はてなキーワード: 医療事故とは
医師にとって勤め先の病院に大して執着はなくて、一つの病院を辞めればすぐにまた次の病院が見つかる。
医局から追い出される(作中では破門と表現されてる)は自分のキャリアパスが絶たれることになるので怖いが、すでに追放されて野良でやってく覚悟決めた医師にとっては個別の病院は数ある働き口の一つに過ぎない。
だから先輩や院長からの指示や注意や警告や処分なんて怖くないし、首ですら怖くない。
採用前の調査で前病院から悪評や警告を聞いてても、「担当一人で診療科まわしてて担当医は疲弊の限界でもうすぐ潰れてしまう、高報酬で求人かけても応募がない、猫の手でもほしい」て状況の地方病院なら「この経験年数があればなんとかなるだろう」と採用してしまう。
そこまでの破綻した医師を見たことがない、接したことがないお人好しなので、想像力の限界で「そこまでは酷くないだろう、その病院の風土と合わなかったんだろう」と正常性バイアスで楽観的に予想してしまう。せっかく応募してきた医師を逃したらもったいないという意識が先に来てしまう。
じゃあクソ医者はなんとかする方法はないのか、というと厚生労働省に医道審議会があって、そこで処分が下れば医業停止○月間とか、医師免許取消がされる。
しかしこの審議会の対象は「実刑くらった犯罪者(殺人とか性犯罪とか薬物中毒とか)を医師免許の面でも罰する」のが主な機能で、「医師として勤める中で腕が悪い、人格が悪い」を罰する組織ではないので、竹田くんは対象にならない。
それより軽く出やすい処分として厚生労働大臣による「保険医資格の取消(自由診療はできるが、診療報酬支給の対象にならない。国民皆保険の日本の病院では実質死刑宣告に近い)」があるが、診療報酬詐欺に下る処分で、作中の竹田くんは対象外。
さらによくある処分として病院の「各種学会による○○認定の取消(診療報酬加算の取消など、経営にダメージ)」があり、実際に舞台の病院はのちに学会から専門医訓練施設認定の取消をうけ医師募集にダメージを負ってるが、組織に対する罰なのでヤブ医者個人にはダメージにはならない。(ダメ医者の採用抑止には働くだろう)
じゃあ患者はどうすればいいの、といえば、病院(医者)にかかる前によく調べるしかない。
グーグルマップの口コミじゃないぞ。「先生の口が悪い」とか「部屋が汚い」とか「食事がまずい」なんて元患者の感想を調べてどうすんだ、それだと「患者への応接が丁寧で、借金して設備だけは綺麗で、食事に金かけてる」ヤブ医者経営の病院は避けられないぞ。(小児科医や産科医には、子供を守ろうとする熱心さのあまり、親に対して厳しく指導・叱責して反感くらう先生がわりといる)
沖縄で院長が診療報酬詐欺で逮捕された産科医院「あいレディースクリニック」は、事件発覚の十年以上前から隣の県立中部病院の産科医達から「簡単な手術中に大量出血させて手遅れになってから送ってくる、帝切した患部の術後管理すらまともにできず患部を腐らせ悪化させて手に負えなくなってから何度も何人も繰り返し転院させてくる」と猛烈に嫌われてて、産科部長は中部病院内の産科医・ナースに「あいレディースクリニックなんかに行ったら俺のチームから追い出すぞ」と半ば冗談、半ば本気でお触れを出してた。(面倒見のいい親分肌の人で、上司というより「産科のボス」的な立場だった)
そんな話を、他診療科の医師である俺の妻ですら聞いてよーく知ってた。そして他病院にいる俺も妻から聞いて知ってたし、俺の同僚や親類縁者や仲のいい友人も俺経由で知ってた。
でも、事件発覚前のグーグルマップでは、中部病院の産科より高評価だったんだよ。「病室がきれいだった」「入院中に楽しむ本や設備が充実してた」「食事がおいしかった」「職員が親切で丁寧だった」てね。
そら中部病院は築うん十年たってて建物は雨漏りするくらいボロいし、機能第一で内装にかける金はないし(儲からない診療科も維持してるから常に赤字)、食事は栄養・バランス第一で金もかけられないので味はそんなによくないし、ナースや職員は人減らされタスクこなすのに精いっぱいで一人一人にまごころ応対する余裕なんてないし、産科部長はやくざの兄貴分みたいないつも金ネックレス下げて口も乱暴な人だけど、手術の腕や後輩育成実績(産科全体の実績)は抜群だったよ(今でも)
でも患者にはそんなところは見えないのよね。
竹田くん作中でも出てたでしょ、患者を何度も苦しめるような悪質なヤブは、職場の同僚・他診療科の医師・ナース・コメディカルからも嫌われて、それが口から口へ病院外へ広がっていく。ナースが家族や友人に「うちの病院の○○科にはかからないほうがいいよ、○○って酷い医者がいるから」て言って、そのまた親類・友人にと、どんどん伝わっていく。
一般には公言できないんよ。公の犯罪情報ではないから。同僚や上司や商売仲間の悪口になっちゃうから。最悪、名誉棄損や営業妨害で訴えられるから。(俺が今こうやって悪評を書けるのも事件で院長が逮捕され医院が潰れたからで、あいレディースクリニックが健在だったら怖くて書けない)
でも親しい人にはみんな「忠告」すんの。それがどんどん広がっていくの。
噂話はネズミ算式に広がって3~4人伝わるうちにかなりの人数になるから、ちょっと調べればすぐぶつかる。
ネットや公的には「ヤブ情報」は乗らないから、口から口への評判しかないの。これほんと。
実際に、作中で竹田くんの悪評は事故3人目くらいから「市内の多くに広がってた」とあったでしょ。外来患者が激減したとあったでしょ。
それ以降の犠牲者は、それを知らなかった、知ろうとしなかった人たちなのよ。
それに責任があるとは言わない。そこまでのリピーター医師がいるなんて想像もできない人が多いだろう。でも少しの自助努力で防げた犠牲だと、残念に思う。
竹田くんに受診しにくる患者に対しても、良心ある医師やナースやコメディカルや事務職員は「なんでここに来るんだろう。悪評知らないんだろうか」と忸怩たる思いだったと思うよ。
なんならこっそり隠れて患者や家族に忠告したり、匿名で電話なりで告げ口した職員もいたかもしれない。
でも、患者は「あなたはこうすれば治る!(ババーン!)」と自信ありげに断言する医師のほうが「よい医者」に見えるんだよね、困ったことに…
医師だけでなく、コメディカルでもナースでも、なんなら病院事務職員でもいいから、そのナースや職員の親類でもいいから、知り合いは作っとくといいよ。
酷い医師の悪評はよーーく広がるから。口の軽い人でなければ自らは言わないだろうけど、「○○の症状で○○病院に行こうと思ってるんだけど、なにか知ってる?」と聞けば教えてくれるから。
無痛分娩にも様々なトラブルがあるが、たとえば無痛分娩を選び、我が子を障害者にしてしまった場合、
「普通分娩だったら無事に産めたかもしれないのに自分のせいで子供を障がい者にしてしまった」という負い目や恥ずかしさ、惨めさがあるのでわざわざ他人にアピールしない
一方、無痛分娩大成功で、母子共に健康で出産を終えた人は声高々に無痛のすばらしさをアピールする。嬉々として出産レポを書いて、無痛分娩のメリットをアピール
そして、普通分娩で苦しみ、かつ、無痛分娩のデメリットをろくに調べていない経産婦は
「無痛分娩にすればよかった」と無痛分娩しなかったことへの後悔をアピール
無痛分娩はもちろん、大成功をする確率のほうが高く、そんな頻繁に医療事故をする処置なら無痛分娩がビジネスとして成立するわけがない
無痛分娩によって、いい思いをする産婦のほうが多いに決まっている
普通分娩を選び、取り返しができないトラブルが起きて後悔することはないだろうが、
無痛分娩を選んで取り返しができないトラブルが起きたら無痛分娩を選んだことを後悔する
出産前に妊婦が医者に無痛分娩のデメリットを聞いても「お産の時間が普通分娩より長くなるかもしれない」等あたりさわりのないふわっとしたことしか言わない
反ワクの思想は至極単純化すれば、大きな利益のためであっても数千万分の1とかの低確率の悪事象発生の危険を許容しない人たち
調査の進んでいる分野での100万分の1とか1000万分の1とかのわずかな確率で起こるデメリットを許さない人たち
反ワクの許せないところは、ワクチンの低確率の害悪は気にするくせに、車に乗ることで交通事故の起こる低い確率とか病院に行くことで医療事故の起こる確率とか家に住むことで火事が起こる低い確率とか家から出ることで死傷事件の起こる低い確率とか電子機器を使うことで火事が起こる低い確率とか野菜や魚を食べることで微生物の突然変異により野菜や魚が未知の毒性を持つ低い確率とかを気にしないところ
車に乗らないし出かけないし家屋に住まないし電子機器を所持しないし野菜や魚を食べないし病院に行かない、あらゆる低確率の危険に対して警戒して生きてるならまだ理解できる
看護師「認知症の患者を縛ると、認知機能も悪くなるし、よくないよな……歩けなくなるのは自然なことだし、むしろ転ぶのは仕方がない部分もあるもんな……この人員じゃ見切れないし……」
マスコミ「人員不足を言い訳にするな!転ぶのは医療事故!医療事故!医療事故は危ない!危険が危ない!」
看護師「じゃあ、いろいろリスクはあるけど、拘束するしかないよな……」
マスコミ「日本は国際的には身体拘束が多すぎる!看護師の怠慢だ!人権侵害!人権侵害!人を縛るな!統合失調症の人が、俺はマトモなのに縛られたって言ってるぞ!」
看護師「ええ……拘束してるのはお年寄りと知的障害の人が多いんだけど……でもそんなに騒がれるならリスクは承知で外すか……でも人手もないから心配だな……」
地裁「転ぶのわかってたでしょ?他の人の排泄介助をしてた?寝たままオムツにしてもらえばいいんじゃないの?500万払って?」
看護師「もう辞めるか……」
マスコミ「看護師が足りない!医療崩壊!国が悪い!国が悪い!」
_________
県立西宮病院で認知症患者が転倒、重い障害「転倒の恐れ予見できた」 県に532万円支払い命令 神戸地裁 https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202211/sp/0015773009.shtml
強制入院4回に「強い疑問」、統合失調症の男性訴え 「精神医療問題」身体拘束の数は約10年間で2倍(東洋経済オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2684ce62b6275e97e3300524ce88faf8a02e9ffb
✕ 某弁護士「病院側から医療事故調査・支援センターへの報告後、院内事故調査が行われます。また、病院側や遺族より依頼があった場合、支援センター側による調査が行われます」
〇 医療事故調査・支援センター「本制度では、医療機関の管理者が医療事故に該当するかを判断し報告することとなっていますので、ご遺族側から報告することはできません」
遺族が医療事故を立証して、病院が支援センター調査を要請するように、病院を動かせ、だと?
どこかの公立病院は、担当医師がもう辞めたから聞き取りできないってよ?
なんというか、生後〇か月の命を犯罪で失うのは辛いだろうけどさぁ
先天性の弱さがあって…とかもあっただろうに
延々とそれを美談みたいにして次の子も産まずにもったいないとおもうんよね
見切りつけてすぐ忘れちゃお、次の子産もう、って考えられる強さもあっていいとおもうんよ
20年生き抜いたあげくメンヘラった子の命を自殺だの行方不明だので失うのはさほど辛くないみたいなさぁ
どっちかというと素質ある子の20年のほうが教育もうけさせたわけだし社会的損失がでけえはずじゃん
まあそれだけ「小さい子を可愛い」とおもうのが日本人の無意識にもってる偏見なんだろうけどさぁ
30代のおじさんおばさんも可愛げあるよ、今思えばね
君たちって、自分と同じだけの損害を与えてほしいって考えてない?
最近の論調を見てると、この部分が道徳教育の敗北だと思ってるんだが。
例えば俺が刺されて殺されたとする。
だって、それは他の誰かを新しい加害者にしてしまうことだから。
例えば自分の兄弟や親が、加害者見つけ出して刺殺したって聞いて喜べるか?
自分のせいで大切な人を人殺しにしてしまったって悲しむのが普通だろ?
つまりこれは、復讐したい人間による暴力の正当化でしかないだって。
君たちの気持ち悪いところってそこなんだよ。
被害者のこと考えろって言いながら、ほとんど誰も寄り添ってない。
自分が罰を与えられる機会を得たとか勘違いして私刑を執行しようとする。
ネットリンチ見ても全部そう。
はっきり言うけど、それはただの暴力だろ。
もし俺が被害者なら、復讐なんて一切望まないから、もう二度と同じことが起こらないようにどうしたらいいかを考えて行動してほしいって願うよ。
論理的に考えたって、1人の加害者をこの世界から消すよりも、実行できない仕組みづくりをしたほうが助かる命が増えるのはわかりきったことだろ。
それなのに、誰かを殴ることを正当化したいから、わざわざ関係なことにまで首を突っ込んで、誰かを殴って気持ちよくなってる。
そろそろこういう偽善ポルノが悪だということを皆で自覚すべきときが来てるんだって。
医者減って困ったの誰だよ。
そういうところで失われている命を見ないふりするか、また他の誰かのせいにしてるんだろ?
例えばロシアの件だって、ウクライナが正しい!ロシアが悪だ!って叫ぶことは簡単。
それでロシアが逆上してウクライナで大量虐殺したらどうやって責任とる?
ロシアはひどい!って自分だけ傷ついてせいぜい感傷に浸るくらいだろ?
お前ら未だにハムラビ法典じゃん。
むしろ目だろうと歯だろうと命まで奪ってしまえくらいにまで退行してません?
はっきりさせよう。
「可哀想な人がいる!ゆるさん!」
これは暴力。
「可哀想な人がいる!同じ過ちを繰り返さないために自分ができることは何だ?」
これこそが救いでしょ。
わかりきってるけど、通じないよな。
かすり傷ぐらいで大げさに騒いで、相手からむしり取って大勝利!っていうクソみたいな勝ちグセ覚えてしまったんだもんな。
俺が死ぬほどいじめられてるときに、俺の話なんて耳も貸さないで殴り返してたクソ教師と同じなんだよ。
お前の視界から消えたから解決って思ってるの、お前だけだからな。
それでどうやって問題解決するつもりか、もう一度よく考えて下さい。
⭐️はコロナで肺炎でも呼吸困難でも入院できない問題に直結する話
anond:20210828000542 anond:20210828073031 anond:20210829091713 anond:20210829091722 anond:20210830205443 anond:20210905190228 anond:20210912140906
掃除中に拾ったお局の髪を人形につかったり、定番の藁人形を夜勤の時に交代で打ち付けに行ったり。
少なくとも一ヶ月は帰ってこない。更年期や持病悪化もあったそうなのでもしかしたら退職するかもしれない。
でも私達は複雑だ。
人を呪わば穴二つってこれなのかなー。
今お局がこっそり溜めていた仕事で私達が過労で死にそう。
しかも医療事故の隠蔽にも関わっていたとの噂が出ていて、連日事情聴取ばかりで仕事が終わらん。
患者さんのケアにも回らないといけない。元々お局のせいで鬱っぽかったAさんは今躁鬱っぽい感じで逆に明るくて怖い。
呪いってほんとにあるのかなー。
でもやっぱりお局にはそのまま死んで欲しいな。
パワハラにならない絶妙な言い方をする上に何故か一番絡まれたBさんは切迫流産した。
産業医に鬱って言われたAさんを「こんなこと医療現場では当たり前」と罵って休職を取り下げさせたこともあった。
掃除中に拾ったお局の髪を人形につかったり、定番の藁人形を夜勤の時に交代で打ち付けに行ったり。
少なくとも一ヶ月は帰ってこない。更年期や持病悪化もあったそうなのでもしかしたら退職するかもしれない。
でも私達は複雑だ。
人を呪わば穴二つってこれなのかなー。
今お局がこっそり溜めていた仕事で私達が過労で死にそう。
しかも医療事故の隠蔽にも関わっていたとの噂が出ていて、連日事情聴取ばかりで仕事が終わらん。
患者さんのケアにも回らないといけない。元々お局のせいで鬱っぽかったAさんは今躁鬱っぽい感じで逆に明るくて怖い。
呪いってほんとにあるのかなー。
でもやっぱりお局にはそのまま死んで欲しいな。
パワハラにならない絶妙な言い方をする上に何故か一番絡まれたBさんは切迫流産した。
産業医に鬱って言われたAさんを「こんなこと医療現場では当たり前」と罵って休職を取り下げさせたこともあった。
八王子市歯科医師フッ化水素酸誤塗布事故(はちおうじししかいしフッかすいそさんごとふじこ)とは、1982年(昭和57年)に東京都八王子市で発生した医療事故である。歯科治療用のフッ化ナトリウム(NaF)と間違えて、歯科技工用かつ毒物のフッ化水素酸(HF)を歯に塗布された女児が死亡した。
1982年(昭和57年)3月19日、八王子市内にある歯科医院の院長である歯科医師X(当時69歳)は、虫歯予防薬が少なくなったため、助手である妻Y(当時59歳)に注文するように依頼した[1]。Yは、虫歯予防用のフッ化ナトリウムのつもりで「フッ素」と市内の歯科材料会社に注文したが、注文を受けた社員は歯科技工に用いるフッ化水素酸と解釈してその日に同院へ配達した[1][2]。その際、毒物及び劇物取締法に基づいて受領書への押印を求められたが(フッ化ナトリウムであれば不要の手続きである)、Yはその違いに気付かず印鑑を押して瓶を受け取り、その瓶を診療室の薬棚に入れた[1][2]。Xも、従来使用していたものとは瓶の大きさやラベルが違うことに気付いたが(容器の外側には「フッ化水素酸」等と表示されていた)、前年の暮に取引を始めた新しい業者から納入されたもののため、違うメーカーのフッ化ナトリウムが届けられたと判断し、使用しやすいように従来使用していたフッ化ナトリウムの瓶に移し替えた[3][4]。
4月20日午後3時40分頃、市内に住む女児(当時3歳)とその母親(当時33歳)が、虫歯予防のためのフッ化ナトリウムを塗布してもらうために、同院に訪れた[5][6]。Xは、「八王子ではフッ素の塗布が義務付けられている」といい、フッ化ナトリウムと勘違いしたフッ化水素酸を脱脂綿にしみこませ女児の歯に塗布した[5][6]。その直後、女児は口から白煙のようなものと臙脂色の唾液を出し、「からい」と訴えて仰け反った(フッ化ナトリウムは本来無味無臭である)[5][6]。Xの指示で、女児の母親と同院の助手の女性が女児の体を押さえつけ、再び液体を塗布したが、女児は悲鳴を上げて暴れだし、診察台から転がり落ちた[6]。腹痛を訴え床を転げ回る女児を母親が抱き上げると、口の周りが真っ赤にただれていた[6]。Xは、初めての反応に対して特殊体質によるものだと判断し、強心剤を注射した上で119番通報した[6]。女児は救急車で近所の病院に搬送されたものの、症状が重篤であるため東京医科大学八王子医療センターに転送されたが、同日午後6時過ぎに死亡した[6]。
Xが女児に付き添い医療センターに向かっている間にYは違和感を持ち、女児の歯に塗布した薬品を自分の歯につけたところ、強い刺激を感じ歯茎が荒れたため、うがいをして吐き出し、薬を間違えたと判断して、Xに無断で容器などを洗い自宅の焼却炉で焼却処分した[1]。同日に、八王子警察署が業務上過失致死の疑いで家宅捜索に入り、診療室内の薬品や焼却炉内の灰を押収した[1][7]。
4月21日、司法解剖により口の周りの皮膚がただれているなどの急性毒物中毒と考えられる特徴が確認された[6]。同日午後9時頃、女児の通夜の席で遺族から詰め寄られたXは、高血圧性脳症を起こし倒れた[4][5]。
4月23日、警視庁科学捜査研究所が治療時の容器などを分析した結果、フッ化水素酸が検出された[1][7]。
9月28日、東京地方検察庁八王子支部はXを業務上過失致死で起訴した[8]。
1983年(昭和58年)2月8日、Xが治療ミスを全面的に認め、3850万円の慰謝料を支払うことで遺族との示談が成立した[9]。
2月24日、Xは東京地方裁判所八王子支部で業務上過失致死罪により、禁錮1年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決を受け、この第一審判決が確定した[10][11][12]。