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はてなキーワード: 代理とは

2024-04-29

       ケース記録   その他

    主が、4月16日の夜中に、さいたま志木市の秋ヶ瀬橋に自転車で行ったというので、何か資料はあるか提出を求めた

  ところ

      LAWSON和光病院前店と印字されたクロネコファックス領収証提示があり、そこに、2024/04/16 01時16分

  と印字されており、確認した。

                                           2024/04/26

                                    板橋福祉事務所所長    係長    起案者

                                       外山(代理)    二杉    高橋

   ケース記録  その他

   主が来所したため、新CWと顔合わせを行う。 4月5日、0時12分に、徒歩で、板橋本町から実家から帰って来たのだという。CW名が、乙黒であることから、劣っている黒いもの趣旨

  と怒鳴られたが意味が分からなかったので、次の話に移った。顔面障害とか黒羽刑務所に行った等の理由精神が動かず、自宅ではほとんど、おぺちの形をしているということ

   ※ 主は東大卒で、 おぺちの形というのは、布団の中にいるという意味

  日中ほとんどおぺちの形をして、起きて、インターネット書き込みをしていると次第にイライラしてきてそうなるのだという。最近は誰かがリモコン操作されているような感じがあるのだという。

 買い物はライフで行っており、毎回、同じような飲料水商品名が並ぶ。レジ会計をして、ラクカというライフポイントカード清算しているという。6日に自転車練馬区に迷い込み、石神井警察署

  大泉学園交番で道をきいた。7日は緑道で演説をしたり歌を歌ったりしたが、8日は蒸し暑かったし雨が降っていたので早めに就寝したということ。11日は板橋区役所文書開示に行って夜は

  早めに就寝したということ。

                                                   2024/04/26

                                                    所長    係長   担当

                                                  外山(代理)   二杉   宮脇

2024-04-28

0歳選挙権という詭弁

バカボン一家ハジメちゃん誕生投票権付与される。

でも実際はバカボンのパパが代理して投票する。

いやこんなのどこがいいんだよ。そもそも制度名前が違ってるだろ。

anond:20240428034838

保護者っていうか0歳児の代理は直系の親でいいでしょ。

0歳児というかある程度の思考力持つまでの代理を親に与えるのは親なら子供のことを思って投票する、という前提の上で成立してるので意見が食い違うとしても子供のことを優先して投票先を考えるならそれはそれでいいでしょ。

まあそれか選挙権は与えるが代理投票は不可としてもいいかもしれない。これは本人の意思次第で何歳であろうと投票出来るようにするためのもので今の単純な年齢区切りよりは良いシステムなのではないかと思う。

anond:20240427031516 「0歳児から投票権」はドイツでどのように議論されているのか? の補足

 ブックマークコメントを読んで再び考えたことがあった。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20240427031516

gryphon 面白く読んだが2点。「…付託されたが、その後本格的な審査…ない」は議会が駆引と日程で動く以上あり得る話で「付託」時点で一定水準の議論推定可能か/米上院(各州2議席)等「平等選挙原則」は前提にせずとも可

 平等選挙原則の話はあとに回す。議会駆け引きと日程で動くのであれば、付託政治的取引の結果と解することもできるような気がするというのはともかくとして、確かに議会駆け引きの結果たなざらしにされているという可能性はある。そこで、先の2008年提案をもう少し細かく読んで見た。

https://dserver.bundestag.de/btd/16/098/1609868.pdf

 よく読むと、この提案は、基本法や関連法規改正連邦政府に促すべきだという「決議」の提案であり、基本法改正の条文を並び立てる案ではない。条文も具体的な制度設計も伴わない提案一定水準の議論と言って良いのか。だから賛否も問われずにたなざらしにされたのではないだろうか。以下の文章以外は、提案理由(いわゆる「世代正義」の実現が主のようだ)が長々述べられているに過ぎない。

II. Der Deutsche Bundestag fordert die Bundesregierung auf, einen Gesetzentwurf zur Einführung eines Wahlrechts von Geburt an durch Än- derung des Artikels 38 des Grundgesetzes und erforderliche weitere gesetzliche Änderungen, insbesondere im Bundeswahlgesetz, vorzulegen. Für den Fall, dass die Eltern sich in der Ausübung ihrer Stellvertreterposition in Bezug auf das Kindeswahlrecht nicht einigen können, wird die Bundesregierung aufgefor- dert, eine einfache und beide Eltern möglichst gleichberechtigende Regelung zu schaffen.

連邦議会は、連邦政府に対して、基本法第38条と他の必要法律改正特に連邦選挙法の改正を通じて出生時から選挙権を導入する法案を提出するよう求める。両親が子の選挙権についての代理行使[の方法]について一致できない場合のために、連邦政府には、簡単かつ両親双方に可能な限り同権的な規則作成することを求める。

 ちなみに、Wikipediaドイツ語版(https://de.wikipedia.org/wiki/Familienwahlrecht)を見て知ったのだが、2003年にもほぼ同じ提案がされている(https://dserver.bundestag.de/btd/15/015/1501544.pdf)。

 こうして経緯を調べてみると、議会妥協ゆえにたなざらしにされているというよりも、5年経って具体的な案も詰められなかったというのが現実であるように思われる。

kappa9 結果はともあれ海外で真面目に議論されたというのは本当の話では。

 「国会で」とか「政府で」という枠を外して学界に目を転じると、確かにドイツ人らしく(?)真面目に議論されているみたいだ。前回の調査局の報告書には、数は少ないながらこの問題を直接的に取り扱った論文がいくつか引用されていた。彼らが議論しているのは基本法の定める民主国家原理に反するのか、それを促進できるのかという点である問題は、そうした真面目な議論をきちんと踏まえた上でドイツ人ができなかった(ように見える)平等選挙原則に反しない提案を考案するどころか、子が3人だから私は4票(吉村氏)などと賛成派のドイツ人も避けようとしている発言をしてしまっていることだ。

 さて、平等選挙の話に戻る。アメリカ上院人口にかかわらず一州に2議席であるしかし、このような例があるから平等選挙は必ずしも民主主義の前提ではないというのに私は強い疑問がある。

 第一に、合衆国憲法上院議席分配については、アメリカ連邦特有のものであるアメリカのような連邦制をとらない日本でこの例を出すことは不適切だろう。

 第二に、アメリカ上院議席分配が不平等であることは、当のアメリカ人も不満を持っている。たとえば有名な政治学者ロバートダールの『アメリカ憲法民主的か』(邦訳岩波書店からある)は、上院議員が人口に比例していない「顕著な不平等代表であると述べる(邦訳58頁以下)。この仕組みは合衆国憲法制定時に諸州の妥協(いわゆるコネティカット妥協)で作られたわけであるが、そもそも合衆国憲法民主主義大事にされる時代に制定されたわけではないというのが時代背景としてある。合衆国憲法が制定された時代には、不平等選挙制度普通に見られた。ダールは一例として、19世紀存在した悪名高いプロイセンの三級選挙法を引き合いに出している。三級選挙法は、平等選挙を求める激しい非難を浴びながらもしぶとく生き残っていたが、第一次大戦の敗北と共に消え去ったのである選挙権は与えるが露骨ユンカー資本家の票を優遇するこの仕組みは極めて有名であり、今でも平等選挙の反対概念である差等選挙の一例として三級選挙法はよく言及される。今さら民主主義大事にされていたわけではない時代にできた妥協として生き残っているものを引き合いに出すのは、民主主義者の行動としてはおかしものだと思う。ちなみに、ドイツ連邦参議院(上院)は、ある程度の人口比例的に各州に議席が割り振られることになっている(また、そもそも連邦参議院はアメリカ上院ほどの権限はない)。

 ケルゼンも言っているが、民主主義は人々の平等をもって本旨とする(古代ギリシア民主政も突き詰めれば平等に行き着くだろう。民主政を表すもう一つの言葉はイソノミア(平等の法)である)。選挙権の平等民主主義と切っても切れないのであり、ドイツ人平等選挙に反しないように「代理」と言っているのは、ドイツ基本法憲法20条に抵触するのを避けるためだけではないだろう。もし平等選挙理念を取っ払うのだとすれば、金持ちが結託して再び三級選挙法のような仕組みを導入されても文句は言えない。むしろ今般の眠たい提案よりも金持ちを守るための露骨提案の方が議会を通りやすいだろう。平等選挙を引っ込めてはならない。

 選挙権の平等に歪みを加えるような制度改正をしても、政治的影響力を増すのは「代理」する大人であり、子どもではないという現実を見るべきだ。若年者の「世代平等」とやらを図りたいのであれば、方法は一つである。「代理」などという回りくどいことなどせず、選挙権の年齢を下げることだ。16歳、(オーストリア検討されている)14歳、あるいはその下でもいいが、子ども投票意思表示をすることができるギリギリまで下げてみることを提案されたい(ちなみに私は、14歳くらいまでなら割とすぐにでも引き下げて良いのではないかと思う)。

(ついでに)

 意思表示能力がない子ども排除されるのになぜ意思表示能力のない人(たとえば重度な認知症の老人)が選挙から排除されないのかという疑問を持つ人もいるらしい。理論的にいえば、確かに意思表示能力のない人は選挙、つまり国家意思形成参与する資格はない(実は理論的にいえば子どもか老人かは選挙権の決定に直接関係するわけではない)。そうすると、なぜ2013年の法改正成年後見人の選挙権が回復されたかという疑問がわきそうだが、後見あくま財産管理上の能力があるか否かの問題であり、政治的意思表示能力があるかとは厳密にいえば関係ない※。要は、現状、意思表示能力のない大人選挙から排除する仕組みはないと考えなければならない(もっとも、実際には政治的意思表示が一切できないなら投票所に来られまいし、投票所に来ても何もできないだろうが)。

 憲法が成年(ここでいう成年とは民法上の成年をいう)に選挙権を保障するのは、成年であれば政治的意思表示能力があるだろうという線引きを採用しているかである。こうした年齢によって能力の有無の線引きにするのは、一見すると確かに問題がある。子どもでも賢い子はいるし、大人でも愚鈍な人はいる。思考実験としては、年齢にかかわらずすべて政治的意思表示能力がある人をテストで判定し、テスト合格した人にみに選挙権を与えるということも考えられる。ただ、どのような方法テストを組めば公正に政治的意思表示能力があると見なせるかという問題が生じる。このようなテストを実際に恣意的活用して実質的黒人投票権を奪っていたのがかつてのアメリカ南部諸州であったことを忘れてはならない。

 結局、年齢によって形式的に線引きする方が、ヨリ問題はすくないように思う(年齢よりも問題を起こしにくい線引きの方法があったら教えてくれ)。あとはどこまで下げられるかを真剣に考えることだ。

 なお、日本憲法15条3項は、成年者には選挙権を与えなければならないとだけ言っており(公務員選挙については、成年者による普通選挙保障する)、未成年者に選挙権を与えることを禁じていない。これは、ドイツ基本法38条2項が、「満18歳の者は、選挙権を有する」と定めていることと対照的である。年齢の引き下げなら日本では憲法改正など必要なくすぐさまやれることなのに、わざわざ憲法改正どころか民主主義根本原理を改変するような提案をしてくるのは、何かおかしな底意があるのだろう。

※これは思いつきだが、禁治産者選挙から排除されていたのは、財産を持つ有徳の者にだけ選挙権は与えられるべきであるという制限選挙時代のBesitz und Bildungの観念に由来するのかな。いずれ調べてみたい。

2024-04-27

anond:20240427031516

親が代理して行うとか絶対に駄目でしょ

子供と親は別の意思をもった別の人間なんだから

選挙権行使当人意思に基づいて行う以外は有り得ないよ。

どうしても0歳から選挙権を与えたいならば、18歳になった時点でそれまでの選挙権遡及的に取得できるって事にして

36歳までは二票投票できるようにすればいいんじゃない

まあ、これをやったとしても若者投票率は低いから大して効果は出ないと思う

anond:20240427031516

だいたい代理行使なんて構成おかしいのであって、子ども自身選挙権行使させたらええねん。

「0歳児から投票権」はドイツでどのように議論されているのか?

 維新の会共同代表吉村大阪府知事が、「0歳児投票権」(未成年の子投票は親が代理して行う)を提案し、維新マニフェストに加えたいという意向だという。

https://digital.asahi.com/articles/ASS4T2RNLS4TOXIE01TM.html

 これについて同党音喜多幹事長が、次のようなツイートリツイート(リポスト?)していた。

吉村知事の0歳児投票権=ドメイン投票の実現可能性は兎も角、海外で真面目に議論されて国会まで行った話を、あたかも与太話のようにせせら笑い取り合わない風潮をみると、この国の知識レベル心配になる

海外議論で主な論点はすでに整理されてるが、日本SNS界隈の反応はそのレベルに達してない

吉村知事が言ってるドメイン投票は例えばドイツでは連邦議会において議論され、(https://bundestag.de/resource/blob/531942/6669f3e29651882065938fc6a14fd779/wd-3-157-17-pdf-data.pdf)、無論導入にはいたらなかったものの、第三次メルケル内閣のManuela Schwesig家族相など、賛同者もいた昔からあるアイディアの一つですが

それを「頭がおかしい」はさすがに乱暴すぎでは

https://twitter.com/Barrettm95sp/status/1783579344503529489

 ドイツ連邦議会議論されたというのは、この議論が無理のあるものではないということを示す一つの傍証とされているのだろう。音喜多氏もこれを自分議論を支持する意味でリポスト(?)しているようだ。ただ、リンク先のPDFを見て色々な意味で驚いた。

 第一に、このPDFドイツ連邦議会調査局(Wissenschaftliche Dienste)が作っているものである調査局が作っている立法資料を持ってきて連邦議会において議論されたというのは羊頭狗肉の感がある(※)。たとえば日本国会図書館調査及び立法考査局が資料を書いたら国会議論されたことになるのだろうか。

 第二に、調査局の報告書タイトル:生まれた時から選挙権[構想]の諸問題)という体裁上、両論併記的であり、あまり執筆者個人意見は出ていないが、この提案に対する分析の水準は明らかに日本でいま議論されているようなレベルのものではないことに驚いた。なお、ドイツ法に詳しくない方のために申し上げるが、ここから先で述べる「基本法」とは、ドイツにおける憲法典日本憲法のような)にあたる法である

要約すると、

・親に子どもの数分の選挙権付与するモデル(Modell des originären Elternwahlrechts)は、ドイツ基本法38条1項1文が保障する平等選挙原則に反するし、平等原則原則20条の民主的連邦国家原理に含まれる。したがって、基本法79条3項の定めにしたがって、このような提案はたとえ基本法憲法改正によるとしても許されない。(4-5頁でバッサリ斬られている)

・一方子の選挙権を親が代理行使するモデル(Modell des originären Kinderwahlrechts)については、別途の考察必要になる。(同)

基本法38条2項(選挙権年齢)の改正必要という点はともかくとして、実質的な側面としてはやはり基本法79条3項が定める基本法改正限界について検討するべきであるが、そこで重要になるのは、基本法20条の民主国家原理に含まれ平等選挙原則にこのようなモデルが適合するか否かである

・親の代理投票主唱者は、親は子の票を受託に基づいて行使するので、平等選挙原則に反しないと主張する。すなわち、親自身投票権行使と子の投票権行使区別して行うべき制度であれば平等選挙原則に反しない。また、たとえ平等選挙原則に反するのであるとしても、このような制度普通選挙原則選挙権を万人に付与すること)に奉仕するから、その意味では民主主義原理に役立つ(※基本法20条、ひいては79条3項に反しない)。(7-8)

・このモデルへの批判者は、まずもって、望むか否かは別として政治プロセスに参加できない人にも選挙権を与えても、民主主義正統性は得られないとする(※普通選挙の拡大という言い分は見せかけであるということだろう)。そのうえで、親による代理投票は、事実問題として、親に複数の票を与えることに他ならない。親自身の票と子の票を区別して投票するという仕組みは非現実的であるそもそも代理投票という仕組み自体子ども成熟していないということを前提としているのであり、親が子の受託に基づいて投票するという議論矛盾する。加えて、親を通じた代理投票という仕組みは、選挙権一身専属的な権利であり、国家意思形成責任を持って参加する力をその人だけに与えるものだという側面を無視している。結局、基本法20条、ひいては79条3項に反する。(9-11

 ここから分かるのは、ドイツでは親の代理投票制度は、普通選挙の拡大に資するし、かつ、代理投票モデルであれば、平等選挙原則に反しないという形で議論されているということである。少なくとも「消滅可能自治体」があるからかいう「地方創世」で一山当てたいコンサル向けのくだらない理由提案の原点なのではない。また、少なくとも表向きは、少子化対策のために子持ちの票を増やそうという理由でもない(その理由馬鹿らしさはこれでも読めば良いhttps://mond.how/ja/topics/v35a8jk8lwp89el/jw3f2o4dj0z9fo4)。あくまでも普通選挙の拡大に資するというのが理由である。より民主的政治制度への変更を試みようという提案(として自らを位置付けている)というわけだ。ただ、民主主義平等選挙原則も同様に要請するからドイツ人がやっているように、平等選挙原則と両立するかを考えなければならない。

 平等選挙原則に反しないというためには、親自身投票と子の投票を厳密に区別する必要がある。それが現実問題として可能なのかということをしっかり考えなければならない。この仕組みの賛同者がドイツ連邦議会調査局を区別していないというぞんざいなやり方をとっていることからすると、どうもドイツ議論は話の枕に使われているだけで、ドイツ議論を真面目に受け止めて、そのような制度可能なのかを考察する者はあまりいなさそうだ。私個人意見では、親と子の投票を厳密に区分した制度を作ることは無理だろう。というのも、この仕組みが問題になるのは、子の投票意向と親の意向が相反する場合だが、その場合、子は自らの投票意向を開示して親を説得しなければならない。これでは投票秘密も何もあったものではなく、逆に子が投票秘密を守ろうとすると、親の投票意向コントロールすることはできない。それでは子から投票付託されたという代理人という建前が崩れる。また、投票意向が明らかにならない子について親が「代理」するのでは、結局親に二票与えるのと変わりがない。加えていえば、代理権を持つの母親なのだろうか、父親なのだろうか(吉村知事制度実現のあかつきには自身が子の分も含めて4票あるというので、父親が前提なのだろう)。ここは、親と子の投票を厳密に区分するという発想をとれば実は問題が生じない(子の意向に沿うならばその票を投ずるのは父でも母でも他の保護者でも構わない)のだが、先程述べたように、特に投票意向を表示できない子については区分は無理だろう。したがって、事実上「二票」入れられるのはどちらなのかという争いが生じざるを得ない。そのような場合には「0.5票」を両親に付与することも考えられるが、正面から両親に票を与えることを認めれば、ますます平等選挙原則に反しないという建前が崩れる。

 そもそも、ここから分かるように一口子どもといっても投票可能な年齢の子とそうでない子がいるのだから投票可能な年齢の子について代理投票などという面倒な仕組みを採らずに投票権の年齢を下げれば良いだけの話だ。たとえばオーストリアでは16歳まで投票権年齢が引き下げられているが、引き続き14歳投票権議論されていると聞いた覚えがある。このような議論真剣考慮に値すると思う。

 繰り返しになるが、ドイツではこの投票制度平等選挙原則に反しないと言えるか否かが議論され、それが難しいと考えられているようだ。だとすれば、ドイツ議論を踏まえて、この制度賛同者は、この制度平等選挙原則に反しないようになる制度可能性こそを真面目に考えるべきだろう。ただ思いつきでぶち上げても、もう終わった話だと一蹴されるのは当然である(※)。なお、そもそも平等選挙原則について真面目に考えないのであれば、民主主義コミットしていないと思われても仕方がない。上記議論では、平等選挙原則基本法(=憲法改正によっても曲げることは許されないと言われている(※※)。

興味本位で調べてみたところ、ドイツ連邦議会にこのような基本法改正提案が提出されたことはあるようだ(2008年提案)。ただ、連邦議会HP確認する限り、提案委員会付託されたが、その後本格的な審査が行われた様子はない。つまり、賛成・反対の議決もなく、本格的な議論もされずに一蹴された話だということだ。

https://dip.bundestag.de/vorgang/der-zukunft-eine-stimme-geben-f%C3%BCr-ein-wahlrecht-von/14939

※※

これはドイツ基本法79条3項の規定故ではあるが、憲法改正限界という純法律的論点を脇に措いたとしても選挙権平等を真面目に考えないことが民主主義であることを疑わせるのは変わりはない。なお、日本憲法も、14条1項からして平等選挙原則をとっている(そうでなければ一票の格差問題にされることはない)が、平等選挙原則排除憲法改正限界に引っかかる理論可能性はあるだろう。

追記

 それにしても、吉村氏に関しては、自身が子の分も含めて4票あるというから、「代理モデルの利点である平等選挙原則との抵触回避の利点をわざわざ捨てているように思う。利点を捨てるような発言自分からしていくあたり、本当にただの思いつきなのだろう。ドイツ人の議論を持ち出しながら(これをやったのは音喜多氏だが)、ドイツ人が回避しようとしていたことをやってしまうのは無様だ。「消滅可能自治体」に引っかけた話題作りという以上の意味はないのだろうが、話題作りのために民主主義根本原理に手を触れるのはどうかしている。それが弁護士のすることだろうか。

(再追記

 多重投稿状態になっていたものを削除しました。

(再々追記

 ブックマークコメントに触発されてさらに考えてみました。

https://anond.hatelabo.jp/20240428001438

2024-04-26

anond:20240426195125

長い。流し見してもあまり使わない言い回しが多くて内容が頭に入ってこねぇ。

0歳児から選挙権を与えることは賛成だがな。

少子高齢化による高齢者票の偏りを緩和出来るし、社会環境の変化には何年もかかるのに選挙権を得るのが18からでは遅すぎる。

まあ物心つくまでは親が代理投票することになるだろうが

2024-04-23

anond:20240423164408

そりゃ女から弁護引き受けて利益取ってる弁護士が客を怒らせること言う訳ねーんだわ。

弁護士のこと正しいこと言う人間とでも思ってるの?

依頼人利益を最大化させるために法的手続代理する士業であって客以外の味方しなくても当然

2024-04-22

もう辞めるしどうでもええわくらいのテンションで生きるのがいいのかも

今の職場5月末で辞めるのが決まって4月いっぱい出勤して5月から有給消化する予定なんだけど

これまで部下の提案とか後々のこととか考えすぎて、これ呑むのウゼーって思って

判断を後回しにしたり、とりあえず欠点があったら拒否するようにしてたんだよね。

年明けに辞めるって決めてからは「ええよええよやったらええよ」って

よっぽどイカれてる提案以外はポンポコ呑むことができるようになった。

上には適当に言うとくからっつってドンドンやらせていったら、なんか業績も上がってきたし

部下から評価も上がってきて、なーんやこれでよかったんやって思うようになった。

今になってちょっと辞めるの惜しい気がしてきたけど、課長補佐代理かい意味不明役職押し付けられて

上も詰め詰めなのに、どんどん管理職候補の中途とってくる路線にはやっぱついていけないし辞めるわ。

2024-04-20

社員20以下の零細から社員数150程度の中小転職した。

部長部長代理課長主任、副主任役職がある。課長代理もあるのかもしれないが、組織図には書いてなかった(いなかった)。

部長複数の部を兼務してて、数人いる。部長代理から主任までも数人。副主任はかなりいる。

これって昇進しにくいか、中堅がバンバン辞めてるってことだよな?ヤ他に何か考えられる理由はあるだろうか。

2024-04-15

次々と裁判職場で罰されているけどまだ弱者のつもりでいるの?

https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20240408/8020020010.html 道路から青識亜論というアカウントをうんでしまった徳島県職員代理県民に謝る。本人は反省しているそうだけど病気って治らないことが多いよね。

https://twitter.com/minorit403/status/1772885027329540535 石川優美さんお幸せに。

三浦よしさんのアカウント今日初めて見たけどフェミ用に垢分けしたガレソ?

anond:20240415013658

その法律事務所って委任状見せてきた?

本当に代理権があるなら、介入通知もよこしてくるんじゃないか

2024-04-14

anond:20240414114608

代理権・義務の共同とは何かを説明するのにどう言えばわかりやすいか悩んでたんだわ

鍵の例えはドンピシャだなと思ったわ

anond:20240414014246

日本では、育児のために時短勤務や熱が出た時にすぐ休める仕事転職してる男親はどれくらいいるの?

女親が親権を持つんじゃなくてお前が主体として育児することができないから妻に親権がいくんじゃん

ケース・バイ・ケースであって妻の方が余力があるという前提になるのはおかしいだろう。

エントリのケースは偶々妻の実家が太いから妻の方が子育てやすいだけで妻に母親資質はなさそうだし、こういう実家の太さを考慮するなら

ますます男女差の傾向は薄れるだろう。

実態通りの運用がなされるだけなんだから何の問題もなくね?妻一人では子は育てられるけどお前1人では無理なんでしょ

問題があるから改正されてるし、法の話をしてるとき個人のケースだけの話をしても意味がないだろう。

面会交流単独親権でも可能、という主張があるが、この記事を見る限り裁判所で取り決めをしても44%が全く面会交流出来ていない、という現実があるわけで、共同親権になることはこれの改善寄与するものと思われる。

https://times.abema.tv/articles/-/8641856?page=1

共同親権別に「定期的な交流担保され、子ども成育状況を増田が逐一確認出来る」ようになるものではありませんよ?

親権定義は以下だがこの意味合い自体は十分に含まれているだろう。

親権は、親が未成年の子健全な一人前の社会人として育成すべく養育保護する権利

務であり、その内容は、大別して子の監護及び教育に関する親の権利義務(身上監護権)

と子の財産管理や法定代理に関する権利義務(財産管理権)とされる

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2020pdf/20200911187.pdf

2024-04-13

うちのネコがちゅ~る信者なのでイナバを擁護する必要がある

今回の件、偏向報道によって問題が過剰に大きく扱われているように思える。

まず状況を整理しよう。

今年の新入社員の9割が辞めた」は嘘。実際には102人のう17人が辞めただけなので2割未満

まずここだ。

メディア卑劣なる印象操作の爪痕は未だに深く、多くの人が「いなばに今年入った全ての社員の9割が辞めている」と誤解していることだろう。

実際には「特定職種19人のうち17人が辞めた」である

まあ確かに「9割の人間入社を辞退するような職種があった」というのは間違ってないとは言える。

だが、それを「いなば今年の新入社員の9割が」と誤解させるような書き方をメディアが繰り返しているのはどうかと思う。

これは憎むべき偏向報道一種であり、いなばがこの17人に対して行った行為がどれほど卑劣であろうとなかろうと、それが偏向報道をしていい理由鵜呑みにしていい理由にはならないはずだ!

そもそもやめた17人はグループチャット内輪ノリヒートアップして辞めただけかも知れない

これはね、マジでよく起こるんですよ。

特に女性社会ではね。

女性ってのはコミュニティ内のノリを優先するもんだから、どうしても一度方向性が決まったら自分だけ反対とはしにくくなる。

まして今回やめた人達ってのは一般職でしょう?

総合職人達と比べると、「特別この会社で働きたい!」みたいなのがないというかね、「楽にお金が貰えるならぶっちゃけどこでもいいかな。でもちょっとキラキラしたいかも」「ぐらいの動機で何社何社も思いつきみたいに面接を受けて、たまたま大手の所に通ったらそこに入るって感じなんですよ。

軽いんですよね会社選びのノリが。

からグループチャットちょっとしたノリとアッサリ天秤にかけることが出来てしまう。

信念がないんですよ。

ネコ様のために美味しいちゅ~るを作ろうみたいな情熱がないから、別にはごろもフーズシーチキンを作ろうが地元山崎パンで片親パンを作ろうが、そこそこの業務時間でそれなりに給料が貰えたらどうでもいいと思ってるわけですね。

副社長の決裁が下りなかった」を子ども言い訳扱いしていいものか?

ボロ家の修繕について、当時入院中の副社長から決裁が下りなかったことで業務が滞っていたことについて、もっとやりようがあったのではないかという批判が集中している。

では聞きたいのだが、どうすればよかったと考えているのだろうか?

1 副社長に社宅の全権を委ねているため社宅の実情を全く分かってない社長が変わりに決裁を承認する

2 社宅業務担当責任者である副社長から許可を得ることな業務を進めてしま

これがどちらもそれなりのリスクがあることは流石に分かるよね?分かるかな?わかってほしいんだけどわからない人に説明する自信はないからお母さんにでも聞いてね

そもそもこうならないように常に代理決裁者を用意しておき、複数人のブレーンを用意するのが理想だろう。

だが代理決裁というものは多用すればどの決裁者も自体を正確に把握することがないまま事業が進んでしまリスクがある諸刃の剣だ。

イナバが副社長に社宅の全権を集中させたのは、トップがキチンと状況をコントロールした上で社宅管理をしようという意思があったからなのではないだろうか?

それをさも「社宅をないがしろにしていたから、たかジジイが1人病気で死にかけているだけで仕事が止まっていたんだ」と報道するというのは、目先のセンセーショナルを追求し過ぎではないか

給料が3万下がった」はただの聞き間違い

総合職22万円・一般職19万円で提示されていた給料勘違いして3万円下がったと思っただけ。

うん、これで攻められるのは可哀想

たとえばだ。

ファーストフード店で、

コーヒー スモール100円(ミディアム 200円)』とメニューに書いてあったとしよう。

それに対してこんなクレームがついたらどう思う?

クレーマーコーヒーが100円だと思ったから注文したのに200円取られた。なんか注文時にゴニョゴニョとサイズを聞かれたから「普通で」と答えたらこうなった。よく読んでないお前が悪いと言われたから怒って返品しようとした店員から「は?」って顔された!許せん!分かりにくいんだよ死ね!」

おかしいよな?

俺はおかしいと思う。

うんこの話はこれで終わり。

2024-04-11

悲報東京能登復興無駄要望ない限り切り捨てる」

能登の復旧・復興コスト念頭」 財務省被災地人口

https://www.47news.jp/10766174.html

財務省は9日、財政制度等審議会財務相諮問機関)の分科会を開き、能登半島地震の被災地の復旧・復興は「将来の需要減少や維持管理コスト念頭に置き、住民意向を踏まえ、十分な検討必要だ」と訴えた。「被災地の多くが人口減少局面にある」ことを理由に挙げ「過去災害の事例も教訓に集約的なまちづくり」を提言した。

 復興が本格化する中、無駄財政支出は避けたいとの立場を明確にした。分科会終了後に増田寛也会長代理日本郵政社長)が記者会見し「家の片付けが進んでない地域に、将来の議論をしようと言っても難しい」と指摘。被災状況の地域差や住民の考えを理解した上での復興重要だとした。

2024-04-10

anond:20240409224038

自分キラキラさせることへの抵抗感や恥じらいが「推し」という外部に代理で輝いてもらう行為誘導するのかもね

2024-04-09

裁判相手方国交省は、代理人訟務検事が8名いる(松田朋子訟務官をサーチしたら、オンライン情報もある)

彼らは部分的に虚実を主張しており、事件理解してない感もあった

しかし、昨日、法務大臣名前で、「訴訟代理消滅通知書」が届いた

これは増田担当を解任されたのか、訟務検事を降りたのか、異動シーズンの異動か…一斉に退職はないだろう

法曹人事は、法務大臣最高裁事務総局のどちらが言い出してするものか、やや判明しない部分がある

しかし、増田だけずっと当事者のままだわ

2024-04-06

anond:20240406012942

弁護士営利度外視大人数で共同親権反対に署名したり解説出したりしてんだけど、

海外在住人や海外有識者からコメントもあるんだけど

一切その辺に触れてる形跡がないけど??

トンチキというなら具体的にその反対派弁護士解説や反対派弁護士意見書の内容に沿って、引用して丁寧に批判するべきでは?公式声明を出してるんだから


デメリットは大量にあるが、メリットは何なの?デメリット釣り合っているのか?

日本の「親権」の運用意味がわかるか?(海外親権とは異なるぞ)

親権の「共同行使」は、ハンコを二つ揃えなければ子の代理法律行為ができないって話だぞ?

銀行の口座作成入院退院手続きなんかの日常的な法律行為もまともにできなくなる。

離婚してどこかに住んでる相手が連絡を返してくれなければ瀕死の子供でも入院すらできないわけ

そんなの強いてどうしたいのか?という問いには誰も答えないしな。

犯罪確定とかい抽象的で感情的な話ではないんだが

専門職の丁寧な解説に一切触れずに一方的に喚いても、性根が腐ってるネトウヨとお前が同視されて終わりだよ

2024-03-27

大谷翔平水原一平)賭博疑惑金融業界への影響

大谷声明内容が全て事実である仮定する。

これは本人の介在無く億単位の金が違法賭博業者(初期報道にあった「カリフォルニア違法なだけ」ではなく、全米で違法もの。だから胴元が今摘発されようとしている)に流れたという金融事故(または事件)でもある。

から銀行側もそれなりの当局報告や再発防止策が求められる。

どの口座は使われたのかが公になってないが、仮に大谷スポンサー契約してる三菱UFJ銀行の口座から送金されていた場合は、今の銀行シスリス部門リスク管理部門システム部門システム子会社が泣きながら完徹金融庁報告対応してるはずだ。

本人確認どうなってたのか、代理申請されていた場合身辺調査しなかったのは何故か、9回振込があるまでシステム的なアラートが鳴らなかったのは何故か、それらの業務システム仕様を許したのは誰か、何故か、などなど根掘り葉掘り聞かれるので答えないといけない。答えられない場合業務停止命令が待っている。

米国金融機関の口座であっても、該当金融機関が夜を徹して同じように当局対応してると思われる。

該当金融機関の中の人達は、今頃大谷翔平に恨み節を流してるだろう。「大谷自分で振り込んだという初期報道の通りであってくれ」と願ってたはずだ。

原因究明に続いては再発防止策の策定だ。

おそらく、口座の代理申請デューデリジェンス反社チェック含めた身辺調査)が薄く、一平が信頼できない人物だと検知出来なかったことが原因と見做されるので、口座の代理申請受付でもしっかりデューデリを厳しくするのが再発防止になるだろう。

これを読んでる貴殿子どもがいて、子どもお年玉管理する口座の代理申請をした場合貴殿身辺調査対象になるということだ。

今までは口座名義人本人が承認してるから代理人のデューデリは要らないとされてたが、それはハイリスクだと水原一平が証明してしまった。致し方ない規制強化だろう。

2024-03-25

ワイもスマホげーで300万くらいガチャ回しても代理弁済してくれる親友が欲しい


通訳目指すかな?

2024-03-23

狭い界隈のゴミの話

私はVALORANTというゲームお金をもらう仕事をしている。

無料ゲームは、民度も良くないため、幼稚な人間が多い。

そんな幼稚なヤツの記録

https://twitter.com/himolintiktok

コイツ一般人よりもちょっとゲームが上手かったようだが、プロにはなれなかった典型的落ちこぼれだ。

VTuber配信者、プロチーム、ゲーム内でマッチングした一般人に対して暴言を吐き炎上することで配信の同接を増やして小遣い稼ぎをしているらしい。

つい最近大手VTuber配信外で遊んでいる際に暴言などを一方的に浴びせ炎上していたのをXで話題になっていた。

流石の大手事務所、法的措置をチラつかせたのかここ数日でみるみるコイツの様子がおかしくなり、恐らく自演だろうが母親代理精神病から許してほしいとXに投稿している。

https://megalodon.jp/2024-0323-0114-39/https://twitter.com:443/himolintiktok/status/1771141986466332805?t=_ZgvD_LeJUyYN38Ql833KA&s=19

一般人よりもちょっと上手いだけで調子に乗り、ちやほやされるもプロにもなれず、挙句の果てには炎上して金稼ぎするも企業に訴えられてママに泣きついてる様を記録として残しておく。

コイツマッチングした何百人もの一般人が本当にかわいそう。

ゲーム内の暴言がもう少し厳しく取り締まれ未来は来るのか。

2024-03-22

才能の民主化完全に理解した

 「生成AIによる民主化」を叫ぶパブコメが公開されて話題を呼び、「それは民主化ではなく共産化」という理解が急速に形成されている。この「民主化」という概念は何も9段の人物が考え出したものではなく、海外の生成AI議論特にイラスト関連の議論では頻出の概念であり何らかの生成AI推進過激派共通認識だが、一方で「共産化」は少なくとも増田寡聞にして知らぬ。では、この「才能」の「民主化」とは何なのか? 恐らく国内理解されている形では「極一部の『絵師』と呼ばれる特権階級が、生まれながらに持っている、『絵』を生成する技術」を「広く一般が使えるようにする」こと、だろう。

 Financialization(金融化)という概念がある1980年代から汎ゆるもの金銭価値に換算する動きが加速し、万物通貨によって交換できるようになる一方で、金融分野に加速度的に富が集中するようになってしまったとか、そんなような話だ。まあ安っぽいネオリベラリズム批判一種と思って構わないが、このあらゆるもの金銭価値と拡大の速度、加速度で考えるというプロ倫の延長線上にある思想米国では広く一般に浸透している。

 だから二次元業界も当然この金融化の対象として、森羅万象を四半期指標の伸びとして変換すべしという思想の中で解釈される。このものは素晴らしい、だから儲けを加速しなければならない、という自然な発想がある。二次元イラスト業界金銭的な側面で発展させようという試みは、2010年代を通じて諸外国で繰り返されてきた。無断転載で客を集めた後、批判を浴びて版権元と交渉しようとした漫画村事件もその一部だし、同人誌代理購入や転売が行われたり、無断翻訳グループや各種の転載サイトの有料サブスク販売されたりとか、仮想通貨イラスト作家を巻き込む動きも見られたし、画像ファイルを集めて転売するとか、無料3Dデータを改造して勝手に売るとか、あるいは無料転載して名を上げるとか、色々な試みがあった。個々の作家に対してあなた作品もっとビッグな儲けに繋がる、価格を上げるべきだ、販売数を増やすべきだ、出版が難しければ顔だって繋ぐ、といったオファーが野放図に撃たれることもあった。

 そのいずれにも日本漫画業界イラスト作家コミュニティは乗らなかった。日本は強固な「非営利業界」を維持してきた。

 日本人は日本二次元業界が作り出すソフトパワーをまったく過小評価している。増田はある時、海外イラストレーターが何だかソフト互換問題で揉めている所を見たことがある。PSDはPhotoshopから出力されるとは限らない、俺はKritaを使っているし現場によってはCSPを使っているとか、どうだかだった。お前らはCSPが何のことか分かるか? Clip Studio Paintだ。増田にとってこれはちょっとした衝撃だった。まったくのサプライズド・ピカチュウだ。分かるか? 国産商用ソフトウェアがイラスト制作ソフト世界御三家一角を固めていて、Adobe三位なんだぞ。「日本にはジョブズが生まれない」?「日本製のソフト通用しない」? いや、増田自身普段はこれを言う方なのだが、それでもだ。かつてはbukkakeが世界一有名な日本語だとか、不名誉で恥ずかしいとか言われたものだが、今では所によってはblack company、mesugaki、menhera moveですら通じる(最後はどこかの初号機の貢献だ)。

 そして、この継続的世界投射される存在感、その非営利思想(と、その裏でちゃんと行われているアニメガチャゲー課金としての回収)は、思想的に原理主義的な低位のレイヤーにおいて、世界的に反発と軋轢を生み続けているのだ。

 もう一つ説明すべきことがある。共産化とは何なのか? 帝政ロシア末期のそれにしろ中国のそれにしろ共産主義革命とは、力を持たない民衆が団結し、腐りきった既存体制を打破し、特権階級が貪る既得権益破壊し、人民還元する、という建前で行われる営為だ。実際にはこの「特権階級」は中流層以下を指し、既得権益とは単に日常生活を指す、ということはまともな人間なら皆知っているだろう。高級な壺を割り水道破壊公共施設を打ち壊し電線を鋳潰し、全てを焼き払ってゴミにするのが共産化共産主義革命である社会破壊して所有の概念を、いや「社会」と「モノ」という概念の終了を目指すのが共産主義である

 この「才能の民主化」と「それは共産化である」という批判はこれらを踏まえて解釈されなければならない。

 「民主化」による恩恵を得るのはお前らではない。「お前ら」というのはブクマカ増田のような言葉を持つ人間だけに限ったものではない。日本人ではない。ここまで書いてきたように、いま、諸外国には、日本(または中韓台を含む極東アジア)人は二次元イラスト業界特権的地位を得、極端なダンピングと異常な反成長主義を敷いている、という怒りがある。その怒りの文脈において、日本人は全て二次元の絵を生成し享受できる特権階級であり、才能の共産主義革命において虐殺される対象である。⑨段のパブコメを書いた「生まれつき手が震えて線が引けない」者など同情に値するわけがない。絵の金融化、イラスト市場資本主義的成長を阻害してきた旧来体制を賛美する、唾棄すべき特権階級であるポル・ポト政権の新国家建設の呼びかけに喜び勇んでカンボジアへ舞い戻り人民裁判に掛けられ次々と虐殺された出稼ぎ労働者たちそのものの姿だ。

 そしてその方法として、生成AI推進派たちは、Danbooruに(善意で)集積されたイラスト圧縮汎化させ任意に混ぜ合わせ薄めて取り出せるようにする。そのデータを配布し有象無象が使えるようにする。LoRAにより「絵柄」の神秘性を破壊再現できるようにする。それらすべてはコンピュータの利用を強制して非属人的に実行されることで金銭価値還元される。

 だからあれは共産化なのだ。だから「生成AI規制するならば二次創作規制しろなのだ。つまるところ「生成AIによる才能の民主化」の指すものは、金銭価値への還元を断固として受け入れない二次元イラスト市場破壊のものなのだ文化庁の連中が考えているような「『民主化』による、日本国内の広く一般の者への価値還元」は発生しない。民主化AI生産性を飛躍的に向上させたクリエイター活躍などない。ソ連にまともな戦闘機がなかったようなものだ。仮にこれが「還元」だとするならば、起こるのはちょうど紙を高濃度過酸化水素水で炎とガスに分解するような「還元」だ。「パブコメの知能が低すぎて困る」とかボヤいている場合ではない。それほどの、あえていえば低知能のもの、が反対一色に染まってパブリックコメントを送ってきているとはどういうことか? 実害を被っているのに他ならないではないか

 この話のオチは、恐らく「生成AIによる才能の民主化」が実際にこのまま進んだとて、著作権法AIウォッシング無罪規定したとて、それは絵の価値が下がるという一過性日本の純損失であって、別に日本的なイラスト創作文化への参入が海外享受者たちに認められるわけではないだろうことだ。Twitter上でも指摘されていたが、AIに点滅するカレットを与えられないから絵が造れないなどという者はいないのだ。完璧な絵をプロンプトで定義できると言うならばしてみるがいい。いや、Twitter上でもなんでもいい、人は文字が読めるのだから完璧な絵の定義を書けばそれは作品なのだ。件の人物が長々とコメントを書き、そしてバズりを作り出したように。

飽きた。ここで投げる事にする。ナガノのくまを讃えよ。

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