はてなキーワード: 光文社とは
藤井風の新曲《青春病》に「青春はどどめ色」という歌詞があり、エッチだなあと思った。
周知のように、「どどめ色」は官能小説の専門用語で、年齢と経験を重ねた女性器に対して使う。
近所の出戻りお姉さんとか、同級生の母親とかに使うことが多い。
見たことないので知らんけど、やや黒ずんだサーモンピンクだと推察される。
…と思って朝日新聞の記事を見ていたら、全然違うことが書いてあった。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14519316.html
「紫になった唇や打ち身の痕などに使われたようです」などと上品に述べているが、女性器については一文字も言及していない。
Wikipediaにも「どどめ色」という記事があり、そこだと女性器との関係についても簡単に触れている。
でも、「どどめ色=女性器」という私の認識からすると、ずいぶん控えめだ。
《青春病》に対するネットの感想を見てみると、私と同様「どどめ色」を性的な言葉だと認識しているコメントも多い。
けれども、比較的若い人なのか、「どどめ色」ははじめて聞く言葉で、調べて意味が分かったと書いてる人もいる。
そういう人たちが読む解説は、「桑の実に由来する言葉で…」という調子だから、どうもあまり性的な言葉だとは思わないらしい。
「あざに使う言葉だそうで、青春の傷を示しているのでしょうね」とか「文学的な言葉です」とかいう発言まであった。
そこで、「どどめ色」の使用例はどの程度エッチなのか、簡単に調べてみた。
仕掛りなので全然少ないけど、これを見る限りでは、非エロの用法もけっこうあるようだ。
ただ、私が調べたのはちゃんとしたコーパスや新聞記事なので、上品な用例ばかり拾われすぎている感も否めない。
エッチな用例をもっと見たい方は、たとえばウェブコーパスで検索するとよいだろう。
気になるのは、1997年生まれの藤井風がこの言葉にどういうイメージを持っていたのか、ということである。
彼はセクシーなアーティストなので、この語の性的なニュアンスも十分知っていただろうと私は思う。
いずれにせよ、「どどめ色」を知らなかった人でさえ、この仰々しい語感には大変感心するだろうし、それだけでも効果的な歌詞だと言えるだろう。
「川崎名物●トルコまんじゅう さわっただけで、ジャムがドバーッとはみ出す、ドドメ色のまんじゅう。」
出典:島田洋七、島田洋八『B Bの仁義なき戦い』ベストセラーズ、1980年
「少納言」で採集。私のイメージする「ドドメ色」の典型的使用例。
「だからほら、そんなケンカはもうお止め! 女の子がドドメ肉なんて言葉を使っちゃいけません!」
出典:竹宮ゆゆこ『わたしたちの田村くん2』電撃文庫、2005年
「渇くドドメ色の夏」
出典:DIR EN GRAY《獣慾》、アルバム「DUM SPIRO SPERO」(2011年)収録
「歌ネット」で採集。歌詞全体が性的な意味になっているようだ。
「脂肪肝の場合はこの色にオレンジと紫を足したような色合いをしている。やや青みが強いドドメ色といったところか。」
「少納言」で採集。前後不明だが、焼肉に対する形容と思われる。
「梅5キロを一晩水に漬けてからザルにとって乾かす。赤ジソ2束の葉をちぎって洗い、少量の塩でよーくもむ。もーみもみしちょると、ドドメ色した汁が出て来る。」
出典:魚柄仁之助「梅の一発漬け」『朝日新聞』2001年6月13日夕刊、7面。
「防腐剤のせいかドドメ色のしなびた二つの小柄な男女は日本人の老人。」
出典「わたしの主張あなたの意見」『沖縄タイムス』2002年8月11日朝刊、5面
投書欄に寄せられた文章より。著者が見学した人体解剖実習の描写。
「どどめ色になるまで泳ぎ[…]」
出典:「歌壇・俳壇」『朝日新聞』2020年8月14日栃木朝刊、22面
加藤宜立氏の俳句より。同紙記事でも典型的とされていた、紫がかった肌の色に使う例。
「ドドメ色の昼下がり」
出典:CD「NG騎士ラムネ 40~俺は今猛烈に熱血しているっ!」1990年、トラック7のタイトル
「国立国会図書館オンライン」で採集。同ディスクには、「セピア色の夕暮れ」「トキ色の朝ぼらけ」という曲も収録されている。「昼下がり」なので、ちょっと性的な含みがある?
「肌の色が白かったから、メラニンが少なかったんでしょうね。メラニンが多いとすぐにどどめ色になってしまうと言いますからね。」
出典:峰隆一郎『西鹿児島発「交換殺人」特急』講談社文庫、1993年
「用例.jp」で採集。肌の色の話らしいが、前後不明のため、はっきりせず。
「流れる景色に目を奪われながら、もはやレレナはこの電車の色が赤だろうが青だろうがドドメ色だろうが知ったこっちゃない。」
「用例.jp」で採集。性的ではないけど、アイロニカルに使っている。
「あまりに突然突きつけられた事実に、俺の産卵期に入ったイソギンチャクみたいなドドメ色の脳細胞が付いていってないのである。」
出典:小北清人「橋下追い詰める包囲網」『AERA』2011年11月21日号、22ページ
橋下徹の発言として紹介している。ダイレクトに性的ではないが、極めてネガティヴな意味に用いている。
「ほらドドメ色の雨が降って 視界を塗り潰した」
「歌ネット」で採集。初音ミク。歌詞は他にもいくつかあったけど、当たり前ながら意味の曖昧なものが多い。
国立国会図書館オンライン https://ndlonline.ndl.go.jp/
一般社団法人日本雑誌協会の公式サイトで印刷証明付き発行部数が公開されている女性ティーンズ誌・女性ヤング誌・女性ヤングアダルト誌
に区分
媒体資料で読者の年齢層が公開されていない、且つ雑誌の内容からターゲットの年齢層が絞り込めないFUDGEとNumero TOKYOは除外
部数が多い順にソート
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 | 年齢層 |
ニコ☆プチ | 新潮社 | 94,300 | 小学生(9~12歳) |
nicola | 新潮社 | 176,425 | 中学生(12~15歳) |
Seventeen | 集英社 | 140,000 | 高校生(15~18歳) |
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 |
non・no | 集英社 | 117,500 |
ViVi | 講談社 | 89,000 |
Ray | 主婦の友社 | 61,250 |
JJ | 光文社 | 45,200 |
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 |
MORE | 集英社 | 170,000 |
CanCam | 小学館 | 55,667 |
ar | 主婦と生活社 | 54,000 |
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 |
anan | マガジンハウス | 137,500 |
with | 講談社 | 83,333 |
GISELe | 主婦の友社 | 78,900 |
Hanako | マガジンハウス | 54,167 |
GINZA | マガジンハウス | 46,000 |
mina | 主婦の友社 | 39,726 |
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 |
CLASSY. | 光文社 | 143,900 |
BAILA | 集英社 | 115,000 |
Oggi | 小学館 | 93,333 |
and GIRL | エムオン・エンタテインメント | 70,400 |
SPUR | 集英社 | 60,000 |
madame FIGARO japon | CCCメディアハウス | 55,167 |
ELLE JAPON | ハースト婦人画報社 | 41,113 |
雑誌名 | 出版社名 | 印刷証明付き発行部数 |
VERY | 光文社 | 222,200 |
&Premium | マガジンハウス | 76,833 |
VOGUE JAPAN | コンデナスト・ジャパン | 54,000 |
Domani | 小学館 | 42,500 |
25ans | ハースト婦人画報社 | 42,037 |
CREA | 文藝春秋 | 35,000 |
Harper’s BAZAAR | ハースト婦人画報社 | 29,573 |
小泉進次郎、なぜか霞が関で評判上昇「名大臣の素質あり」 | Smart FLASH[光文社週刊誌]
「小泉大臣は、若手官僚とランチミーティングを重ね、職場環境の改善を進めているんです。
打ち合わせや会議を、『多くて無駄では?』と指摘し、“テレビ会議” に代えさせたのが、その一例。大臣自身も自宅にいながらブリーフィングを受けられますし、私たちも、いちいち大臣室や会議室に集まる必要がなく、助かっています」(環境省職員)
「厚労省は、長い業務時間のわりに手当が少ないことが有名で、昔から『強制労働省』なんて揶揄されてきた。それを改善するため、2019年8月に、厚労省の若手職員が当時の根本匠厚労相に、『緊急提言』を提出したのです。
しかし、その提言が “老害” の省幹部たちに反対され、提出そのものを潰されかけました。それを、関係各所に働きかけ、提出できるようにしてくれたのが、大臣就任前の小泉さん。若手からは、『うちの大臣にならないかな』という声も聞こえてきますよ」(厚労省キャリア)
そのうちはてなーも手のひらを返しそうだな。
https://togetter.com/li/1329791
ブコメを見ていて、この件の問題点を取り違えている反応がいくつか見受けられたので、女性目線で解説してみる。
なお、私は普通程度にファッションに関心のある一般人であり専門家ではないので、記述に間違いがあったらすみません。悪気はないので煽らずに教えてください。
件の問題は以下の2点に集約される。
1. 美容雑誌であるにも関わらず、パーソナルカラーの説明がほぼすべて間違っている
それぞれ見ていく。
■
まず1から。
>『美ST』(ビスト)は、光文社から発行されている女性向け月刊美容雑誌である。
参考: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%8EST
wikipediaによれば美容雑誌である。はてブに元々そういう雑誌なんだろ(おそらくはゴシップ誌と同じような)というようなニュアンスのコメントがあったが、(中身はどうであれ)多くの読者は普通の美容雑誌と思って購入しているはずである。
正しい部分を探すのが難しいほどなのだが…。
そもそもパーソナルカラーとは、『人それぞれ、自分に似合う色味を知ることでファッションやメイクの参考にしよう』というものだ。
パーソナルカラーの診断はとても難しい。自己診断はだいたい間違っているものだ。正確な診断を知りたい人はお金を払って診断してもらいに行く。
なぜ難しいか。それは、パーソナルカラーが、ぱっと見て肌が黄色いか青みがかっているか、などという分かりやすいものでは測れないところにある。
・化粧を落としすっぴんになる
・自然光または白色光の元で、顔の下に様々な色の布をあてる(赤系だけで数十枚あるような枚数なので自己診断よりも正しく判定される)
つまり、パーソナルカラーとは肌の色ではなく、似合う色味なのだ。
「あなたは、こういう色味の(くすんだ、クリアな、パステルな、ビビッドな)色を顔の近くに持ってくると肌がきれいに見えますね」というものだ。ただそれだけだ。
なお一般的に、パーソナルカラーはブルベ・イエベだけでなく、四季(ブルベ夏冬、イエベ春秋)の4分類で診断される。
参考: https://allabout.co.jp/gm/gc/190836/
美STの「イエベさんってこんな人!」の部分を見ると、7つの項目が書かれているが、イエベを正確に表現している点はなんと一つもない。
性格にまつわるものは論外だし、かろうじて色に関して説明しているものもすべて間違っている。
→似合う赤色があるはずだ。茶系の赤リップはイエベ秋の人にはハマりやすいだろうが、イエベ春の人にはハマらないかもしれない。
→こちらもイエベ秋の人の傾向であり、イエベ春の人にくすんだアースカラーはあまり向かないとされる。イエベとまとめて表現するのは軽率である。
以上より、「美容雑誌であるにも関わらず、パーソナルカラーの説明がほぼすべて間違っている」となる。
はてブのコメントには、パーソナルカラーをエセ科学だと言うコメントさえついていたが、これはエセ科学だろうか? これは色彩学に分類されるものだと思う。学問分野については詳しくないが、実際に布をあてて自分に似合う色味を見つけていくことをエセ科学だと、私は思わない。
■
1のように間違った説明だらけな上に、見開きを使って両者間の対立を煽っている。
多くの人は、パーソナルカラーを自分のために知りたいと思うものだ。何十色もあるアイシャドウや口紅から、自分にいちばん似合う色を見つけるための参考材料だ。
あの人はイエベだから、ブルベだから、なんて発想がそもそもなかった、という人が大半だろうと思う。
一部界隈ではブルベのほうがすごいとかブルベを羨ましがる風潮があるような気もするが、あれはおそらく「ブルベ=美白」という思い込みと日本の美白信仰が混ざった結果であろう。
パーソナルカラーは、「あなたはイエベだから青やピンクを着てはいけません」というように何かを強制するものではない。
「あなたに似合う青やピンクはこういう色で、顔色がよくなりますよ。もしも不得意な色を使いたい場合は、例えば顔から離れた場所に使うといいでしょう」といったように、むしろ色とのちょうどいい付き合い方を教えてくれるものだ。
それを、勝手に性格をこじつけたりお互いを対立構造にして表現するのは、不要な争いを生み出している行為で、大手の雑誌がやるにはあまりに品位に欠けると言わざるを得ない。
余談だが、自分は地黒で結構黄色い肌だがプロ診断でブルベである。ずっと自己診断でイエベだと思っていたが、黄色い布を当てたら明らかに肝臓の悪い人のようなひどい顔色になってしまって驚いた。パーソナルカラーの自己診断は本当にあてにならないものだ。
だらだらと長文になってしまったが、分かった風にパーソナルカラー自体を馬鹿にしているブコメもいくつか見受けられたので書いてみた。
はてなーの皆さまこんにちは。今日も元気にウンコ漏らしてますか?初めて投稿します。
物心ついたころからずーっと気になっていたことがありまして。それはズバリ、「みんな作家の文体をどれくらい識別できてるんだろう?」という問題です。
気になった方は、まずは以下の問題に挑戦してみてください。
★以下の①~④と(ア)~(エ)の文章は、それぞれ同じ作家の書いた別の小説作品から、一部抜粋したものです。①と(イ)、②と(ア)...のように、同じ作者の作品どうしを組み合わせてください。
① そして彼が知ったのは、彼等の大部分が、原発というものの実態を把握していないらしいということだった。どこにどれだけの原発があるかも知らず、それが止まるということはどういうことかイメージできないようすだった。原発が止まっても大して困らないんじゃないかという意見もあれば、ろうそくを買うべきだろうかと異常に心配している声もあった。
② この人は母とは本当にお似合いだ。言葉に表現した瞬間、それが的を射ていても、本当のことを言っていても、なぜか必ず嘘っぽく聞こえ、薄っぺらい印象になる。この人のこの言葉と僕の事実とに挟まれて、僕のあの放火未遂っぽい事件は行き場を失ってしまったようだった。
③ 船長主催の晩餐会は、さんざんなていたらくであった。夕刻から、この時期には珍しい西風が吹き始め、それは次第に客船を上下に揺らした。乗客の中でもとりわけ過敏な者は、晩餐会のための服に着替える前に、すでに船酔いにかかって、各自のベッドに臥してしまった。
④ 札幌の街には今年最初の雪が降り始めていた。雨が雪に変わり、雪がまた雨に変わる。札幌の街にあっては雪はそれほどロマンティックなものではない。どちらかというと、それは評判の悪い親戚みたいに見える。
(ア): 夢の中の俺はまだ子供で野球のバットか何かを捜しに来たのだ。暗闇の中で金属バットが触れ合ってカランコロンと甲高い音を響かせる。俺は広いフロアを見渡す。たくさんの影はしんと静まり返って何も動かない。
(イ): バーは、二階に著名なフランス料理店があるビルの三階にあった。長い一枚板のぶあついカウンターと、四人掛けのテーブルが二つあるだけだったが、いかにも酒を飲むところといった風情で、助成の従業員はいなかった。
(ウ): 三人目の相手は大学の図書館で知り合った仏文科の女子学生だったが、彼女は翌年の春休みにテニス・コートの脇にあるみすぼらしい雑木林の中で首を吊って死んだ。彼女の死体は新学期が始まるまで誰にも気づかれず、まるまる二週間風に吹かれてぶら下がっていた。今では日が暮れると誰もその林には近づかない。
(エ): 十九年前にさらわれた赤ん坊がどこにいるかを、早く彼女に教えてやらねばばらない。白血病で苦しむ息子が助かる道があることを示してやらねばならない。言葉を発しようと息を吸い込んだ時、小さな疑問が彼の胸に宿った。それは瞬く間に大きくなり、やがては衝撃となって彼の心を揺さぶった。
・答えは↓
【答え】
①- (エ) 東野圭吾
②-(ア) 舞城王太郎
③-(イ) 宮本輝
④-(ウ) 村上春樹
①: 東野圭吾「天空の蜂」(講談社、2015年、p124、ハードカバー版)
②: 舞城王太郎「イキルキス」収録「パッキャラ魔道」(講談社、2010年、p193、ハードカバー版)
③: 宮本輝「海辺の扉(上)」(角川書店、1991年、p151、ハードカバー版)
④: 村上春樹「カンガルー日和」収録「彼女の町と、彼女の緬羊」(平凡社、1983年、p50、ハードカバー版)
(ア): 舞城王太郎「煙か土か食い物」(講談社、2004年、p117、文庫版)
(イ): 宮本輝「海岸列車(上)」(毎日新聞社、1989年、p162、ハードカバー版)
(ウ): 村上春樹「風の歌を聴け」(講談社文庫、1975年、p77、文庫版)
(エ): 東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」(光文社、2010年、p204、ハードカバー版)
いかがでしたでしょうか?
なぜこんな問題を作ったのかといいますと、自分はけっこう文体に敏感な方なのではないかと、密かに感じてきたからです。
同じドラッカーの作品でも、上田惇夫訳の「マネジメント」はすごく好きなのに、上賀裕子訳だとなぜか全然頭に入らなかったりします。趣味で読む本は、好きな著者のおすすめで買ってみたものの、文体が気に入らなくて読み進められないことも多いです。(村上春樹はすごい好きなのに、おすすめのサリンジャー「ナインストーリーズ」は受けつけない、など。翻訳版をよく読む方にはあるあるなのでは)
それぞれの作者ごとに、「この人は勢いがあって脳が活性化する感じ」とか「クールな感じで読んでいても全然感情を感じない」とか「頭の中に繊細で暖かいイメージがふわっと浮かぶ」とか、料理でいう味みたいなものがあります。
小説じゃなくても、エッセイでもビジネス書でも、どんなジャンルにも作者ごとの「味」がある。そして、これはその人の持つ「文体」が決めている部分が大きいと思っています。(本の装丁も全体の1~2割くらいは関係してる気がします。料理を載せる皿によってちょっと味の感じ方が変わる感じ?)
でもこの「味」って、大まかにはみんな感じるところがあるはずだけど、誰もが全く同じように感じていることはあり得ない。みんなで同じ料理を食べていて、「おいしい」「苦い」「熱い」などの大まかな感じも方向性は決まっていても、それをどこまで感じているかは人による。(同じ「辛い」カレーを食べても、人によってピリッとする辛さなのか、喘ぐくらいの辛さなのか、という辛さのニュアンスは異なるはず)
これって料理の味ならみんな共感できると思うんですけど、文章の「味」についてはほとんど議論されない。これって実際はどうなのか、という実験でした。
今回挙げた作家について、個人的に感じる「味」はこんな感じ。(あくまで個人の感想です。前者二人の文体は大好き、後者二人はうーむ。ストーリーはそれぞれ面白いと思います。)
・村上春樹: なんの抵抗もなくすっと頭に入って、胸にふわっと煙みたいに広がって染み渡る。イメージが幻想的ながら、ありありと脳裏に浮かぶ。もう村上春樹っぽいとしか言えない。
・舞城王太郎: 「文圧」のすごさ。リズムと勢いで、パンパン読ませる。胸が暖まって脳が活性化する感じ。文体で読ませる作家。天才。
・東野圭吾: 必要最低限の情報量。情報は伝わるが、感情はあまり伝わってこない。マックのハンバーガーみたいな感じ。
・宮本輝: いいところのお坊っちゃん。淀みなく流れる川のように流麗。美しい文章だが、あといま一歩感情が胸に迫ってこない。脳の活性化がいまいち。
最後までお付き合いいただいたはてなーの皆さん、ありがとうございます!皆さんのやってみた結果は、コメントで教えていただけるとありがたいです。あと余裕のある方、同じような問題作って自分にもやらせて...!!
「三回殺してもあきたりない」と言われるほど財務省に恨まれている江田憲司の本を読んでみるとざっくりわかるよ。
江田憲司,2012,『財務省のマインドコントロール』幻冬舎.https://www.amazon.co.jp/dp/4344021584
江田の本は若干漫画的で財務官僚を分かりやすく悪者化しているので、そうではなくもう少し穏当な論調のものの方がよいならこっちをおすすめするよ。
倉山満,2012,『検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む』光文社.https://www.amazon.co.jp/dp/4334036740
http://anond.hatelabo.jp/20170414094139
増田でバズッたことは初めての経験なので、正直なところ驚いている。
まずは、前記事を読み、コメントして頂いた全ての方に感謝を申し上げたい。
しかし、読み返してみるとわかりにくい部分も多かったので、ここでは改めて論を整理したい。
まず、今回の最大の主張は、「妥当」「危害」「驚異」といった「基準」は時代や文化によって大きく変わるので、その基準をたまに論じ、硬直せず前に進もうとする姿勢が最も重要である、ということである。ただし、2つの条件がある。
第1に、全てをグレーとする姿勢は建設的な議論を阻害するので、あくまでも「たまに」、なぜこれはブラックで、これはホワイトなのかを振り返る姿勢が大切だ、ということだ。
なぜならば、「ブラック」「ホワイト」「妥当」という基準を「多数がそれを支持している」ということに求めてしまうと、それは少数派の迫害に繋がるからだ。
多数派が多数派となるにあたり、もちろん多数派には妥当性が存在するはずだが、それは多数派に誤りが、少数派に見習うべき点が一切ない、ということではない。
見習うべき点は見習い、直すべき点は直すということをするには、可能な限りの言論の自由が必要だ。
私も今回の一件で私の説明の下手さや、トイレを例として挙げることのまずさを学ぶことができた。
第2に、議論は積み重なっていくことで進んでいくものであり、これまでの議論を踏まえることで、より先の思想に行き着くことができるという点は重要である。
特に、専門用語は真面目に説明すれぱ長くなる概念などを一言でまとめるために存在するので、これまでの議論を端的にまとめ、次に進むためには専門用語の理解が必要不可欠である。
しかし、「それはn年前にとっくに議論されている」、あるいは「ググれカス」という姿勢は、ただ自らの優位性を守りたいだけか、あるいはただの知ったかぶりであり、後続が新しい視点でこれまでの議論を乗り越える可能性を阻害するだけである。
もちろん、同じ説明を何度も繰り返すのは時間の無駄であることは確かなので、先達はこれまでの議論をまとめる参考文献等を示すのが最も建設的であると考える。
それができないのであれば、それは議論が足りず整理されていないことを意味するか、ただマウントしたいだけなのか、あるいはただの知ったかぶりである、ということである。
そのような人達は相手にするだけ無駄なので、後続は議論を続けるべきである。
最後に、この話に関心を持って頂いた人のために参考文献を何冊か挙げたい。
まずは、J.S.ミルの『自由論』を挙げる。個人的には、光文社から出ている訳が一番読みやすい。
今回のような思想、あるいは制度に関する書籍は、基本的にそれが書かれた時代背景を踏まえるか、キリスト教を少しでも理解しないと、非常にうわべだけの理解に留まってしまう。従って、読む順序が存在するか、それに加えてキリスト教について学ぶ必要がある。
例えば、カントやヘーゲルをいきなり読むのははっきり言って時間の無駄であるし、キリスト教の克服という視点を無視してニーチェを読むのも、ただのニヒリズムに陥る可能性がある
(余談だが、キリスト教を何となく学ぶためには、まず『ふしぎなキリスト教』を読んで、一週間おいてから『ふしぎなふしぎなキリスト教』を読むことを強くお勧めする)。
その点、ミルの『自由論』はキリスト教に対する支持を前提としているが、話は100年以上前に書かれたものとは思えないほど、現代にも通用すると思われる。また、思い付くような反論に対し、本書中で既に再反論しているという点もお勧めだ。
ミルの『自由論』はおそらくいきなり読んでも大丈夫だと思われるが、できればプラトンの『ソクラテスの弁明』を先に一読することをお勧めしたい。
こちらは時代が違いすぎるのでいろいろと理解しがたいこともあるが、「ソクラテスというおじさんが、無知の知というものに目覚め、道行く人に片っ端から議論をしかけ、「からの~?」「からの~?」と言っていたら捕まって死刑になった」という大筋さえ押さえておけば大丈夫だ。
無知の知とは知らないということを知っている、つまり、ある物事がなぜそうなっているのか、ということに対し知ったかぶることなく謙虚な姿勢で思考や議論をすべきだ、ということである。
原発問題にしろ、民族問題にしろ移民問題にしろ、より良い方向に向かうということのためにはお互いを尊重した、建設的議論が必須である。
『FLASH』(光文社)2008年9月2日号 No.1017
「山本一郎@切込隊長のネット人民共和国Ver2.0」vol.40
「でも本当の注目は社民党だぜ。 <略>
護憲だ平和主義だと言うのは構わんが、何食わぬ顔で北朝鮮拉致とか協力しやがって。テロの片棒担ぎ放題じゃねえか。どのツラ下げて理想語ってるんだ。」
何食わぬ顔で北朝鮮拉致とか協力しやがって。テロの片棒担ぎ放題じゃねえか。
町山智浩氏と山本一郎氏がツイッター上でバトルを繰りひろげていたが...。
(ある時点で山本氏は沈黙してしまったため、町山氏が一方的に批判しているようにみえるが。)
町山氏は山本氏の過去のネット上でのネトウヨ的発言(ヘイトスピーチ的発言)を批判していたが、
ネットの中だけでなく、大手出版社・光文社から発行されていた雑誌『FLASH』の連載記事の中で上記のような問題発言をしていた。
本人および光文社は冗談ですまそうとしているのかもしれないけど、冗談ですむ発言だろうか。
山本氏は現在、フジテレビのワイドショー「とくだね」でコメンテーターをしているそうだが、もしこれからもテレビに出演するのなら
公党を誹謗中傷した過去の発言をきちんと謝罪したうえで出演するべきではないか。
それ以前にフジテレビは、商業出版された雑誌で上記のような発言をしていた人物を出演させることについてどのように考えているのか。
是非、ご意見を聞かせて欲しい。
もっとも、社民党が北朝鮮の拉致に協力していたのが事実なら、そのような政党が現在も堂々と活動していること自体、大問題だけれども。
クリスチャンになると自然と自然科学に興味が湧く(ダジャレ事故)。
光文社からたまたま出てたダーウィン『種の起源』が分かりやすく面白かったため、自然科学の古典を読んでいきたい。
あと社会科学系の本ばっかり読み過ぎて飽きてきたのもある。
『星界の報告』の新訳。望遠鏡で観た星空の様を感動と共に書いた本、らしい。あと地動説が論じられてるとか。
ニュートンの『プリンキピア』を中学高校レベルの数学で平易に解説した本、らしい。別にこの本じゃなくてもいいんだけど、要するに『プリンキピア』に何が書いてあんのかをざっくり知りたい。
チャンドラセカール『「プリンキピア」講義』なる本も定評があるらしいが、難解らしいので警戒している。
図書館で解説だけ読んだら、あの難解な宮沢賢治の内容がものすごく分かりやすく解説されていて驚いた。本作はその解説(読み方)に従って作品を配列した全集。
といってもどう見てもキリスト教に引っ張られた解釈(「完全な自然と不完全な人間の対比」)で、どこまで鵜呑みにしていいのか分からんけど。
ちなみに有名な『雨ニモマケズ』は、昔からキリスト教っぽい詩だなぁと思っていたのだが、モデルの男と目されている人物(斎藤宗次郎)がクリスチャンらしい。ホントかどうかは知らんが興味深い。
ブコメで勧められたのを検索してたら発見。人生をやり直したいという主人公に神が答えるシーンがものすごく良い。
ドストエフスキーのデビュー作。といっても彼が社会主義者で、ゴリゴリのクリスチャンになる前の作品。なぜか光文社から新訳が出た。
どうも金と愛の話らしい。
クリスチャンになる前はマルキストだったので、この本には昔から興味があった。
古い訳で分厚くでかい本しかなかったので敬遠していたのだが、このたび何故か新訳された。マルクスブーム万歳である。
ついでにヒルファディングの『金融資本論』も新訳してください。
とりあえずこんなところ。
http://anond.hatelabo.jp/20160904033715
選定基準は
・読みやすい
・有名で、他の本や映画に出てきがち
ド名作。読んでおくと伊坂幸太郎の『陽気なギャングが地球を回す』がもっと楽しい。
早く来てくれオーバーロード。
③永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編カント(訳:中山元)
「本邦初訳」作品。古典新訳文庫ならでは。イタリアっぽいユーモア。
エログロ。
『藤野先生』も『狂人日記』も入っていてお得。訳者の村上春樹と中国の関係についての研究も面白い。
誤訳が多いらしいが、すごく読みやすかった。他の訳では通読できなかったと思う。
訳者は元国際プラトン学会会長(2007~2010年)で、解説の量がすごい。
読んでおくと、あの映画とかあのミステリーとかのネタ元なので捗るはず。
⑩闇の奥 コンラッド(訳:黒原敏行)
『地獄の黙示録』の原作。個人的には「叡山の僧兵の大将」中野好夫の訳より好き。
―――
①グレート・ギャッツビー(村上春樹翻訳ライブラリー)フィッツジェラルド
村上春樹の訳が好き。
『英文の読み方(岩波新書)』など、英語の読み方の著作に定評のある行方昭夫の訳で。
野村萬斎が自ら演ずるために、河合祥一郎に新訳を依頼しただけあってとても読みやすい。
『月下の一群』の堀口大學の訳で。
⑨カフカ-ポケットマスターピース-01-集英社文庫ヘリテージシリーズ
小説家の多和田葉子の訳で。『変身』は先に別の訳を読んでおいた方が新鮮かも。
⑩マーク・トウェイン-ポケットマスターピース-06-集英社文庫ヘリテージシリーズ
はてな民ならハックルベリーは読んでおきたい。柴田元幸の訳で。
―――
退職から一年が経過し、新しい職場(WEBベンチャー企業)での仕事に慣れたこと、
また、富士通の同期入社の友人から頻繁に転職の相談を受けるようになったこともあり、本エントリを執筆する。
はじめに、筆者の退職理由を簡単に述べると、富士通という会社に未来を感じなかったことと、やりたい仕事はできないだろうと判断したためである。
参考までに、筆者は公共機関向けのシステム開発部門に所属していた。
担当していた業務は様々で、小規模なシステム開発や、子会社・下請企業の管理であった。
富士通には、人材キャリアフレームワークという社員評価制度があり、現場には、入社何年目はこのレベルの仕事、といった暗黙の了解がある。
本人の能力や意欲とは全く無関係に、入社後の経過年数で、仕事の裁量の幅が大きく制限される。
このことはいわば、学習指導要領ならぬ、業務指導要領があるようなものだ。
このような枠組みや暗黙の了解が存在すること自体が問題なのではなく、その枠組から逸脱した人材を想定しない・評価しないことが問題なのである。
筆者がお世話になった優秀な先輩方は、この業務指導要領の要件を満たして手に余った人、
いわば天井にぶつかった人から先に、より大きな仕事がしたいという理由で辞めていった。
筆者もその一人である。
既存産業の大きな成長が望めなく、社員個々の多様性が重要視される昨今の経済情勢において、
高度成長期における横並び思想をもとの作られたやり方が未だに社内を謳歌しているのは時代錯誤というほかない。
富士通への提言として、これからの時代は、年齢も在籍年数も関係ない人材評価制度を作っていくべきである。
そして重要なのは、会社の既存事業でいかに利益を上げたかについての評価ウェイトを下げ、
いかに新しい発想で新しい事業を提案したか・実現したかという評価項目を設立するべきである。
なお、富士通には社内ベンチャー制度があるが、これはうまくいかない可能性が高い。
なぜなら、社内ベンチャーを承認するのは旧式の人材の典型例である高齢な経営層であるからだ。
いままで数十の社内ベンチャーの審査結果を見てきたが、彼ら経営層に事業の将来性を判断する能力はないと痛感した。
また、他の理由としては、富士通の既存事業と衝突すると社内ベンチャーが潰されるということがある。
将来性のない既存事業を残して、将来を託すべき社内ベンチャーを潰すという企業風土なのだ。
富士通という会社には多数の既得権益集団がいる。そして、社内のルールは彼らが決して不利にならないように作られている。
なぜなら、ルールを作る権限は、先頭を走る集団、1980年代に大成功を収めた既得権益層がガッチリ握っているからだ。
いわば、前を走る人を抜かしてはいけないレースのようなものだ。
このような出来レースで若手社員のモチベーションが続くはずはないことは明らかだ。
筆者は、決して年功序列主義を批判したいのではない。
既得権益層が年功序列を悪用して、部下の手柄を自分の手柄にし、部下の失敗を部下に押し付けている実態に対する批判である。
ノブレスオブリージュ、権利を有するものには義務がある、という思想がある。
富士通の既得権益集団には会社の技術力や社員を率先することで、企業としての地位を向上させていく義務がある。
実態は、社内の後進に抜かされることを恐れるあまり、後進の他社に抜かされている。
ちなみに、この既得権益集団に有利なルールが生み出した現状については、
同じく富士通OBである城繁幸氏の著書「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(光文社新書)が詳しい。
経営学において「ヴィジョナリーカンパニー」という名著がある。
この本によると、会社が永続的に成長・発展していくためには企業理念(ビジョン)を社員ひとりひとりが持つことが必要不可欠であると指摘している。
富士通の企業理念は、変革に挑戦し続ける姿勢や、よりよいICT社会づくりに貢献することを掲げている。
しかし、富士通という会社の現状として、このヴィジョンを失っている社員、とくに管理職がとても多い。
30代を過ぎて会社に定住することを決めた社員に変革に挑戦しようという熱意ある人物はひとりもいなかった、
そういう人々にとってICTで社会づくりなどどうでもいいのだ。
ただ顧客の要求を聞いて、それを子会社や下請けに作らせて予算や利益を達成することにしか興味がない管理職が大半であった。
元GEのCEOであるジャック・ウェルチ氏は、たとえ成果を出していようと企業ビジョンを共有しないものはクビにしろと自著で語っている。
このポリシーを導入したら、富士通の管理職の80%はクビになるであろう。そのくらいに富士通の管理職は夢や熱意のない人物ばかりであった。
そのような人材が将来的に会社を破壊する、というウェルチ氏の指摘の正当性を、富士通という会社の惨状が示しているのは皮肉という他ない。
富士通への提言として、ウェルチ氏のやり方を実行すればよいのだ。
成果によって管理職のクビを決めるのではなく、ヴィジョンを共有できているかでクビを決めるのだ。
このやり方を実行すると既得権益を握って離さない経営層や管理職が一掃される。
既得権益にしがみつくだけの人物こそ、ヴィジョンを持たない人物である割合がとても多かったことを付け加えておく。
経営コンサルタントの大前研一氏は、日本の生産性がアメリカの半分しかなく、もはや発展途上国にすら負けていると指摘している。
その原因について、日本では業務標準化が全く進んでいないためであると述べている。
自分の住む自治体と異なる自治体のマイナンバーのITシステムを比較してみてほしい。
ここで、自治体が異なればITシステムも異なることに気づくはずである。
はたして自治体ごとに個別のマイナンバーシステムを作る必要があるのだろうか?
答えはもちろんノーである。全国どこでも一律の業務であるべきであり、同じITシステムを導入するべきである。
自治体ごとに業務フローが異なるために、別のITシステムを使用した時に業務がこなせないという事態が発生する。
そのため各自治体が個別にITシステムをITベンダーに発注することになる。
そこでITベンダーは各自治体ごとに個別のITシステムを作ることになる。
ITベンダー側からすると一度作ったことがあるものをカスタマイズして、業務の順番を入れ替えたり、扱うデータを多少変更するだけで済む。
それなのに膨大な金額を請求するわけだ、ITベンダーとしてはボロ儲けである。
(なお、主要ITベンダー決算書を見ていただくとわかるが、ITベンダーの利益率が高いわけではない)
特に自治体のITシステムは国民の税金で作られているわけである。
各自治体は、このような現状を放置していて、国民に申し訳ないと思わないのであろうか?
このことは、決してITベンダーにのみ責任があるわけではない。
総務省が陣頭指揮をとって各自治体の業務標準化・統一化を進めなくてはいけないのに、それが全くなされていないのは監督官庁としての責任放棄である。
このように業務標準化が全く進んでいない現状は自治体に限らず、民間企業においても同様である。
会計パッケージにおいて、世界のデファクトスタンダードになりつつあるSAP導入に失敗する事例を数多く見てきた。
失敗する理由は、個々の企業の業務に合わせてSAPをカスタマイズしており、そのカスタマイズでは対応できない業務フローが存在するからである。
問題なのは、そのような業務フローは、決して必然的な業務ではなく、過去の慣習から存在しているだけであることがとても多い。
ここにおいて、ITシステムが業務に合わせるのではなく、ITシステムに合わせて業務の方を変えていかなくてはいけないのだ。
このことは、サービス・流通業の顧客からSAPのカスタマイズで無理難題があがってくることが特に多いことと無関係ではないであろう。
富士通は、既存顧客の業務標準化およびデファクト・スタンダードとなるITシステムの開発の陣頭指揮をとる役割を果たすべきだが、その望みは期待できない。
なぜなら関係が深い企業において、業務が効率化すると大量の社内失業者を出すことになるからだ。
そのような"顧客との良い関係"を崩すようなことはやらない会社である。
日本という国のあるべき姿を長期的に考えた際に必然的なことであるにもかかわらずである。
富士通の企業理念である、よりよい社会づくりに貢献するとは、まさにこの業務標準化を推し進めることなのではないのか。
富士通には外国籍の社員が相当数在籍している。しかし、彼らに求められる日本人への"帰化圧力"がとても強い。
同期入社の中国籍の友人は、対外発表会のために完璧な日本語の発音の練習をさせられていた。
完璧な日本語の発音は日本人に任せるべきで、中国に精通しているというメリットを活かせる部署に配置転換するべきである。
なお、残った外国籍社員をみると、小学生から日本にいるなど、生まれたのが海外というだけのほぼ日本人だったりする。
外国籍社員の離職率が高いことに対して、本部長が提示した対策が、
長く働きたい会社とはどのような会社か、というテーマで外国籍社員を集めランチタイムにディスカッションさせるというものだった。
この席で「無能な人が本部長にならない会社で長く働きたい」という大喜利でもすればいいのだろうか。
富士通はグローバル企業を表明しているが、このような組織で海外進出などできるはずもない。
なぜならば富士通の利益構造では、海外において利益を上げられないからだ。
このカラクリの解説は大前研一氏が詳解されているので、参考にしていただきたい。※1
6.富士通の良いところ
ここまで富士通に対する批判と改善の提言を述べてきたが、富士通の良いところについても触れておきたい。
まず、個々の社員の仕事力や組織力といった点では、他の大企業と比較して遜色ない。ただし、富士通の主要グループ企業に限るが。
数十を超える大企業および中小企業と仕事をしたが、やはり大企業は個々の社員のレベルが高く、組織力も高い傾向にある。
顧客として他社と仕事を進めていくうえで、大企業の方が優秀な担当者に遭遇することが多く、仕事がとても進みやすかった。
この理由について、大企業の社員育成能力が高いことはもちろん、社内チェック体制が整っているからではないかと思う。
社内で質の悪いものは弾いており、社外に出さないようにしているのだろう。
また、富士通は顧客主義がきちんと徹底されている会社であると感じた。
筆者と富士通の顧客主義が異なっていた点はあるものの、顧客起点に立つという考え方は大事なことである。
柔らかい人が多く、職場の雰囲気はとても良かった。お世話になった直属の上司や先輩方は、優しく丁寧なご指導をいただいたことに感謝している。
7.おわりに
最後に、立花隆氏の著書「東大生はバカになったか」(文春文庫)から名文を引用したい。※2
「いま、この辞めたい気持ちを逃したら、この会社に骨を埋めて、あそこにいる連中と同じになってしまうと思った。」
結局、筆者の退職理由は、偉そうな顔をしているがロクなビジョンも打ち出せない富士通の上層部のような人間になりたくなかったからである。
富士通という会社に必要なのは、優秀な若手の育成などではなく、無用な老害の排除である。
筆者には、富士通という会社は、沈みゆく泥船にしか思えなかった。
※1「産業突然死」の時代の人生論、第44回 談合をなくす二つの妙案-"便利なゼネコン"はいじめの温床
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/46/
(この記事のゼネコンをITゼネコン(ITベンダー)に置き換えていただきたい。)
※2 引用にあたり、語尾を改めた。
補足1.城繁幸氏の著書「内側から見た富士通」(光文社)についてのコメント
この本は富士通が先んじて導入した成果主義が、名ばかりで社員のやる気を奪う結果に終わったという実態を告発した本である。
この本について、いくつか述べたい。
まず、本題である、成果主義が経営層のご都合で導入されて、社員のモチベーションを奪うという最悪の結果に終わったという指摘はまさにその通りである。
また、この本が出版されてから10年以上経つが、実態は改善されていないし、する気もないのだろう。
(そもそも経営者のご都合成果主義の導入を失敗だと気づく能力が欠如しているのかも知れない)
管理職の仕事は、部下の成果を評価することではなく、予算内におさまるように部下の評価を調整することであった。
なお、成果主義の導入を評価している現場社員は誰もいなかった。
(成果主義を批判する幹部社員はいなかった。おそらく批判すると何らかのペナルティがあるのではないかと邪推している。)
補足2.転職について
筆者の転職について、考慮したことをいくつか述べる。
まず、次の会社・仕事の選び方および交渉の進め方については、山崎元氏の著書「会社は二年で辞めていい」(幻冬舎新書)を大いに参考にした。
転職は考えていなくとも、今の時代を働く考え方、人材価値のセルフマネジメントなどは一読の価値がある。
富士通という大手を辞めたはいいが、次の会社で苦労している人が多いという意見についてコメントしたい。
筆者に言わせれば、それは転職のツメが甘いのだ。
現職のどこに不満を持っていて、そのうち、どこが改善の余地があり、妥協するべきであり、次の職で改善を期待するのか、についての思慮が浅い。
社会のルールをわかっていないで転職したとしか思えないケースもある。
そもそも富士通という会社に勤めているにもかかわらずITゼネコンの生態系を理解していない社員がとても多い。
下請け企業にいけばもっとやりがいのある仕事ができる、などという浅い考えで転職する人はいる。
ITゼネコンの下請けを生業とする会社の社長は、中間管理職と何一つ違いはない。
上の指示(元請けの発注)を受けて下に伝達するだけであって、自身で新しい事業を生み出す能力のない企業である。
新しい会社は、自社で新しい事業を生み出す能力があり、きちんと利益を上げている。
転職において改善したかったこと、専門的な業務ができること、自分のアイディアを事業に活かすことができること、それらがすべて達成できた。
3月1日発売の2016年3月15日号 目次に「保育園落ちた。日本死ね“保活ママ”212人の悲鳴!!」
http://www.kobunsha.com/shelf/magazine/current?seriesid=101001
読んでみた。
表紙にも「保育園落ちた。日本死ね“保活ママ”212人の悲鳴!!」
3ページに亘る記事のアオリにも「『保育園落ちた日本死ね!!!』だけじゃない―」
が、本文中では「最近、ネットに書かれた『保育園落ちた日本死ね!!!』という書き込みも話題になった少子化ニッポン。」の
一文で触れられているだけ。
記事のメインは、所沢市の第2子生まれて育休取ったら第1子が保育園を強制退園させられる問題。
どうやら、保育園の当落が発表され保活が話題になる時期に合わせ掲載する予定で取材を進めていた記事に
ネットやテレビで急激に話題になった「保育園落ちた日本死ね!!!」を後付けした雰囲気。
web版でも記事になってるんだけど、こちらはタイトルからも本文からも「保育園落ちた日本死ね!!!」はバッサリ削られてる。
所沢「育休退園」制度にママ悲鳴「2人目中絶した」の声も(社会) - 女性自身[光文社女性週刊誌]
http://jisin.jp/serial/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84/social/23217
ネットでは「保育園落ちた日本死ね!!!」は十分に拡散しきった後だから、後追い記事扱いされるより
所沢市の問題に焦点あてた元々意図してたであろう保活記事に仕立て直したのかな。
2ちゃん(嫌儲板以外)やYahooで「保育園落ちた日本死ね!!!」関連の反応見ると本筋から外れた叩きが酷いし。
ともかく、女性自身本誌での扱いを見るに「保育園落ちた日本死ね!!!」は保活問題を象徴するキャッチフレーズになったんだなと。
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PHP研究所歴史人物ベスト100 2014 PHP電子 http://goo.gl/tFy2Mh
「翔泳社の本」書籍カタログ2016年春期版 http://goo.gl/vHwuuv
翔泳社の本 Vol.03 http://goo.gl/1nf929
翔泳社の本 Vol.02 http://goo.gl/4Nz3q7
翔泳社の本 Vol.01 http://goo.gl/GUGqLn
ブックオフに見に行ったら1冊もなかった。人気だからすぐ売れちゃうのかな。佐島勤先生すげえええええええええええ
ちなみに今日ブックオフで買ってきたのは、『新潮日本文学8 志賀直哉集』(『暗夜行路』しか読んだことないし、全然好きじゃないけど、とりあえず買っとくかあみたいな。短編は面白いのかなという興味)、アレクサンドル・デュマ『王妃マルゴ』上下(デュマは定価で買う気がしなかったからありがたい)、絲山秋子『沖で待つ』(絲山はつまらなかった気がするけど、芥川賞のこれ読んでなかったから一応買った)、星野智幸『俺俺』(星野も好きじゃないんだけど、まあなんかしょうもない義務感というか)の5冊。全部108円で540円。なんか最近ブックオフにろくな本がない。むかしはウンベルト・エーコ『薔薇の名前』が105円で売ってたりしたのに。
で、しょうがないから、本屋で『魔法科高校の劣等生』の新品を買ってきたよ! 少女小説以外のラノベを新品で買うなんて何年ぶりだろう。びっくりしたんだけど、これ「入学編」で上下巻構成なのね。上巻だけ読んで判断するのは申し訳ないから、しかたないから2巻まで買ってきちゃったよ。大冒険じゃん!
俺 T U E E E E ! ! !
なんかすごいどきどきしてる。こんなに読むのが楽しみでわくわくしちゃってるのっていつ以来だろう。
いまちょうどジュリアン・グラックの『シルトの岸辺』が岩波文庫で出たから、なつかしいなあとか思ってゆっくり精読するように読み直してるんだけど、全然わくわく感はないんだよね。ジャン・ジュネの『花のノートルダム』の新訳が光文社古典新訳文庫から出たときも相当うれしかったけど、でもなんかわくわくって感じではなかった(まあなんども読んでるからだけど)。大好きなドゥルーズの『差異と反復』が文庫になったときもひゃっはーって感じだったけど、やっぱりわくわくって感じではなかった。『魔法科高校の劣等生』のわくわく感ははんぱない。相当すごい。
この感覚っていつ以来だろう。ゲームに関していえば、小さいころは年に数本しか買えなくて、ひとつのゲームを買うのが大事件だったんだよね(『ドラクエ6』にするか『ヨッシーアイランド』にするかで死ぬほど悩んだなんていったら年がばれるかw)。でもいつからか毎月のようにゲーム買うようになって、買ってはすぐにクリアしての繰り返しで、少年時代のわくわく感ってだんだん薄れてきちゃうんだよね。『魔法科高校の劣等生』のわくわく感はすごい。なんだこれ。懐かしい感覚だ。涙が出てくる。
はじめてAV買ったときの、はやく帰って家でDVD再生したくてたまらず、例の芸術的とも卑猥ともいえる海綿体の先端に咲き誇る透明の液体が震えに震え、行き場を失ったエネルギーがいまにも爆発しそうで、猛禽類の力強い羽ばたきにも似て通りすがりのひとにとって致命的ともいえる旋風を巻き起こすものすごい加速度をもって走り出しそうな、でもいい年して街中を全力で駆け抜けるのはアホだからと必死に気持ちを抑えるがどうしても早足になってしまう、耳は赤いし、心拍数は上がってしまう、あのときの、ああいう感覚なんだよ!(謎)
っしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ