はてなキーワード: マーレとは
当初のプラン通り限定的な地ならしで脅して時間を稼ぐというやり方があっただろ。
そもそもエレンは「やりたいからやった」って劇中で言明している。
「エレンは最初からやりたいことをやってただけ、周囲が勝手に英雄だと勘違いしていた」というミスリード推理劇がやりたかっただけ?
壁の外にはより不自由な世界が広がっていたことに『がっかりした』(劇中で言明)からやったという心情はわからんでもない。
マーレ編以降のつまらなさがエレンと読者の心情をシンクロさせるための意図的な仕掛けだったとしたらたいしたものだな。
それにしてもデビルマンで悪魔化のデマが広がったときの「ユダヤ人は虐殺された恨みを持ってるから悪魔化するに違いない」ってセリフまんまの展開だな。
販売中止に至った理由は関係者以外にはわからないことも含め多々あるとは思うけど、今回の件で個人的に思ったのは以下三点。
1、「作中で描かれること」と「グッズ化すること」との違いを十分理解しないまま商品化が企画された。
2、グッズ化する商品が作中で差別を象徴するものであると同時に現実の差別を象徴するモチーフと類似していた。
まず1、「作中で描かれること」と「グッズ化すること」との違いについて。
漫画の作中で悲惨さ・凄惨さ等のいわゆる「負の部分」を描くことは、全く非難を受けない訳ではないけど、
現実のできごとを馬鹿にしたり面白おかしく伝えるような描き方でなければ、
販売停止とか発禁処分みたいな厳しい対応にはならないのが普通だと思う。(グロテスクさや露骨さの度合いにも寄ったりするけど)
でも、今回はその「負の部分」を商品化した。
悲惨さや凄惨さを伝えるみたいな文脈を持たない、一部分を切り取って、商品化した。
するとどうなるか。
現実の世界にそれを売っている光景と持っている人が現れる。(今回の件では受注生産だけど、転売等の可能性もあった)
欲しがって買う人の笑顔や、買って着けたり飾ったりして嬉しそうにツイートしたりすることが現実の世界で現れる。
作品の中で描かれれば、それを直接知るのはその作品に触れた人だけだけど、
いろんな人が現実に現れたその作品の一部を見たり聞いたりすることになる。
作品を知らない人からすれば、「あれは何だ?」「〇〇に似てるな」「馬鹿にしてるのか?」
とどんどん悪い方向に話が飛躍していってしまうことも十分ありえる。(意図してそういう方向に持っていこうとする人もいるだろう)
もしそうなったら、ビジネスとしての商品化は明らかに失敗だし、原作の評判にもキズをつけてしまうことになる。
作品の中で描かれることと、作品の一部を切り取って現実の世界でグッズ化することにはこういう違いが存在すると思う。
次に、グッズ化されたのものが差別の象徴であったことについて。
いくら「作品の中での差別だから現実の差別ではない」といっても、
それは作品の中でならの話。
1で書いた通り、グッズとして現実のものにするとなると、話が変わる。
とにかく、作中で「架空のキャラクター」が「架空の差別の象徴を身に着けること」と、
「現実の人間」が「実際の差別の象徴と誤解されかねないものを身に着けること」とは大きな違いがあるはず。
今回の件では特にグッズ化のマズさに拍車をかけた点が2点あって、
1つは上記の通り、作中で描いた差別の象徴が、現実での差別の象徴と類似あるいはそれを想起させるようなものだったこと、
もう1つは、世界的な情勢としてBLMやらanti-Asian violenceやらチベット・ウイグルのあれやこれや等で差別にとても敏感だったこと。
現実での差別との類似あるいは想起っていう燃えやすい材質を使って、
そりゃ燃えるよね、って話。
3つめは、グッズが主にコスプレ向けのものだったことについて。
エロやグロでも、世間から「芸術」とみなされれば批判は受けてもそこまで燃えない。
裸婦画とかゲルニカ、官能小説やビルマの竪琴とか。(エログロの音楽ってあるのか?あるんだろうなぁ……)
たぶん、良からぬ意図があると疑われにくいいジャンルほど燃えにくいんだろうっていう感じ。
だから、絵画より文学のほうがやや燃えやすいし、そもそも芸術として認めない人も多いようなジャンルではもっと燃える。
コスプレはどうだろう。
もう十分文化ではあると思うし、「作品」として十分成立する芸術的なクオリティのものもたくさんあるんだとは思う。
でも、ただの「作品」じゃだめなんだ。
悪くいえば「お高くとまったような芸術」みたいな地位じゃないと、
「芸術」としてはまだまだ批判を受けるジャンルなんだと思う。(映画、漫画、ポップスやロック音楽等もそうだとおもう)
その中でもコスプレは好き嫌いがはっきり分かれるものだと思うし、
作中での文脈なんて知らねーって人がいる以上、
「現実での差別を利用して金儲けをする原作側も、差別の象徴を身に着けて喜ぶオタク共もけしからん!」、
ってなる人が少なくないのも無理はない話、というかそれが現実だってことは受け止めないといけないと思う。
理想と現実も当然区別しないとそもそもお互いに議論にすらならないから。
大切な人が怪我しそうなら止めるのと一緒で、
日本一いや世界一の高さのパスタ盛りを目玉のウリにしているお店ってありそうじゃない?
きっとネットで調べたら高さ1位のお店がすぐに出てくるはずよ。
地下街のさあんまり冴えないランチパスタが食券制のお店があって、
好きな人は好きだろうし、
嫌いな人は苦手だろうしってところかしらね。
そのただただ酸っぱいナポリタンのパスタをくるくるフォークで回しながらそう思ったのよ。
そうしたらまたこのお店にも勝算があるかもしれないわね。
そうそう、
新しいスニーカー買ったんだけど、
慣れてないから靴擦れしそうな感じのヒリヒリしてくる感じがまたなんともなのよ。
こういう時に限って絆創膏が鞄の中に入ってなかったりして、
そういうのはたしなみの一つや二つとして持ち合わせておいた方がいいわよ。
買ったことのないメーカーの靴をネットでいきなり買うのはどうにかしてるぜ!って思われるかも知れないので、
とりあえず
店頭で手に取ってみてネットで探して次からはネットで買えるっていう、
なんか古き良きインターネッツの買い物の仕方みたいなことしてるけど、
結局靴は試し履きしたいのよね。
やっぱりするべきなのよ試し履きは。
1足のお気に入りの靴を1年間履くのと
2足のお気に入りの靴を日替わりでかわりばんこに履くと10年靴がもつっていうイタリアのことわざがあるように、
本当はお気に入りの靴をじゅんぐりじゅんぐりで回して大事に履きたいところよ。
結構歩くので
これはあながち間違ってはないのよね。
そんなに靴たくさんはないけど、
いつかそうなったらいいわね。
久しぶりにここの地下街に来たけど
昼からカッ喰らってる人で賑わってて
ここの地下街もたまに来ると
人々の生きるエネルギーを感じちゃったりするわよね。
私も久しく焼き秋刀魚なんて、
秋刀魚食べておかないとね。
秋の地下街の人々は食にたくましいわ。
うふふ。
いつものハムタマゴサンドとくらべると軽めな感じのボリュームだけど
これ使い切れるか自信ないけど
すぐに使い切っちゃうかもね。
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
○ご飯
朝:サンドイッチ。昼:蒸しパン。コロッケパン。コーンパン。夜:人参、玉ねぎの味噌汁。納豆。冷奴。
○調子
むきゅーはややー。お仕事は、それなりー。
「InMyDream空の彼方までエンジン全開で走りながら
永遠の愛を語らおう朝まで
アキャンフーのペホ」
アキャンフーのペホは、黄金のスーパーカブとオリハルコンのオカモチに続く三つ目の伝説の配達ルツールのアキャンフーのペホね。
○グラ
スカイリープポイントのキャラ解放確定チケで恒常土メドゥを入手。
スカイリープポイントは、スカイリープで遊ぶともらえるポイント。キャラ解放チケは在庫補充無いので、それ終わったらJPが美味しそう。
スカイスコープは、毎週ミッションをこなすとアイテムがもらえる。覇業やアーカルムPtなどどれも美味しいから忘れずにやる。日課をこなして、追加で週末にマルチ連戦とヘイロー周回をすれば大丈夫なので負担はかなり軽い。(月替わりは僕は六竜武器は確保したいぐらいかなあ)
ログインポイントが、ログインするだけで勝手に貯まる。新マグナ2武器と限定スキンが目玉。まだ一度も切って無いけど、土有利古戦場までにゴブロ剣が揃わなかったら交換予定。
モバゲー特典Ptは、モバから課金するともらえるポイント。目玉は金剛。微課金だと中々貯まらないので気長にやる。
○ワー
結果は60連でゼタとベア2人とも入手できてよかったよかった。
何かの検索で、ブラウザで5chを開いたところ、エグ目のエロ漫画広告があったんです。
無関係だけど、NTTとついている会社さんかな?と、おもったら、ちゃんとNTT西日本のグループ会社だったんですよね。
https://www.ntt-west.co.jp/corporate/about/group.html
NTTの名を冠する会社が、エグ目のエロマンガ広告を出して、収益を上げているなんて時代の移り変わりを感じます。
https://itest.5ch.net/test/read.cgi/esite/1584955339/l50
コミックシーモアではない広告もありますが、すぐに見つかると思います。
非難したいとかじゃなくて、王様の耳はロバの耳的な共有したい欲求で書いてみました。
じゃーねー
【タイトル予想】
「代償」「贖罪」「鳥」「鳥籠」「あの景色」「この世界は残酷で美しい」
【ストーリー予想】
※ ※ ※ 138話までのネタバレあり ※ ※ ※
エレンの首が落とされたので、始祖・進撃・戦鎚が継承待機状態(出産されるユミルの民待ち)。
始祖ユミルが笑顔だったのは「道」での奴隷業をエレンと交代できるフラグが立った為。
ミカサがエレンの居場所を知ったのは多分「道」でエレンと過ごした際に知ったから。
「道」の中の歴代の知性巨人と同様、首切られたエレンも「道」にまだ存在する。
アルミン、大ピンチの仲間を救う為、無知性巨人の動きを止めるよう要求。
エレン&ユミルは拒否、団結してアルミンを攻撃・・・と見せかけて、エレンが「自由だ」とユミルに奴隷解放宣言。ユミルと対立。
アルミンの頭脳戦やらなんやかやあって、光るムカデが敗北。ユミル無力化。
エレン完全死亡(死亡直前にアルミンと共に「未知の世界」を見たり、ヒストリアの赤子を抱き上げる)。
全ての巨人能力は消滅し、13年の呪いが解ける。知性巨人も巨人化した104期生も助かる。
座標と「道」は閉ざされる。進撃を含めた全ての巨人は継承されない。
巨人消滅後、一度は手を取ろうとしたマーレ人たち非エルディア人はPTSD。エルディア人達の巨人化能力は失れてもトラウマは残る。戦争は続く。
思えば1stシーズン1話を観たときはリゼロのみ未見の状態だった。
他の3作品が好きで、それらとミックスされてるのだからリゼロもきっと面白いに違いないと思い、2話までの間に一気見し無事ハマる。レムは正妻かわいい。
そしてヴィーシャ好きとしては2期でとっても活躍してくれてうれしい限り。
百合脳なのでヴィーシャとターニャが一緒にいるだけで盛り上がってしまう…。
ヴァイス中尉は完全にいじられキャラと化してしまったけどそのままの路線で行って欲しい。
オバロ勢は双子もうちょっと活躍して欲しいな。マーレとベア子の図書室でのやりとりとか観たい。
このすばはアクアのオチに(安定してるけど)ちょっと飽き始めてきてるので、次期はもうちょっと違うシーンも期待。
折角盾勢が馴染んできたところだし、ここに慎重勇者まで本格投入すると収集つかなくなりそうだから2期みたいなちょい役に留めて欲しいところ。
基本的に愛されチート主人公がチートしていく話なので、暗い要素もなくふわっと安心して観れたからかも。
敵対チームのキャラクターも嫌味なく書かれていて、イベントが終われば皆仲良くやってたりするシーンも良かった。
今期一番ハマったのがこれ。
推理物は苦手なんだけど、キャラデザがブラッドラッドの小玉さんということでとりあえず観始めた。
1話では、こんな若そうなキャラクターに津田さん!?違和感アリアリでは!?そして世界観がさっぱり分からん…と思いつつ観ていたものの、ラストの引きがめちゃくちゃ上手くて2話が楽しみになってしまっていた。
毎週毎週続きが楽しみになるアニメは久々だったし、人に勧めたのも久々だった。
謎の少女「カエルちゃん」の存在も面白く、1話からずっと出演しているのに毎回死んでいて、一体どういう存在なのか?と考えながら観るのも楽しかった。
最後はかなりあっさりというか、きれいに収まってしまった感があった(悪い意味ではない)。
コミカライズの今後の展開が楽しみ。
ネトフリで一気に先行配信されており、観終えたのが大分前なので記憶を辿りながら。
観ていてとってもお腹が空くアニメ。でも同じものはどうやっても食べられないジレンマ…。
特に2話の小悪魔風が美味しそうで美味しそうで、とりあえず次の日鶏肉で作った(美味しかった)。
ムードメーカーの元気っ子とクールお姉さんの組み合わせは良い。
アニメでは深掘りされなかった乗組員のストーリーも気になるので、原作を買おうか検討中。
途中までは、みらとあお微笑ましいなーすずちゃん頑張れーとゆるーく愛でていた。
きらチャレと同じく、サマチャレと略すのでちょっと笑ってしまった。
これに学部生の頃参加し、みら達と同じく色んな勉強をし徹夜で実験をし最終的に成果発表をした。
きらチャレに没頭するみら達に、つい自分を重ねてしまったのだ。
その時できた友人達とは10年以上経つ今でも連絡をとり、仲が良い。
友人の中には学者になった子もおり、そんなところもそっくりだった。
そう考えるとみら達は昔の自分であり、遠藤先生が現在の自分なのだ。
今自分は、どんな夢を持てているだろうか?あの時の気持ちを忘れてしまってはいないだろうか?
まさかきららアニメの最終話でボロ泣きすることになるとは思わなかった。
願わくばみらとあおがいつの日か小惑星を見つけて、アオと名付けられますように。
ソマリの性格がちょっと苦手で、度々ウーン…となりながらも観終えたのは、周りのキャラクターが魅力的だったからかも。
人間とゴーレム、人間と鳥、種族が違っても過去にどんなことがあっても、本人達がそうだといえばそれは家族である。と、家族定義について思いをはせたりした。
昔友人に漫画を勧められていたものの読めてなかったのでアニメ化嬉しい。
独特の世界観もそうだけど、OPとEDが凝っていてかっこよかった。もしかしてこれがエモいというやつか。
ケムリを出すことで魔法が使えるとか、使える魔法が個々人で違うという設定が面白かった。
心と能井のコンビが微笑ましくて好き。
能井とニカイドウが友達になれたらいいのになぁと思いながら観ていた。
2期あるのかな。観たい。
ちっちゃくてもキュゥべえはキュゥべえなので、コイツめ…何を企んでやがる…ッ!って思いながら観てた。
やはり1期メンバーが出てくると盛り上がるな。
2期ありきという感じなので、今後に期待。
悪魔だけどベースがギャグなので今の所一番不穏なのが校歌の歌詞くらいという平和感。
キリオ先輩回はヒヤヒヤしたけど、無事にバトラパーティが終わって良かった〜
夕飯を食べながらゆるっと笑いながら観るのにちょうどよく、次期も楽しみにしている。
色々話題になってたので視聴中。
身構えすぎてて、言うほどエグい感じではなかったなと思うのと同時に、地上波版だとしばらくほぼ何も見えない状態のシーンとかあって、流石にもうちょっとどうにかならんのかなと思っている。
スルーしていたけどアマゾンビデオの「架空の理系人物だけど、証明手法は理系」みたいなレビューを読んで興味を持ち観始めた。
なるほど確かに証明手法は理系である。はたから見るとバカップルだけど。
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元増田じゃないけど、元増田の言いたいことはなんとなくわかる気がする。
計画的かと言われれば計画性に乏しいと言わざるを得ないが、しかし同僚殺しは地下鉄の殺しと違って玄関チャイムが鳴った時点でハサミをポケットに入れている。
誰が来たと思ったんだかわからんが(刑事が来たと考えたのか?)迎え撃つ気があったということだ。
殺傷するつもりがあったという点で、意図的、故意の犯行ではあるんだよな。
とは言え、個人的には「計画的犯行」つったらそれこそヒースジョーカーのあのファンタジーじみてさえいる鮮やかさを指したいところだ。
アーサーには計画性はないと言わざるを得ない。計画性があったら小人症の同僚を逃がしはしない。
彼には今夜のマーレイのショーに出るんだなんて喋っちまっているんだから、通報されたら出演者控え室に警察が先回りするに決まってる。
でもアーサーはそういう後先よりも「自分に親切にしてくれたから殺さない」という個人的な筋を通す方を優先してしまう。
筋を通すなら通すで、何とかターゲットだけを部屋に残して殺すとかして犯行自体他人に見せないとか、幸運にも舞い込んできた同僚殺しのチャンスが今夜のショーに極力響かないようなプランを考えるべきなんだ。それが計画性ってものだ。
ちょっと信じがたい誤解釈というか、ほとんどイチャモン感のある感想があったので、ツッコミを自分のツリーに下げておく。
私は元増田だ。
この人のブログは何度か読んでいる。面白く読ませてもらっている。
その人がこんなにも偏ったというか、ほとんど被害妄想では???という感想を書いてアップしていることに、ちょっと背筋が寒くなっている。
「自分にはもっとすばらしいものが与えられるべきだったのに、そうではなかったから、自分が与えられるべきだったはずのものをもらっているやつらを燃やす」
作中で3人のエリート酔っ払いを射殺した件でニュースに出ていたトーマス・ウェインとおんなじようなこと言うてはる。
嘘やろ。あんなおもろいブログ書く人が。こんなにものが見えてへんようなこと言うものなのか。釣りか?
アーサーが父親に夢を見ているというのはある。あるが、所詮空想の範疇であって(それこそ彼の「母親」のように)病的妄想に駆られているわけではない。
後半で自分で言ってたように、彼はただ温かいハグや親しみの笑みをもって自分を受け入れてくれる存在として父親を欲しがっていただけだ。
だからランディから銃を受け取ってしまったのだ。"My son"とかなんとか言って本気で心配してるみたいなそぶりをしてくれたから。
パンフだったかWikipediaだったかによれば、あいつは実際にはものを深く考えてるように見せたいだけで大して後先考えないタイプで、
だからこそ雇い主に対してアーサーを売っちまい、のちの怨みを買うことになるのだが。
ランディといえば例の銃だが、多くのブログや記事で「小児病棟に銃を持ち込んだアーサーの自業自得」という評価を読んだ。
確かにアレはアーサーの失敗ではあったが、小児病棟に銃を持ち込むこと自体はそこまで責められることかどうか、個人的にはずっと疑問に思っている。
だって普通に通りで仕事してるだけで看板かっぱらわれて殴る蹴るされるんだぞ?
そしてその後に「自衛のため、自己防衛のため」といって銃を渡されるんだぞ?
持ち歩くのが当然だろうが。
アーサーが迂闊だったのはあの時あの場面でポロリしたことであって、
ピエロアクトを始める前にカバンにでもしまっときゃ良かったのにという一点だけだ。
そして発達の私としては、物が銃でなく場面が小児病棟でないだけで、
そういう不注意で細かいドジを踏む機会というのは日常では無数にある。
無数にあるからこそ、私は、銃で小児病棟というシチュエーションがそもそも発生しないように、
いろいろと立ち回ったり細かい工夫でしのいだりしている。
それらは今のところ実っている。
実っているが、なぜ実ったかというと、もうこんなの「運」でしかない。
そんなの私には責められない。
責められないから余計やるせないんだ。
大事なところに限ってやらかすタイプの、クビになって当然の、笑えないミス。
ああ、件の感想記事が、読み返せば読み返すほど恐ろしくて仕方がない。
ジョーカー観てきたとあるけれど、目に入ってなかったのでは?というほど誤読(誤観、か?)が多い。
アーサーはその上司を許さない。自分をあざわらう裕福な奴らも許さない。自分の「パパ」じゃなかった有名人も許さない。殺す。バッキュンバッキュンに殺す。そしてジョーカーになる。
アーサーは上司を殺していない。
殺したのは自分に銃をよこしたランディ、銃をくれたくせに我関せずで貫いてアーサーを裏切ったランディだ。
アーサーは笑われたから裕福な奴らを殺したんじゃない。
例の殴る蹴るをおっぱじめられたから殺したんだ。
そしてアーサーが殺したマーレイは、アーサーのスベり倒したライブの映像を彼に無断でテレビ放送し、更にスタジオに呼びさえした。彼を笑い者にするために。
そして、これは私の持論だが、アーサーはジョーカーになってないし、なれないだろやっぱり。あれら全てが事実なら。
「自分にはもっとすばらしいものが与えられるべきだったのに」。
そもそもアーサーに限っては、これは完全にその通りではないか?
幼少期に母親の恋人から虐待を受け、脳及び神経系に外傷を負った。
これさえなければ、もっと違ったルートもありえたんじゃないか、というのは、そんなに高望みだろうか?
アーサーは大人になった今も、日記で割としょうもない初歩スペルを誤字っている(「下ネタは、いづも、ウケる」)。
アーサーはピエロという「笑うのも仕事のうちだろう?by刑事」な仕事に就いている今でさえ、
「お前のことを嫌がる奴もいる。気味が悪いからだby冒頭のピエロ業ボス」。
ピエロのない日に別のパートタイムジョブを持つか、さもなくばフルタイムで別の仕事をして土日にコメディの舞台に立ったらいい。
他の仕事、あったんかな?
でも、ラミネートカード戻って来んかったんやで、ゴッサムでは(←確かめるためもあって2回観た)
アーサーが徹底して受動的、「りんご食って寝てる白雪姫」なのは、三分の一くらいは肯定できるが、でもやっぱり悪意ある評価に思える。
まずアーサーはマジでかなり受動的ではあって、例えばコメディアンになりたいという夢自体、母が「人を笑顔にさせる人間になりなさい」と言ったから、という以上の動機はない。
その母の台詞も、おそらく「発作」へのフォローかはたまた「発作」等々に端を発するイジメを受けたアーサーへのフォローに過ぎず、母自身アーサーがコメディアンになれるとは思ってないぽい(入浴介助時「あなた、ちゃんと人を笑わせられる?」)。
もうなんていうか、こんなの呪いに等しい。
もちろん「普通は」これを呪いとは受け取らない。呪いと呼ぶには弱すぎる。
でもアーサーは呪われてしまう、その「将来の夢」にすがってしまう。脳の外傷のせいか、アーサー自身に素質があったのか?それはわからない。
アーサーの、あの受動性。ものを判断するときや、自分でその場で考えて何かするときの、微妙な、ちょっとボンヤリとした感じ。
あれと「発作」のコンボがジョーカールートへのかなり決定的なフラグであるってのはあると思う。アーサーが状況を変えることをものすごく難しくしている。
でも、じゃあ例えば受動態人間であるってことをアーサーが自分で変えられるかっていうと、どう考えてもひとりでは無理で(能動的な生き方の受け皿どころかモデルすらない状況だもの)、というか脳外傷から来るものなら誰がいても無理で、あーこれフラグ折れんわー、ツムツムだなあ、となってしまう。みんな病気が悪いんや。病気と虐待が。
まあそれはそれとしても、アーサーは「与えられる側でなければ気が済まない」んじゃない。気が済むとか済まないの問題じゃないだろう。
そもそもあの状態で、母親の介護放り出して家出してどうする??
メシ風呂が自力不可で「みんなが言ってるって、みんなって誰さ。今日誰と会話したの?」言われるくらい孤立してる母親、
郵便ポストを見に行けない母親をひとり置き去りにしたら逮捕されない??保護者責任遺棄的なやつで。
家出したあと住むところは?
あのエレベーターのイカれたボロ家以外にどっかある??アーサーに貸してもらえる???
それと女を口説くことをそんな冒険ポイントみたいに言いなさんなよ…そういうのもう流行んないんじゃないの。
それにアーサー最大の冒険をカウントしないのはフェアじゃない。
コメディアンとして舞台に立ったじゃないか。ネタ帳携えてでも、妄想に後押しされてでも。
母の話の裏付けを取ろうと、ウェイン邸にもデモ会場の劇場にも病院にも行った(どこまで妄想かはともかく)。結構行動している。
これがアーサーをしてジョーカーに変身せしめた動機である。「すばらしいものを与えられるはずだった」というその思い込みに、根拠はない。ないが、なぜかそう思い込んでいる人はこの世にいる。たぶん一定数いる。彼らは「自分にはもっともっとすばらしいものが与えられるはずだったのに」という激しい飢えを抱え、たとえばインターネットで文章を書いているぜんぜん知らない人(私とか)に突然その怒りをぶつける。「おまえなんかが賞賛されていいはずがない」と。
もうこの辺に至っては被害妄想入ってませんかね。飛躍がすごくてどうしてそうなった、みたいな話になってるというか。
アーサーが欲しがっていた素晴らしいものというのは、大衆からの賞賛もあるが、最大のものは愛だろう。アホみたいな結論になるが。
愛。親しさ。笑われないこと。爪弾きにされないこと。受け入れられること。その象徴としての賞賛。
一応言っとくけど、「この人に怒りをぶつける人々が欲しがっているもの」が愛だといいたいのではない。そんなことは知らない。
このツリーでは基本ジョーカーあるいはアーサーの話をしているんであって、賞賛が欲しくてネットで他人に突然キレる人のことはわからない。
ああ、それにしても。
確かに、怖い。怖いですわ、これは。
「俺の命令に従え!!すべてのユミルの民から生殖能力を奪えと言っているんだ!!今すぐやれ!!ユミル!!」
ジークは叫んだ。
「俺は王家の血を引く者だ!!」
ジークが最後に目にしたのは、涙する始祖ユミルと、それを支えるエレンだった。次の瞬間、すべてが暗転した。
いかなる原理によるものか。宇宙は真空の量子揺らぎからインフレーションにより生じたものだと言う。ある世界線の内部を往来するうち、量子的に絡みあう複数の世界線が混線した。そして、ジークは他の世界線へと転落した…
◇
店舗と住居を兼ねる北沢精肉店の二階で、はぐみの兄は目を覚ました。
はぐみの兄はボリボリと頭を掻き、寝惚け眼で放心した。朝日がその横顔を照らしている。大学の講義もなく、朝の身支度をする必要がなかった。
しばらくして、はぐみの兄は股間をまさぐり、やがて絶叫した。
「た、勃たなくなってるーッ!」
「《うるさいな…》」
マーレ語で言ったが、はぐみの兄には通じなかった。
(《ここは…ヒィズル国か?俺は始祖ユミルといたはずだが、どうしてここにいるんだ?あれからどうなったんだ?ユミルの民から生殖能力を奪うことはできたのか?》)
「うわーッ!裸にジーパンの髭のオッサンが、俺の部屋にーッ!」
地上から、商店街を走る自転車のチリンチリンというベルの音が聞こえていた。
◇
「あたしがもう一人!?どういうことだ!?しかもなんか胸がデケェし!」
「うるせー!胸のことは言うんじゃねー!」
「うわー、有咲が二人!これで次の定期試験は楽勝だね!」
「はァ…もう一人の私、声が大きくて苦手かも」
二人の香澄が声を出すと、二人の有咲はさっとそれぞれの香澄の背後に回った。異なる香澄とはいえ、対人恐怖症は拭えないらしい。
「これがもう一人の自分っスか。正直、信じたくないっス…」
一人のたえの泰然とした様子に、もう一人のたえは肩を落とした。
「いったい何が起きたんだろうね。うち、すこし怖いかも。あ、関西弁が出ちゃった!」
りみがわざとらしく怖がる。が、混乱の最中にあって誰も反応しなかった。
「うわー。ポピパはまた大変なことになってるね」
流星堂の門内を覗いたリサが大げさに言う。おどけた態度と裏腹に、表情に疲労が滲んでいた。
胸が大きいほうの有咲が尋ねる。もう一人の有咲はリサと面識がないため、対人恐怖症を発揮しオドオドとしていた。
「アタシの弟ってことみたい。気づいたらいたんだ。どうにも、ポピパでも似たようなことが起きているみたいだね」
「でもリサさん、いくらガキとはいえ、知らない異性が家にいるのはキツくないですか?」
リサはすばやく片目で瞬きした。
「え?《年下の少年に性的な目で見られて気持ち悪いけど、それを口にして傷つけるほどでもないし、気付かないフリをしている》?リサさんすげー!一瞬のアイコンタクトでこれだけの情報を伝えてきた!」
有咲は感嘆した。一方、リサの弟はリサの本音を暴露されてショックを受けていた。
「でも、異常は人が増えたり現れたりしていることだけじゃないみたいよ」
「あッ、紗夜さん!助けてください!」
「待ってください、紗夜さん!助けるなら私を!」
日菜の両脇につぐみが一人ずつ抱えられていた。
「は、羽沢さんが二人…」
「アハハ。面白いよね。こっちのつぐちゃんはおっぱいがちょっと大きくてー、こっちのつぐちゃんはまっ平らなんだ」
「また人が増えた…それで白鷺先輩、他の異常ってなんですか」
「それはオメデタ…じゃないですよね。ピルを飲んだりとかしたんですか?」
「そうね。昨日までは普通に生理は来てたのよ。それで、この異常でしょう。気になってスタッフさんたちや知人に尋ねてみたら、やはり急に生理がとまった人がいたのよ。というより、生理という現象がなくなったというほうが自然ね。個人的にはありがたいけれど…」
「花音たちにも同じような異常が起きているみたいなの。ここに呼ぶわね」
◇
「見て見て。この人、はぐみのお姉ちゃんなんだ。はぐみ、ずっとお姉ちゃんがほしかったから嬉しい!」
紗夜は口元に手を当てた。
「つまり、今現在わかる異常はこのようになるでしょうか。第一に、異なる可能性の同一人物が同時に存在している。第二に、存在しないはずの兄弟姉妹が存在している。第三に、広い範囲で人々の生殖能力が停止している」
「第二の異常が重要だと思うな。もし第二の異常が第一の異常と同じ原因なら、第三の異常は独立した問題ってことになるもん。ただ、第二の異常が第一と第三、それぞれの異常と同じ原因のものが混ざってるってこともありえるけどねー」
日菜が紗夜の分析をすばやく補足した。
「でも本当、どうしたらいいだろうねー。もう一人の私に学校に行ってもらって、私たちはバンドの練習しよっか。あ、でもさーやはもう一人のさーやが夜学らしいから、どのみち二人とも学校に行かなきゃ!」
「うー。やっぱり、この私は苦手だ…」
暗いほうの香澄がため息をつく。
そのとき、怒声が聞こえた。
「待てー!モカ!」
一同が路上に出ると、上半身が裸でジーパンを履いた髭男が走ってきた。その後ろをモカが追っていて、時折ふり返りつつ、石を投げている。
大学生らしい青年と、Afterglowのメンバーが二人を追っていた。
「あッ、はぐみ」
「兄ちゃん!」
一同は髭男を見た。
モカが鬼気迫る表情で叫ぶ。
「よくわからないけど、あの男、友希那のお父さんと同じ雰囲気がする!自堕落で無責任無能力だけど、ときどき妙な行動力を発揮して周囲に大きな迷惑をかけるタイプだよ!」
友希那は表情に微妙なショックを浮かべた。
「はァはァ…ヒィズル国の言葉が通じて協力者を得ることができたのはいいが、そのために敵もできてしまったな。まあいい…どういうわけか、いまの俺は《始祖の巨人》の力を手にしているのだからな。舞台は変わったが、計画は続行する!このまま、この世界のすべての住民の生殖能力を剥奪する!」
「そんなこといいわけないでしょ!モカ、なんでそんな気持ち悪いオジさんに手助けするの!もうあたしの『ゼクシィ』貸さないよ!」
「そうだぞ、モカ!人間は守るべき家族をもって一人前だろうが!そして自分を産んで育ててくれた親と町、国に感謝だ!ソイヤぁ!」
ひまりと巴が問詰する。
「ごめーん。でも、モカちゃんもう決めたから。あたしたちが最後の人類になるの。それで、これまでのすべての人類の屍の上に、あたしと蘭だけが生きのこるんだ。それって素敵じゃない?」
蘭は甲高い声をあげた。
「はァ!?意味わかんないよ!なに言ってんの、モカ!?っていうか、気持ち悪いよ…」
「蘭にはわからないだろうね。けど、あたし、もう蘭の背中を追いかけるのは疲れちゃったよ…」
微笑するモカの目は、涙に濡れて見えた。
「あたしたちはみんな、生まれてこなければ幸せだったんだよ。音楽はコンプレックスからはじまる。ここにいるみんなも、生まれてこなければ良かったって思ったことが絶対あるよね!?それが正解なんだよ!もう、そんな過ちをくり返しちゃいけない。全部ここで終わらせるんだ」
千聖が輪のなかに踏みだした。麻弥はハッとした。思索的で感受性の高い麻弥には、千聖がモカの言葉に共感したことがわかっていた。
千聖はポツリと言った。
「私の人生に、いいことはほとんどなかったわ」全員が千聖に注視する。「思いだすことのできる最初の記憶は、母に子役として振舞うことを無理強いされたときのものよ。私は母に褒めてもらいたくて、必死に努力したわ。けど、母が私を肯定してくれることはなかった…努力の過程だけが残って、私は自尊心ばかり高い、空っぽな人間になった。それが向上心という形で、攻撃的にあらわれてしまうこともあったわ。パスパレのみんなと知りあって、ようやくそんな自分を変えることができた。けど、たしかに生まれてこないほうが良かったと言われれば、それを否定することはできないわ」
彩が目に涙を浮かべる。
「けれど、たしかに言えるのは、自分の人生が悪かったという理由で、他人の生殖能力を奪うような自分は、生まれてきたことよりもなお悪いと言うことよ!」
千聖は啖呵を切った。
「千聖さん!」
Pastel*Palettesのメンバーが抱きつく。
「千聖さんの言うとおりです!モカさん、あなたは大和撫子の風上にもおけません!子孫繁栄、富国強兵。ブシドー!天誅です!」
「あんたたち、こっち!」
胸が小さいほうの有咲が声をかける。門内を示され、モカとジークはすばやく駆けこんだ。二人が入ると、有咲は鍵をかけた。
「何やってんだ、お前ーッ!」
胸が大きいほうの有咲が怒鳴る。しかし、有咲は鍵を握りしめて離さなかった。
「ごめんね。でも、私、どうしても生まれてきたほうが良かったと思えない…!」
有咲はその場に座りこんだ。膝に顔をうずめ、しばらくすると嗚咽が聞こえてきた。
「有咲…」
暗いほうの香澄が呟く。有咲の苦しみを知っている香澄は、その言葉を軽々に否定できなかった。
そのとき、いくつかの弦の音が聞こえた。
うるさいほうの香澄がランダムスターを手に、歌を口ずさんでいた。
有咲が顔をあげる。香澄の歌は次第に勢いを強めていった。『Returns』。はじめに合唱に加わったのは、もう一人の香澄だった。有咲、二人のたえと、次々と合唱に加わった。
「あったかもしれない未来のことー、なかったかもしれない過去のことォー!自分の姿を鏡に映し、キミは誰なのと、問いかけてみたァー!」
やがて、Poppin’Partyの全員が合唱した。有咲は涙を拭い、門の鍵を開けた。
「《チッ、使えないヤツだ…》」
「俺の《安楽死計画》はまだ生まれてこない子供を対象にしたものだ。いま生きているものを犠牲にすることは避けたかったが、仕方ない…始末させてもらう!」
ジークは自分の腕を噛み千切った。一瞬であたり一面が蒸気と熱気に包まれた。
◇
「おいおい。人間が増えたり減ったりする怪奇現象が起きてるって言うから、取材に来てみりゃよォ…またこの姿になるとはな」
有咲は怖々と目を開いた。触手で全身が構成された巨人が有咲たち全員を蒸気と熱気から守っていた。
気付くと、ラフな服装の女性と、テレビカメラにハンチング帽の男性が傍らにいた。
「私は映像制作会社でADをしている市川と言います。こっちはカメラマンの田代です。えーと、あと、あの大きいのがディレクターの工藤です」
市川は苦々しそうな表情をした。
巨大化した工藤は、類人猿のように見える巨人をとり押さえていた。
「俺も業界にいて長いからよォ。てめェみたいなツラのヤツはよく知ってるぜ。おめェらみてェなヤツはよ、いろいろもっともらしい理屈を捏ねるけど、要は部屋に引きこもって一人で◯◯◯◯してるのがお似合いなんだよ!」
「う…」
「ハハハハ!わかっていないようだな。格闘戦で俺に勝とうが、なんの意味もないということが。俺は《始祖の巨人》の力を手にした。それは、この世界のすべての生物を操作できるということだ!はじめからお前らに勝目はないんだよ!もうお前らの体を直接、操作して全員、絶滅させてやる!」
その場の全員が硬直した。
「もし、いまの俺を倒せるとしたら、直接、因果律に介入できるヤツだけだ!ハハハハ!」
「呼んだか?」
空中に亀裂が走った。裂開したなかから、冴えない中年男性が出てきた。背中に制服姿の少女を乗せている。
「よッ、白石君。助けに来たで。おっと。いけない、田代君やったな」
「助太刀にきたでござる。ニンニン」
「りみ!」
「知っとるか?高圧鍋や圧力釜なんかは、威力の高い爆弾の材料になるんやで。つまり、炊飯器はええ爆弾の材料になるんや。ゆうても、炊飯器がなんなのかわからんやろうけどな」
「まさかうちの炊飯器をこんなことに使うとは思わんかったわ。まあええわ。みんなを助けられるんならな。御免」
「《や、やめろおおおお!》」
ジークはマーレ語で絶叫したが、その言葉を理解できるものはいなかった。
全身に火傷を負い、四肢の断裂したジークを中年男性は担ぎあげた。
「お前はアッチの世界に連れていくわ。案外、お前みたいなヤツにはアッチの世界のほうが居心地がええかもな」
ふたたび、りみと裂開のなかに飛びこむ。その間際に言った。「もろもろの因果律も俺が修復しとくから、まあ安心しといてな。じゃ、またな、白石君」
「江野さん…」
田代が呆然と呟く。しかし、その声を聞くものはもういなかった。
◇
「モカ…」
蘭は涙を流して放心するモカの肩を抱いた。しかし、モカがその声に応えることはなかった。
リサやはぐみは、つかの間の兄弟姉妹と別れを告げた。千聖は生理が復活して沈鬱な表情をしていた。
二人の有咲が対面する。胸の小さいほうの有咲が言った。
「いろいろ、迷惑をかけて悪かったな」
有咲たちは同時に笑った。
「いろいろあったけどさ、あたしはちがう可能性のあたしを見て、なんだかんだ、いまの自分が好きなんだってわかったよ。…ありがとな」
「お前はもう一人のあたしだ。すこしでも運命の歯車がズレてたら、あたしもお前みたいになっていたかもしんねー。いまのあたしのことも、すべて受けいれられるわけじゃねーし。だから、お前を助けられたなら良かったよ」
「お前も…サンキュ」
「うー。有咲がいなくなって寂しくなるよ」
「お前にはあたしがいるだろうが!」
この世界の有咲が叫ぶ。
「えッ、有咲…?」
「うるせー!いまのはなし!」
「有咲ー!」
香澄は有咲に抱きついた。そうしているうち、ちがう世界の住民たちはいなくなっていた。
「離せ!妊娠したらどうすんだ!」
「なに変なことを言ってるの、有咲ァ」
「あれ?本当だ。どうしてそう思ったんだ?」
(終)