はてなキーワード: モハメド・アリとは
プロ将棋界の2023年は、藤井聡太王将に羽生善治九段が挑戦する第72期王将戦挑戦手合七番勝負で事実上の開幕を迎える。
2017年、藤井がデビューからの29連勝を達成した時、羽生は「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしています」という言葉を贈った。
その時は、誰もが王者・羽生に若き挑戦者・藤井が立ち向かう構図を思い浮かべたはずだが、そこから5年半、ずいぶんと形を変えたものの、いよいよ1月8日、静岡県掛川市でその幕が開こうとしている。将棋のタイトル戦としては極めて珍しい、両対局者への前日記者会見がネットで中継され、ニュースに様々な記事が踊り、メディアの空気はずいぶんとそわそわしている。
先にこちらを書いておいたほうがいいかもしれない。王将戦は普段のようにabema将棋チャンネルで無料で対局を見ることができない。CSの囲碁・将棋チャンネルが独占放映権を持っているからだ。以下の方法のいずれかを選択することになる。
すでにチューナーとアンテナを持っている人、またはCATVに加入している人にとってはこれが一番確実だろう。CATVによっては、契約の基本セットに入っていて追加料金無しで視聴できるかもしれない。
今回はabemaでは「1局ごとの有料課金」というかたちで囲碁・将棋チャンネルの番組をそのまま配信している。abemaのチャット欄が好きだという人はこれを選ぶのがよいかも。
囲碁・将棋チャンネルのYouTubeの有料チャンネル「https://www.youtube.com/@igoshogiplus 囲碁将棋プラス」でも月額390円の課金で視聴ができる。こちらは第1局が無料配信のため、おすすめできる。
これについては、率直に言えば多くの将棋ファンはそこに期待していない。羽生の奪取を「信じている」ファンはもちろんそれなりの数がいるが、他方でそれを「期待している」ファンの数はそこまで多くない。メディアが沸き立つこの番勝負に、ファンが大きな楽しみを抱きつつも、熱量が沸騰しそうになっていないのもそこが理由である。両者の現在の実力を示す指標であるeloレーティングによる期待勝率が示す番勝負結果のケース別発生確率にそれがよく現れている(出典:第72期王将戦(シミュレーション) 将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)2023/1/7 現在)。
藤井聡太 | 4-0 | 羽生善治 | 47.00% |
藤井聡太 | 4-1 | 羽生善治 | 32.34% |
藤井聡太 | 4-2 | 羽生善治 | 13.91% |
藤井聡太 | 4-3 | 羽生善治 | 4.78% |
藤井聡太 | 3-4 | 羽生善治 | 0.99% |
藤井聡太 | 2-4 | 羽生善治 | 0.60% |
藤井聡太 | 1-4 | 羽生善治 | 0.29% |
藤井聡太 | 0-4 | 羽生善治 | 0.09% |
もしブックメーカーがこの勝敗で賭けをしようと思ったら、仮に本命である藤井4勝0敗のオッズを1.05倍に設定したとしても、控除率を50%にしないと儲けが期待できないことになる。もちろん本場イギリスのブックメーカーはそんなに高い控除率は設定しないので、これはやるだけ胴元が損するたぐいの賭けにしかならない。
だが、往年の絶対王者が、競合揃いの王将戦リーグを6戦全勝で勝ち上がったのに、これほど圧倒的な差が本当にあるものなのだろうか?
2021年度にプロ入り後初の年度での負け越しを経験した羽生が、2022年度に勝率を6割5分にまで戻してきた理由については様々な考察がされているが、ここでは明確な説明がされているものとして、プロ棋士のhttps://www.youtube.com/watch?v=6PYg7IpYucg 中村太地の解説を紹介したい。要約すれば次のようになる。
スポーツファンなら、モハメド・アリがジョージ・フォアマンを相手に自らロープを背負う不利を負いながら、フォアマンの疲れを待って一気に逆襲に転じて勝った「キンシャサの奇跡」を想起するかもしれない。いかに自らが有利な条件にあるからといって、アリや羽生ほどの実力者を相手に有利をそのまま拡大していくのは極めて難しい。そこに逆転の余地が生じる。
羽生がこういう戦法を選択するようになったのは、「将棋AIが強くなった時代において、プロ棋士はいかに自らの身を処すべきか」というテーマに向き合った末のひとつの答えに辿り着いたという意味合いがある。将棋AIの示す最善を追求するだけではなく、敢えて不利とされる順に自ら入っていっても、それでも勝負に勝つことができる程度には将棋は自由なものであるし、それを示すのが人間の生きる道であろうということを、自ら結果を出すことで証明しているようにすら見える。
ところが、この方法は藤井聡太には通じない。デビューから6年を過ぎてなお生涯勝率が8割3分を保つ藤井の強みは、たまに話題になる「AI超え」ではなくて、むしろ選択の難しい局面でAIが最善とする手を正しく選び取っていくその確実さにある。こうなると、わざわざ自分を不利にしてまで複雑な場面を作っても意味がない。そのまま有利を拡大されて押し切られてしまう。
羽生は2022年度、藤井と2局戦って2敗している。1局は後手番で、上記の動画で解説されていた「横歩取り」戦法を採用し、1手の疑問手を正確に咎められて完敗した。もう1局は先手番で正攻法を挑んだが、中盤戦の何気ない自然に見える1手、ただしAIに言わせれば選ばない、そんな手をきっかけにじわりじわりと藤井が優勢を拡大し押し切られてしまった。
かつて「コンピュータ対人間」の対決として行われた電王戦のときに「コンピュータに勝つための準備は人間に勝つための準備と全く違う」と言われた。今、同じことが藤井について言われている。曰く「藤井さんに勝つには他の棋士に勝つのと全く異なる準備が必要になる」と。あくまでも現段階においては、羽生が藤井相手にどういう手札を切ってくるのか、そこが最大の興味になっているのは、自然なことなのである。もちろん、この先の成り行き次第で、そこは大きく変わることになる。
なので、あくまでも現段階では、勝敗以外のところにそれぞれの楽しみを見出すような状況になっている。私が楽しみにしているのは、138回目のタイトル戦にして、初めて羽生が「明確な挑戦者」として迎える、というそのシチュエーションそのものである。
羽生は、タイトルを獲得する前の段階において、すでに実力では棋界でトップであった。以来、同格の相手と争うことはあっても、自分よりはるかに強い相手と戦うということはついぞここまでなかった。つまり、もうすぐ40年に届こうとする羽生の棋歴の中で、これはまぎれもなく初めての状況なのである。そういう未知の状況にあっては、過去のことを材料にした分析はそこまで意味をなさない、むしろ真っ白な頭でこの誰も見たことのない景色を楽しむに尽きる、そういう姿勢でこの第1局を見てみたいと思っている。
なお、逆のシチュエーション、つまり羽生が実力的に懸絶していると見られていた状況でタイトル戦に負けたことがあるか、というと、これがある。以下に、タイトル戦が始まった日において羽生が対戦相手よりeloレーティングで250以上上回っていて敗れた例を示したい(なお現在の藤井と羽生のレート差が273である)。
羽生が七冠を独占し無人の野を進むがごとくの進撃を続け、誰が羽生の牙城を崩すのかに興味が集まっていた中、それをなしたのは当時としては意外な伏兵の三浦弘行だった。2年連続で羽生の棋聖位に挑戦しており、すでに単なる有望な若手の域ではなかったにせよ、羽生に勝つにしてもここではないだろうという見方が一般的な中での快挙だった。
前年の2011年度に羽生から4勝3敗で名人位を奪取した森内だったが、この年度は名人戦以外の成績が全くふるわず、年度勝率.345を記録して2ch将棋板では「3割名人」なる蔑称をつけられるに至った。これに対し捲土重来を期す羽生はA級順位戦を9戦全勝で制して森内の名人位に襲いかかる。結果は火を見るよりも明らかと思われていたが、名人位防衛の準備を進めていた森内が4勝2敗で防衛する。羽生は翌2013年も森内に挑戦するが1勝4敗で名人戦で3年連続で森内に敗れる。星数だけでなく年々内容も悪くなる一方で羽生の威光に翳りかとも見られたが、翌2014年に4年連続の顔合わせで羽生は4勝0敗のスイープで名人位を奪還する。
絶対的な強者に対して「失うものがない」立場で応じる側が強者であるということを、羽生ほど経験してきた棋士はほかにいない。その立場を羽生は今回初めて逆転して勝負に臨むことになる。これはきっと面白いことになる、それは間違いないだろう。
id:BigHopeClasicでした。
なにしろ暴力というのは、人々が自分勝手に行使すれば、ときに人権を脅かし、社会秩序を乱し、それを収めるには軍隊や警察など、さらに強い武力が必要となってしまう。人間社会では、いかに人の持つ暴力性を抑え、あらゆる対立を非暴力的な手段によって理性的に解決する努力がなされてきた。
だから格闘技においても、暴力性をいかに否定し、大衆文化として認知されるかというのは、常に大きな課題なのである。朝倉やABEMA、スポーツ紙などに欠けているのはその認識で、格闘技に関わっていても、そもそも格闘技とは何で、どのような均衡の上に成り立っているのかという点を十分に考えていないように見える。
多くの格闘技はそれぞれルーツを辿れば血なまぐさい原点を持つ。プロボクシングもその原点は奴隷を死ぬまで戦わせる古代の見世物だった。原始的で野蛮なものが、社会が成熟する過程でスポーツとして整備されるのには、かなりの年月を要している。
歴史の古いボクシングは、かつて白人が黒人との対戦を拒否できる制度のために人種差別問題と無縁ではなかったり、プロモーターによる選手の独占的契約が「奴隷制度」と重なって、アメリカではこれを規制するモハメド・アリ法もある。五輪競技となるまでにも紆余曲折あり、良識派の人々から「暴力ショー」と見られることから、関係者たちは必死に自分たちの協議を守ってきた。
総合格闘技の変化
一方、朝倉がやっている総合格闘技についても、いま世界的な人気イベントとなったUFCでさえ発足当初はルールが整備されておらず、1993年の第1回大会は目潰し、噛み付きなど最小限の反則以外は自由で、無制限ラウンド、体重の階級制も判定決着もなかった。
そこで暴力ショーとの批判が各地で巻き起こり、アメリカ国内でも開催が許されたのは一部の州だけだった。実際、ケガ人も続出。日本でも初期UFCの影響下で行なわれた1995年の「バーリ・トゥード・ジャパン」では、中井祐樹が相手の反則で右目を失明した。
背景には、ポルトガル語で「何でもあり」を意味する大会名のために、大会がノールールの喧嘩マッチのようなイメージとなっていたことがある。いまほど格闘技が「スポーツ化」されていない時代には、ルールを守る意識の薄い格闘家がいたのだ。
結局、エンターテインメントの発展がうまいアメリカでは、UFCは、2000年に州のアスレチック・コミッションが指導した統一ルールに従って、28回目の大会から一気に「競技化」が進んだ。ルールが整備されると参加者が増え、喧嘩屋レベルの者が淘汰され、いまやプロボクシングに並ぶ人気イベントになった。
アメリカのコミッションは、日本のボクシング・コミッション(JBC)のような一財団法人ではなく、知事が責任者を選ぶなど行政下の組織で、強い権限を持つ。格闘技イベントの聖地、ラスベガスのあるネバダ州コミッションの責任者、ボブ・ベネット氏は元FBI捜査官で、力の差が大きいと判断したマッチメイクは、主催者が大手の組織でも遠慮なく却下した。
ベネット氏は「とても危険な職業なので、できるだけ安全にするのが我々の義務」と語っていた。アメリカであれば、朝倉と素人の喧嘩ショーは、コミッションが開催許可をしなかったはずだ。
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モハメド・アリ(ボクシング) パーキンソン症候群、体の震えや筋硬直、喋りと動作の緩慢を特徴とする神経変性疾患[8]。
シュガー・レイ・ロビンソン(ボクシング) アルツハイマー病[9]。
高橋ナオト(ボクシング) 著書「ボクシング中毒者」で告白。自転車で真っ直ぐ進むことが出来ず電柱にぶつかる、手の震えを抑えきれずにラーメンの汁をこぼしてしまう。
たこ八郎(ボクシング) 引退の原因となった。一時期二桁以上の文字すら記憶できなかった程の記憶障害や寝小便等の排泄障害にも悩まされたという。
佐竹雅昭(空手) 著書「まっすぐに蹴る」で、日常生活も困難になっていたことを告白した。
前田宏行(ボクシング) 自らのブログで告白し、引退することを明言。
フロイド・パターソン(ボクシング) アルツハイマー病、妻の名前を覚えられないほどの記憶障害が原因でアスレチックコミッションを辞任[10]。
ゲーリー・グッドリッジ(K-1、総合格闘技) - 告白し、引退。自身の発言によると軽い認知障害があるといい、会話の途中で何を話していたか分からなくなるとしている。
ジェリー・クォーリー(ボクシング) アルツハイマー病、認知症、1983年にCTスキャン撮影で脳萎縮を確認。引退後、食事と着替えに介護者が必要となる。
ジミー・エリス(ボクシング) アルツハイマー病、晩年は既に亡くなっていた妻をまだ生きていると思い込んでいた。
エミール・グリフィス(ボクシング) 晩年は全面的な介護が必要となった。
メルドリック・テーラー(ボクシング) 医学的理由でボクシングライセンスの交付を拒否され引退[11]。引退後、テレビのインタビューで現役時代とは違い酷く吃った喋り方で話し現役時代を知る視聴者に大きな衝撃を与えた。
ジミー・ヤング(ボクシング) 自身の麻薬関連の裁判で慢性外傷性脳損傷であるとして減刑を求めた。
・サウジアラビアがスンニ派に対して大量に死刑執行。イランのサウジアラビア大使館が襲撃され、イランとの間で国交断絶
・上海の取引所で暴落、世界同時株安。サーキットブレーカー発動。連続株安
・シャープが鴻海へ
・PSVRの発表
・五体不倫満足
・熊本地震
・イラク政府非常事態宣言、デモ隊が国会占拠中、ISによるテロ
・パナマ文書公開
・モハメド・アリ亡くなる
・舛添 辞職
・リオで非常事態宣言
・メイ首相
友達がいないロシア、ジャイアニズムな中国、核武装に注力してる北朝鮮、慰安婦問題も解決せず日本との協調路線ができない韓国、台湾独立の民進党、麻薬密売人密漁者絶対殺すマンのフィリピン首相・インドネシアの海洋水産相、TPP反対基地負担増やせで最近引きこもりがちな米国
アジア情勢どうなるかなぁ
http://www.youtube.com/watch?v=Xxh-sS8Qoco&feature=player_embedded
1911年12月14日 ロアール・アムンセン、南極点に到着。
1914年6月28日 サラエボ暗殺事件から第一次世界大戦勃発
1915年4月22日~1915年5月25日 初めて毒ガス使用
1916年2月16日~1916年12月20日 ベルダンの戦い
1919年1月5日~10日 スペイン風邪の流行が頂点
1921年11月9日 アルベルト・アインシュタイン ノーベル物理学賞受賞
1922年10月27日~31日 ベニート・ムッソリーニのローマ進軍
1927年3月20~21日 チャールズ・リンドバーグがパリへ向け飛行
1928年11月18日 蒸気船ウィリー初演(ミッキーマウス初登場)
1929年10月29日 1929年のウォール街大暴落「暗黒の木曜日」
1930年6月30日 第一回サッカーワールドカップ(ウルグアイにて)
1932年 ワイマール共和国崩壊
1934年10月27日 毛沢東の長征
1939年9月1日 第二次世界大戦勃発
1942年9月13日~1943年2月2日 スターリングラード(現ボルゴグラード)の戦い
1944年6月6日 ノルマンディー上陸作戦(オペレーション・オーバーロード)決行
1945年11月20日~1946年10月1日 ニュルンベルク裁判
1951年 朝鮮の人口?
1954年6月4日 西ドイツがワールドカップで西ドイツが優勝「ベルンの奇跡」
1956年10月29日~1957年3月 スエズ危機(第二次中東戦争)
1959年1月1日 キューバ革命の勝利
1961年10月27日 チェックポイント・チャーリーでの対峙(ベルリン危機)
1964年8月2~4日 ベトナムでアメリカ爆撃される(トンキン湾事件)
1967年6月5日~10日 六日戦争(第三次中東戦争)
1970年4月 カンボジア侵攻
1972年9月5日 ミュンヘンオリンピック事件
1973年10月6日~26日 ヨム・キプル戦争(第四次中東戦争)
1977年3月27日 テネリフェの惨事(テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故)
1981年3月30日 ロナルド・レーガン大統領暗殺未遂事件勃発
1985年3月11日 ミハエル・ゴルバチョフ氏、ソビエト共産党書記長に就任
1988年12月21日 ロッカビー事件(パンナム機爆破事件)
1990年8月2日~1991年5月5日 「砂漠の嵐」作戦(第1次湾岸戦争)
1992年4月1日~1995年12月14日 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争
1997年7月4日 マーズ・ローバー(火星探査車) 火星に着陸
2000年1月1日 ミレニアム
2001年9月11日 911攻撃(アメリカ同時多発テロ事件)
2005年8月29日 ハリケーン・カトリーナ ニューオリンズを破壊
2008年10月 金融危機
2010年4月20日 メキシコ湾原油流出事故 ディープウォーター・ホライズン炎上沈没事故
2012 ?
10分どころか、6時間くらいかかったorz
それに、作ったの多分アメリカ人だから、日本にとっての重大事件(オウムとか)は入ってないんだよね。ハイチ地震があるのに、阪神・淡路大震災がないのも明らかに片手落ちでしょう。
(調べてみたら、どちらもM7クラス)
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100802_gigazine_job/
同じような業界で働いているので、ちょっと思うところを書いてみようと思う。
今回の求人について。気持ちは分かるけど、やっかいなことになっているなぁ、と思う。結論から言って、GIGAZINEにいい人材が集まらない根本的な要因は、たぶん会社が大阪にあることがすべてだと思うのだ。
現在、国内のマスコミの大半は在京である。当然、記者や編集者、カメラマンも東京周辺に集まっている。出版不況で正規雇用からあぶれている記者や編集は山ほどいるが、その人たちがGIGAZINEに応募するということは、フリーランスの仕事を全部断ち切るということだ。これは、常識的に考えて無理がある。それこそ「GIGAZINEのために生きる!」という決意が固まらなければできないことだし、残念ながらGIGAZINEにそう思わせるだけのバリューがあるとは、現状、思えない。紙媒体の記者や編集はネット媒体を下に見ているので、「GIGAZINEに行く」=「都落ち+妥協」という、あんまり心地よくないコンボなのだ。
そもそも、いい編集やいい記者とは、24時間365日ネタを探しているような人間だといわれる。GIGAZINEが今回求めているのも、そういう人材だろう。だけど、そのような人材は決して、プロ意識が高いわけではない、というのが現場の感触だ。
一線級の芸能記者に何人か会ったことがあるけれど、彼らは総じて、相当に野次馬根性の染み付いた人間だ。要するに、仕事が好きなのではなく、芸能人の噂話が大好きなのだ。お茶でも共にしようものなら、のべつまくなしに「あれ、知ってる?」「あれとあれが付き合ってるっていうけど、実はね!」「朝青龍にどつかれた川奈ってさ!」と、聞きもしないのに次々とゴシップネタを披露してくれる。
イチローは暇さえあればバットを振っていたというし、夜中にギターの練習をしながら「仕事だ、給料くれ」と言うギタリストはいない。ボクシング評論家のジョー小泉は「新潮45」のビートたけしとの対談で、天才ボクサーの例としてモハメド・アリとシュガー・レイ・レナードの名前を挙げ、「天才とは遺伝子レベルで練習が組み込まれているボクサーのことだ」と語っている。彼らは決して、24時間365日をその職業に費やすことを苦にしないのだ。
つまりは、性格的な適正の問題なのである。いい編集者やいい記者になる人間は、ネタを探して他人に披露するという行為をまったく苦にしないし、それに無償の喜びを感じる人間なのだ。そうでない人間は、記事のクオリティを上げるという行為に情熱を持つことはできない。人の情熱を孕まない記事は、当然、人の心を打たない。
一方でマスコミ関係の仕事にはまだまだステータスのようなもの(完全に幻想だが)があって、未経験者や学生から「憧れの職業」として崇められているという一面もある。マスコミ職に身を置いているというだけで満足できる人間も決して少なくない。そうした人間は数年、厳しい現場を経験すれば会社を移るし、いずれは、どこに行っても厳しいだけだと職業変えをすることになる。20代で、大方の記者志望や編集志望はふるいにかけられることになる。
そうして、情熱とそれを具現化するスキルの両方を身につけ、経験値を積んだ者だけが生き残ることになる。生き残ったいい記者やいい編集は、常にいいネタを求めている。そして、いいネタ元やホットな現場はほとんど東京である。大阪にいては、せっかくネタを掴んでも機動力を発揮できない。だから、いい記者やいい編集ほど、大阪に住む理由はないということになってしまう。
GIGAZINEがつまらなくなった理由は、従業員がGIGAZINEを愛していないからではない。単純に、「向いてない」人間しか集まらなかっただけだと思う。大阪で媒体を運営するというのは、それだけで人材面の不利があることを、山崎編集長はどれだけ自覚しているんだろう。
今、業界全体が不安の渦の中にいる。雑誌もネットも情報媒体そのものが暗中模索の状態だ。そんななかでJ-CASTやスゴレン、RocketNewsなどなど、次々にネット媒体が台頭してきた。複数の媒体を掛け持ちしているライターも数多い。編集者や記者はそれぞれの媒体をしたたかに値踏みしながら、安定した生活の糧を探している状態だ。GIGAZINEが未来永劫、終身雇用の安定した媒体だと思っている人間は、皆無だろう。
だから、今回の求人、明らかにやり方を間違っていると思う。単純に、「編集者/正社員/給与40万~」とすればよかったのだ。それで、ここに書いてあるようなことは面接でぶちまければよかったんだ。在京媒体よりいい条件を出さなければ、誰もはるばる大阪に居を移そうなんて思わないだろう。GIGAZINEが倒れたら、ほかに仕事があると思えないもの。東京にいれば、たとえばスゴレンが倒れても、まぁR25やらリアルライブやらで、何とかなりそうだもの。
ともあれ、健闘を祈りたいです。GIGAZINEしばらく見てなかったけど、また見ようと思います。