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はてなキーワード: 原理とは

2024-05-10

anond:20240510194056

ナンバープレートの下1桁とかを基準にして都心部への自動車乗り入れ規制する施策欧州諸国で取られてるけど、交通系ICカードとかで似たようなことをするのは原理的には可能だよな

中国もびっくりな全体国家でなきゃ実行不可能だけど

ゴジラ-1.0 感想

アマプラ配信始まったんで見てみた。

特撮はスゴい。以上! っていう感想だった。

特撮に関しては100点満点です。こんなにナチュラルな、そらぞらしさ・嘘っぽさのない映像効果ハリウッド映画でもなかなかない。そらオスカーも獲るわと思った。

特に、海、波、しぶきの演出が素晴らしい。海上シーンは最高です。

 

でも脚本がね、もう、ダメダメ……てんでダメでね……。

稚拙もいいとこ……。

 

致命的なネタバレを含むので、これから見ようって人は以後は読まぬがよろしい。

 

プロット以前に全体として語彙が貧弱で、「あたまわるいひとががんばって書いたセリフ」という印象ばかりが目立った。素人ラノベみたいな感じ。

言葉遣いもそう。当時の言葉遣いそのままである必要はもちろんないけど、終戦直後昭和20年代という舞台にふさわしい言い回しが多少は使われていないと奇妙な感じになる。テレビ時代劇だってマイルドアレンジはされてるけど一応「ござる」とか「そのほう」とか言うでしょ。そういう、時代を映すムード作りがセリフにない。

そして「さすがにその時代、そんな言い回しする? その単語あった?」みたいな現代的な表現が出てきては興を削ぐ。

こんなの、専門家ちょっとリファインさせるだけでぐんと真実味が増すと思うんだけどなあ。

あと秋津佐々木蔵之介)が野田吉岡秀隆)に対してガクシャと渾名をつけて呼び捨てにしたりタメ口なのも違和感がある。学者技官とは言え元将校という設定で、元下士官秋津が気安く茶化したりイジッたりできる階級ではなかったんじゃないだろうか。ガチガチのタテ社会での上下関係は、組織を離れてもずっと続くものだ。渾名呼び捨てなんてちょっと信じられない。関係ないけどガクシャが船に乗ってると「ガンバの冒険」を思い出す。

そしてプロット

物語背骨になっている「大戸玉砕主人公のせい」という前提がまず苦しい。実際にあのとき零戦機関砲でゴジラ撃退できたかどうかは不確実で、少なくとも「敷島が撃てば確実に撃退できた」と言えるバランスゴジラではなかった(どっちみち敷島特攻から逃げなければあの島にはいなかったのだし)。敷島神木隆之介)が気に病むのも橘(青木崇高)が敷島を恨むのも当人たちの思い込み以上の根拠が薄く、物語駆動するトルクがまったく足りない。

まして「大戸玉砕は橘の責任というデマを流したら腹を立てた橘が現れる」という敷島の幼稚な策略。なにこれ。子供? 子供なの? もうちょっとマシな作戦なかった?

敷島家の隣人澄子さん(安藤サクラ)の役柄も最後まで謎だった。復員してきた敷島に繰り返し毒を吐いていた前半のサイコな印象と優しく敷島家をサポートする後半の印象とがまったくチグハグで、ずっと身構えていなければいけなかった。前半のサイコキャラ必要

あともう典子(浜辺美波)。典子関連はもう完全に意味からなかったしどうでもよかった。

初対面の敷島の家に転がり込む初手から「は?」っていう感じだった。バックグラウンドキャラクターもフワフワ、敷島への思慕の念もまともに描かれず、自立したいって働きだしたわりにいつまでも敷島の家に居候してるし、ゴジラが咥え上げた電車から振り落とされても誰もが即死確信する爆風に巻き込まれてもキレイな顔で生きていた。不死身か。ゴジラ並みの回復力じゃねーか。

キャラクターがフワフワと言えば、ほかならぬ主人公敷島クンのフワフワぶりも目を覆うものだった。薄っぺらくありきたりなメンヘラ演出神木隆之介クンの演技力とは関係なく説得力ゼロだったし、意志薄弱なのか臆病者なのかただのボーッとしたやつなのか人物造形がまったく不徹底だった。そのせいで「典子の死をきっかけに自分の中の戦争を終わらせる決意を固める」という重要な心境の変化もヌルッとしていたし、当の典子は死んでなかったっていうんだから吉本新喜劇のように全員ズッコケしまう。敷島の行動原理のコアとなる「敷島の中でまだ終わっていない戦争」というテーマからして扱いがぞんざいで、もっと丁寧に描きこむべきだったんじゃないだろうか。まあ、特攻から逃げたとかはともかく大戸玉砕に関しては前述の通りなので、いくら描きこんでも説得力は生まれ得なかったのかもしれないが。

それはそれとして、典子との死別は非常に重く重要な節目であり、〈実は生きてましたぁ!よかったよかった!〉と簡単に済ませていいような出来事ではないと思う。だったら話は違ってくるじゃん、となるレベル卓袱台返しであり、典子は安らかに死なせておくべきだったと思う。

anond:20240510134310

正当化簡単で、問題解決のあらゆるリソースを掌握しているのが男性からです。

その非対称はフェミニズムセントラルドグマなので仕方ないです。「男女ともに」なんてのは平等主義理念から演繹であって、ボトムアップフェミニズムとは根本的に発想が違う。

"男が権力を握っている"と現状を規定することから出発して、その立場に留まり続けようとする方向にフェミニズム運動は働くんです。運動にも自己保存がある。

個々のフェミニストが「女性に実行能力を」と唱えて現実フェミニスト立場を変えていっても、フェミニズム自身がその前提を捨て去ることは自身の成立原理に反するから無理なんですね

anond:20240510063113

数学統計学関係: 数学は数、量、形、パターン研究で、抽象的な概念論理的な推論に焦点を当てて問題解決します1。一方、統計学数学の一部門であり、データ収集分析解釈提示、および組織化に関わります1。統計学数学的な技術を用いてデータ理解し、結論を導き出します1。

純粋数学応用数学: 純粋数学数学の一部門で、数、形、構造、およびそれらの関係研究に焦点を当てています1。一方、応用数学数学原理を実世界問題解決適用することに焦点を当てています1。

統計学応用数学か?: 統計学応用数学の一部と見なすことができます1。しかし、統計学数学の一部門であり、数学的な技術を用いてデータ理解し、結論を導き出します1。

数学だけ学んでいても統計学理解できない: 数学統計学は密接に関連していますが、それぞれには独自特性があります1。したがって、数学原理理解していても、統計学特定の側面(例えば、データ収集解釈)を理解するためには、統計学特有知識技術必要です1。

以上の情報を踏まえると、議論の中で述べられている一部の主張(例えば、「統計学応用数学から数学ではない」)は誤解を招く可能性があります統計学数学の一部門であり、数学的な技術を用いてデータ理解し、結論を導き出します1。しかし、統計学数学の他の部門とは異なる特定知識技術必要します1。したがって、数学だけを学んでも、統計学の全てを理解することはできません1。この点を理解することは、数学統計学の間の適切な区別理解する上で重要です。1

詳細情報

1

thisvsthat.io

2

leverageedu.com

3

askdifference.com

4

indeed.com

5

stats.stackexchange.com

6

usu.edu

7

investopedia.com

8

statanalytica.com

  1. 5 その他

anond:20240509070356

愚かな現代哲学者的な皮肉か?

原理的には脳はメス入れれば治るだろ。脳神経を解釈する科学がまだ追いついてないが

ドカ食い気絶部は健康に悪いというけど

オナニー気絶(オーガズムに達して即寝る)部をひとりでやってるんだけどコレってなんか健康に悪い?

ちゃんと数えてるわけじゃないけど、もう5年くらい月20日ペースでやってる

心拍を上げた直後のほどよい疲労感ってサウナの「ととのい」ともしかして原理一緒?

2024-05-08

anond:20240508184038

買わないヤツは高いと言わないぞ。ワイは iPad Air 13 買うやで

マジで元増田増田の行動原理が謎。キミの所得Apple製品持ってないでしょ?

anond:20240508093019

ニューガンダムの時はエネルギー節約のためかビーム刃が出たり引っ込んだりするようになってたけど

チャンバラの途中相手が受けようとしたらひっこめて通過した後また出せばよかったのにな

そもそもビームサーベルでチャンバラできる原理もよくわからん

anond:20240508000419

他力本願を目の敵にするのは勝手だがこれは的外れ

自演多重ブクマ薦める気か?自力じゃどうやっても盛り上げるのには原理的に不可能なことを他人任せと言うのは無理があるぞ

漫画を追いかけるにはプログラミング勉強しないといけないみたいな考えになる。

bookliveとかで、登録されている作品を全て一括表示するとそれはそれは何十万件と出るわけだ。

一個一個ざっと見でもサムネ確認して大雑把に内容を確認する、そのなかから気になったものをジャケ読みするという方針をとるにしても、しらみ潰しにそれを行うにはネットワークデータベース挙動に関する知識必要だと知る。

まず検索結果はセッション単位で固定ではない。

これはブラウザ履歴キーワードが反映された検索結果のURLがあってそこからダイレクトアクセスしても検索結果が表示されることからも明らかだ。

これは裏を返せば、たとえば8時丁度に検索結果1ページ目を表示してから何秒か経って一通り見てから2ページ目を表示した場合と、同じ8時丁度に最初から2ページ目を表示するのとではそのページの検索結果としての構成微妙でも異なる可能性があることを示している。

1ページに100件漫画を表示する仕様採用していて検索結果が2000ページだとしよう。ソートは仮に人気順だとする。まあこれはしらみ潰しするうえでは絶対選んじゃいけないソート法なんだけど。

1ページ目を表示したその瞬間に、5ページ目に表示されるようになっている漫画があったとしても、5ページ目を表示したころには1ページ目とか4ページ目に表示されるようになってるかもしれない。普通に順番に次々ページを進めていって5ページ目に到達したときにはこのことに気づかないかもしれない。以降やっとの思いで2000ページ分確認完了しても、ついにその漫画確認する事なくしらみ潰しできた気になってしまい得る。

二周すればいいと思うかもしれないが原理上何周しようが同じように1ページ目に表示されなくてスルーしてたら2ページ目を表示したときには1ページ目に表示順位が変わっていたりして、結局「入れ違い」になり得る。

今のような具体的な話を聞いていると「別タブに1ページ目を表示しておいてじゃあページを進めるたびに1ページ目の表示を更新する定点観測をすればいいじゃん」と浅い考えを持つ人がいるかもしれないが、こうした順位の変動は2000ページの範囲のあらゆるページとページの間で起こりうることなので、そうした考えは全く通用しないことは、少しでもアルゴリズム的な思考を駆使できれば理解できる事だと思う。

最低でも新着順じゃなければならない。新着順にした上で1ページ目を定点観測。ページ進めているときに1ページ目の表示が変動したら、プルプッシュ?式の考え方なら直前に見たページにあったいくつかのデータが今のページに追いやられていることに注意すればいい。しかしこれで果たして完璧なのか?プログラマーセンスがまだまだ足りなすぎて盲点はないか(実際いずれは自動化検討しているのでもろプログラミング技術の学びが必要)?Code CompleteとかClean Architectureとか読まなきゃだめちゃう?みたいなことを考えてしまう。

でもいざ漫画の造詣が深い人で「こういうことを難しく考えて」プログラミング身につけたしプログラミングが役に立った漫画オタクのきょうようだなんて言ってる人聞かないし、自分が考えていることの力点ずれてるだけでもっと気楽に生きるべきって気がしてしまう。

2024-05-05

anond:20240505025228

文系は理数系の教科書を深く読めて論理記号表現できて、学んだことはあれもこれも同じ原理だとギャンブラー精神で応用することも出来るはずなんだけどな

2024-05-02

anond:20240502233218

文化資本」って言葉はまたちょっと意味合いが異なると思わない?

クラシック歌舞伎アートみたいな世間からハイカルチャーと認められたもの文化だよね、っていうイメージが浸透してるからかな。

俺は「文化資本」と言うとき、親が三角関数日食原理なんかを理解している家庭というイメージで言ってるわ。

インターネット見てると

頭の悪い人たちってこう言う行動原理でこうやって反射的に反応してこういうこと言うんだー

ってすごく勉強になります

2024-05-01

MMT害悪について

現代貨幣理論MMT)についての議論は多岐にわたるが、主な誤りと害悪について述べる。

MMTの主な誤りは以下の4つ:

1. 価格メカニズム無視している:MMTは、価格供給需要によって決定されるという基本的経済原理無視している。

2. リスクという概念存在していない:MMTは、経済活動には常にリスクが伴うという事実考慮に入れていない。

3. 金融市場無視している:MMTは、金融市場経済全体に与える影響を考慮に入れていない。

4. マネー自体無視している:MMTは、マネー価値やその役割を適切に理解していない。

MMT現実政策として採用された場合には、以下の3つの害悪が考えられる:

1. 財政支出の中身がどうであっても気にしない:MMTは、政府支出の質や効率性を問題視しない。

2. 金融市場が大混乱しても、気にしない:MMTは、金融市場の安定性を重視しない。

3. インフレが起きにくい経済においては、その破壊被害を極限まで大きくする:MMTは、インフレリスクを適切に評価していない。

anond:20240501221310

クソフルエンサーの行動原理を「金のため」として見るとこいつらが大げさなことを言っている理由がよくわかる

背後に倫理的ベースがあると思ったら大間違い

こいつらにとって「倫理」は、共感を得て視聴者を増やすための道具でしかない

2024-04-30

anond:20240429220702

精子は無数のライバルの中から卵子に辿り着いて子供になるっていうけど、婚活もそういう強烈な競争を感じる

女は生まれつき選ぶ側、選別する側で男は選ばれる側

これは生き物としての原理原則

奇跡的に結婚できたようだけどそのへん見誤ると結婚できたのにすぐ家庭崩壊するよ

気をつけるように

2024-04-29

anond:20240429191223

多数決原理機能するのはコミュニケーションがないときからなぁ。

目の前に飛び出してきた子どもを避けて、横断歩道を渡る弱者男性を轢き殺すか、ハンドルを切らずそのまま子どもに当たるかを選ぶ究極の二択を迫られたとき、三体のAI多数決ならば、あとから反省できる。

事後に検証して間違いをおかした一体をリコールすればいい。

しかし、密結合になった巨大なAI意思決定した場合デバッグ不可能だ。

「オイ! AI、その決断は間違いだぞ! バグを直せ!」

リョウカイ デス … バグ シュウセイシマシタ」

信用できるか? 目の前に妊婦が飛び出してきたときはどうする? ネコだったら? シチュエーションを全て網羅して人間がチェックするなら、それはもう生成AIじゃない。エキスパートシステムだ。

ひたすら並べられたif文の条件式を応用したものに過ぎないそれは、AI 黎明期の未熟な試作品

そこまで退化させることになってしまう。

からAI時代戦略多様化となり、一方で人間の持つ愛とは要するに理解。つまり一様化だ。

2024-04-28

暇なので無料漫画を読んでるけど

合う合わないがある

大抵の本は読めるけど価値感というか善悪基準見たいのが

著しく合わないと読んでても行動原理わからんくて面白くない

ファブルは楽しく読んだけど同じ作者の

何はともあれは面白さがさっぱりわからん

こういうのは漫画に限らずあらゆるとこでありそうだな

anond:20240428205008

すまん、サラダスピナーの代わりを考えてて、熱が通ってほしくないんだ。

たぶん現行の機種で冷風(てか常温風)出せるのないよね?

原理的にはできそうだから、なんか良いノンフライフライヤーにその機能が付かないかなぁ

これってチー牛がモテないのと原理は一緒だよね

anond:20240426211851

見た目だけで

「あっ、この人とは価値観が違いすぎて仲良くするのは無理だな」と思われてる。

この増田とチー牛の違いは、

前者は望んでそうなっているし自分自分の見た目を好んでいる。

しかも気に入らない人間と関わらなくていいというオマケつき。

仮に今後、避けられたくない人から避けられても自分のやりたいことをやる方が大事だと思えば割り切れる。

後者は何も考えなかった結果自分でも望まぬ姿になってしまっている。

自分でも自分が何をしているか理解していないからそれが原因で何が起ころうとも納得ができない。

増田自分自分の好みを理解しているのなら恋愛でもそんなに悩まないんじゃないかな。

自分と似た価値観の人を探せば、そういう人を好きになったりその人も増田を好きになる可能性は高いから。

まぁ、増田恋愛したがってる異性愛者だとは書かれていないので、もしかしたらその必要もないのかもしれないけど。

anond:20240428073734

隣の人は「何十分も気にしてなかったのに突然怒鳴ってくるのか行動原理が分からない」って思ってそう

anond:20240427031516 「0歳児から投票権」はドイツでどのように議論されているのか? の補足

 ブックマークコメントを読んで再び考えたことがあった。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20240427031516

gryphon 面白く読んだが2点。「…付託されたが、その後本格的な審査…ない」は議会が駆引と日程で動く以上あり得る話で「付託」時点で一定水準の議論推定可能か/米上院(各州2議席)等「平等選挙原則」は前提にせずとも可

 平等選挙原則の話はあとに回す。議会駆け引きと日程で動くのであれば、付託政治的取引の結果と解することもできるような気がするというのはともかくとして、確かに議会駆け引きの結果たなざらしにされているという可能性はある。そこで、先の2008年提案をもう少し細かく読んで見た。

https://dserver.bundestag.de/btd/16/098/1609868.pdf

 よく読むと、この提案は、基本法や関連法規改正連邦政府に促すべきだという「決議」の提案であり、基本法改正の条文を並び立てる案ではない。条文も具体的な制度設計も伴わない提案一定水準の議論と言って良いのか。だから賛否も問われずにたなざらしにされたのではないだろうか。以下の文章以外は、提案理由(いわゆる「世代正義」の実現が主のようだ)が長々述べられているに過ぎない。

II. Der Deutsche Bundestag fordert die Bundesregierung auf, einen Gesetzentwurf zur Einführung eines Wahlrechts von Geburt an durch Än- derung des Artikels 38 des Grundgesetzes und erforderliche weitere gesetzliche Änderungen, insbesondere im Bundeswahlgesetz, vorzulegen. Für den Fall, dass die Eltern sich in der Ausübung ihrer Stellvertreterposition in Bezug auf das Kindeswahlrecht nicht einigen können, wird die Bundesregierung aufgefor- dert, eine einfache und beide Eltern möglichst gleichberechtigende Regelung zu schaffen.

連邦議会は、連邦政府に対して、基本法第38条と他の必要法律改正特に連邦選挙法の改正を通じて出生時から選挙権を導入する法案を提出するよう求める。両親が子の選挙権についての代理行使[の方法]について一致できない場合のために、連邦政府には、簡単かつ両親双方に可能な限り同権的な規則作成することを求める。

 ちなみに、Wikipediaドイツ語版(https://de.wikipedia.org/wiki/Familienwahlrecht)を見て知ったのだが、2003年にもほぼ同じ提案がされている(https://dserver.bundestag.de/btd/15/015/1501544.pdf)。

 こうして経緯を調べてみると、議会妥協ゆえにたなざらしにされているというよりも、5年経って具体的な案も詰められなかったというのが現実であるように思われる。

kappa9 結果はともあれ海外で真面目に議論されたというのは本当の話では。

 「国会で」とか「政府で」という枠を外して学界に目を転じると、確かにドイツ人らしく(?)真面目に議論されているみたいだ。前回の調査局の報告書には、数は少ないながらこの問題を直接的に取り扱った論文がいくつか引用されていた。彼らが議論しているのは基本法の定める民主国家原理に反するのか、それを促進できるのかという点である問題は、そうした真面目な議論をきちんと踏まえた上でドイツ人ができなかった(ように見える)平等選挙原則に反しない提案を考案するどころか、子が3人だから私は4票(吉村氏)などと賛成派のドイツ人も避けようとしている発言をしてしまっていることだ。

 さて、平等選挙の話に戻る。アメリカ上院人口にかかわらず一州に2議席であるしかし、このような例があるから平等選挙は必ずしも民主主義の前提ではないというのに私は強い疑問がある。

 第一に、合衆国憲法上院議席分配については、アメリカ連邦特有のものであるアメリカのような連邦制をとらない日本でこの例を出すことは不適切だろう。

 第二に、アメリカ上院議席分配が不平等であることは、当のアメリカ人も不満を持っている。たとえば有名な政治学者ロバートダールの『アメリカ憲法民主的か』(邦訳岩波書店からある)は、上院議員が人口に比例していない「顕著な不平等代表であると述べる(邦訳58頁以下)。この仕組みは合衆国憲法制定時に諸州の妥協(いわゆるコネティカット妥協)で作られたわけであるが、そもそも合衆国憲法民主主義大事にされる時代に制定されたわけではないというのが時代背景としてある。合衆国憲法が制定された時代には、不平等選挙制度普通に見られた。ダールは一例として、19世紀存在した悪名高いプロイセンの三級選挙法を引き合いに出している。三級選挙法は、平等選挙を求める激しい非難を浴びながらもしぶとく生き残っていたが、第一次大戦の敗北と共に消え去ったのである選挙権は与えるが露骨ユンカー資本家の票を優遇するこの仕組みは極めて有名であり、今でも平等選挙の反対概念である差等選挙の一例として三級選挙法はよく言及される。今さら民主主義大事にされていたわけではない時代にできた妥協として生き残っているものを引き合いに出すのは、民主主義者の行動としてはおかしものだと思う。ちなみに、ドイツ連邦参議院(上院)は、ある程度の人口比例的に各州に議席が割り振られることになっている(また、そもそも連邦参議院はアメリカ上院ほどの権限はない)。

 ケルゼンも言っているが、民主主義は人々の平等をもって本旨とする(古代ギリシア民主政も突き詰めれば平等に行き着くだろう。民主政を表すもう一つの言葉はイソノミア(平等の法)である)。選挙権の平等民主主義と切っても切れないのであり、ドイツ人平等選挙に反しないように「代理」と言っているのは、ドイツ基本法憲法20条に抵触するのを避けるためだけではないだろう。もし平等選挙理念を取っ払うのだとすれば、金持ちが結託して再び三級選挙法のような仕組みを導入されても文句は言えない。むしろ今般の眠たい提案よりも金持ちを守るための露骨提案の方が議会を通りやすいだろう。平等選挙を引っ込めてはならない。

 選挙権の平等に歪みを加えるような制度改正をしても、政治的影響力を増すのは「代理」する大人であり、子どもではないという現実を見るべきだ。若年者の「世代平等」とやらを図りたいのであれば、方法は一つである。「代理」などという回りくどいことなどせず、選挙権の年齢を下げることだ。16歳、(オーストリア検討されている)14歳、あるいはその下でもいいが、子ども投票意思表示をすることができるギリギリまで下げてみることを提案されたい(ちなみに私は、14歳くらいまでなら割とすぐにでも引き下げて良いのではないかと思う)。

(ついでに)

 意思表示能力がない子ども排除されるのになぜ意思表示能力のない人(たとえば重度な認知症の老人)が選挙から排除されないのかという疑問を持つ人もいるらしい。理論的にいえば、確かに意思表示能力のない人は選挙、つまり国家意思形成参与する資格はない(実は理論的にいえば子どもか老人かは選挙権の決定に直接関係するわけではない)。そうすると、なぜ2013年の法改正成年後見人の選挙権が回復されたかという疑問がわきそうだが、後見あくま財産管理上の能力があるか否かの問題であり、政治的意思表示能力があるかとは厳密にいえば関係ない※。要は、現状、意思表示能力のない大人選挙から排除する仕組みはないと考えなければならない(もっとも、実際には政治的意思表示が一切できないなら投票所に来られまいし、投票所に来ても何もできないだろうが)。

 憲法が成年(ここでいう成年とは民法上の成年をいう)に選挙権を保障するのは、成年であれば政治的意思表示能力があるだろうという線引きを採用しているかである。こうした年齢によって能力の有無の線引きにするのは、一見すると確かに問題がある。子どもでも賢い子はいるし、大人でも愚鈍な人はいる。思考実験としては、年齢にかかわらずすべて政治的意思表示能力がある人をテストで判定し、テスト合格した人にみに選挙権を与えるということも考えられる。ただ、どのような方法テストを組めば公正に政治的意思表示能力があると見なせるかという問題が生じる。このようなテストを実際に恣意的活用して実質的黒人投票権を奪っていたのがかつてのアメリカ南部諸州であったことを忘れてはならない。

 結局、年齢によって形式的に線引きする方が、ヨリ問題はすくないように思う(年齢よりも問題を起こしにくい線引きの方法があったら教えてくれ)。あとはどこまで下げられるかを真剣に考えることだ。

 なお、日本憲法15条3項は、成年者には選挙権を与えなければならないとだけ言っており(公務員選挙については、成年者による普通選挙保障する)、未成年者に選挙権を与えることを禁じていない。これは、ドイツ基本法38条2項が、「満18歳の者は、選挙権を有する」と定めていることと対照的である。年齢の引き下げなら日本では憲法改正など必要なくすぐさまやれることなのに、わざわざ憲法改正どころか民主主義根本原理を改変するような提案をしてくるのは、何かおかしな底意があるのだろう。

※これは思いつきだが、禁治産者選挙から排除されていたのは、財産を持つ有徳の者にだけ選挙権は与えられるべきであるという制限選挙時代のBesitz und Bildungの観念に由来するのかな。いずれ調べてみたい。

2024-04-27

「0歳児から投票権」はドイツでどのように議論されているのか?

 維新の会共同代表吉村大阪府知事が、「0歳児投票権」(未成年の子投票は親が代理して行う)を提案し、維新マニフェストに加えたいという意向だという。

https://digital.asahi.com/articles/ASS4T2RNLS4TOXIE01TM.html

 これについて同党音喜多幹事長が、次のようなツイートリツイート(リポスト?)していた。

吉村知事の0歳児投票権=ドメイン投票の実現可能性は兎も角、海外で真面目に議論されて国会まで行った話を、あたかも与太話のようにせせら笑い取り合わない風潮をみると、この国の知識レベル心配になる

海外議論で主な論点はすでに整理されてるが、日本SNS界隈の反応はそのレベルに達してない

吉村知事が言ってるドメイン投票は例えばドイツでは連邦議会において議論され、(https://bundestag.de/resource/blob/531942/6669f3e29651882065938fc6a14fd779/wd-3-157-17-pdf-data.pdf)、無論導入にはいたらなかったものの、第三次メルケル内閣のManuela Schwesig家族相など、賛同者もいた昔からあるアイディアの一つですが

それを「頭がおかしい」はさすがに乱暴すぎでは

https://twitter.com/Barrettm95sp/status/1783579344503529489

 ドイツ連邦議会議論されたというのは、この議論が無理のあるものではないということを示す一つの傍証とされているのだろう。音喜多氏もこれを自分議論を支持する意味でリポスト(?)しているようだ。ただ、リンク先のPDFを見て色々な意味で驚いた。

 第一に、このPDFドイツ連邦議会調査局(Wissenschaftliche Dienste)が作っているものである調査局が作っている立法資料を持ってきて連邦議会において議論されたというのは羊頭狗肉の感がある(※)。たとえば日本国会図書館調査及び立法考査局が資料を書いたら国会議論されたことになるのだろうか。

 第二に、調査局の報告書タイトル:生まれた時から選挙権[構想]の諸問題)という体裁上、両論併記的であり、あまり執筆者個人意見は出ていないが、この提案に対する分析の水準は明らかに日本でいま議論されているようなレベルのものではないことに驚いた。なお、ドイツ法に詳しくない方のために申し上げるが、ここから先で述べる「基本法」とは、ドイツにおける憲法典日本憲法のような)にあたる法である

要約すると、

・親に子どもの数分の選挙権付与するモデル(Modell des originären Elternwahlrechts)は、ドイツ基本法38条1項1文が保障する平等選挙原則に反するし、平等原則原則20条の民主的連邦国家原理に含まれる。したがって、基本法79条3項の定めにしたがって、このような提案はたとえ基本法憲法改正によるとしても許されない。(4-5頁でバッサリ斬られている)

・一方子の選挙権を親が代理行使するモデル(Modell des originären Kinderwahlrechts)については、別途の考察必要になる。(同)

基本法38条2項(選挙権年齢)の改正必要という点はともかくとして、実質的な側面としてはやはり基本法79条3項が定める基本法改正限界について検討するべきであるが、そこで重要になるのは、基本法20条の民主国家原理に含まれ平等選挙原則にこのようなモデルが適合するか否かである

・親の代理投票主唱者は、親は子の票を受託に基づいて行使するので、平等選挙原則に反しないと主張する。すなわち、親自身投票権行使と子の投票権行使区別して行うべき制度であれば平等選挙原則に反しない。また、たとえ平等選挙原則に反するのであるとしても、このような制度普通選挙原則選挙権を万人に付与すること)に奉仕するから、その意味では民主主義原理に役立つ(※基本法20条、ひいては79条3項に反しない)。(7-8)

・このモデルへの批判者は、まずもって、望むか否かは別として政治プロセスに参加できない人にも選挙権を与えても、民主主義正統性は得られないとする(※普通選挙の拡大という言い分は見せかけであるということだろう)。そのうえで、親による代理投票は、事実問題として、親に複数の票を与えることに他ならない。親自身の票と子の票を区別して投票するという仕組みは非現実的であるそもそも代理投票という仕組み自体子ども成熟していないということを前提としているのであり、親が子の受託に基づいて投票するという議論矛盾する。加えて、親を通じた代理投票という仕組みは、選挙権一身専属的な権利であり、国家意思形成責任を持って参加する力をその人だけに与えるものだという側面を無視している。結局、基本法20条、ひいては79条3項に反する。(9-11

 ここから分かるのは、ドイツでは親の代理投票制度は、普通選挙の拡大に資するし、かつ、代理投票モデルであれば、平等選挙原則に反しないという形で議論されているということである。少なくとも「消滅可能自治体」があるからかいう「地方創世」で一山当てたいコンサル向けのくだらない理由提案の原点なのではない。また、少なくとも表向きは、少子化対策のために子持ちの票を増やそうという理由でもない(その理由馬鹿らしさはこれでも読めば良いhttps://mond.how/ja/topics/v35a8jk8lwp89el/jw3f2o4dj0z9fo4)。あくまでも普通選挙の拡大に資するというのが理由である。より民主的政治制度への変更を試みようという提案(として自らを位置付けている)というわけだ。ただ、民主主義平等選挙原則も同様に要請するからドイツ人がやっているように、平等選挙原則と両立するかを考えなければならない。

 平等選挙原則に反しないというためには、親自身投票と子の投票を厳密に区別する必要がある。それが現実問題として可能なのかということをしっかり考えなければならない。この仕組みの賛同者がドイツ連邦議会調査局を区別していないというぞんざいなやり方をとっていることからすると、どうもドイツ議論は話の枕に使われているだけで、ドイツ議論を真面目に受け止めて、そのような制度可能なのかを考察する者はあまりいなさそうだ。私個人意見では、親と子の投票を厳密に区分した制度を作ることは無理だろう。というのも、この仕組みが問題になるのは、子の投票意向と親の意向が相反する場合だが、その場合、子は自らの投票意向を開示して親を説得しなければならない。これでは投票秘密も何もあったものではなく、逆に子が投票秘密を守ろうとすると、親の投票意向コントロールすることはできない。それでは子から投票付託されたという代理人という建前が崩れる。また、投票意向が明らかにならない子について親が「代理」するのでは、結局親に二票与えるのと変わりがない。加えていえば、代理権を持つの母親なのだろうか、父親なのだろうか(吉村知事制度実現のあかつきには自身が子の分も含めて4票あるというので、父親が前提なのだろう)。ここは、親と子の投票を厳密に区分するという発想をとれば実は問題が生じない(子の意向に沿うならばその票を投ずるのは父でも母でも他の保護者でも構わない)のだが、先程述べたように、特に投票意向を表示できない子については区分は無理だろう。したがって、事実上「二票」入れられるのはどちらなのかという争いが生じざるを得ない。そのような場合には「0.5票」を両親に付与することも考えられるが、正面から両親に票を与えることを認めれば、ますます平等選挙原則に反しないという建前が崩れる。

 そもそも、ここから分かるように一口子どもといっても投票可能な年齢の子とそうでない子がいるのだから投票可能な年齢の子について代理投票などという面倒な仕組みを採らずに投票権の年齢を下げれば良いだけの話だ。たとえばオーストリアでは16歳まで投票権年齢が引き下げられているが、引き続き14歳投票権議論されていると聞いた覚えがある。このような議論真剣考慮に値すると思う。

 繰り返しになるが、ドイツではこの投票制度平等選挙原則に反しないと言えるか否かが議論され、それが難しいと考えられているようだ。だとすれば、ドイツ議論を踏まえて、この制度賛同者は、この制度平等選挙原則に反しないようになる制度可能性こそを真面目に考えるべきだろう。ただ思いつきでぶち上げても、もう終わった話だと一蹴されるのは当然である(※)。なお、そもそも平等選挙原則について真面目に考えないのであれば、民主主義コミットしていないと思われても仕方がない。上記議論では、平等選挙原則基本法(=憲法改正によっても曲げることは許されないと言われている(※※)。

興味本位で調べてみたところ、ドイツ連邦議会にこのような基本法改正提案が提出されたことはあるようだ(2008年提案)。ただ、連邦議会HP確認する限り、提案委員会付託されたが、その後本格的な審査が行われた様子はない。つまり、賛成・反対の議決もなく、本格的な議論もされずに一蹴された話だということだ。

https://dip.bundestag.de/vorgang/der-zukunft-eine-stimme-geben-f%C3%BCr-ein-wahlrecht-von/14939

※※

これはドイツ基本法79条3項の規定故ではあるが、憲法改正限界という純法律的論点を脇に措いたとしても選挙権平等を真面目に考えないことが民主主義であることを疑わせるのは変わりはない。なお、日本憲法も、14条1項からして平等選挙原則をとっている(そうでなければ一票の格差問題にされることはない)が、平等選挙原則排除憲法改正限界に引っかかる理論可能性はあるだろう。

追記

 それにしても、吉村氏に関しては、自身が子の分も含めて4票あるというから、「代理モデルの利点である平等選挙原則との抵触回避の利点をわざわざ捨てているように思う。利点を捨てるような発言自分からしていくあたり、本当にただの思いつきなのだろう。ドイツ人の議論を持ち出しながら(これをやったのは音喜多氏だが)、ドイツ人が回避しようとしていたことをやってしまうのは無様だ。「消滅可能自治体」に引っかけた話題作りという以上の意味はないのだろうが、話題作りのために民主主義根本原理に手を触れるのはどうかしている。それが弁護士のすることだろうか。

(再追記

 多重投稿状態になっていたものを削除しました。

(再々追記

 ブックマークコメントに触発されてさらに考えてみました。

https://anond.hatelabo.jp/20240428001438

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