はてなキーワード: バイプレイヤーとは
エロ本にはBSS(僕が先に好きだったのに)というジャンルがある。
NTR(寝取られ)は現在付き合っている彼女をほかの男に奪われることに対してBSSは一方的に片思いしていた相手が後から出てきた男と付き合って「僕が先に好きだったのに!早く告白していれば僕が付き合えたかもしれないのに!」といった要素を含むものである。これが実際に自分の身に降りかかってかなり精神的にキているのでここに書く。
共通の友達もいないし相談できる相手もいないのでここで吐露させてくれ
大学の友人で卒業以来3年以上片思いをしていた相手に久しぶりに会ったら相手には彼氏がいた上に同棲も始めていた。
お互いオタクだったのとコミュニケーション能力もそれなりにあったのですぐに仲良くなってサークルの間はだらだら話してコミケがあれば一緒に行くような仲だった。
自分のパーソナルスペースが狭い自覚はあって彼女も同じように狭いのかたいして気にしていないのか異性なのに肩を寄せ合う、膝枕をする、肩を組んで同じスマホを見るみたいな、まぁ傍からみたらおかしい距離感だったと思う。
それが大学4年生になると二人でデートにも出かけることもあったし、出かけるときは手を繋ぐレベルまでになっていたので、当時彼女にその気があったのかもしれないと当時の自分も感じてはいたが卒業や就職のことで手一杯だったので「まぁこのままの関係でいいか」となんらアクションは起こさなかった。
結果特になにもなく卒業を迎えて俺は都内で就職、彼女は就職に失敗したのか地元に戻って実家で暮らしていたらしい。
卒業して最初の1年くらいはぽつぽつとメッセージのやりとりがあって、彼女はイラストを描けたので個人で依頼を受けたりアルバイトをして暮らしているということを聞いていた。
そのころから彼女はVtuberになる目標ができたようでセルフ受肉するためにキャラのデザインやらLive2dやらの進捗をたまに用事があって連絡したときに知らせてくれた。俺もLive2dのモデルを何回か作ったことがあるのでツールの使い方でわからないところがあれば相談に乗っていた。
卒業から1年半くらいが経った頃にモデルが完成してVtuber活動が始まった。
1年半の月日と俺自身がソロプレイのゲームしかやらない人間なので共通の話題もなくなりこのころには特に用事もないので連絡を取ることはなくなっていた。
自分はVtuberの配信を見ることも趣味の一つだったのでもちろん彼女の配信もちょくちょく見ていた。
実際彼女以外にもリアルの知り合いが何人かVtuberを始めていて知り合いの近況を知ることもまた楽しいので彼女以外の配信も見ていたしあくまで彼女もそのうちの一人という認識だった。
ただこの頃からかそのちょっと前からか、正確にはいつからかはわからない。
基本的に自分はあまり人と遊ぶ趣味を持っていない。アニメを見るのが好きで映画を見るのが好きでゲームもFPSよりはシミュレーションゲームやパズル系のゲームの方が好きだった。アニメも映画もとにかくいっぱい摂取したいので人と予定を合わせて見るなんて選択肢は眼中になかった。ゲームも大人数のなかでチャットコミュニケーションをとるのが億劫でMMOはやらなかったし命が軽いAPEXやvalorantもやらずもっぱらソロプレイ専用のゲームをするぐらいだ。
友達、というか知り合いを作るのは得意だったので大学にいたころはたくさん知り合いがいた。
大学のどこかに行けば誰かしら友達か知り合いがいる程度には大学で孤独を感じることなんて一度もなかった。とはいえ大半が知り合い程度なのでLINEを交換しても一度もメッセージを送らないなんてのはざらにあった。頻繁に連絡を取っていたのはサークルの友達か同じゼミのメンバーくらい。その友達とも別に趣味が合って一緒に遊んでいたわけでもなくだらだら飯を食ったりたまに大学終わりにアキバに出かけたりとかその程度。結局は同じ場所にいたから一緒にいただけの関係しか築けていなかった。
だから卒業した途端に友達がごっそりいなくなった。かつては覚えるのも大変なくらいいた話し相手も、頑張れば両手の指を使って数える必要があるよね、ぐらいに減った。
彼女はそんな中で残った数少ない一人だった。唯一残った女友達だった。
今までの人生で数少ないデートにも行ったことのある彼女。Twtterで楽しそうなところや美味しそうなところ、一人で行くにはキツいところを見かけるたびに気が付けば彼女と行く想像をしていた。
わかってる。これは女っ気のない自分がそういったところに行く妄想をしたときに唯一残った彼女を当てはめているだけだってことは。だからこれは恋じゃない。実際同じオタクではあるものの彼女とは趣味が合わないので付き合っても大して楽しい関係にはならないだろうという予想は(付き合ってもいないのに)した。
だから彼女の配信を見てはいたが連絡を取るようなことはしなかった。したとしても遠方にいる彼女に話すようなことはなかったし付き合ってもいないのに会いに行くのも気持ち悪いだろうと会うこともなかった。
配信をしている彼女は楽しそうだった。もともと同人女だった彼女はそこ経由でインターネット上に友達がたくさんいたようでVtuberを始めてからも同郷のVtuber友達ができたりと活発に活動していた。
最初はお絵描き配信やフリーゲーム実況をしていたが、デビューから3ヶ月程度経った頃その新しくできたVtuber友達の影響か某MMOと某FPSを始めるようになった。
特にMMOにはドはまりしたようで配信はMMOの実況と攻略が大半になりVtuberを含めた固定メンツでの攻略配信は実に楽しそうにしていた。
自分はMMO系に興味がないのでゲームの内容自体には全く興味がなかったが楽しそうにプレイをする人間を見て楽しんでいた。
彼女はMMOのリアイベにも行ったりして、自分も好きなゲームのリアイベに行っていたので「楽しいよね~~」と首肯するなど連絡は取らないながらも一方的に彼女の活動を眺める生活が続いた。
今までおしゃれなんぞには全く興味はなく、興味がないので人生の優先順位におしゃれが上がることはなかったが、社会生活を送るうえで普通の恰好、いわば「まともな人間」「電車で隣に若い女性が座って許された気がした」ような恰好をすることの重要性はひしひしと感じていたので余剰のお金を使って身だしなみを整えるようにした。 眼鏡をはずしてレーシックの手術を受けた(人生で一番QOLが上がる買い物だった)。 髪を伸ばしてパーマをかけた(一番芋臭さから脱却するのに有効だった)。 ソシャゲやデザインの知識から服を選んで周囲から「最近おしゃれになったね」と複数人に言われる程度にはなった。
時を同じくして大学時代の友人・先輩たちから久しぶりに遊ぼうとの誘いを受けることとが多くなった。 自分は就職したときがコロナ第一世代だったので卒業してしばらくは人と会って遊べるような雰囲気ではなかったため久しぶりに友達に会うのがすごい楽しみになった。
そして俺がおしゃれを始める少し前あたりから彼女が東京に戻ってきていることを配信で知った。
とはいえ3年近くも会っていない相手にいきなり「配信で見たけど東京に戻ってきたんだって?会おうぜ!」なんて言えるはずもなくただただ一方的に配信を眺める、それだけだった。
そんな折にかかってきた旧友からの遊びの誘いである。しかも複数の人から立て続けに。
「俺は見捨てられていなかったんだなぁ……」などとすこし感動もしたがそれと同時に「今なら彼女と会ういい口実になるのでは?」という気が湧き上がった。
言うは易し行うは難し、3年も会っていなかった相手にそんな気軽に連絡できるだろうか。否である。
結局彼女に連絡はできずにほかの旧友に会うことにした。
おしゃれをする前の自分を知っている友達に会うのは少しだけ勇気が必要だった。
初めておしゃれに目覚めた中学生がオカンに「あ~ら、おしゃれなんてして。ませちゃってぇ~~」と言われるみたいな反応をされたら心が耐えられない。
実際その心配は杞憂に終わった。みんなオーバーリアクションを取るわけでもなく「ええやん」みたいな反応をしてくれたので俺は傷つくことなく少しの自信を持ち帰ることができた。
それから自分でほかの旧友を誘って会いに行き、皆一様に茶化すことなく接してくれたので自分の今の恰好は何ら一般人としておかしくない普通の恰好をできていると改めて確認できた。
少しの自尊心を持ちえたこの機を逃すまじと彼女に連絡を取った。
「今度これ食べに行かない?」
彼女は二つ返事で承諾をくれた。
よーしよし! 二人の関係は昔となんら変わってない! 久しぶりになんなんだと悪印象を持たれているようなことはなかった!
OKをもらえた喜びと久しぶりに会える喜びで自分の恋心を自覚した。
まさか、いやそうだよな。自分の気持ちはつまりそういうことなんだよな。
まぁまずは会ってみよう。 実際に会ってこの気持ちを確認しよう。 また昔みたいに出かけてこの気持ちを確信に変えよう。
当日はだいぶ浮かれていた。
会う前に店で眉毛を整えてもらい、柄にもなくリンツのチョコを買い、1時間以上早く現地について店の場所とあわよくばの二件目の場所を下見した。
余った時間はスタバで茶をしばきながら何を話そうかと考えていた。
3年4年ぶりだしな、彼女の近況は配信で知ってるけど俺の近況は知らないしレーシックの話でもしようかな。そういえば最近引っ越して猫を飼ったって話をしていたな。猫飼いは自分の猫の話をしているときが一番楽しそうだしな。今何の仕事をしているのかな。いろいろ聞きたいこと話したいことがたくさんだ。
時間になって待ち合わせ場所に行くときはさながら初めて銀座のシャネルに行った時のように鼓動が早くなった。
……彼女だよな? マスクをしてるからわからん。 人間1年も会わなければ顔を忘れてしまうので自信はなかったが背格好は彼女そのものだったので声をかけた。
彼女だった。なにも変わっていなかった。
変わらんなぁ…… と思っていると。
「な~に、こじゃれてんじゃん 笑」
こじゃれてるは誉め言葉なのか……?
プラスの意味で受け取ってもいいのだろうか。 オカンなのだろうか。
まぁ細かいことを気にしても仕方ない。こじゃれた格好を会話の切っ掛けにして店に移動する。
昔と同じように話すが昔とは違ってパーソナルスペースは人並みに取るようになったようだ。まぁ数年ぶりだしな。
ことさら猫について話す彼女は楽しそうだった。いわく人生で最高にQOLを上げる存在だと。
「へぇ、じゃあ実家に帰省するときはペットホテルとかに預けてるんだ?」
「彼氏いるんだ…… どれくらい付き合ってるの」
震え声にならず平静を装えていた自分に助演男優賞をあげたい。さながら名バイプレイヤーとして各TVドラマの表番組裏番組に出演するような名俳優だったろう。
曰く2年ほど付き合っているらしい。MMOの固定メンツが切っ掛けだったと。
MMOを始めたのがその半年くらい前だから東京に来てすぐ付き合ったことになる。
なるほどなぁ……
俺がうだうだ連絡を取らずにいた間、彼女は共通の趣味で出会った相手とよろしくやっていたのである。
会う理由がなかったとはいえ知り合ってから数年あってそういう関係にならなかった自分と知り合って半年でそういう関係になった彼。その事実に心が揺らいだ。
理由なんかともかく東京に戻って来たと知ってからすぐ連絡を取っていたとしても俺が付け入るスキはなかったのだ。
頑張って平静を装いながら話を聞くと彼女が今住んでいる場所の家賃相場と彼女の収入が釣り合わないことに気が付いた。つい最近まで自分もその近くに住んでいたので「案外近くに住んでたんだね」とかなんとかいいつつ家賃のことを聞いてみると、
どーせーぇええええ????
ここ最近よく目にした言葉。 アラサーになった周囲からよく耳にする言葉。 それをまさか今ここで聞くとは思わなかった。
しかし考えてみれば自分もアラサー彼女もアラサー、将来のことを思えばなんらおかしくはない。
今さっき彼氏がいることを知ったのにそれに加えて同棲していることを知った自分は完全にキャパオーバー、見るからに動揺していたことだろう。助演男優賞剝奪である。
そこからは彼女の仕事の愚痴を聞いていたが正直気が気ではなかった。
猫の画像をTwitterに上げたときも、普段の配信のそばにも彼氏がいたのである。
きっと恋バナ配信の時も占いをしてきたと話した時も彼氏のことを思いながらしていたのだろう。
下手な下ネタを言うと不機嫌になった彼女は彼氏とは笑顔で話すのだろうな。
それらを思うと卒業してからの3年間が、大学時代からの7年間が崩れていく音がした。
彼氏の話は多くは聞けなかったがそれでもその端々からいい男なのだろうと思わせてくれる。
中学生の時告白して振られたことはあったがここまでの衝撃はなかった。
今までの人生、受験も就職もなんだかんだ最後には丸く収まったのでこのような衝撃は、可能性の途絶が目に見えるような経験をしてこなかった。
ああも喉が渇いてたまらず酒で潤したのは初めてのことだった。
昔のように手を繋がなかったのはパーソナルスペースうんぬんではない。彼氏がいるからほかの男と手を繋がないだけ。当然のことだ。
分かれて、電車に乗って家に帰って、寝ようとして眠れなくて、気絶するように寝て起きてしばらく経った今でも咀嚼しきれていない。
会う前に買ったリンツのチョコを店に忘れたことに気が付いた。今度取りに行ってくる。
わかってる。
昔から距離が近かったのは男としてではなく弟として思われてたことを。
わかってる。
もし付き合っていたとしても趣味は合わないし甲斐性もない自分では彼女を楽しませることはできなかっただろうと。
わかってる。
ここで「もし」なんて仮定と想像の話をしても負け惜しみにしかならないことを。
それでもこの思いを酸っぱい葡萄にしたくない。
あくまで行動に移さなかった愚かな自分のせいであることを噛みしめたい。
異性として好きだった。すらっとした見た目もタイプだった。大声で笑い決してヒステリックにならない自分をしっかり持った人だった。自己実現のために努力できるところも好きだった。数少ない友人の中でさらに少ない尊敬できると明言できる人間だった。
このことは彼女には話すのかな。いつか心に整理がついて、俺にもほかに大事な相手ができたら話せるのかもしれない。
それまでは1年に1回くらいあって近況を報告しあう友達でいたい。
いつかこの失恋も「そんなこともあったね」と笑い飛ばして酒の肴にできるようになったらうれしい。
俺もVtuberを始めたりして
ちょっと演技ができて愛嬌があるとドチャクソに持ち上げられて仕事もバンバン来る。
昔もらえてたような仕事が来なくなり、イメージ転換を迫られ存在感がなくなる。
若手期:16~29歳
若さを武器にアイドル、モデル、俳優、芸人が入り乱れ熾烈な配役争いが繰り広げられる。
中堅期:30~39歳
若さが後退し始め、ギャラは上がり、イメージ転換を迫られ存在感が薄くなる。
ベテラン期:40~59歳
中年の味が出てくるので、父親役や上司役など配役の幅が広がる。
再び主演に返り咲いたり、名バイプレイヤーになったりと道が広がる。
重鎮期:60~
俳優歴40年みたいな奴ばっかりになる。
特に子役前期後期と若手期中堅期でうまくイメージ転換を図れないと
そのまま消えていく傾向が強い。
ゴーカイジャーとかにも出演していた俳優が特殊詐欺の受け子で捕まったというニュースを見た
活躍していたたのになぜ……という声が多いが自分は31歳という年齢を見て「ああ」と納得してしまった。
大前提としてまだ捕まったというニュースだけで詳細はわからないが、日本の芸能に関わっている人間の一般論として言うね。
普段対外的な文章をあまり書かないので、読みにくかったらごめんね。
いくら10代、20代に活躍しても、いや活躍したほうがこの深い谷に陥りやすい。
ここまでは問題ない。
いても一人がせいぜい。
俳優が30歳に突入すると、若者の役ができなくなるので一気にできる役が少なくなる。
この少ない役をたくさんの俳優で奪い合うことになるので、どんな俳優でも落ちこぼれる可能性がある。
しかも、その競争に勝っても役が少ないのでそれだけで食えるというわけでもない。
30代は「おっさん役」ができない。
「おっさん役」ができるようになる40代、50代までほんとに仕事がなくなる。
30代のバイプレイヤーっていないでしょ?
キャリアの空白期間を作らないように、この期間に多くの俳優が舞台に打ち込むんだけど、ご存知の通り舞台では食えない。
おっさん役ができるようになるまで爪を研ぐわけだけど、沼のようにハマってしまって戻ってこれない人間も多い。
バイトしようにも下手に顔を知られているとできない。
はっきり言ってほぼ詰んでいる。
海外ドラマを見ればわかるけど、本当に多種多様の年齢の人間が出てくる。
この谷で落ち込む俳優はいっぱいいるし、急に変なビジネス始める人もいるでしょ?
藤原竜也や山田孝之みたいに新境地を切り開いて突破する俳優もいるけど、全員が全員できるわけじゃない。
竹野内豊って若者期が終わったら40代のおっさんになるまでパッとしなかったでしょ?
あれほど売れた人でも30代に入るとそうなっちゃうの。
「ベジタブルカレーにどう接したらいいのかわかりません」
なんて悩みがあるが、そんなこと微塵も考えない客もいる。
2種類ならどちらか、3種類ならどれかに愛情が傾き、濃淡重軽があるのが当たり前。
で、薄いカレーには何のリカバリもなくほっとくんだけど、大体薄いカレーってバイプレイヤーだから愛や手間かけなくても食べてくれるんだよな。客が自覚してるかは知らん。多分してない。
そして店員も放置されてるのは分かってるんだけど、それが当たり前なんだろうね、そこについて屈託がない。お客さんはビーフやポークが好きだから、と平気で言う。
何でこんなん知ってるかって、我が家が息子(小5)の友達の、世間から見てカレー好き5〜6人が良く遊びにくるから。
理由は、うちがインドカレー屋で、ナンやカレーが整っているから。
おやつと夕食用のお金を渡されてる子、帰ればご飯のある子とかさまざま。でも共通点は、児童ならメシ時だろって午後7時になっても誰の親からの連絡が私に来たことはないし、毎日のように遊びに来ることに何か言われたこともない。我が家にいることすら知らないのかもしれない。
私は彼らが遊ぶのを傍目にスパイス調合したりルーを煮込んでるだけなんだが、お前それ親に言え?みたいな日々の嬉しかったことや共有できそうな話題をたまに投げかけてくる。こちらも興味があれば聞く。
おかげで息子のクラスで一番嫌われてるカレーとカレーで好きな具材を知ってしまったよ。
何人分でも作る手間は同じだがなあ、とは思いつつも、料理人としての道義の問題で自分が我が子のメシを作るときには退散させる。
この前は友人である息子にではなく、私と話すのに食い下がる子がいた。
彼らを可哀想だと思うのは傲慢だから、彼らが彼らであって欲しいから、今も私の前で1人がカレーを食べている。
本場(インド)視点、ビーフやポークが嫌な人とか、ヒンドゥー教に反しているやら、ここが非行の場になるぞいうんだろうが、小5の今は居場所として機能してるんならそれでいいわ、と思ってる。
「連れ子にどう接したらいいのかわかりません」
なんて悩みがあるが、そんなこと微塵も考えない親もいる。
2人ならどちらか、3人なら誰かに愛情が傾き、濃淡重軽があるのが当たり前。
で、薄い子には何のリカバリもなくほっとくんだけど、大体薄い子ってバイプレイヤーだから愛や手間かけなくても生きていけるんだよな。親が自覚してるかは知らん。多分してない。
そして放置子本人も放置されてるのは分かってるんだけど、それが当たり前なんだろうね、そこについて屈託がない。お母さんは兄ちゃんや妹が好きだから、と平気で言う。
何でこんなん知ってるかって、我が家が息子(小5)の友達の、世間から見て放置子5〜6人が良く遊びにくるから。
理由は、うちが友人の間で一番広くて、ゲームやIT環境が整っているから。
おやつと夕食用のお金を渡されてる子、帰ればご飯のある子とかさまざま。でも共通点は、児童ならメシ時だろって午後7時になっても誰の親からの連絡が私に来たことはないし、毎日のように遊びに来ることに何か言われたこともない。我が家にいることすら知らないのかもしれない。
私は彼らが遊ぶのを傍目にスマホいじったり書類仕事をしてるだけなんだが、お前それ親に言え?みたいな日々の嬉しかったことや共有できそうな話題をたまに投げかけてくる。こちらも興味があれば聞く。
おかげで息子のクラスで一番嫌われてる男子と男子に好かれてる女子を知ってしまったよ。
何人分でも作る手間は同じだがなあ、とは思いつつも、保護者としての道義の問題で自分が我が子のメシを作るときには退散させる。
この前は友人である息子にではなく、私と話すのに食い下がる子がいた。
彼らを可哀想だと思うのは傲慢だから、彼らが彼らであって欲しいから、今も私の前で1人がゲームをしている。
大人(親)視点、こういう環境が嫌な人とか、子が将来ネガティブな方向いくやら、ここが非行の場になるぞいうんだろうが、小5の今は居場所として機能してるんならそれでいいわ、と思ってる。
叩かれるの覚悟で書いたので、皆様の好意的なコメント、それどころか私への敬意まであり、失礼ながら驚くと共に、理解へありがとうと申し上げます。
そもそもが我が家の現状を、増田っぽい発想をしそうな(酷く失礼)リア友に話したらば
と言われ、え、こいつら放置子なんだ…とショックを受けたのが、これを書く動機だったのです。
何故今の状態になってるかと言えば
4.私が放課後や土日に見守りができるくらい暇
5.私が子どもの時、学校も家も息苦しくて、安心できる場所が欲しかった
これのどれか1つでも欠けたら今になってないと思います。
子らの親に文句はたまに言いたくはなるけど、直接や学校に言いつけるほど身なりや性格が荒れてないからビッミョーだなあと私がチキンでまごまごしてるだけです。
父親が単身赴任で家におらず、母と姉妹3人。男自分1人。自分ならむしろ放置されたい(苦笑)
親がアル中で、いい感じになるとカラオケソフトで「残酷な天使のテーゼ」を歌い出すとか、普通にうるさいと思う。
放置子というより、家から避難したい子たちかもしれません。これはこれでまた別の問題をはらみますが。
私が胸痛いわぁ、と思うのは。我が家から帰ってからみんなで外食にに行くとか、家業の手伝いをさせてもらったとかを話す時、皆いつも明るいけど、殊更嬉しそうな表情と輝いた目で話すことです。
うぁっちゃー、と思いつつ、自分はこの子の親じゃないから何もできない。
2.5のイケメン俳優等にハマってる人達が楽しそうで憧れてたんだけど、自分もやっと面白いと思える舞台作品に出合い、いわゆるイケメン俳優で「推そう」と思う人ができた。それが2年前のことだった。
それからはその俳優が出る作品を中心に、2.5やそうでない舞台を観に度々劇場へ足を運んだ。
推しはキラキラした外見とスタイルの良さが売りで、どんな舞台に出ても「彼はこのイケメンだらけのお話の世界観の中でも格別なイケメンのキャラなのである」と思わせる華があった。しかしそれ以上にアクションが上手で、いつかまた板の上で大暴れしてほしいなと思っていた。
そんな彼を追いかけているうちに直面したのは、彼の演技力の低さだった。最初は気にならなかったのだが、観劇の回数を重ねるうちに彼の演技はいわゆる「棒」であり、時には主演にもかかわらず共演の元アイドル女優にすら食われている状況だった。これまでは同じくらいのレベルのイケメン俳優とばかり共演していたので気にならなかったのだが、長年活躍しているバイプレイヤーたちとの共演では、彼の台詞回しは抑揚の無さが目立っていた。
私は元々映画が好きだったので、彼がいつか映画に出るまでは応援したいという目標があった。もし舞台を観に行かなくなっても、年間3000円ちょっとくらいのファンクラブ会費はしばらく払い続けてもいいかと思っていた。
今年の年明けにファンクラブから年賀メールが届いた。それは夢小説のように自分の名前が本文に何度か出てくるもので、最終的にメル画で見たような甘ったるい台詞を推しが喋っている体の文章で締められていた。
そのことをネタにしようと思ってスクショを取ったが、私に推しができて楽しそうにしているのを見守ってくれた友人各位にそんなものを見せたくないなと思った。
それから少し迷ったのだけれど、まだ更新期間までだいぶ時間のあるファンクラブを、昨日やっと退会した。
自分の中で「ガチ恋営業のように女性に夢を売る商売をやってのける俳優は、たぶんファンに対して誠実ではない」というイメージがあり、推しがその片鱗を見せたことが残念で仕方なかった。
これまで彼からはそういう匂いがしなかったので安心していたのだが(交流イベント等は定期的にあったが、自分は作品を通した彼が見たいためそれには一度も参加しなかったので雰囲気は不明)、正月のメルマガを見て「この人も事務所も、俳優としての限界を感じたからこういう方向に舵を切ったのでは」という疑いを持ってしまったのだ。
きっと彼はこれから俳優として成長するのは難しい。いつか有名監督の映画に出演してそのアクション能力を充分に発揮してくれることを願っていたが、その願いに投資しても望みは叶わないだろう。
彼は私があらかじめ覚悟していたようなスキャンダルも炎上もなかった。その辺は本当にきちんとしていて有難かった。それでも、生きている人間を応援し続ける事はとても難しいのだ。それがわかっただけで充分だった。
彼のお陰でいろんな俳優(男女含む)、演出家、脚本家や小劇団を知ることができた。俳優を軸に作品と出会うことは今までにない体験だったし、生で見る舞台の面白さも理解できた気がする。
また、残念ながら元推しから感じることはできなかったが、自分にとって「刺さる演技」が何なのか非常に明確に理解できるようになったような気がする。これは今後いろんな実写作品を見る上で役に立つ観点であろう。
何かに熱狂的にハマっている人は楽しそうだ。だが自分はその真似事しかできなかった。だって相手は生きてる人間なのだから。他人に自分の勝手な理想や希望を託し、期待することでエネルギーを得る生き方は、私には無理だった。「ガチ恋営業的な方向に行くのでは」と懸念している自分が気持ち悪かった。
彼の演技が成長してないとか勝手に難癖をつけてしまったけれど、俳優自身のほうが数百倍もっといろいろなことで悩み、苦労しているだろう。頑張っている「人間」そのものを批評することは、作品を批評することと全く違うように思え、私には心苦しかった。世間的にはアイドル俳優(偶像)であっても、私にとっては尊重すべき他人の一人だったから。
彼が仕事でどんなキャリアを積みたいのか、そんな事は私にはわからない。だからこそ自分の「俳優として頭角を現してほしい」という望みを託してしまうのは間違いだったのだと思う。
いろいろ書いたけれど、彼を追いかけていた2年間で得たものは、チケット代よりもはるかに多かったと思う。彼が知名度のある脚本家の作品や、ビッグタイトルに抜擢されるたびにテンションが上がった。追っかけ界隈の文化を色々学べた。現場で出くわす同担たちの会話を隣の席でこっそり聞くのも楽しかったし、ファンたちが心を込めて送ったであろうフラワースタンドの凝った意匠などにも都度感心したものだった。
ファンクラブを退会したことで非常に心が軽くなったことは確かだ。それでも、彼やスタッフたちには感謝の気持ちしかない。追っかけ活動はまさに生涯学習であり、適度に楽しめた私は幸せ者だったと思う。
グリザイアの果実をイッキ見した。もともと原作ゲームの評判が良く気になってはいたのだが、視聴の手軽さから入り口はアニメになった。
・下ネタが多め
血がブシャるぐらいなら余裕余裕(フラグ)
視聴後
序盤、主人公が割とクールな感じで、「お、やれやれ系か?暗殺者?なのにヒロインの告白聞き流したりする難聴か?」などと警戒したが最終的には馴染んだ。ヘンに表情豊かなツッコミ体質よりも良かった。
下ネタは確かに多かった。もしリビングで見ていたら人権を失っていただろう。けどそこ以外の性的な要素が削られてるから相対的にエグくなった面もありそう。
ヒロインの秘密は大きく予想を外した。スケールはさほど大きくないけどその分痛みがリアルな感じ?いやまあお家騒動が身近かといえばアレだけど予想してた殺し屋やら生体兵器とかに比べればね?
メインヒロイン予想は、結局は合ってるみたい。けどアニメ版的には天音ちゃんがだいぶ尺を割かれてたイメージ。
でも由美子回までの共通パートに由美子ちゃんの心情変化は描かれてたしそれ以降もバイプレイヤーとして活躍してるので不満はそこまで無い。攻略の順番がちょっと変わったみたいなものだろう。
あと続編あるなら天音ちゃんがラストじゃないと引っ張りにくそうな展開だった。
最初に個別回があったみちるちゃん。彼女のエピソードでシナリオに対するイメージがガラっと変わった。じつはあとに続く4エピソードともちょっと違ったが、突き抜ける方向性の標線にはなっていた。
次は幸ちゃん。「これが世に言う幼なじみルートかあ!」と関心しながら見ていた(多分ちがう)。主人公の過去も少し見えたのもよかった。どうやら彼は生まれながらの暗殺者ではなかったらしい。
蒔菜ちゃんは最初から気になっていたのもあって面白かった。束の間父娘として過ごした二人のなんだか探り探りの感じがよかった。蒔菜ちゃんにお兄ちゃんと呼ばれたい。
最後、天音ちゃん回。血がブシャるぐらいなら余裕とか思ってすみませんでした。回想シーンは結末がわかっていた上に、「十代女子の集団」と「遭難」というワードに個人的なトラウマがあるので申し訳ないが1.5倍速ぐらいで見た。ヘタなグロより精神的なダメージの方がキツイ。凍死とかできる状況ならまだしもなあ…なまじっか気候がいいばっかりに…。
というわけで、グリザイアの果実の感想を綴ってみた。メンタルが紙なのでイッキ見するのはちょっと厳しいが、それでも最後まで見てしまうぐらい面白かったし、ゲームの方できちんと展開などを確認したい部分も多い作品だと思った。
わりとテレ東ドラマはいつでも熱いのかもしれないけど、今期は(?)特に自分の中で熱い
テレビ捨てたけど、きのう何食べた?が気になりテレ東アプリをダウンロードした。
確かに何食べはおもしろくて和む!漫画を知らないから似てるのかはわからないけど、キャスティングも最高!
でも、何食べだけじゃないんだ!!!他にもあるんだよ!!!それを誰かに伝えたいけど友達いないからはてなに書くよ。
最高。なにが最高ってこれもキャスティングが最高。
主演の上川隆也さんが素敵なのはもちろんのこと、今回から奥様役に抜擢された吉行和子さんの可愛さ…もうこれがたまらなく良い!
毎回「西園寺…」と呼びかける場面があるんだけど、もう、愛らしい!いじらしい!
先週のチマタの噺(これもテレ東)という鶴瓶が司会の番組にゲスト出演してお話しされていたんだけど、吉行さん自身も素敵な執事とのやりとりを楽しんでいらっしゃるらしく、それを知ってから見るとまた楽しい。
執事は上川さんの他に浅利陽介さんと森永悠希さん。浅利さんは今のところ第1話のみ出演。それを引き継ぐような感じで森永さんが2話から新米執事として西園寺と行動してるんだけど、浅利さんも森永さんもなんとも愛らしいキャラクター。最高。
また、メイド役には池谷のぶえさん。おおらかでお茶目な頼れるメイドさん。そしてなんだか池谷さんって妙に色っぽくて見入ってしまう…最高。
正直言って、犯人は大体始まってすぐの段階でわかってしまう…。
ベテランバイプレイヤーが出てくると、おっ…と思ったりしてしまうけど、各話ごとのバイプレイヤーも豪華なので最高。
最高。元気が出ない人に見て欲しい。もしかするとセクハラに悩まされている方は見ない方がいいかもしれない。ただ、バカで明るいエロと言うと変だけど、そういうのが苦手でなければぜひ見てほしい。よくもまあこのご時世に…!と思った。個人的には否定ではなく肯定的に。
まず、最初に見ようと思ったきっかけは松尾 諭さんがメインキャストだったこと。私の勝手なイメージで松尾さんが脇役ではないのが珍しいと思ったから(珍しくなかったら申し訳ない)2話から見始めた。
そしたら竹中直人さんまで出てるわモルモットも出てるわ、各話のヒロインがこれまた絶妙な美女ばかりだわで…最高。
もう一人のメインキャスト和田正人さん。今まで吉木りささんの旦那さんってことしかよく知らなかったけど、妙にちょんまげと着物が似合う粋な俳優さんでアクションもかっこいい!目がクリクリで可愛らしい。最高。
松尾さんの弥次さんは新しい弥次さん像(?)というか、ちゃんと眼鏡もかけていて良い。毎度の如くコスプレしてるのもおかしくて良い。実家の金を使い果たすようなダメな男なのになぜか憎めないキャラクターで最高。
松尾さんと和田さんも、ちょいとオーバーすぎはしませんか!?という演技だけど、なんかとにかく憎めない愛らしいキャラクターの2人で最高。毎週2人のゲス顔を拝むのが楽しみになるので見てほしい。
ドラマの仕立て方が変わっていて、最初に案内人として噺家の瀧川 鯉斗さんの語りから始まるんだけど、これも最高。元暴走族で噺家で甘いマスクという話題に事欠かないような瀧川さんの少し緊張した様子の語りが良い!たまに演技もするけどそれもまた初々しい!憎い色男!最高。
竹中直人さんは竹中直人さんそのまんまで出ていたので驚いたけど、十返舎一九先生について調べてると、これでいいんだ!という気もしてくる。もう竹中さん最高。モルモットの大福とのツーショットも良い。そして大福への思いを語ったインタビュー記事があるので番組ホームページを見てほしい。安易に可愛いだのそんなこと竹中さんは言っていない…最高。
そんな竹中さん演じる一九先生からの原稿をまだかまだかと心待ちにしている版元の村田屋役、多賀 勝一さんも最高。可愛らしい。可愛らしいんだよ。もう。最高。
基本的に美人にウハウハ!ブスと年増にゃ ケッ!な弥次さんと喜多さん。だからブスな私には「ぐぬぬ…コンニャロウ…」と思うシーンもそりゃあるけど、全部ひっくるめて笑いに変えられるから楽しい。最高。
とにかく愛らしいキャラクターで飽和状態の今期のテレ東ドラマ!!!
なに食べだけじゃなくてこの2つもぜひ見ておくれよ〜
やじ×きたがテレ東アプリの中のランキングに入ってないと切ない…
はっきり言って個人的にこの2つのドラマはなに食べと比べたら少し安っぽいところがある…。なにがどう安っぽいのかわかんないけど、なんか話の流れが読めてしまうストーリーとか、そんなとこかな?
でもそれって悪いことばかりじゃなくて、妙な安心感がある。私は精神がおかしくなってからテレビを見るのが怖くなって捨ててしまったのだけど、その妙な安心感がこの2つ(なに食べも合わせれば3つ)のドラマにはあるから延々とリピートで見てしまう。
心がざわついてテレビを見るのはしんどい。でも音楽を聴いているだけだと寂しい。人の話し声が恋しい…そんなときにあってほしいドラマが今のテレ東にはある。
もうやじ×きたは中盤だけどさ…
誰もが顔を見れば「ああ!この人!」と思うが、それぞれが頭に浮かべる、大杉漣さんのキャラクターは異なっているだろう。
それほどまでに日本のバイプレイヤーとして存在感を放っていた人物である。
話は変わるが、今FGOというソシャゲで人気な、Fateというシリーズがある。
Fateとは、歴史上の偉人(織田信長やダヴィンチ、はたまた黒髭、シャーロックホームズ)たちを、「英霊」として、現代に召喚し、1つの聖杯を奪い合う、というものである。(詳しくはwikiとか見てほしい)
例に挙げた織田信長、これは史実上では男性である。しかし、fate上では女性としてキャラクター化されている。しかも、火を使ってバリバリに戦う。超人である。
このように、Fate上では、過去の偉人たちは特殊な能力を持ち、いわば召喚獣のように戦う存在に設定されているのである。
fateに限らずとも、バサラとか、三国志無双とかも同じように、明らかに現実離れ、史実離れした能力を手に入れている。
それは、Fateの中には最近のキャラクターは英霊として登場しておらず、それは著作権の関係であるためだ、というものだった。
これを見たとき思った。シャーロックホームズなどの物語の中の有名人は、あくまで物語の中の人物であるため、著作権が失効すればもう自由にして良いだろう。
しかし、歴史上の人物は、実際に存在していた人間なのである。(ほんとはいなかったとかはひとまず考えない)
言い方を非常にとってもめっちゃ悪くすれば、死者をキャラクター化して遊んでいるのだ。
大半の人はここで思うだろう。いや、もう死んでるし、何百年前の人だしよくね?と。
まあそれはそうなのだが、それでも死人をキャラクター化してることには変わりない。
ここで冒頭の話に戻る。
今、大杉漣さんを二次元のキャラクターにして、ゲームなどに登場させたらどうなるだろうか?それはもう非難轟々、その作品を作った人はツイッターで晒され、小学校から高校の卒アルを晒される。(妄想)
このように、亡くなったばかりの人をキャラクター化するのは誰しもがダメだ!というだろう。
では、美空ひばりさんはどうだろうか?亡くなってからだいぶ経っているし、キャラクター化しても誰も何も言わないだろうか?
いや、そんなことはない。必ず声をあげる人はいる。なぜなら、美空ひばりさんが生きている時代を過ごした人がまだ生きているからだ。
生きている時の美空ひばりさんを知っているが故に、キャラクター化された美空ひばりさんを見て、過去の華やかな彼女のイメージを壊された!と怒る人が必ず出てくると思う。
ただ、亡くなってから美空ひばりさんのファンになった人が全く怒らないと言えばそうではない。有名人がなくなるとテレビで特集を組まれることが多いため、そこで知り、ファンになった人は、美空ひばりさんが亡くなった時の世間を知っている。そのために、美空ひばりさんのキャラクター化について疑問を呈するだろう。
だが、もう少しだけ時代を遡り、土方歳三はどうだろうか?生存時を知っている人もおらず、また、亡くなった時の衝撃具合を知る人もいない。そのために、銀魂、ドリフターズ、FATEにおいてキャラクター化されても、誰も何も言わないのである、
このくらいのスパンをあければ、きっと非難の声も少なくなるだろう。
また、人は二度死ぬと言われる。一度目が、肉体の死。二度目が、人から忘れられた時。
しかし、英霊化や超人化など、二次元のキャラクター化したとしたら。
誰も生前のかの方は知らなくとも、人々から忘れ去られることはない。そのキャラクター化で二度目の生を受けるといっても過言ではないのではないか。
大杉漣さんも、100年後くらいにはクラス・バイプレイヤーとしてサーヴァントしてる、かも。
追記
なんにも調べずに書いたから、間違ったところとかこういうのあるよ!とかあったら教えてください。
ダス! イスト! デア! トロプフェン! デス! アルラウネ!
アイネ! クライネ! ナハト! フランケンシュタイン!
イッヒ! リーベ! ナツィオナル! ソシアリスティッシェあわわわわわ! この辺で。
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“幻想芸術集団 Les Miroirs(レ・ミロワール)” という豪快な源氏名を名乗っているが、つまりは都内の小劇団だ。
んーむ、どういうことなんだろ、また芝居を観に来てしまった。
これまでの人生で演劇なんて片手の指にあまるくらいしか行ったことないのに。
ひょんなことから、とある小劇団の芝居に行ったのが先月。
劇場でダバっと大量のフライヤー(チラシ)を渡されるので、眺めているうちに妙に気になって今回はこの劇団の演目『アルラウネの滴り -改訂版-』を観に行ってきた。
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観劇後の印象がなかなか良くて、それで妙に語りたくなったので記録の意味でレビューを残しておくことにする。
当方、舞台観劇はズブの素人なので、マニアから見たら噴飯モノの印象がバンバン飛び出すことと思われるが、そこはヌルく見逃してほしい。
あと、上演も終わっていることだし、ネタバレ上等で書くので、そこは4649!
それでは、行ってみよー!
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■全体として
先入観が無かったといえばウソになるわけで。
幻想芸術集団という大迎なプレフィックス。
おフランス語の劇団名でミロワール(鏡たち)というのは、つまりキャスト達のことだろう。
豪奢な近世ヨーロッパ風衣装。
中央には男装の麗人。
「これはきっと、『ベルばら』風にお嬢様たちがキラッキラにやりたいことだけをやりたおした豪華絢爛、欧州絵巻だろうな」と。
それで、「どれ、どれだけ背中とオシリが痒くなるか、いっちょ見てやろう」くらいの気持ちで足を運んだのだが。
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これが。
開始10分で背筋を伸ばして、
脳を総動員して、
つまりは本気でストーリーを追いかけることになった。
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近世ドイツを舞台にしたバリバリに骨太なサスペンス/スリラーになってる。
そりゃそうだよな。
単なるキラキラ少女漫画ワールドだけで、旗揚げから10年以上も劇団が存続できるワケないもんな。
幻想的な要素は “アルラウネ(マンドラゴラ)の美女を集めた娼館” というキー・ガジェット一点のみ。
あとは細部まできっちりと整合したダークなクライムストーリーで。
(このへん、『スリーピー・ホロウ』(ティム・バートン)に通じるものがあるな。
あれも超現実はデュラハン(首無し騎士)の一点だけで、あとはストレートな推理モノだった)
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そして、今さらながら。
自分がなんで演劇を面白いと感じるか、分かった。
右から左から、見ても見ても、どこまで見ても情報量が尽きることがない。
これはフレームで切り取られた映画にはない楽しみであって。
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この舞台にしても。
ブリンケン伯爵が実に俗物らしくロゼマリー嬢を相手に大笑しているときに、うしろでフローラが嫌悪感をまる出しにしていたり。
カスパルが客前で気取った口上を並べているときに、後ろでオリヴィアとペトラがクスクス笑っていたり。
ふとカスパルが来歴をほのめかすときに、バックでアルマがアラベスクをキメていたり。
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どこに視線を固定しても、漏れる情報がある。
これが脳にすごい負担がかかる。
決して不快ではない負担が。
これが自分的な芝居の楽しみだと、劇場を出るときに気がついた。
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作劇について、もうちょっと書くと。
衣装がキラッキラなのは舞台が娼家だからであって、ここを誤解していた。
実際の登場人物はというと、全員が第三身分。
それも、ドラマにしやすい貧民でもなければブルジョアでもなく、中間層の知識人というのがニクい。
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そしてデカダンス。
スパイス程度の頽廃なんてもんじゃない。超頽廃。超デカダンス。
なにせ純愛がまったく出てこない。
娼館。
仮面夫婦。
父を求めて得られなかった少年は長じて若いツバメ(愛人)となる。
例外はアルマとカスパルの気持ちが通じるところ、それにヘタレ青年が主人公に想いを寄せるところだが、どちらも一方通行に近い。
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さらに設定考証がすげぇ。
神聖ローマ帝国時代のバイエルンの片隅にある架空の歓楽街、というか売春窟を中心に時代と風俗をガチガチに作り込んである。
おそらく、俺の気が付かないところもガチガチだろう。
唯一、気になったのは
「あれ、ドイツ語圏ならネーデルランドじゃなくてニーダーランドじゃね?」
ってところくらいで、これも観客のアタマへの入りやすさを選択した結果だろう。
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うん。正直に言うと、作り込みすぎじゃね? っていうところもあった。
具体的に言うと、ダイアログが文語中心で、若干だけど苦しい。
当方、語彙力にはそこそこ自信があるオッサンだが、それでも、
「じい(侍医)」とか、
「せんていこう(選帝侯)」とか、
会話をトレースして理解するのにアタマを総動員する必要があった。
かと言ってなぁ。
そこを「侍医」→「お付きの医者」とか、「選帝侯」→「偉大なる領主さま」とか言いかえるとテイストがどんどんボヤけるしなぁ。
時代のフレーバーとして、いたしかたなしか。
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ほかにも上に書いた「若いツバメ」とか、娼館ではロウソクがタイムチャージに使われていたりとか。
ともかく文学的で含みのある表現を多用していて、ターゲット年齢が高いか、あるいはマニアックな層か、ともあれコレくらいのレベルが普通なのかな?
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あと、要求水準の高い批判をすると。
“階級社会の不条理に対する怒り” というのを冒頭に打ち出した割には、通底するというほど通底していない。
21世紀の今から見て付け足した感じ。
フレーム全体の仇役としてエーヴェルス先生を立てて、カール殿下の誅殺を5分のエピローグとしてサラっと流したので余計にそんな感じがする。
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もう1つ細かいことを言うと、カスパルとエーヴェルス先生がクライマックスに対峙するまでハチあわせしないのは、苦しくないか?
それを言うのはヤボというものか。
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ま、ともかく。
全体として、チケット代以上に大いに楽しみ、没入し、満足した。
見て損はなかった。
ほかの演目については保証しかねるけど、再演のときには是非とも足を運んでみてください。(繰り返すけど、俺は関係者じゃないよ)
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以下は、キャストと演出について
※普段は「役者は顔じゃない」というのがポリシーなんだけど、ここまでビジュアルにこだわった劇団と演目に対しては、しゃーない、キャストのビジュアルについても言及させてもらいます。あしからずぅ。
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■男優3人
劇団と演目を全体として俯瞰すれば。
耽美で退廃的なテイスト。
きらびやかな衣装と意匠。
おそらく女性中心の運営で女性中心の企画立案で女性中心のキャスティングをしている集団だと推察するけど。
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自分にウソはつけない。正直に言う。
観劇後の印象は男優三人組が大部分かっさらって行った。
全員が客演。
おそらく、3人が3人とも、キャスティング担当者が選びに選んで一本釣りで連れてきたのだろう、と、思う。
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エーヴェルス先生の狂気、
フランツの怯懦と勇気、
ブリンケン伯爵の俗物さ。
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多分それは、つまりこういうことだろう。
女性陣、主人公2トップをふくめ、大部分のキャラクターは何らかの葛藤や二面性を抱えていて、心理に微妙な綾があるのに対して、男性陣3人は完全にバイプレイヤーとしてストーリーの進行装置以上のキャラクターが割り振られていない。
あとはそれを渾身のパワーで演じれば良いだけで、結果としてものすごい強烈でシンプルな印象をこっちに叩きつけてくることになる。
これが観劇初心者の俺みたいな人種にはビンビン来るのよ。
ある意味、三者三様にヨゴレで良い役をもらってるとも言えるわけで。
こればっかりは、しょうがない。
こういう観客もいるということで、ひとつ。
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■高山タツヤ(エーヴェルス先生)
いやしかし、悪役ってオイシイよな。
自分的には今回の演目でこの人がNo.1。
最初はシャーロック・ホームズ的な近代合理精神の尖兵として事件に切り込んでいくのかと思いきや。
途中からどんどんマッドサイエンティストの素顔が出てきて、終盤すべての黒幕という正体が明らかになって、最後はムスカ大佐みたいに天誅がくだる。
宣伝スチルでは “生に倦み疲れた貴族” みたいな立ち位置かなーと思っていたら、もっとパワフルだった。
理性的で狂人、策謀家で紳士、もうテンコ盛り。
唯一の難としては、演技とキャラクター作りが設定より若干、若く感じた。
そのせいでカスパルとの対比が弱い。
しかし、それにしても、実験体のときにカスパル13歳、エーヴェルス24歳。
最後に対峙した時点でカスパル31歳、エーヴェルス42歳か。
これまた描写の難しい年齢差を持ってきたな、とは思う。
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■谷英樹(フランツ)
普段は剣戟主体のアクション俳優さんらしい。もったいない(と言ったら失礼か)。
ねぇねぇ、性格俳優やりましょーよ。
できますって絶対。実際できてたし。
高い鼻筋、シュッとした輪郭ともあいまって、ヨーロッパのダメダメ青年を完全に演じきっていた。
迷い、失敗し、バカにされ、それでもフローラへの思い一徹。
というか、この劇中、唯一の未熟者役で、これは配役としてよいポジション。
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■杉山洋介(ブリンケン伯爵)
たぶん、この人はただの色ボケ爺ぃじゃないよ。
宮廷の権謀術数、
複雑な典礼プロトコルの知悉、
家門の切り盛り。
そういったシンドイ大事や雑事を乗り越えて、やっとこさトレッフェン通りで馴染みの嬢を片手に思いっきりハジけているところに腹上死。
涙を禁じえません。
そういう想像が働くところが、杉山氏のキャラクター作りのなせる技かと。
いや、たんなる家門だよりのアーパー伯爵っていう設定かもしれないけどさ。
ともかく、そんな感じがした。
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ストーリーも半ばを過ぎたところで、ハタと気がついた。
「カスパル、フローラが客から評価をもぎとってくるフォワードだとしたら、オリヴィア、ペトラ役のこの2人が失点を防ぐディフェンダーなのね」
アルラウネだけじゃない、葬儀の席のゴシップ婦人、伯爵家の侍女と、早着替えをしながら、縦横無尽に八面六臂。
よほどの高能力者じゃないと、こうはいかない。
逆に言えば。
ストーリーのスケールに比してジャスト10人という少数精鋭のセッションで。
もしもこの2人が「私たちモブよ、モブよ、モブなのよ~」と手を抜いたり段取りが悪かったりしたら?
それこそ目も当てられないほど悲惨なことになるのは想像できる。
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この芝居を観た人がいたら聞きたいのだが。
ストーリー展開のつなぎが悪かったところがあったか?
会話のリズムと展開がギクシャクしたところがあったか?
状況の説明が足りないと感じたところがあったか?
少なくとも、俺にとっては無かった。
これ全部、彼女たちの仕事であって。
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こうも言える。
「観客を40人と仮定して、80個の目玉とその批評眼の猛攻を、2時間近くの上演中、ゼロ失点でしのぎきった」と。
しかも、それだけじゃない。
「それじゃ、ここはカスパルを見ていよう」と視線を切ったままにしておくと、いつの間にか “弱気なオリヴィア” と “地味に辛辣なペトラ” がシャドーストライカーとしてヌッっと認知の前景に割り込んでくるから油断がならない。
専属キャストがスポットを浴びて歌い踊る後ろで、 “舞台成立請負人” として劇団を渡り歩くって、ックーッ! シビれるっすねぇ(想像のしすぎか)。
特にオリヴィア役の武川さんはホームチーム無しのフリーランサー。
次にどこで会えるかもわからないという、この西部劇カウボーイ感。
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■マリコ(伯爵夫人クロリス)
夫に先立たれ、あとは家門を守る化石となりつつある中、若いツバメとともにふと訪れた春。
でも心の底では彼が自分を利用しているだけと気がついていて、寂しさがつのる人生の晩秋。
っていうメロドラマ的挿入話を、たった1人でゴリゴリ成立させてしまった。
オフショットを見たら、周囲に負けず劣らずの美人さんなのに、哀切よろめき婦人にサクッと変身するあたり、地味にスゴいよ、この人。
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■中村ナツ子(ロゼマリー)
加東大介(『用心棒』)といい、中村梅雀(『八代将軍吉宗』)といい、馬鹿キャラってオイシイよな。
と、思いつつ、可愛い子チャンで馬鹿キャラってのは失敗例が山ほどあるワケで。
美人馬鹿キャラ、厳密に言うと “短慮と衝動、それに浅知恵で状況を悪化させるキャラ” っていうのは、全世界のホラー/パニック映画ファンが怒りまくってることからも分かるとおり劇薬であって、書くのも演るのも本当に難しくて大変で。
(フィクションで最近の成功例だと、『デスノート』の弥海砂とか。自分の中では『ウォーターシップダウンのうさぎたち』のネルシルタとか)
その中でも彼女ロゼマリーの配役と演技は大成功と言っていい。
シナリオ、人物造形、演技の巧みさ、3つが合体して、ストーリーを停滞どころかグイグイ展開させる存在として実に効いている。
アルラウネたちが、それぞれどこか華美な中にもダークさを感じさせる装いの中、ひとり明るい髪色でキャるるンッとしたバービー人形のような出で立ちも良い。
彼女を舞台で見るのは実はこれが初めてではなくて、かなりの美形なことは知っていたけど、作りようによっては、なんというか、 “こういう美人” にもなるのか、と今さら驚く。
(彼女の第一印象については、
https://anond.hatelabo.jp/20170925212923
の中村ナツ子の項を参照のこと)
というあたりで。
最後に。
あー、業務連絡、業務連絡。中村さん、編集者やってみる気はありませんか? 原稿ライティングができてAdobe製品が使える最強のマルチ編集者になれますよ。その気になったら、いつでも当方に声をかけてください。
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■麻生ウラ(アルマ)
うー、うーうーうー。モゴモゴ、わかった、言う。
えー、強烈な声優声なのは、演出上の要請か、それともそれ以外の発声メソッドを持っていないのか。前者だと信じたい。
さて。
最古参のアルラウネ、そしてカスパルの右腕として気持ちを交わし、動き、嘆き、そして踊る。
ちょうどキャプテン・ハーロックにおけるミーメみたいな立ち位置。
キレイどころ揃いのキャストの中でもアタマ1つ抜けているビジュアルとダンスを買われての登板か。
(「ビジュアル充実で演技とダンスが良いなら文句ねーだろ」という方は、この項の2行目を参照のこと)
休眠状態の彼女のポーズを見て、開場のときに舞台においてあったオブジェの意味がやっとわかった。
それにしても。
とんでもなく整ったマスク。
スレンダーで柔軟な身体は恐ろしく妖艶に動く。
世を忍ぶ仮の姿はバンドヴォーカル兼ヨガ・インストラクターとのこと。
ドュフフフフ、オジサンに勤務先教えてくれないかなぁ。
(この6行、後でカット)
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■乃々雅ゆう(フローラ)
アイライナー(と、おそらくカラコン)を差し引いても深い情熱的な眼、意志の強そうな頬からおとがいのライン。
なんというか、豪華欧州絵巻を演るために生まれてきたような。
実際、ブルボン王朝の末席にいて、ベラスケスが肖像を描いてそうだ。
その意味では、この劇団の申し子みたいな雰囲気。
立ち上げからのメンバーかと思った。
そのくらいピッタリの所属先を見つけたと言えるんじゃなかろうか。
宣材写真を見たときはもっと毒のある雰囲気で、「ふむ、このヒトが超々々毒婦をやったら面白そうだ」と思って劇場に行ったんだけど。
なんというか、キャラクターもご本人も想像より瑞々しい感じの人だった。
“運命と戦うヒロイン” という、もう本人の雰囲気そのままの役回りを手堅く好演。
娼館の女主人のときはもっと毒々しくても良かった気がする。
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■朝霞ルイ(カスパル)
どんなに声のトーンを落としても客席まで声が届いていたのは彼女だけだった。
ベテランの風格。
打ち棄てられた実験体児がどこでどうやって成長すれば、こんな艶やかでピカレスクなトリックスターに育つのか、そこを見てみたかった気もするが、そこを書いたらタダでさえ2時間ちかくある上演時間がさらに伸びるので、いたしかたなし。
この俳優さん、眉頭にいい感じに険が出ていて、男装の麗人からリアル美丈夫への過渡期にある感じがする。
男役としては、これからが一番いい時期なんじゃなかろうか。
カスパルがどんな人物かというと。
ん。
待てよ……整理すると!
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1)娼館の影のNo.1として女主人をウラからあやつり、朗々と艶やかな口上を述べるトリックスターで、
2)火災その他のカタストロフから巧みにサバイバルし、言葉巧みに未亡人の情夫におさまる冷徹ピカレスクで、
3)非人道的な実験の結果として対アルラウネ耐性を有する厨二病キャラで、
4)それでいて不幸な幼少期から、どこかはりつめた脆さを感じさせ、
(それは例えて言うならば、ラインハルト・V・ローエングラム的な)
5)そして、こころ疲れた時には情を交わす女アルマが影に寄り添い。
.
なんてこったい! 男装女子の演りたいこと、全部入りじゃねーか!
どうなってるんだ朝霞さん! アナタの配役が一番オイシイよ!
観劇前はフローラとカスパルが互いのカウンターパートをつとめるセッティングかと思ったら、終わってみれば伯爵から先生からアルラウネ達からフローラから、もうもう全員が彼との関係性を軸に話が展開するという、まさにザ・主人公・オブ・ザ・主人公!
しかし考えてみれば、そのぶん舞台上でも舞台裏でも負荷は並大抵では無かったはずで、本当にご苦労さまでした。
良かったっす。
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■a-m.Lully
あの役がオイシイ、この役がオイシイ、と書いていて気が付いたが、
全者全様にオイシイ役ばかり。
調べたら当然のごとく、当て書き脚本だった。
この辺が座付き作家、というか作家が率いる劇団の最っ高のアドバンテージだよなぁ。
と、同時に。
「このストーリー、映像化してもイケるんじゃね?
というか、ヨーロッパあたりに売り込んでもいいんじゃね?」
と思ったのだが。
脚本、キャスト、演出のケミストリー(化学反応)による名演と脚本単体のポテンシャルの見分けがつくほど、俺は観劇に強いわけではないので、この印象は保留しておく。
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■大道具・セット
背景と大道具がすごい。なんてったって “何もない” んだから。
物理的に必要な長椅子が脇においてあるだけ。
これ、大英断だと思う。
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メインの舞台となるのは近世ヨーロッパの娼館で。
自分がイメージできるのは『ジェヴォーダンの獣』(クリストフ・ガンズ)くらいだけど、あれを雰囲気だけでも匂わせるには1千万円あっても足りない。
その後の場面展開を考えたら、そこはバッサリ切り落として、そのかわり衣装と装飾品にガッツリとリソース(金と時間と手間)をかける。
少なくとも自分はそう思った。
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で、板の上には何もない代わりに、ステージ背面全体を三分割して並んだ3つのセル(部屋)。
ライティング次第で中のキャストを浮かび上がらせて、複数のストーリーラインを同時に進行できる空間なんだけど、これが実に効いてる。
回想、視点の移動、娼館の部屋それぞれ。もう大活躍。
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白眉はエーヴェルス先生が娼館に潜入するシーン。
ライティングを目まぐるしく切り替えて、それこそ『ミッション・インポッシブル』か『オーシャンズ11』かっていう高速カットバックを実現している。
(いや実際、照明さんは胃に穴が空いたんじゃなかろうか?)
実を言うとアタマのスミでは「それをやりたいなら映画でやったら?」と思わないでも無かったけど、映像作品と舞台の良いとこ取りをした意図は買うし、実際、効果的だった。
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と、同時に。
こうも思った。
「ああ、そういうことか。エイゼンシュテイン以降の変革は舞台にも及んで、自分はいま変革後の作品を見てるのね」と。
MTV以降、ライブコンサートに巨大モニターが導入されて各種フレーミングが可能になったように、舞台も律儀に単一フレーム(場の一致)なんて守ってる場合じゃないよね。
.
■最後に、気がついたこと、気になったことをまとめて
・会場の音響が悪すぎ!
卓かアンプが、どこかでバチバチに歪んでる。
せっかく古典派の交響曲でストイックなまでにかためた選曲が台無し。
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・キャパ、狭すぎ!
ねえねえ、次はもっと大きい小屋でやりましょーよ。
大丈夫。大丈夫だって。
連日満員でエクストラシート用意するくらいなんだから。
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・ハッキリとした開演ベルが欲しかったところ。
カスパルがおもむろに登場してアルラウネのオブジェを撤去して暗転ってのは、演出としてどうかと思った
.
・プログラムの誤植。
コーヒー愛飲の習慣のところ、 “嫌遠” は “嫌厭” の間違い。
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・余談だけど、今回の上演『改訂版』の前の上演回をみんな『祈念』と呼んでいる。
理由を調べようと思ったけど、まーいーか。
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・キャスティングの軽重に関係なく、みんな多かれ少なかれセリフが飛んだり、噛んだりしていた。
最終日の最終回、疲労のピーク。
ステージハイっていったって、限度があるわね。
その中でもディフェンダー2人(武川、小川)は、自分が見る限り
挙動とセリフに一切のミスがなかったことを記録しておく。
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……んー、こんな感じか。
.
ともかく、まとめとして言うならば。
幻想芸術集団レ・ミロワールの『アルラウネの滴り -改訂版-』良かったっす。
個体としてのおじさんは別に興味ないけれど、群体としてのおじさんにたまらなく惹かれてしまう。おじさんコンプレックスではなく、おじさんCOMPLEXコンプレックスをひそやかに抱えている。
『水曜どうでしょう』、『相棒』の5課、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』クルー、『シンゴジラ』の閣僚(余貴美子は広義のおじさんだと思う)、・・・、挙げればきりがないが、「わぁ~、やってる。たのしそう、よくわかんないけど楽しそう」という感情が湧き上がってWhat a lovely day!ってなってる。
一方で、「ん?こういうの好きなんやろ?どや?」みたいな姿勢が透けて見えるものは嫌いなのかもしれない。テレ東の『バイプレイヤーズ』は狙いすぎてて無理だった。あと、はてな村はおじさんコミュニティだと思うけど全然興味ない。きもい。
私a.k.aおじコン的には、上司部下や仕事相手など個人的紐帯によらないドライな関係性の中に、ゆらゆらと見える友情や信頼に対して萌えているのだと思う。立派な社会人であるおじさんへの尊敬と、ホモソーシャルへの憧憬。同好の士がいたらおすすめのおじさんコンテンツを教えてください。
2016秋→http://anond.hatelabo.jp/20161026012850
・銀と金
★★☆☆☆
借金取り立て系
主演俳優の棒具合がやや気になる
・大貧乏
★★☆☆☆
軽めに見れるけどそんなに面白くない
会社の裏金がどうのって内容だけどタッチが軽すぎて合ってないな
★★★★★
今後に期待
・楽園
★★☆☆☆
と思いきや人の記憶が読める超能力とかいう設定が出てきて突然チープに
・嘘の戦争
★★☆☆☆
過去に似たような話が多いので展開予想が容易
☆☆☆☆☆
1話途中で視聴断念
悲劇のヒロインをやるなら主役に超美人を持ってこないと格好がつかない
★★☆☆☆
そのことを仰々しく取り上げすぎてて違和感
★★★★★
息子が就活生で、父親は大企業務めだったがあらぬ疑いからクビになり就活を始める
このまま行くと娘と妻も就活するのかなと思う
★★☆☆☆
・バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~
★★★☆☆
企画内容が面白い、パロディや実際のドラマの名前出されると笑ってしまう
本筋はまだそんなに面白くないが今後に期待
☆☆☆☆☆
途中で視聴断念
周囲の人間は父親を何だと思っているのか、妻の態度に非情に腹が立つ世界観
★★★★★
スピーチライターという職業自体が物珍しく、ストーリーも面白い
今後に期待
もこみち演技上手くなってた
特別枠
★★★★★
他にも見たら追記するかも
今日は私は行きつけの天丼屋で夕食を済ませることにした。戸を開けるとしゅうしゅうという揚げ物の音と食器同士が触れる音が高らかに響いている。油の中に野菜やエビが入る時に立つ、細かい泡が浮かんでは消えていく鋭い音が食欲をそそる。もちろん匂いもだ。私はこの店の大将と知り合いなのでカウンター席に座り、揚げている大将に挨拶する。
「こんばんは」
「おっ久しぶりやね」
「いやいや」
「そう言えば外、かなり曇っとるよ。雨になるかもしれんね。曇り空……いわゆる天丼、だったかな」
「こりゃ失敬」
といった会話をしていると店の奥で大声が響いているのが聴こえた。二人の人物が立っている。一人はスーツをスマートに着こなした妙齢の女性。その身なりからすると俗に言う「キャリア」だろう。一方ではすっかり禿げ上がった、ポマードの匂いがしそうなよれよれのスーツに包まれて顔が真っ赤になったオヤジがいる。この二人の間でトラブルが起きたようだ。
「なんでおまえの天丼のエビは大きいんじゃ!? ワシを舐めとんのかこらぁ!!」
「やだ、ちょっと人の丼にきっちゃない箸つけんといてよ!! あんたセコいこと言わんといて!!」
「大将!! この店は客をえこひいきすんのか!? 美人にはごっつい海老天、ワシみたいな客には甘海老みたいな天ぷら乗せるんか!?」
「うわっ、酒くさっ!! おっちゃん酔うてるやろ!?」
その言葉どおりオヤジは酔っ払っているようで目が据わっている。全く天丼屋に酔っ払って入るなんて、内臓を潰すとしか思えない愚かしい行為だ。だが、今はそんなことはどうでもいい。私は二人の所に行って丼を見て、そして言った。
「どっちも同じ大きさやと思いますけど」
「ほら」キャリアが言う。「この人も言うてるやん。同じ大きさやって。甘海老って大袈裟な」
「お前、別嬪さんの肩持つんか!?」オヤジが私の胸倉を掴む。「どいつもこいつも舐めくさって!! 表に出んかい!!」
店の中で騒ぎを起こすと、テーブルや食器を破壊してしまうかもしれない。店の評判にも傷がつくだろう。私は意を決し、「ほな表に出よやないか」と言ってオヤジの腕を払った。険悪なムードが漂う。と、その時。外から陽気な歌が聞こえてきた。
てーんてーんどーんどーんてんどんどーん
「この歌は……まさか!!」
私たちはびっくりする。大将もびっくりする。扉を開けて入ってきたのは、予想通り「アンパンマン」で活躍する重要なバイプレイヤー、天丼マンだった!! 頭の丼からは湯気が立っている。揚げたての食材の匂いが周囲に広がる。
「話は全部聞かせてもらったよ」と天丼マンが言った。
「申し訳ありません、無様なところを……」
「ちょっと味見させてもらおうか」
そう言って天丼マンはオヤジの丼から海老天を取り、口に含んだ。あまりの素早さにオヤジも唖然としている。キャリアも唖然としている。私も唖然としている。店内の人間が全員唖然としている。
「うむ、腕を上げたね」
「恐れ入りやす。住み込みで修業させて頂いた時から今に至るまで、師匠の叱咤と励ましの言葉を胸に頑張っておりやす」
「君は多分関西で五指に入る天丼師になったね。精進を怠っていない。僕とはもう紙一重の腕前かな」
「そんな、勿体無い言葉を……」
「さて」と天丼マンは私たちに向かって言う。「確かにこの海老はその女の子の海老よりも小さいかもしれない。でも、どの天ぷらもその店の主人の心と、火傷したり手に傷を負ったりして長年修業して培ってきた賜物なんだ。それを忘れるのは良くないね。おじさん、海老天一本貰ったお礼にぼくの海老天をあげるよ」
「これで今回は手打ちにしないかい?」
キャリアが言う。「私も、大人気ないこと言うて、ごめんなさい」
「天ぷら好きの人間に、悪い人間なんていないよ。では、二人の仲直りも終わったようだし、ぼくはこれで失敬するよ」そして私の方を向いて言う。「君も間に入って止めてくれようとした勇気は大したものじゃないか。最近の若者には珍しいね」
「本物の天丼マンさんにお会い出来てこちらこそ光栄です。アンパンマンさんによろしくお伝え下さい」
「いやいや、またどっかの天丼屋で会おう」
天丼マンはそう言って扉を開けて外に出ようとして、足を止めて言った。「ありゃ、雨が降ってきてるね」
「さっきまでは曇り空だったのにね」と天丼マンは言った。「何て言うんたっけ。曇り空のこと……天丼?」
「まさに……天丼!!」