はてなキーワード: 回転翼機とは
toratsugumi記
ブコメでは文字数が足りず、普段ブログを書くわけではないので、この場にて。
いろいろアレなので幾つか。ただし、別にミリタリ・クラスタに所属してるわけじゃないので色々間違っている点もあるはず。
>金がないから、維持整備がろくにできなくて、そのせいで、まともな稼働率を上げられないのだ。
金がなくて築90年の兵舎修いながら使ってた(最近建て直されたらしい)のは自衛隊の伝統。オスプレイとはなんの関係もない。
読売の記者がどういうソースで書いてるのか不明だし、数値が公表されてるわけじゃないので何とも言いようがないが、軍事評論家各位の評価では陸海空三自衛隊の航空機稼働率は極めて高いとされてる。その中で、CH-47の稼働率はたしかに相対的には低いらしいが、それはあれがトラック扱いで酷使される機体だからという話。
CH-47は原型初飛行1961年だけど、現在も改良が進んでいて、少しずつ入れ替えながらエンジンも電装系も機体設計もまったく別物になってる。米軍じゃ最近F型の配備が開始されたばかりで、日本では1986年頃から配備されたCH-47Jが1995年くらいから搭載装備が入れ替わったCH-47JAにアップグレードされてて、そろそろ耐用年数が切れる初期のCH-47Jの代わりにF型相当の機体が導入されることになってる模様。実はチヌークの調達は今も続いている。ここら辺、新兵器の登場は大々的に発表されるけど、更新はひっそりとされるから実際に出てくるまではよく判らないが。なお、CH-47FはAW-101よりもさらに新しい機体だったりする。
>AW-101
三発で高性能だが機構が複雑なため、開発に難航した機体。自衛隊は欧州系の機体を扱い慣れてないせいもあって、稼働率が高くないという噂。ご多分に漏れずウェブに内情が転がっている訳じゃないので断言は出来ないが。なお、国内生産しないと、交換部品は一々製造元に手配させる必要が出てくるため、稼働率は下がる。
価格については21億円のソースを見付けられず。なお、2003年度会計でみると、陸自のCH-47JAの調達価格(FY2003)は53億、空自のCH-47Jで35億(ともに航続距離、搭載量はMCH-101より上)、同年のMCH-101が53.5億。
http://www.geocities.jp/kanabow11/price/japan_new.html
この場合、(若干オーバーサイズと評価されている)掃海用の機体じゃなく、輸送専用に民生機を調達することに意味が見出せない。それならすでにCH-47で足りている。
ちなみに、VM-22は純然たる物資輸送用とは違う目的で導入される機体。その肝心のオスプレイだが、調達価格210億の内訳は…
「オスプレイ17機とエンジン40基、赤外線前方監視装置40基、ミサイル警報システム40基など機体数を上回る予備部品とアメリカでの訓練費用なども含んだ総額の諸経費で、約30億ドルが提案されています。今現在の為替レートは1ドル120円なので約3600億円になります。
ただし、単純に30億ドル(3600億円)を機体数17で割ると1機あたり1.76億ドル(211億円)になりますが、これは前述の通り諸経費込みの価格なので機体単価ではありません。機体単品での価格は1機100億円前後で、諸経費がそれと同じくらいに掛かるという事です。 」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/obiekt/20150507-00045469/
次の熊本震災オスプレイ無用論については、宗教論争は避けたいのでノーコメントとして、
>せっかくのヘリ空母のひゅうがなどを配備しても、それに搭載するためのヘリコプターはろくにない、というありさまだ。11機搭載できるヘリ空母に、4機しか搭載していない。うち1機が MCH-101 だ。
常在戦場の米軍の原子力空母と違って、遠方に戦力を投射するわけでもない海自の艦艇は普段は回転翼機を定数状態で搭載してるわけではなく、陸上の拠点から運用している。現に、ひゅうが以前のDDHにしても、定数三機のはるな級だって一機しか搭載せずに運用している。この場合、ヘリ空母の扱いは便利な場所に移動可能なヘリパッドという位置付けに近い。もちろん、作戦行動中は別。現にフィリピンに派遣されたいせだって、航行中の映像で露天係止されている機体が駐機スポットと同数あるので、艦内にその他の機体が格納されているのが分かる(色々あるので必要がなければ機体は甲板に放置したりしない)。
以上、めんどくなったのでこのくらい。