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はてなキーワード: ハクビシンとは

2024-03-31

生き物ってカワイイ方向に進化してるよな


最近思ったことがある。多くの生き物って、人間にとって見た目がいいように進化している気がする。

哺乳類とかだったら、人間にとって気持ち悪いやつはあまりいないだろう。爬虫類とか両生類とか、特に昆虫類だったら気持ち悪いやつがけっこういる。

今回思うところがあったから、4つほどエピソードを語らせてほしい。

1.アナグマ

 去年の秋頃だったか、近所の裏山に登って、入会地の傍にある栗林で農作業をしていたのだが、そこにひょこっとアナグマが現れたのだ。アナグマというのは……約10年前にやってた「のんのんびより」のEDだったかな。「あれってハクビシンとか、タヌキとか、アライグマとか、イタチですよ」とか、そういう歌詞があったのだが、だいたいそんな生き物だ。

 アナグマイタチ科の動物で、体長1m未満のずんぐりしたイタチみたいなやつだ。顔はハクビシンに似ている。※ようつべ検索するとすぐに出てくる。

 で、そのアナグマだが、栗林で農作業をしていた私の方に寄ってきたのだ。まだ若そうな個体だった。当方だが、農業林業はこれでも10年以上やっている。これまで、数多くのイタチキツネアライグマその他の小動物が箱わなに引っかかり、漁師地元住民殺処分されるところを見てきた。

 正直、あまりいい印象はなかったが、半径数メートル以内まで寄ってきたところで、「けっこうかわいいな」という印象が支配するようになっていた。このあたりにはアナグマが少ないのもある。あと、私が育ててるのは栗だから、こいつらには盗まれんだろうという感覚もあった。

 そういえば、小学校高学年だった姪っ子が、同じようなシチュエーション農地の中)で、狸っぽい生き物にポテトチップスコンビニホットスナック(ファミチキ)をあげていたのを思いだした。あれは遠目からだったが、やはりずんぐりした見た目だった。

 結局、栗林に来たアナグマは、その辺りをちょっと掘り返しただけで山の中に帰っていった。もう二度と出会うことはないだろう。例えばもし、私が育てているのがイチゴだったとしたら、確実にその場でクワなんかを握りしめて、ヤツを叩き殺そうとしていただろう。

 実際、うちの畑でサルを見かけた時は、全力で追い払うようにしているし、タヌキやアライグマだったら石を放り投げてぶつけた後、スコップで殴り殺したこともある。蛇とかだったら、毎年20匹以上は駆除してる。長靴で踏んづけて、もう片方の足裏で頭を叩き潰すのだ。ジャンボタニシだったら、毎年夏になると百匹以上は生き埋めにしてる。イノシシは……あれはプロの量子さんの領域である農家は手を出さない。

 私はこれでも専業農家である。大切に育てた農作物を捕る生き物は憎くてしょうがない(人間まで含めて)。蛇足になるが、農業従事者は漁師率がけっこう高い。昔の農家は、田植え稲刈りの時期を除いては、鶏を育てたり、山に入って鳥獣を捕っていた。今でも、狩猟免許がある人もない人も、山でイノシシとか鹿とかを捕って食料にしている例はある。

 私の祖父もそんなだった。私がまだ小学生の頃に、鶏小屋キツネかタヌキかアライグマかはわからないが、そういうのに襲われてしまった。非金属ネット小屋だったから、鶏が何匹かやられてしまっていた。祖父は悔しそうな顔をしていた。

 或る夜に、実家で夕食を食べていると、鶏が騒いでいる声が聞こえた。祖父と親父はすぐに実家を飛び出して、鶏小屋に行くと、キツネのようなものが鶏小屋ネットを破ろうとしていた。なぜか、祖父よりも自分と父の方が早く鶏小屋に着いていたっけ。

 後ろでカチャッ、という音が聞こえた。祖父が目の前に出てきたと思ったら、パアンッ!! という音が聞こえた。※祖父散弾銃を撃ってた。

 キツネのようなものは、その場で転がって痙攣しながら逃げようとしていた。親父が、祖父に鍬を手渡していた。それで、祖父が走り出して、ほうほうの体で逃げるキツネに追いついて……後は、何度何度も鍬が振り下ろされた。ぐちゃ、べちゃという音が聞こえて、狐は何度か鳴き声をあげると……多分絶命したのだろう。※近づいてわかったが、縞々のしっぽだった。アライグマである

 祖父は「このバカタレが、バカタレがぁ、アアッ!!」って叫んでたっけ。愛鶏(?)を殺されたのがショックだったのだろう。とにかく狐に凄まじい恨みを持ってた。あの時の自分は、「すげー。銃かっこいい!! 撃たせて」って祖父にねだってたよ。それくらい衝撃的な体験だった。私にとってのエポックメイキングだった。

「なに、お前も撃ちたい? 大人になったら警察行って免許がとれるど!」

「じいちゃんは、警察に行って銃の免許もっとるん?」

「わしはもっとらん。ひいじいちゃんもっとった。でも、わしは撃てるけえええんよ」

「俺も撃ちたい」

「○○くんが撃ったらいけん。捕まるよ」

「じいちゃんは捕まらのん

「捕まらんよ。ハタチの頃からずっと漁をやっとる」

 平成初期の話である。当時はおおらかな時代だったのだ……。今だったら普通に逮捕される。絶対マネしないように。

 さしもの私も、祖父の遺品である銃剣類は所持しているが、自らの敷地内であっても使おうとは思わない。なにしろ狩猟免許もってないからな。ほかの地元民と同じく、鳥獣駆除行為はひっそりとやりたい。

 話があっちの方にいってしまったが、私は基本的に、うちの農地に入ってくる鳥獣類は殺そうとする。苦労して育てた農作物を食われるのは絶対に嫌であるしかし、たまに殺さない例もある。それが上の例でのアナグマだった。

 その状況で見逃したのは、なんとなくという理由が強い。農場内でメシを食ったばかりで、ゆっくりたかったのもある。しかし、珍しくこっちに寄ってくるアナグマが「かわいい」という感情もあったのだと思う。うちの地域では、アナグマが珍しかったのもあるかもしれない。しかし、不思議体験だった。

2.コガネムシ

 今度は市街地での話だ。

 まだ若いころ、農業者じゃなくてサラリーマンだった時代に、とある国道沿いの飲み屋街にいた。最初の一軒目を探していたのだ。ふわふわ路地をさまよいながら、国道に出たところで、そいつ出会った。

 歩道の上に、もぞもぞと動く物体があった。よく覗いてみると、コガネムシだった。背中の色が特殊で、なんとベージュだった。限りなく白に近い真珠色といってもいい。レア甲虫である。いとおかし!! いとおかし!!

 その真珠コガネムシは、あまり元気がなかった。しか車道に向かってもぞもぞと進んでいた。このままでは自動車に轢かれて死ぬだろう。ぐしゃ、という音がするのだろうな。昆虫類が車に轢かれると、意外と大きい音がする。

 私は、そいつの目の前に人差し指を延ばした。するとそいつは、六本の足でガシッと私の指を掴んで、勢いよく私の手を昇り始めた。

 土の中から出てきたばかりのカブトムシとまではいかないが、元気な様子で私の手指を昇っていた。そのまま徒歩で飲み屋街に移動して、レストラン沿いの並木を見つけた。おそらく欅だったろうか。樹の表面にコガネムシをくっつけると、また元気そうにどんどん昇って行った。

 どうしてあの時、コガネムシを助けてやったのだろう。そういえば、小学生の頃は甲虫が好きだったような気がする。懐かしい気持ちになった。

 今でも、夏場で路上に転がってるセミとか見つけると、拾って助けてやる。すぐ近くにあるクヌギコナラにくっつけてやる。

3.トカゲ

 これは私じゃなくて、息子の話だ。当時は小5だったかな。夏休みだった。

 ある日、家の庭の中にある小道(※田舎から家が大きい)で、息子が「トカゲ見つけた」と報告してきた。「捕まえたの?」と聞くと、「捕まえてない」と言う。

 現場に行ってみると、小道の上でトカゲが2匹、それぞれ離れたところに倒れていた。お腹を上に向けて。瀕死だった。おそらくだが、野猫にやられたのだろう。お腹に爪で引っかかれた跡があった。

 息子がそいつらを触ったところ、1匹だけはまだ息があった。残り1匹について、「よい旅を」と私がその場に埋めてやっていると、息子が生き残った方に落ち葉や土を被せてやっていた。どうやら、回復を待つつもりらしい。「これ、おうち」と言っていた。

 好きにさせるべきだと思った。息子に対して、「日光に当てないように木陰を作る」「できるだけ触らないように」「1日に1回は霧吹きで水をかけてやるように」「餌はやらなくていい」など最低限の指示をした。

 私はトカゲが1日以内に死ぬと思っていた。木の棒で突いても、片方の足が全く動いてなかったし、どう見ても虫の息だったからだ。早い話、移動能力を失っている。

 その日から、息子は毎日トカゲのところに足を運んでいたっけ。水やりは欠かさなかったし、日光を浴びて体がのけぞっていたりすると、木陰の位置を調整してやったりする。

 3日が経って、私が現場を見に行くと、どうやらまだ生きていた。土くれと落ち葉を払いのけると、少しだけ体が動いた。体にはまだヌメリが残っていた。片足だけを動かして、体をのけ反らせて私から逃れようとしていた。「シャー」みたいな感じで、口を開けてこちらを威嚇している。少し気の毒になって、植物用の霧吹きをしてやったのと、一応、ミルワームを顔の近くに寄せてやったが、無反応だった。やはり餌は不用のようだ。

 次の日だったか、息子が飛んできて、「トカゲが動かない」という。現場に行ってみると、そこには……「おうち」から出てきたところで静止しているトカゲの姿があった。口には小さいミミズのようなものが入っていた。目は閉じていた。

「餌をあげてしまったの?」

「うん。お腹すいてると思って」

「そうか。たぶん、びっくりして死んでしまったんだね」

「うん」

「……どう思った?」

「わかんない」

人間常識トカゲ常識は違ったのかもしれないね

「うん」

 そんなやり取りをしたかな。

 そのトカゲは、結局何時間たっても動かなかった。生命活動を停止したのだ……。推測だが、ミミズが喉に詰まって息ができなくなったのかもしれない。放っておいても、数日中には死んだだろうが。

 息子にとっては、トカゲがかわいかったのだろうと思う。私は、あまりそうは思わないが。大人になると、高速で動くトカゲちょっと苦手だ。だがまあ、カナヘビはまだかわいいと思える。トカゲと似ているが、比較するとあまり動かないのもある。

4.セミ

 先日、県道を車で運転していたところ、路側帯を走っていた自転車が急に停まった。その彼女アスファルトにゆっくりと降りて、自転車を端に寄せると、足先でなにかを小突いていた。

 ちょうど信号待ちになったので、その様子を眺めていると、どうやらそれはひっくり返ったセミのようだった。彼女が小突く度に、「ジジッ」という音でセミは鳴いていた。死んではいないようだ。

 その子は、セミに向かって指先を伸ばした。セミは指を樹木だと思ったのか、ホールドした。その子の指に乗ったセミは、一緒に自転車でまっすぐの方向に進んでいった。

 次の信号で、彼女に追いついた。自転車を降りて、民家の入り口に生えている樹にセミをくっつけようとしていた。指で押してやると、セミは樹にくっついて、もぞもぞと枝を張っていた。彼女セミちょっと撫でたかと思うと、また自転車に乗って県道を走り抜けていった……。

 一応、セミかわいい部類には入るのだろうか。丸っこい見た目だから好きな人いるかもしれない。当方はどちらともいえないが、今度セミがひっくり返っていたら、死んでいるか小突いて確認してみようか……と思った。新しい世界が開けるかもしれない。



話は長くなったが、結びにしよう。

大昔から、それこそ多くの生き物がいたのだろうが、人間にとってかわいくない種の生き物がどんどん淘汰されていった。それで、今みたいに哺乳類鳥類可愛いのばかりが残った。

それは、全然定かではない。でも、かわいい生き物はというと、殺される場面でも殺されないことがあったのではないか。大昔から。よって、醜い種に比べて生き残れる可能性が高かったのではないか。と、先日『利己的な遺伝子』を読み終えたばかりの私は感じた。

あなたはどうだろうか。生き物は、やっぱりカワイイ方が生き残れると思うだろうか。しかるに人間場合は、かわいげがあって、みんなに好かれる個体ほど早死にする傾向があるように思えるのだが。

2024-03-29

猫がとても好きなんだけど

最近の猫保護にはほんの少し抵抗がある。僕は環境問題とか関心持ってるし野良猫の生態が野鳥等への影響ものすごく大きいことも懸念してはいる。してはいるんだけどさ。

とりあえず、「猫ちゃんが外にいるなんてかわいそう!車に轢かれたり病気になったりしたらどうするの!」ってトーンには全然乗れなくて。いや生き物ってそういうものでしょう。これがかわいそうならじゃあタヌキやハクビシンが轢かれるのはどうなのタヌキも保護するなら一貫性あるだろうけどさ。あるいはそれは車社会に対していうべきことであって野良猫や外飼いの人に言うことではないのではと。

「室内飼いの方が猫ちゃんにとって幸せに決まってる!」みたいのも、人間に置き換えるまでもなく、去勢して移動の自由を奪うことがその子達にとって幸せであることが自明ですか?というね。これちょっと判断基準が変われば普通に虐待認定されたっておかしくないと思う。

猫好きだし、道で轢かれてる猫(でもタヌキでもヘビでも)みると悲しくなるけど、そして、現代社会において生態系や糞害などの問題を鑑みて室内飼いが推奨され野良猫駆逐されてゆくというのは、まあ筋は理解するし積極的に反対はしない。それがまあ正しいのかな、とも思う。でも、これは人間エゴであって決して「かわいい猫ちゃんのため♡」ではないんだよね。ここは絶対勘違いしちゃいけないと思う。

僕にとって猫って「境界を跨ぐもの」なんだよね。完全にペットではない。野生動物でもない。自分ちにいるかと思うとよそんちにいる。かわいいかと思うと気持ち悪い声で鳴く。ネズミ捕りやなんかで役に立つとも言えるし、糞や野鳥捕獲迷惑でもある。そういうどっちつかずのものが、単なる愛玩動物しかなくなってしまうことがさみしい。曖昧ものを許さな時代の流れとして仕方ないんだろうけどね。

2024-03-18

anond:20240318142653

あいつら鬼畜だぞ。ぶっころがしたい

  • 手当たり次第に果樹を食い散らかす。
  • タマネギすら食うようになって手に負えない。
  • 食わないくせに娯楽のために田畑を荒らす。
  • 空き家の中に侵入する
  • 群でやってきて台風のように行動する
  • 山と人里の間を明確に区切る大型の柵、コンクリ基礎の支柱、地面以下は金属矢板打ち込み、高さ2.5m、上に有刺鉄線と電気柵を儲けた長大な柵があるが、一部やむを得ない開口部を知っていてそこで出入りする
  • 柵内に点在した荒れた山などに住み着き、そこで群ができている。
  • 畑ごとに囲っている防護策を群で連携して超えてくる。丈夫にしてあっても、月単位で繰り返し破壊活動をして最終的に壊してくる。

他にもイノシシハクビシン、鹿が出る土地だが、悪質性ではサルトップ

なのにサルが最も厳重に保護されてんだよ。許せねえ。

2024-03-13

anond:20240313105923

ここで問題

この中で、一人だけ嘘をついている畜生がいます

それはだれでしょうか?

正解は以下を反転。

ハ ク ビ シ ン。こいつは少なくとも江戸時代より前に来ていて、どうやってきたかわかってない。食用・毛皮目的とか言う説があるが実際使える様なもんじゃない単なる害獣なので、船などに潜り込んだとみられる。

2024-03-01

チンパンジードライバー共へ

anond:20240302172943

続編書きました。

よう、おれはチンパンジー

日々コンクリートジャングルチンパンして回る、お前たちより少し先輩のチンパンジーだ。

いかチンパンジーども。

お前らはまだブーブーを運転するには早すぎる。

早すぎるが、森を出てここに来たからにはお前らにも運転してもらうしかない。

車校または教習所では法律ルール)と車両の動かし方(ハウツー)は教えてくれるが、

上手に運転する方法ハウグッド)までをきちんと教えてくれるわけではない。

運転うまい」ということの定義

事故を起こさず・遭わず・丁寧に運転する。ということだ。

ムダに長いこの文章を読み切って実践し身につけた暁には、「運転うまいチンパンジー」の称号を得ることだろう。

そして普段運転をしないチンパンジーも、知識として知っておくことで事故に遭う確率を減らせるはずだ。

免許チンパンジージャングルに引きこもらずに表に出られるようになるだろう。

1.何かにぶつけないこと

これはもう単純な話だ。お前がハンドルを握ったら、ぶつけてはいけない。

他の車は当然だし、カーブの途中にある十年に一度突っ込まれる民家にも

邪魔電柱信号ガードレールオレンジ色のふにゃふにゃした棒にもぶつかってはならない。

2.他のチンパンジーにぶつけられないこと

最近ではジャングルでも痴漢問題になっている。

未だに裸で暮らすチンパンジーも多い。

痴漢と同じで裸だからといって、それ自体が責められるべきではないし、やる方が悪いのは誰だって分かる。

ただし、この世の中にはわざとぶつかってくるやつもいれば、ヘッドホンに目隠しをしてふらつくチンパンジーもいる。

そんなライアーゲームの中で、お前にできる最大限の対策を行え。

自分の身は自分で守る。

さて、この二つが全て、と言ってしまってもいい。

この二つに共通していることは何か。お前が死なないことだ。

死なないまでも、事故を起こしたり、遭う確率を減らすということだ。

華麗で高速でイカレチンポンジー運転をしたいのなら、ジャングルの奥地にあるサーキット披露してこい。

お前と、お前の大切な嫁と子チンパンほか同乗者を守るためにもこの二つを徹底しろ


では具体的にこの二つをどうやって対策するか、ということになる。

ここからはぶつける、ぶつけられない、それぞれに共通する項目もあるから、箇条書きにする。

法定速度を守る。

断っておくが俺は警察ではない、ただのチンパンジーだ。

警察発表の古いデータだが、平成24年に15km未満で取り締まられたのは速度超過違反全体222万件中の40件らしい。全体の約0.002%ということだ。

これを高いと見るか低いと見るかはお前次第だが、高速道路で5km、10km超過するなんてことは

ちょっとした下り坂に差し掛かればいくらでもあるわけで、そういったところでまで速度を厳守しろと言いたいわけじゃない。

そうではなく、特に住宅街や駅の周辺など自転車歩行者が多い場所、子チンパンが多い学校公園周辺なんかでは特に厳守しろと言っている。

いや、厳守どころか徐行さえしたっていい。周りに人がいないような時間帯でさえだ。

お前だって同じ森の仲間たち、例えばタヌキやハクビシンアライグマを轢いてしまって夢に見たくはないだろう。

シカクマイノシシそいつらは俺たちが森を追い出された原因だ。それらは轢いて鍋にしてしまえ。

アルコールドラッグ、常用薬に留意する

詳しくは語らないが、チンパンジー義務である。黙って従え。

そりゃあ、森の中じゃ皆飲みながらフラフラ運転してあちこち木々にぶつけてただろうさ。分かるよ。

けれどここはコンクリートジャングル。精密な運転要求されるし、

ニンゲンの取り締まりもとても厳しい。悪いことは言わない、飲んだら乗るな。

まれと書いてあったらとりあえず止まる。ゆっくりまれよ、ゆっくり

もしお前が高級ブーブに乗っているのなら気をつけろ。

そもそもチンパンジーは車に乗ると気が大きくなるという研究がある。

その上高級外車にでも乗ってみろ。さらに気の大きくなったお前は、信号さえ無視しだす。

そしてお前は横断歩道の前できちんと毎回止まっているのか?

チンパンジーは気まぐれだ。黒い板に夢中になっているかと思えば、突然顔を上げて走り寄ってきたりする。

どんなに急いでいても、全ての横断歩道前で止まるくらいの気持ちの余裕を持て。

焦っている時にクルマに乗るな

例えば親パンが倒れたと聞いたとする。

地方では車しか移動手段がないかもしれないが、焦って車に乗るのはオススメしない。

可能であれば公共交通機関を使え。車しかないのなら、友パン運転してもらうか

お前しかいないのなら、深呼吸10回してから乗り込んでいけ。

親の死に目に会えないかもしれない?普段からもっと会いに行け。

余裕を持て

お前は誰だ?森の王者チンパンジーじゃないのか。王者の風格を見せつけろ。

渋滞だ?ラジオをつけろ。

眠い?同乗者と会話しろ

漏らしそう?おしっこ我慢ゲームしろ

飽きた?大声でカラオケ大会を開催しろ

俺たちはチンパンジー、常に森の王者たれ。

車は短期間で乗り換えろ

俺はチンパンジーからリセールバリューとやらのお金のことは分からない。

ニンゲンたちがよく話しているのを聞くが、チンパンジーの俺たちには関係のない話だ。

だが、最近の車の安全装置の向上具合は目覚ましいものがあるようだ。

俺達チンパンジー能力はといえば、数万年来向上しているわけではない。

俺たちは森の覇者ではあるものの、その反射神経なんかに限界があるし、

最近寿命も伸びており、老チンパンジーが暴れまわっているようだ。

老いチンパンジーに最新鋭の衝突防止機能。豚に真珠猫に小判暖簾に腕押し、糠に釘。

お前の親もそろそろ高齢パンまたは後期高齢パンになってきていないか

実家クルマはどうだ?20年落ちで安全装置が何もついていなかったりしないか

たまには実家に帰ってクルマを見て、多少金があるのなら安全クルマを買ってやれ。

駐車が苦手なやつも、なんと今は自動駐車機能を搭載した車種もあるというぞ。

年齢や素質によって出来ないことは出来ないで仕方がない。

だが俺達はチンパンジー。知恵と工夫とニンゲン技術対処していけ。

車検が切れる3年か、5年か、そのあたりで一度下取り価格を見てみるといい。

最近納期が長期化しているようだからそのつもりで早めに動け。

トラックが空けているその車間は、決してお前のためではない

いか。俺たちチンパンジーには運転が許されていない車種に、トラックトレーラーという車がある。

デカい車だ。こいつらは、デカくて重くて取り回しにくいらしい。

当然俺も運転したことはないが、ニンゲンであっても訓練が必要になり習熟には長期間を要するらしい。

そしてこれらの大型車たちは、急には止まれないらしい。

お前らも交尾を他のチンパンジーに急に止められたら困るだろう。

彼らも同じだ。ちょっと隙間が空いているからといって無理に入らないように。

さらに、トラックの中には土や砂利を運ぶ車もある。

風の強い日などには、その積み荷からさな石がこぼれ落ちることだってあるだろう。

そういった飛来物による同胞たちの死亡事故は後を絶たない。

陰謀論者の中にはチンパンジーを狙った犯行と騒ぐ物もいるもの

真相は定かではないし、たまたま積み荷が落ちてしまうこともあるだろう。

なるべくならばそういった車の後ろは走りたくないものだ。

交差点に入るとき、お前はカミソリのように鋭く侵入していないか

右折するときだ。右折する時にはたいていの場合横断歩道を横切ることになる。

信号機付き横断歩道チンパンジーたちが乱舞闊歩する社交場として有名なのは諸君もご承知の通り。

デカいのや小さいの、たまにゴリラナマケモノ、あらゆる霊長類が数十秒に限って暴れまわる。

ルールマナーを守る行儀が良いのがほとんどだろうが、たまに斜めに横断してきたり

最近は電動キックボードなどというオモチャに乗るナマケモノもいたり、想像以上に騒がしいとされている。

そんな危険場所へ進入する際には、きちんと大回りで進入しろ

カミソリのように鋭く入ってしまった場合、右側から迫るチンパンジーへの注意が向かなくなる可能性がある。

それに対し大回りで横断歩道に対し90度で正対した場合、左右どちらも見えることなり見落としが減る。

さて、ここまでが重要なことで、後は些細なこと

ここまできちんと守れるのなら、一人でコンクリートジャングルに繰り出していっても良いだろう。

そうして運転する中で、この先は右折専用だから左に寄っておこうだの

ここは左車線の路駐が多いから右を走ろうだの

そういう小手先の瑣末事を学んでいってさらなるスマートチンパンジーを目指すのも良い。


そしてここから蛇足というか、もし守れるのならキャースマートね、と思われてチンパンジーにはモテモテになるための心構えになる。

お前の生命財産を守るという観点においてはそれほど効果のないことではあるが、知っておいて損はない。

あるいは、ニンゲンとお付き合いすることだって出来るかも知れない。

3.となりのチンパンジーが寝てしまうほどの丁寧さ

助手席、という名前のその席は、古来からその名の通り運転助手する者の席だった。

しかし、今やそれは形骸化し、運転するチンパンジーの口へバナナを運ぶだけのメスチンパンジー定位置になりつつある。

電動化やらセンサーやらのおかげらしいが、チンパンジーの長たる俺にもよく分からない。

やることの無くなった助手席チンパンジーにも運転手を寝かせない、という役割があるという者もいる。

ただ、そんなものガンガンユーロビートでもかけて飛び跳ねていれば問題ない話だ。

から、そこのお前、お前だ。ハンドルを握っているチンパンジー

お前はハイヤーのように運転をするんだ。

お前は一生乗ることもないだろう高級車の後部座席に、ニンゲンを乗せて運転するチンパンジーがいる。

ニンゲンは脆いからな。丁寧に運んでやらなくちゃならない。

からゆっくり加速し、ゆっくり減速し、ゆっくり曲がる。

それを、お前もやることだ。そうすればとなりのメスチンパンジーもあれ、わたし寝ちゃってた。運転上手いから…照

と言ってその後の交尾チャンスも増えるわけだ。

いか。そうなりたければハイヤーのように運転しろ

4.周りは全てチンパンジーだと思え。

この世にはきちんと運転ができるチンパンジーがどれほどいるか知っているか

適当だがだいたい10%~20%くらいだ。彼らは、仮にルール信号がなくたって運転することができるらしい。

けれど、それ以外。それ以外の90%近くは、お前たちの知っての通りチンパンジーなわけだ。

ほとんど出来ていないから、必要ある?って思う信号ガードレールや斜線や停止線があるわけだ。チンパンジーのために。

そして、それすら無視するチンパンジーもいるわけだ。

いか。そんな環境の中で、例えばとろとろ運転するクルマや急ブレーキするクルマ禁止エリアで駐車するクルマ

はたまた横断歩道のない道路を横断しようとする歩行パンジーもいるのは当然なわけだ。

当然なことなのに、それに憤るのは何事だ?

人前に立つ際に、オーディエンスを全てじゃがいもと思え、という緊張感を和らげるためのアドバイスがあるが、あれと似ている。

お前以外の周りのクルマ二足歩行する動物は全てチンパンジーと思え。

そうすれば、ムッキーッ!と怒ったりイライラしたりすることも少なくなるだろう。

そもそも俺もお前もチンパンジーチンパンジー同士、広い心で森の王者たれ。

ここまで書いた俺も俺だが、読んだお前もお前だ

これら意識して訓練し、無意識にできるようになってくれば

運転うまいと言っていい。

別にこれが出来たからといって何も誇れるわけでもなんでもないが、

お前の、コンクリートジャングルから生還率は上がる。


ちなみに勘違いした「おれ運転上手い」というチンパンジーについても紹介しておく。

例えば都会なら、どっち車線の方流れがいいだの何だのと言いながら

車線変更を繰り返すチンパンジーの多いこと。

関係ねえからな、1台抜かしたからって。

お前、お前一匹の15秒が一体何だって言うんだ?

たかチンパンジー1匹のクセに何を急ぐ?

そういうのはニンゲン様に任せておけ。

俺たちチンパンジーチンパンジーらしく適当に生きていくぞ。

最後に、歩くチンパンジーたちへ

森を離れ、車もなしにチンパンジー運転するコンクリートジャングルを歩くお前たち。

いか、お前と同じチンパンジー運転しているんだ。

いつ、どこでアクセルブレーキをふみ間違え、お前を跳ねるか知れない。

ニンゲン自動運転というものを開発しているそうだが、それだっていつ始まるか俺達にはわかったもんじゃない。

だが、これだけセンサーとやらが発達しても、毎年100万匹もの同胞たちが、同胞たちの運転するクルマによって殺されている。

いか、俺たちはチンパンジーなんだ。間違えることはある。眠いときもある。ケシの実を食べてハイになってるときだってある。

から、信用をするな。

最近の若パンジーの中には、変な板に夢中になったり、耳栓をしながら歩いたりするチンパンジーがいるが

あんものははっきり言って自殺行為だ。

いか、周りの車たちはいつお前を轢き殺そうかと狙っていると思え。

まるで悪魔に取り憑かれたかのように疑心暗鬼さで周りを見て歩け。

横断歩道を渡れ。信号を守れ。止まれは止まれスマホを見るな。イヤホンは周りが聞こえるやつか音量にしろメガネをかけろ。

右を見て、左をみて、さらに右を見て、左を見て、前を見て、左をみて、右を見て、後ろも見て、前を見てから進め。挙動不審すぎるだろうが。

ニホンザルには出来ないだろうが、お前たちは腐ってもチンパンジーの端くれじゃないのか。

王者たる所以を世に知らしめろ。広く世界にその名を轟かせろ、森の王者チンパンジー

最近では自転車に乗るチンパンジーたちはヘルメット義務になったのか、なっていないのか曖昧な感じになっている。

だが、特に若いチンパンジーなど元気の有り余っているやつらには付けさせておいたほうが懸命だろう。

チンパンジーのくせにここまで読んだお前は未来運転パン。略して運強だ。何だか縁起が良いな

ニンゲン共の話によれば、あと10年か、20年かすると自動運転するクルマが開発されるかもしれないらしい。

そうなれば、俺たちチンパンジーの役目は終わるかもしれない。

こんなコンクリートジャングルではなく、バナナの沢山生えた緑豊かな真のジャングルに帰ろう。

それまであと少しの辛抱だ、同胞よ。

安全に!

2024-02-22

政倫審だか油淋鶏だかハクビシンだか知らんが

出たい出たくないとかじゃなくて犯罪者はまず逮捕しろ

2024-01-15

イタチ被害に悩まされてる

古い家だから天井から壁の隙間まで毎晩毎晩走り回ってカリカリカリカリ気が狂う 全然仕事に集中できない

ほんまにキショい 絶滅しろ早く

あいつらなんで生きとんねん

お前のこと誰が好きなん

イタチのことが憎すぎてイタチフェレットペットとして飼ってる人間のことも嫌いになってきた

坊主憎けりゃってやつ

理解ができない

殺すために買うならわかるけど

同じようにネズミも嫌いだからハムスター飼ってる人間理解できない ネズミじゃん

気持ち悪い

ハクビシンも嫌い

駆除するとき、捕まえたら生きたまま殺して見せしめに生首を吊るしたい

この手で駆逐しないと気が済まない

動物愛護とか糞食らえですわ

2023-09-14

anond:20230914095736

はっきり定義された日本語を使おうなっ!

ムジナ(貉、狢)とは、主にアナグマのことを指す。

時代地方によってはタヌキやハクビシンを指したり、

これらの種をはっきり区別することなくまとめて指している

2023-08-08

中途の猫が来る事になった。

いい加減鼠の被害が酷いので、もう覚悟を決めて猫を雇う事にした。

から一緒に暮らしているが、この仕事を始めるにあたりここで暮らすようになったら、ハクビシンに食われて死んだ。だから躊躇っていたが、もう言っている場合では無い。

その後、いろいろとメンテナンスしているから、ハクビシンなども出なくなってきた。

森に入ったりしない限りは安全なはずだ、というのもある。

と言う事で保護猫の団体に話をしたところ、即座に紹介してくれる事になった。とにかく元気で、室外で歩き回る子を希望したところ、農家で室外で飼われていた猫だが、飼い主が病気になって飼えなくなった子がちょうど言うと言う。

即戦力だ。言わば中途のキャリア入社である

不安だ。今まで一緒に働いた猫は、みな子猫からだった。

どうオンボーディングを図るべきか。

2023-06-01

anond:20230601114029

職業世襲はたぶんダメだけど、

ややこしい田畑とか指定文化財とかは世襲じゃないとそもそも保存すらできないよ

子供の頃から「おまえはこのお堂を受け継いで守っていくんだよ」って洗脳してようやく成り立ってるわけだから

それをやらなかった千枚田みたいな田んぼを今鉄腕ダッシュという番組復興作業やってるけどどうみても人的資源を投入しすぎでもとがとれてない

一家族で維持できるギリギリ資源を維持するための世襲ってのがあるんだ

ないと日本が荒れ果てる

空き家程度は国が壊してくれるけれども

里山クマイタチハクビシンネズミイノシシだらけになって笹や竹、クズが地上をうめつくし

最終的にペストコロナあたりの病気人間も滅びるよ

2023-03-29

anond:20230329111408

田舎で「多少いい給料」貰えるなら羨ましいけどなー。

自分は人混み嫌いだから宅配便毎日来て、ピザデリバリー配達地域に入ってる程度の田舎なら、めっちゃ住みたい。

この前提だとwifiさんも、そこそこ仕事できる環境だろうし。

人混みの中を摺り抜けて、やたら背の高いオフィスビルエレベーターで高いところ怖いってガクブルする事と比べれば、救急車がちっとも救急時間で来なくても諦めが付く。

やたらデカ昆虫ネズミハクビシンとの戦いにも従事できる。人間の波に飲まれる恐怖に比べれば。

ちなんどくと、ウチの実家ピザデリバリー来なかったよ、最近まで。道一本挟んだ程度の隣の地区には来てたんで涙を飲んでた。

来てくれるようになったピザ屋も、いつ配達しなくなるか、閉店するかって動向を伺ってる。

うらやま。

2023-03-17

町内会掲示板になにか動物写真が貼ってあった。また迷い猫かと思って通り過ぎざまに覗くと、『ハクビシンにご注意!』と書いてある。写真の画質は荒く、暗闇に目を光らせたひょろ長い動物が写っている。住宅街でも屋根裏に住み着いて、糞害が発生するらしい。

ああ、こいつか、と思った。

去年から木造の平屋に住んでいる。昭和初期の建物だと不動産屋は言っていた。立地のわりに家賃が安かったので借りたが、毎日、夜になると寝室の天井裏で何かが走り回る気配がする。ベッドに入って電気を消すと、狙いすましたようにどたばたが始まる。

こんな音をたてるネズミって、どんな大きさだろう。「きっと子犬くらいの大きさに育ってるよ」と彼女が答える。ベッドに横たわったままこちらを見ず、眼の白い部分だけが潤んで光る。この種のやりとりは毎晩寝る前の儀式みたいになっていた。どちらかが黙ったらもう寝るという合図だ。

ハクビシン画像iPhoneで見せた夜。「かわいい。ねえこれ見たい」と彼女は言った。

板を外して天井裏を覗いたら、ハクビシンの糞だらけかもしれない。野生動物勝手に捕まえちゃいけないらしいから、見つけたところでどうしようもない。とは言ってみたが結局、週末にホームセンターへ脚立を買いに行くことになった。この興味と意欲はどこから来るのか。彼女はこれほど動物好きの人物であったか。一緒に暮らしてみたところで、知らないことの方が多い。

思えば、天井裏のどたばたが始まった頃から彼女は籠もるようになった。夕食後の片づけが終わると無言で寝室に行き、鍵をかける。自分ダイニングテーブル国語の小テストを採点していると、壁の向こうからベッドのきしる音が聞こえる。はじめのうちは思い出したように間を置いて聞こえるきしりが、次第に規則正しく、小刻みになる。聞いているだけでこちらも緊張感の高まりを感じるが、寝室は隣なので聞かないようにすることもできない。

「さ」と「ち」が逆になっている答案を赤ペンで直したりしているうちに、ベッドのきしりは神経質なほど小刻みに高まってから突然止む。ほどなくして彼女は裸足でやってくる。顔は風呂上がりのように上気して赤く、目はどろんとしている。冷蔵庫から牛乳を取り出してコップに注ぐと一息に飲む。まるで今日は一滴も水を飲んでいなかったように、喉を鳴らして飲む。飲み終わるとキッチンシンクにそのままコップを置いて、椅子へ逆向きに跨がり、背もたれに肘をついて、髪をくしゃくしゃにつかんだままじっとしている。こういうときには話しかけてもだいたい返事は返ってこない。

土曜の夕方ホームセンターへ行ってアルミ製の脚立を買った。二つのはしごを留める部分が赤く塗装してあり、なんとなくレトロな感じが気に入った。二人で車に脚立を積み終わると暗くなっていたので、どこかで何か食べてから帰ることにした。

国道沿いのドライブインに寄った。入口の上にメガラーメンと大きく書いてある。プラスチックの板を一文字ずつ切り抜いて貼ってあるらしいが、左端の一文字が剥がれ落ちて読めない。店内は他に客がいなかった。テーブル席に座ると店主らしい人が出てきてメニューを置いていった。「ラーメン」と一行だけ書いてあったので頼んだ。

出てきたラーメンは真っ黒で甘辛かった。スープの表面が灰色になるくらい彼女コショウの瓶を振った。そんなに入れて辛くないのか聞いたが、これおいしいと言いながら彼女は丼を飲み干した。

帰宅して寝室に脚立を設置すると、彼女は滑らかな動きで昇った。脚立を支えながら見上げると、彼女天井の板を外し、頭を入れて覗き込んでいる。何かいる?と聞くと、わかんない、もっとよく見ないと、と言いながら天井裏に入っていった。

「ああああああああああ、めっっちゃくちゃ生えてる、生えてるよ?」

何が、と聞いた瞬間、天井の穴から何かが大量に、雪崩をうって落ちてきた。完全に埋められてしまったので手でかき分けて頭を出し、ひとつ拾い上げてみると、それはピンポン球大の茶色キノコだった。つまむと弾力があった。見たことがない種類だったので、食べてみる気にはならなかった。寝室を埋め尽くしたキノコを少しずつポリ袋に入れ、燃えるゴミとして出す作業はそれなりに大変だった。

ということがあったのが去年の秋口なので、そろそろ半年になる。

寝室に置いたままの脚立をどこかへ片づけようかと思うこともなくはない。が、彼女が戻ってきたときに降りられなくなると困りそうなので、当面の間はそのままにしている。

2023-03-04

学生時代の授業でヤベェ扱いだったやつ

三十年くらい前の環境科学系の授業。

ざっくり。



1)再エネ。特に太陽光。あと風力。

日本環境的にムリ。よほど広い平地じゃないと採算取れないし地震とか積雪とかあるよね。

あとメンテ費用とか処分費用とか火災時のリスクとか勘案すると、ヤベェ。


2)プラごみリサイクル

大きく見るとエネルギー節約に成らないので高火力で燃やせ。

3)スーパービニール袋。

割り箸と同じで余剰から出来てるMOTTAINAI製品なので使い捨てで燃やせ(高火力で)。

4)エコバッグ

食品の運搬を想定するなら、一回ごとに洗濯しないと、きちゃない。

大きな意味環境汚染を低減しないので、そっちの観点であれば無駄

風呂敷的な意味では便利。




5)コンポスト

趣味でやるなら関知しないが分別が大変じゃね?

気をつけないとゴキブリとかネズミとか野良猫とかハクビシンとか来る。忌避剤使ったら本末転倒じゃね?

エネルギー的なアレなら、できるだけ水切った状態普通にゴミに出して高火力で燃やせ。



6)昆虫食特に雑食の昆虫

いやコオロギってゴキブリだし。

イナゴとか草食の虫は歴史的に食われていた、青虫はちょっと検証したい。


7)農地減らさないで、というか外資に売るなよ。

実用面では、だって農地って土が柔らかいから。あと他の農地も近いから衛生的にどうよ?その側溝排水じゃなくて田んぼに入れる水ですけど?

外国領地取られるに同じじゃね?

まあ、大規模農場とまで言わんが、ある程度の敷地がないと採算が取れないよ農家



8)獣医さんが居ない。

小型の愛玩動物が得意な獣医さんは続く。

大型の畜産系がしんどい。手厚くして。






この手の授業を受けていた身からして、1から4が推進され始めたときビックリしたし、解決策が見つかるほどに科学が発展したん?って思ってたけど

別に発展してなかった。

今頃になって問題視する声が抑えらなくなってきたっぽい?と世情に混乱している。

2022-12-14

【便乗】公園の真隣に住んでいるのでどういう感じなのか書いてみた

anond:20221213224233

最初公園と住んでる町の条件も書いておく

増田居住地公園の規模

地方の「限界集落」。地域住民独居老人5%、老人世帯10%、生産年齢世帯1%で、あとは猿、イノシシ、鹿、ハクビシン

公園の広さはサッカーコートが2面分。子供向けの遊具撤去されて存在しないが、すごくていねいに芝の手入れがされているので、とにかく芝が美しい。

また、さくらやツツジ芝桜が手入れされていて、ちょっとした観光地になっている。

住んでいてわかった騒音や事例

子供の遊ぶ声

しない。基本、子どもがいない。さみしい。

地域運動会

ない。10年以上前学校と一緒に消滅した。

動物の鳴き声

リアル

こいつらが最悪。これに比べれば猿以下人間なんてかわいいものあいつら物理的にうんこの投げ合いするからな。

キーキーうるせえ。大声で喧嘩するんじゃねえぞぶっ転すぞ!!!!!

ネットで囲ってあってもくぐるわ作物は荒らすわ最悪。鳥獣保護法?知ったことかボケ

殺意をこめてロケット花火爆竹に火をつける)

ピュー!ぱぱっぱっぱっぱぱぱっpん

ぱっぱぱぱぱあぱん

ギャーギャー鳴くなやかましい。

でも正直慣れた。ネットをくぐらないし、作物を荒らさないだけマシ。

鹿・イノシシ

まぁこいつらは騒音という点では静かだよな。

ただし作物と芝を食い荒らさなければヨォ!!!!!!

マタギしかけて肉にすんぞコラ

うるさいと言えばうるさい。しかし、吠えている時は追い払ってくれているものと思う。諸君等が頼りだマジで

④屯ってくるヤンキー

近隣のヤンキーマイルドなので問題なし。と言うかマイルドヤンキーのなにがあかんの?

最近キャンプしてる事が増えたが、なぜか騒ぐ系じゃなくてのんびり星を見る系のおとなしい人々。

⑤カーキャンプ

最近電源設備がほしいとか言い始めてるけど何がそんなに気に入ったの?

来年予算には乗ってるのでもうちょっとまってほしい。

気に入ってくれてるならうれしいです。

実行した対策

①と②は仕方がないと言っていては消滅するので、遊びに来てくれる人が次も期待と思ってもらえるように、みんなで考えてる。

③の動物は、くくり罠資格を取ったりして駆除に努めつつ、地域のジジババがエアガン爆竹ロケット花火武装して反撃している。

最悪なのは猿。最近慣れてきており、結局お犬様に頼るしか無いという結論になりつつある。しかし、放し飼いにできるわけもないので、犬が来れない範囲でじっと観察するクソ猿がいたりしてぶっ転したくなる。

なんで猿はぶっころがしちゃいけないんですか??????

④と⑤に関しては、来ている方々はあまり干渉を好まないらしいので、挨拶と、それから規格外果物を配るぐらいでそっとしておいたら、最近話ができるようになってきた。

最後

長野公園の件、俺も子供が多すぎてきすぎて困ったわーって言ってみたいなって思いました。

2021-11-02

anond:20211026000426

でも、多摩に戻ってきたのはハクビシンアライグマでしたっと。

一度破壊された生態系は元には戻らない。

2021-10-18

どんどん人が苦手になっていく

まり人と話さなくていい立場でいるせいで、たまに必要に迫られて人としゃべると大層疲れる。

今日は初対面の人や明らかに自分好意を抱いていない人と

表面上は取り繕った話をしなければならず、ひどく疲れた

自分は嫌味とか当てこすりとかした覚えはないのだが、

会話の10分後には民生委員に会話したことを報告に行くとは思わなかったぞ。

なんだ、話をするためにおめーの家からこぼれ落ちてハクビシンや狸の餌になってる柿の塊でも手土産に持っていけばよかったか

屋根の上にあるから取れないけどな!

2021-08-18

anond:20210818112720

お、おう。朝早いから出し忘れないようにしないとな。

うちは前日にゴミ出ししようとすると「ハクビシンに食い荒らされる!」っていって怒られるけど…

2021-07-12

ムクドリがいっぱい!

 最近農道のど真ん中のトンビポイント(なぜかよくトンビがトコトコ歩いているポイント)にトンビがいない。最近田んぼ周り、なんならスズメもいない。

 私の車が通ると、慌てて飛び立つのムクドリばかり。ムクドリがいっぱい。あっちもこっちもムクドリ。そして、最近めっきり見ないスズメシジュウカラ

 先日、ちょう久しぶりにオナガを見た。なぜか知らんけど、今、全国的オナガの生息域が山の方へ撤退していて、市街地にはオナガってあまりいないんだって。そう言われてみれば、私の子時代オナガ電線に停まってる姿は、日常風景だったなあ。ここいらでオナガを見ないのは、私の出身地とは違う県だからかなと思っていたけど違うみたいだ。

 6月末に麦刈りが終わってすぐ、田植えが行われた。この地方二毛作普通ないか、春の田んぼの空き日数がものっすごく短い。

 どちらかといえば河川の上流に近い地域(私の故郷に比べれば)なせいか、ここら辺は田植えの時期が遅い。元から遅いんだけど、温暖化や毎年9月頃の台風や水害対策もあるようで、田植え時期が年々遅くなってとうとう6月末にまで先延ばされるようになった。20年くらい前はGW前後だったと思ったけれども。

 そんな訳で、田植えの時期がズレたせいで、田んぼ周りの生き物のライフサイクルもだいぶ変わったんじゃないかなと思う。ヒバリ麦畑に巣を作るので、田植え時期のズレと共に麦刈り時期も遅れたことにより、昔よりもゆっくり繁殖できるのかなあ? 今年は五月半ばくらいまで、ヒバリがピヨピヨしていたはず。

 一方、田んぼに中々水が入らないせいで残念なことになっていそうなのはカエルツバメだ。タガメみたいな水生昆虫もかな。

 春、カエル冬眠から目覚める頃、田んぼにはまだ水がない。五月にカエルタマゴやお玉じゃくしは見られなくなった。

 GW前頃にツバメが渡ってくるが、田んぼに水がないと虫があまり捕れない。そのせいかツバメが多く飛来する時期も昔よりも遅くなってる感じがする。

 最近、すっかり梅雨なので、カエルツバメはめちゃめちゃ元気だ。しかし、ツバメが元の住み処に戻るまであと一ヶ月くらいしかない。ツバメライフサイクルを調べたことがないからわからないけど、確かオオヨシキリは春の繁殖期(3月7月くらい?)に時間の許す限り産卵と育児を繰り返す。ツバメもそうだとしたら、もしかすると1サイクルぶんくらい、繁殖回数が減っているかもしれない。もし巣が敵に襲われたりなどして雛が全滅した場合、巣を作り直しタマゴを産み直す暇がないのでは? 知らんけど。

 我が家にはツバメが巣を作ってくれないので残念。最近ツバメ、民家に巣を作っても壊されるだけだって学習していないか? それか、昼間の住宅街人間の気配がしないので、ここに巣を作っても天敵から守られることはないと思っていそう。うちだけじゃなく、軒下にツバメの巣があるお家が、近所には全然ない。

 そのかわり、幼稚園病院老人ホーム小学校の高い所の軒下にツバメが営巣しているのは見た。近所のスーパーには十年前はよくツバメが巣を作っていたけれど、店の人によって徹底的に壊されてしまうせいか、今ではすっかりツバメが寄り付かない。

 ゴーストタウンには住まない鳥といえば、スズメもそうなのだ人口スズメの数は比例する。私の住んでる地区空き家も多いし昼間誰もいない家が多い。見かけるスズメの数も年々減っている。人間の気配が少ないうえ、カラスハクビシンとヘビが多く住み着いているので、スズメが住むには向いていなさそう。

 数年前、大雨でうちの屋根にあったスズメの巣がベランダに落ちてきたことがあった。当時は私だけでなく、小さかった子供たちも家にいてにぎやかだったから、スズメ的にはうちの屋根の上は安らげる場所だったかもしれない。

 ところが、ハクビシンが近所に住み着いた。うちの屋根の上もハクビシン通り道になっていて、西の雨樋と東の雨樋の両方にハクビシン足跡がついてる。時々、ベランダハクビシンウンコが落ちている。

 ハクビシン通路に営巣は無理なのだろう。去年も今年も雨が降ってもスズメの巣は落ちて来ないし、あっちこっちムクドリだらけになった最近は、スズメの姿をあまり見かけなくなったし、ベランダの物干し竿にスズメウンコがついていることもなくなった。

 田植えが終わって数日しか経たないうちに、田んぼの水面がぶわーっと水草の芽みたいなものに覆われた。そしたら、沢山カモがきた。水深が浅いせいで、せっせとばた足に励んでいるお尻がよく見えて可愛い。けれども、親ガモが仔ガモの行列を連れているのは、いまだ見たことがない。

 毎年、田んぼに水が入るとアオサギが沢山飛来してくる。この地方あんまりシラサギは見かけないんだよなと思っていたが、この二、三年ばかりはけっこうシラサギも見かける。面白いもんで、アオサギシラサギって田んぼの同じ区画に一緒に居ることはあまり多くないようだ。農道を挟んであっちの田んぼにはアオサギ軍団、こっちの田んぼにはシラサギ軍団、と別れて固まりがち。

 今年はアオサギシラサギも飛来が遅いな、と思っていた先日、変わった鳥を見た。すごく脚が長くて、翼の前半分が白く後ろ半分が黒と、色がパッキリ別れているので、アオサギでもシラサギでもないと思う。ツル的な何か? でも、ここいら辺でそんなツルっぽいものを見るのは、初めてだと思う。

 ところで、今年は1羽もキジを見ていない。キジ! 居るんですよ。田舎とはいえそんなに大自然豊富な所じゃないのに。だけど、今年はまだ見ていない。

 以前、この町の中だけどもっと南の方に住んでいたとき、庭によくキジがくるお宅が当時の私の住み処のすぐそばにあった。そこんちの庭が私の家の窓からよく見えたので、キジがくると飛んでくまで眺めていたなあ。

 うちからキロ先に、かなりでかい河があり河原人間用にカスタマイズされていない部分にはかなりのワイルドネイチャーが広がっている。どのくらいワイルドかというと、数年前まではよく鹿や猪が出た。ここ数年はめっきり猪注意報が発令されないけど、たぶん朝っぱらから堤防付近人間がやたら走ったり自転車こいでたり犬の散歩しまくってるからじゃないかなあ?

 河原に行ったらハイタカが見れるかなあ。ハイタカ一度も見たことないから見てみたいよなぁ、と思うんだけど、河原に降りる階段の手前に大きな住宅街があって、そんな所を歩いていると知り合いに「あんた何してんのこんな所で!?」と言われまくりそうなので、近づけないでいる。

 河と鳥で思い出したけど、この町に移り住んでから一度もカワセミを見ていない。故郷にはカワセミがいて、大してきれいでもないむしろ汚いドブ川にかかる橋の欄干によく停まっていて、魚獲ってた。

2021-06-27

ハクビシンは食えますか?

調理する際の注意点や、肉の風味にクセとかありますか?

2021-06-05

ニューズウィークのお粗末に過ぎる陰謀論

「研究所流出説」を甦らせた素人ネット調査団、新型コロナの始祖ウイルスを「発見」!|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

武漢研究所は長年、危険なコロナウイルスの機能獲得実験を行っていた|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

ニューズウィークが新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)の武漢ウィルス研究所(WIV)起源説をぶち上げているがひどくお粗末だ。

なぜお粗末かと言うと、ほぼデバンク済みの『コロナウィルス人工説』である上にその中でも完全に粉砕されている『RaTG13起源説』を提唱しているかである

RaTG13は新型コロナウィルス(SARS-CoV-2)と最も近縁だが、これをいじってSARS-CoV-2を作ったという主張は既に反証済みなのだ

詳しく説明しよう。

RaTG13では遠すぎる

SARS-CoV-2とRaTG13のゲノムの相同性は約96%。しかしそれでは遠すぎる。

SARS-CoV-2の最も近い親類は、武漢ウイルス学研究所に保管されていたRaTG13という名前コウモリウイルスです。このウイルスSARS-CoV-2の起源であるという根拠のない憶測がいくつかあります

ただし、

(i) RaTG13はCOVID-19が最初に発生した武漢(湖北省)とは別の省(雲南省)からサンプリングされました。

(ii) SARS-CoV-2とRaTG13の間のゲノム配列の相違のレベルは、平均50年(少なくとも20年)の進化距離に相当します。

したがって、SARS-CoV-2はRaTG13から派生したものではありません。

―――エドワード・ホームズ,シドニー大学教授

実際、Boni et al. (2020)推定ではSARS-CoV-2とRaTG13が共通祖先から分岐したのは約39~71年前であった。さらに言えばSARS-CoV-2とRaTG13は祖先と子孫ではなく同じ祖先もつ兄弟である

研究室でRaTG13を培養して進化させてもSARS-CoV-2にはならないし、仮になり得るとしてもそれにはうん十年かかる。

WIVがRaTG13を見つける前、何なら研究所設立から培養してなきゃいけないねえ。

RaTG13からは作れない

距離が遠いなら科学の力で乗り越えよう!

Gain-of-Function research (GOF機能獲得研究)には培養だけでなくゲノム切り貼りしたキメラウィルスを作製する方法がある。これだ!

しかしこれも問屋が卸さない。

ゲノムを組み替えてキメラウィルスを作った場合、組み替えた部分だけ違っていて他のゲノム領域はほぼ同一になる。仮に組み換え後に培養を経ても変異分布痕跡が残る。

しかし、RaTG13とSARS-CoV-2の相違(変異)はゲノム全域にわたりほぼ均等に分布している(Zhou et al., 2020)。これはRaTG13のゲノムを組み替えてSARS-CoV-2を作ったとする主張の決定的な反証である

その他

これはRaTG13に限った話じゃないが、SARS-CoV-2は近縁のコロナウィルス(CoV)が持っていない特徴をいくつも持っている。

つのスパイクたんぱくのRBD配列2019年時点では他に類似配列を持つものがいなかったし、フューリン塩基切断部位とO-結合型グリカンも近縁のCoVでは見られなかった。

仮にSARS-CoV-2を研究室で作製するなら、これらの当時未知だった特徴をどうやって組み込んだのか説明できない。

意図的に組み込んだのではなく、培養中に進化して偶然できたと答えようにも、2020年に野生動物(センザンコウ)から発見されたCoVもつRBD配列SARS-CoV-2とほぼ同じだったという事実が立ちふさがる。

研究室選択圧のもと進化した配列が、自然環境下で進化してできたそれと偶然一致するのはまずあり得ない。

あり得たとしても、『自然環境にはSARS-CoV-2に類似した特徴を持つ未知のCoVが色々いる』可能性の方がはるかに高い。

以上から、RaTG13に限らず当時の地球においてSARS-CoV-2を人工的に生み出すためのバックボーンウィルス人類は持っておらず、このウィルス自然環境下で進化したものだと考えるのが妥当である(Andersen et al., 2020)、と言うわけだ。

結論として

『RaTG13起源説』は科学的に完膚なきまでに粉砕されている陰謀論である

証拠がない”ではなく“否定する証拠がある”レベルの仮説である。WIV起源説好意的研究者ですら肯定していない。

ニューズウィーク記事の前編のタイトルは『「研究所流出説」を甦らせた素人ネット調査団、新型コロナの始祖ウイルスを「発見」!』であるが、『RaTG13はSARS-CoV-2の始祖ウィルスではない』という科学事実の前には滑稽と言うしかない。

“「研究所流出説」を甦らせた”と言うのも嘘で、最近のWIVへの追及は『研究所経由説』とでも呼ぶべき新しい(本当は古いけど陰謀論に隠れて無視されてた)説による。

ニューズウィーク記事の前編も後編も、あれが怪しいこれが怪しいと疑惑てんこ盛りにしていたが、その怪しさを全部『RaTG13起源説』に紐づけしたせいで、台無し

過激陰謀論ピックアップされてしまえば、類似のしかし陰謀論とはとても言えない“あり得る仮説”でさえ、十把一絡げに陰謀論扱いされてしまうという危機感を持ってほしい。

『RaTG13起源説』みたいな糞陰謀論で『研究所経由説』をつぶそうとするのはやめてくれ。

研究所経由説』

Andersen et al. (2020)やLiu et al. (2020)Hakim (2021)など、SARS-CoV-2を研究室内で作り出すのは合理的に考えれば不可能であることがわかり、初期の雑い陰謀論(含『RaTG13起源説』)はだいたい駆逐された。

そのおかげで『ウィルス自然起源だが拡散にはWIVが関わっているかもしれない』という元々あった穏当な仮説が台頭してきた。

親愛なるブックマーカー諸氏のため詳しく説明いたしましょう。

研究所経由

SARS-CoV-2は野生動物起源もつが、WIVの研究員がそれを武漢に持って来たかもしれないと言う説です。厳密に言えば研究所起源の説ではありません。

最近の、WIVを追求する流れは主にこの説が念頭に置かれています

SARS-CoV-2の起源に関する現在の最有力な仮説は以下ですが、

宿主(起源):祖先ウィルス宿主。人との接触が少ない野生動物コウモリが有力。

中間宿主:人との接触が頻繁な動物ウィルス媒介するほか、感染中にウィルス進化する場合も。SARSの時はハクビシン(有力)、MERSの時はラクダ(確信)、COVID-19では……?

ヒト集団

中間宿主ポジションあるいは中間宿主とヒト集団の間のポジションに“研究員/研究所”を置いたのが研究所経由説です。

ウィルス探してフィールドワークコウモリひしめく洞窟で、SARS-CoV-2に感染して武漢に帰ってきました』と言うわけです。亜種として『サンプルをラボに持ち込んでから流出しちゃった』バージョンもありますが大意は変わりません。

この説の利点は『まったく無理がない』ことです。ウィルス学的なエビデンスと競合することもなければ未知のウィルスでっちあげる必要もない。

ウィルス感染しているかもしれない動物ウィルスを含んでいるかもしれないサンプルを採取する立場の人が、その途上でウィルス感染たかもしれないと言うのは非常に合理的な考えです。

もちろん、食卓に並ぶべく中国各地で採集された野生動物たちによって武漢の生鮮市場ウィルスが持ち込まれ可能性も当然あります

あるいはミンクなどの家畜の群れでウィルスがサーキュレートしていたかもしれません。

たまたま山歩きをしていた市民コウモリバッティング(激うまギャグ)して感染した可能性もあるでしょう。

重要なのは、これが“あり得る仮説”であり、検証可能であることです。

そう、検証可能なのです。中国側が研究所職員学生血液サンプルや、武漢血液銀行のサンプル(19年12月より古いやつ)を提供してくれれば、非常に多くのことがわかるはずです。

WIVの職員が皆陰性であれば、選択肢が一つ消え、他の仮説がより確からしくなります

陽性であれば、その陽性者の行動を追跡することでわかることが多々あります。野外採集には行かず生鮮市場を訪れていれば、感染源は市場かも知れません。野外採集に行っていれば、その行先に祖先ウィルスいるかもしれません。

あるいはWIVとは関係なく12月よりずっと前からCOVID-19が蔓延していたことが明るみに出るかもしれません。

しかし、中国データ資料の提出を拒否しています

WHOは19年12月よりずっと前に武漢COVID-19のような症状を出した人を見つけました。それも90人以上。

アメリカはWIVの職員3人が11月COVID-19のような症状で入院したのを明らかにしました。バイデン大統領継続調査を求めました。

しかし、中国データ資料の提出を拒否しています

今、中国やWIVに対しての批判とはつまり検証への非協力への非難であるともいえましょう。

何故データを出さないのか?出しさえすれば否定できる仮説に対して、何故データを出さずに否定しようとするのか?何を隠しているんだ?HEY!!

研究所経由説を選択から外しはしない』という各国の研究者やWHO声明は、ほっかむりは許さんぞという宣言なのです。

野生動物起源一本やり(WIVの関与は無視)にすると、どうしたって武漢血液データへの追及は弱まりますからね。

親愛なるブックマーカー諸氏におきましては、同じラベルでも中身は違いますので糞(『RaTG13起源説』等)も味噌も一緒くたにししまわないようお願いいたします。

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