はてなキーワード: ブラケットとは
それはさすがにレベル低過ぎじゃね???
俺が学生の頃は「あの子と内積とりたい」とか(ディラックのブラケットを思い浮かべること)、数少ない女の子に群がる男を見て「ボーズアインシュタイン凝縮してる」とか、そういうのが普通に日常会話だったが。
今は社会に出てるので線形代数あたりのネタが多いな。内積も当然線形空間ネタなんだが、なんというか、ディラック記法を踏まえた文脈かどうかの違いが本質的。物理系のヒルベルト空間は必然的にその上に作用する作用素とセットだから。
そもそも例えじゃなくて文化資本の格差を時間の関数と見たときの厳密な表現だぞ。
他の科ならわざわざ数学に例えるなんてひくわぁ
文系ならそうだろうけど、理系でそれ言うと自分の馬鹿さ加減を宣伝してることになるぞ。
まともな理系の知識持ってる人間だったら「2階微分」で意味不明と思うなんて有り得ないよ。
うちの会社とか、どう逆立ちしても入社すらできないだろうなあ。
しかしこういう「勉強ダセェw」みたいな子、10年ぶりくらいに見たな…。なんか懐かしい感じ。どういうバックグラウンドの子なんだろう。
彼女と映画を見に行った。なかなか展開の早い映画だったが、もう終演も近く、館内はガラガラだった。そこは愛し合う二人、暗闇の中でお互いの身体を触り合ったりしていた。けっこうドキドキした。とにかくガラガラだし、ブラケットを広げていたから周りの人には絶対にわからなかったと思う。
時々苦しそうな顔を彼女はしたが、手を払いのけたりはしなかったので、喜んでくれているのだなと思いながら、指をスカートの下に入れ、ストッキングを破り、彼女の一番の弱点をゆびで愛撫しつづけていた。映画の展開にあわせて手を握り合ったり、肩くんだりいい雰囲気だった。彼女の手も僕の急所をつかんで離さなかった。映画がクライマックスを迎えるころ、突然、僕の手に暖かいものがじゅるじゅるとあふれた。パンツをはいたまま彼女は「潮吹き」をしてしまったのだ。彼女の身体がびくんと揺れた。
さすがにあわててハンカチをそっとあてたりしたが、後の祭り。すっかり濡らしてしまった。コップ三分の一くらいは出てしまったのではないだろうか。エンドロールまで彼女は気が気ではなかったろう。明るくなって、あわてて出てきた。もちろん、彼女の後ろにたったりして、スカートのシミが目立たないようにカバーしたつもり。トイレに駆け込んだ彼女によると下着はもちろん、ストッキングも、シュミーズもびしょびしょだったそうだ。後ろから見ても、スカートもおしりのあたりからかなりの大きさのしみになっていた。
ほんとうは食事にいくはずだったのに、この状態ではいけず、家の近くまで車でもどって居酒屋飯になってしまった。当然、彼女はご不機嫌。お泊まりの予定もなくなり、もんもんとしたまま僕は家に帰るはめになった。
逆に僕が映画館でイカせられちゃった方が円満だったろうか?
*時と所が同定できないように細部は変えてあります。
「はじめての正規表現」がホッテントリ入りしていますが、
導入としては、何に使うのかがわかりやすくて良いのではないかと思います。
あれを見て、基本機能をまとめてみたくなったので、正規表現の基本的な機能について書いてみます。
(正規表現が初めてという人は「はじめての正規表現」を先に見たほうがいいと思います。)
例では「検索」か「置換」をするものとして話を進めていきます。
(「はじめての正規表現」が実例を中心にしたのに対して、こちらは機能を中心に書きます)
正規表現は、プログラミング言語やその他のツールなど、それぞれで微妙な違い(方言)があるので、その点には注意が必要です。
(表記法が違ったり、ここに紹介する機能がサポートされていなかったり、逆に紹介していない機能をサポートしていたりする場合があります)
メタ文字とは機能を持つ文字で、『.
』『*
』『*?
』といったものが当てはまります。
リテラル文字は「文字それ自体」と解釈される文字で、『
』『a
』『<
』といったものです。
「検索する文字列:『egg
』 置換する文字列:『chicken
』」
などとすれば、正規表現を使わない置換と同じ効果になります。
なお、検索して検索文字列が当てはまることを「マッチする」と言います。
メタ文字に使われている文字を検索したい場合は、直前に『\
』を置きます。(これを「エスケープ」と呼びます。)
『.*?^$()[]{}
』などがメタ文字です。
『$100
』を検索したければ、『\$100
』とすればいいということになります。
(『\
』は環境によって、半角の『¥』『\』のどちらかになります。)
言語、ツール、モードなどによっては『@/#
』もエスケープが必要です。
また、『\
』自体は常にエスケープが必要です。
メタ文字 | 意味 |
---|---|
? | 直前の文字を0回または1回繰り返す |
* | 直前の文字を0回以上繰り返す |
+ | 直前の文字を1回以上繰り返す |
{n} | 直前の文字をn回繰り返す |
{n,} | 直前の文字をn回以上繰り返す |
{n,m} | 直前の文字をn〜m回繰り返す |
これらのメタ文字は「量指定子」といって、直前の文字の繰り返しを意味します。
『*
』は「任意の文字を0回以上繰り返す」とありますが、
「0回以上繰り返す」とは、「全く何もなくてもいいし、いくらあってもいい」という意味です。
よって、『?
』は「あってもなくてもいい」、『+
』は「1つ以上あればいい」と解釈できます。
『colou?r
』は『u
』があってもなくてもいいので「colorかcolour」ということになります。
『{n}
』は、たとえば『-{15}
』なら、「ハイフン(-)が15個続くもの」となります。
『-{10,}
』なら「ハイフン(-)が少なくともは10個続くもの(多いのはいくらでも)」、
『-{10,15}
』なら「ハイフン(-)が10〜15個続くもの」となります。
また、複数の文字を繰り返したい場合は括弧で囲みます。
『(Gang){2}Dance
』は『GangGangDance
』と同じ意味になります。
メタ文字 | 意味 |
---|---|
? | 直前の文字を0回または1回繰り返す(欲張り) |
* | 直前の文字を0回以上繰り返す(欲張り) |
+ | 直前の文字を1回以上繰り返す(欲張り) |
?? | 直前の文字を0回または1回繰り返す(非欲張り) |
*? | 直前の文字を0回以上繰り返す(非欲張り) |
+? | 直前の文字を1回以上繰り返す(非欲張り) |
「欲張り」とは、「なるべく多くの文字に適用しようとする」、
「非欲張り」とは、「なるべく少ない文字に適用しようとする」という意味です。
すると、検索する文字列が『a+
』なら『aaa bbb ccc
』、
検索する文字列が『a+?
』なら『aaa bbb ccc
』が置換対象となります。
(「すべてを検索/置換」する場合は当てはまりません)
「『a
』を1回以上繰り返す」ということは、『a
』でも『aa
』でも『aaa
』でもマッチすることになりますが、
「欲張り」かそうでないかで実際のマッチは変わってくるわけです。
文字クラス | 意味 |
---|---|
[abc] | a、b、cのいずれか |
[a-z] | a〜zのいずれか |
[^a] | a以外の文字(改行文字を含めaを除いた全て) |
[^a-z] | a〜z以外の文字(改行文字を含めa〜zを除いた全て) |
文字クラスは『a
』や『<
』などの代わりに文字の種類を指定するものです。
a〜eのどれかの1文字という指定をしたい場合に『[abcde]
』や『[a-e]
』といった指定ができます。
また、文字クラス内の最初に『^
』をつけて『[^abc]
』などとすれば、
「a、b、c以外の何の文字でもいい」とすることができます。
間違いやすいのが「そこにaもbもcも存在しなければいい」という意味ではないということです。
文字クラスは「なんらかの1文字の身代わり」なので、それは何か1文字を表しています。
『-
』は範囲を表すのに使用します。そのため、『[;-%]
』で「; - %のどれか」を表現することはできません。
『-
』を含める場合は必ず最初に持ってきます。すると『[-;%]
』という風になります。
「; - %以外の文字」としたいならば『[^-;%]
』とします。
『[
』や『]
』、『\
』を文字クラスに含めたい場合は直前に『\
』を置いてエスケープします。
「『[
』または『]
』」であれば『[\[\]]
』となります。
『^
』やその他の記号は先頭に置かなければいいので、エスケープの必要はありません。
『.
』は「改行以外のすべての文字」を表しています。
改行は『\n
』で表されるため、『.
』は『[^\n]
』と等価です。
(ただし、正規表現のモードによっては「改行も含めすべての文字」を表す場合もあります)
文字クラス | 意味 | 同等の表記 |
---|---|---|
\w | 記号や空白ではない文字すべて | [a-zA-Z0-9_] |
\W | 記号や空白ではない文字以外 | [^a-zA-Z0-9_] |
\d | 数字 | [0-9] |
\D | 数字以外 | [^0-9] |
\s | タブや改行など、空白類とされる文字 | [ \t\n\r\f\v] |
\S | タブや改行など、空白類とされる文字以外 | [^ \t\n\r\f\v] |
(*間違って『\s
』の同等の表記にも『^
』がついていたのを修正しました)
(『\t
』はタブ、『\v
』は垂直タブ、『\r
』はキャリッジリターン(CR、改行の一種)、『\f
』は改ページ)
これらは『[a-fA-F\d]
』のようにすることで、文字クラスのブラケット(角括弧)内に含めることができます。
「同等の表記」と書きましたが、文字をユニコードして扱うツールの場合は、上記が同等の表記にはならず、
たとえば『\d
』であれば漢数字が含まれてしまったりするので注意が必要です。
『(A|B)
』は「AまたはB」という意味です。(これを「選択」と呼びます)
『(A|B|C)
』なら「A、B、Cのどれか」という意味になります。
『(gray|grey)
』は『gr[ae]y
』とほぼ等価となります。
『[ae]
』は「1文字のaまたはb」という意味になるので結果的に、ほぼ同じ効果が得られるわけです。
(ただし、これはgrayとgreyの違いが1文字だけだったためで、そうでない場合はこうはなりません)
気をつけなければならないのは、その順番です。
『(Java|JavaScript)
』で検索すると、対象文字列内に存在する『Java
』と『JavaScript
』すべてマッチするように思えますが、
『JavaScript
』は選択肢の前(左)のほうにある『Java
』が当てはまってしまうため、
『Script
』部分にはマッチせず、『JavaScript
』というマッチになってしまいます。
選択では左側が優先されるので、『(JavaScript|Java)
』とすることでこの問題は防げます。
(言語、ツールによっては、この問題が起こらない=順番関係なく長いほうを適用しようとするものもあります)
メタ文字 | 意味 |
---|---|
^ | 行頭 |
$ | 行末 |
\b | 単語境界 |
\B | 単語境界以外 |
リテラル文字や文字クラスが「文字自体」にマッチするのと違い、アンカーは「位置」にマッチします。
検索する文字列が『^
』、置換する文字列が『>
』なら、「行頭に『>
』を挿入する」という意味になります。
単語境界とは、「単語を構成する文字=『\w
』に相当する文字」と「単語を構成しない文字=『\W
』に相当する文字」の間の位置のことです。
『regular expression.
』なら『^regular^ ^expression^.
』の4ヶ所に当てはまります。
『\b.*?\b
』とすれば単語すべてにマッチさせることができます。
しかし、「単語構成文字」が基準なので、『JavaScript
』は1単語でも、『L?K?O
』は1単語とは見なされません。
アンカーは位置にマッチするので、文字クラス内に含めることはできません。
『^
』や『$
』を文字クラスに含めても、その文字自体という意味になります。
つまり、『[^$]
』なら「行頭または行末」ではなくて、「『$
』文字以外」ということになります。
また、『\b
』は文字クラス内のみ、バックスペース文字を表す場合が多いようです。
正規表現には、大抵「大文字と小文字を無視する」というオプションがあります。
これが入っていないと「『to:
』で検索しても『To:
』にマッチしない」といったことが起こります。
言語、ツールによっては、正規表現の一部にのみ大文字と小文字を無視する機能があるものもあります。
例えばRubyでは『(?i:foo)
』という形式を使用できます。
『(
?i:Ruby) Python
』という表現なら、『ruby Python
』や『RuBy Python』にはマッチしますが、
『RUBY PYTHON
』にはマッチしない、ということになります。
括弧内に入れた文字列は、ある場所に記憶されます。(「キャプチャ」と呼びます)
これは『\n
』という表記を使って呼び出すことができます。(nは数字)
同じ単語が2連続で出てくるもの(『merry merry
』みたいなもの)を探すという場合、
『\b(\w+)\b \1
』とすることができます。(ここで使った『\1
』を「後方参照」と呼びます)
こうすると、『\1
』の部分は、『(\w+)
』を使ってマッチしたものと同じものがあるものとして解釈されることになります。
括弧を何個も使う場合は、左の括弧から順に『\1
』、『\2
』、『\3
』となります。
また、後方参照は置換文字列にも使うことができます。
つまり置換文字列内に『\1
』と書けば1番目の括弧、
『\2
』と書けば2番目の括弧でキャプチャされたものがそこに入ることになります。
この場合、言語、ツールによっては『\n
』ではなく『$n
』を使う場合もあるようです。
括弧は『(foo|bar)
』という選択や、『(humbert){2}
』というグループ化など、キャプチャ以外にも使われます。
そのため、キャプチャに使われた数字をわかりやすくするために、キャプチャしない括弧もあります。
それには『(?:foo)
』という表記を使います。
前の例であれば『(?:foo|bar)
』と『(?:humbert){2}
』になります。
「その位置の続くものを確認する」というのが「先読み」です。
対象文字列を『JavaScript Java Applet』として考えてみましょう。
『Java(?=Script)
』は「『Script
』が後に続く『Java
』」にマッチします。
『(?=Script)
』の部分が、「『Script
』が後に続くかどうか」をチェックしているので、
後ろに『Script
』が続かない単なる『Java
』にはマッチしません。
『(?=Script)
』の部分は「後に『Script
』が続く位置」にマッチしていることになります。
この例のマッチは『JavaScript Java Applet』となります。
逆に、『Java(?!Script)
』とすれば、「『Script
』が後に続かないかどうか」をチェックするので、
後ろに『Script
』が続かない単なる『Java
』にマッチさせることができます。
こちらは「否定先読み」と呼びます。
この例のマッチは『JavaScript Java Applet』となります。
言語、ツールによっては、「その位置の前にあるものを確認する」という「戻り読み」「否定戻り読み」がサポートされているものもあります。
(これは『(?<=foo)
』『(?<!=bar)
』という形で使います)
先読みや否定先読み、戻り読みなどをまとめて「前後読み」と呼びますが、
前後読みは位置にマッチするため、戻り読みは先読みとは通常書くべき位置が逆になります。
『(?<Mozilla )Firefox
』とすれば、『Mozilla
』に続く『Firefox
』のみにマッチします。
メタ文字 | 意味 |
---|---|
?+ | 直前の文字を0回または1回繰り返す(強欲) |
*+ | 直前の文字を0回以上繰り返す(強欲) |
++ | 直前の文字を1回以上繰り返す(強欲) |
上のほうで?、*、+は「欲張り」だと書きましたが、「欲張り」な量指定子も“ゆずる”ことがあります。
対象文字列が『"something"
』だとして、検索文字列『".*"
』はこれにマッチします。
しかし、強欲な量指定子『*+
』に置き換えて『".*+"
』とするとマッチしません。
これはなぜかというと、「欲張り」な量指定子を使った『.*
』の部分は、
最後の『"
』がなければ『something"
』にマッチすることになりますが、
正規表現の最後に『"
』があるために、対象文字列の最後の『"
』をゆずっているのです。
『.*+
』の部分が『something"
』にマッチしてしまい、
強欲な量指定子をサポートしていない言語、ツールでも、「アトミックなグループ」というものが使える場合があります。
アトミックなグループでは『(?>foo)
』という表記を使います。
『\w?+
』なら『(?>w+)
』、『\w*+
』なら『(?>w*)
』、『\w++
』なら『(?>w+)
』で代替できます。
『*
』の「直前の文字の0回以上の繰り返し」はよく気をつけないと、間違ったものにまでマッチしてしまいます。
リテラル文字と文字クラスは「文字自体」にマッチすると書きましたが、
『-*
』というような表現は、『-
』や『--------
』だけでなく、
なぜそうなるかというと、「0回以上」ということは「なくてもいい」ということだからです。
空文字列へのマッチは、実質上「位置」へのマッチと似たようなものになります。
検索文字列を『-*
』として一括置換すると、
『-
』や『--------
』が置換されるだけでなく、
『-
』が存在しないすべての場所に置換文字列が挿入されてしまうことになります。
正しい正規表現を書くためには、「どう書けばマッチするか」だけでなく、
「どういう場合にマッチしなければいいか」についても考えてみる必要があります。
*
』≒正規表現の『.*
』とありますが、これは厳密には微妙に違います。
ファイルグロブでは《*
》は「任意の文字を1回以上繰り返す」
つまり、1文字以上あればなんでもいいということになります。
この意味だと、《*.*
》は "foo." や ".bar" は当てはまりません。
しかし、「0回以上」であればマッチすることになります。
正規表現では「1回以上繰り返す」は、《+
》なので、
「任意の文字を1回以上繰り返す」は『.+』となります。
よって、《*.*
》とほぼ等価な表現は『.+\..+
』となります。
これは私の勘違いでした。miauさんご指摘ありがとうございます。
「*.*」は foo. にマッチするはずだし、.bar にマッチしないのは、「*」がドットファイルにマッチしないっていう特殊ルールがあるから・・・ですよね?
ファイルグロブの《*
》は、「0回以上繰り返す(ただし例外として、一番最初のドットは表せない)」ということのようです。
《*.*
》とほぼ等価な表現は、正しくは『(?!\.).*\..*
』となります。
正規表現を使うにあたっては、検索対象がどのようなものか知っておくことが重要です。
『\d{4}[-/]\d{1,2}[-/]\d{1,2}
』で日付と思われる文字列を検索することができますが、
これは『00-0000-00-00
』というものにもマッチしてしまいます。(『00-0000-00-00
』)
しかしこれを厳密にしようと思えばかなり複雑な正規表現になってしまうので、
どの程度の厳密さが必要かを把握しておくことが肝要と言えるでしょう。
冒頭にも書きましたが、正規表現は、言語やツールによって微妙な違いがあるので、
その辺りについては各言語、ツールの説明を参照してください。
本格的に学びたい場合はオライリーの「詳説 正規表現」がおすすめです。
(ただ、この本はプログラミングのことを多少は知らないと難しいかもしれません)
また、PHP正規表現チェッカーですぐに試せるようです。
b:id:K-Onoさんの
について。
実ははてなダイアリーもある(d:id:sleepwlk)んですが、長いこと書いてなかったので、
匿名ダイアリーのほうが多くの人に見てもらえるのではないかと思ってこちらに書いてみました。
*2008-09-23 誤記の修正と、一部加筆しました。
*2008-09-24 ワイルドカードの記述を修正しました。
*2008-09-24 文字クラスの記述の間違いを修正しました。b:id:FunnyBunnyDizzyさんご指摘ありがとうございます。
えらく時間がかかったんだけど。どのくらい時間がかかったかと言うとたっぷり20年かかったんだけど。ブラケット記法で考えるのが多分一番近道だよな。
状態1をあらわす<φ1|があって、状態2をあらわす|φ2>がある。で、状態1から状態2に遷移する確率は<φ1|φ2>であらわされる。
これがブラケット記法。ただし、結果は複素数なので本当の確率は結果の絶対値であらわされる。そこはあんまり本質ではない。問題は状態1をあらわす<φ1|が行ベクトルだってこと(状態2は列ベクトル)。ベクトルの長さは無限大。それぞれの要素は複素数。二つのベクトルの内積をとるから、結果はスカラー(複素数)確率になるけど、じゃ、遷移する(内積を取る)前って何なのよってことになる。
で、上の|φ2>を観測された状態(たとえば右の穴を通った)と考えると、観測することによって、古典力学で理解可能な「右の穴を通る確率」に落ちてきた。確率はスカラー。でも、観測する前は確率に対応する複素数を無限個もつベクトルってことになる。
俺の理解だと「じゃぁ何かい」って言ったのがシュレーディンガー。
<φ1|を、観測前のブラックボックスの中の猫の状態と考える。|φ2>は観測後に猫が死んでいる状態とする。猫が死んでいる確率が<φ1|φ2>であらわされるのはいい。スカラー確率だから。だけど、観測前の猫が<φ1|ってのはどういうことだ?ベクトルの要素の数が無限だということは、猫は無限個の「ありえる状態」の重ね合わせってことかい?そんな馬鹿な話はないだろう。
これがシュレーディンガーの猫のパラドックス。中年に差し掛かって量子力学に手を染めたシュレーディンガーが、青春時代から量子革命に首を突っ込んだ世代についていけなかったことをあらわすエピソード。ていうか、これがまっとうな感性だよな。
古典力学では式のそれぞれの項に実世界と連結する意味がある。たとえばa=f/mって式は加速度を求める式だけど、その計算に必要な質量と力は、ちゃんと実生活にあるものとして理解できる。だけど、ブラケット記法では、左のブラ、右のケットに対応する古典物理学的な意味がない。実生活からの体験で理解できない。ブラケット演算を行って初めて理解可能な確率が出てくる。シュレーディンガーの抗議は量子実体を古典的物理的な体験で理解できないとする姿勢への抗議だった。
そうだよ、重ね合わせになってる。変に思えるけど、そうなってる。理由は知らない。
量子実体は古典的には理解できないよ、と。これはその後「量子力学は料理本だ。背景の原理は知らなくていい。正しい結果が出るのだから」というCookbook派の中心教義になる。
もう少し突っ込んで考えると、我々は量子力学においては遷移確率としてか事象を捉えられないことになる。遷移しないものは認識できない。観測しないものは古典力学的実体を持っていない。こう考えると
我々が観測しないとき、事象は存在しないのと同義だ
という極論が出てくる理由もわかる。
…と、理解しているんだけど、これでいいかな。