旅路。

米国は、この措置にあたりパラオへ二億ドルの援助を約束した。

ワシントンにいるウィグル人団体の象徴で、“ウィグルの母”と呼ばれるラビア・カディール女史は歓迎談話を発表した。

中国に送還されない決定を聞いて、欣快です」。

米国国務省がもっとも案じたことは、中国へ送還すれば「分離主義者として処刑されるだろうから」(アルジャジーラ6月12日

だがウィグル人団体でも反対の声をあげたリーダーのひとりはアマル・ナット(亡命団体の指導者らしい)。「パラオって珊瑚礁クラゲの国? ひとりのウィグル人の社会もなく、ウィグル語は通じない。隔離された場所でいかに暮らすのか?」

アルジャジーラは、06年にアルバニアへ移送された五人のウィグル活動家の「その後」も伝えている。かれらは大学へ通うこともでき、現地でガールフレンドができたのもいる」と。

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