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2021-09-25

いもむしが手強い。

 子供が育てている鉢植えのコスモスに、黄緑色いもむしが一匹くっついていた。色がきれいでぷりぷりで小さくて可愛いが、いもむしはいもむし。小さくても大食漢だ。小さなコスモスの一本くらい、余裕で食い尽くすので、取り除かなければならない。子供は「はやく取って!」と半べそでわめいていた。

 正直私もいもむしは苦手なので、ゴワゴワのゴム手袋を両手にはめ、いもむし感触を手に味わわないようにして望んだ。

 いもむしは私達に注目されるなか危険を感じたようで、小さな身体をピンと立ち上げて、いっちょまえに枝のふりをしていた。だが、コスモスの枝葉は細いので、いもむしはどうみても立ち上がったいもむしだった。

 子供時代小学校の生き物として、嫌々お世話を任されていたモンシロチョウの幼虫のことを思いだし、捕まえるのは楽勝だと思った。奴らは目の前に指を差し出せば、何の疑いもなさそうによじよじとよじ登ってきたものだ。

 ところが、目の前のいもむしは手強かった。指で背中に触れると、いもむしってこんなに素早く動けるの!? と思わず驚嘆するほどのスピードで、コスモスの葉を伝い逃げ回った。こちらとしてはうっかり潰してお手手が大惨事になることは避けたい。そんな弱い心を見透かしたかのように、いもむしゴム手に覆われた指先をすり抜け、枝から枝へと器用に移動する。そっちの枝に逃げたかと思えばあっちの枝に飛び移る。こいつの前世は猿だったのではないか? というくらい素早くてトリッキームーブ

 しかもなんというか、こっちが悪いことをしているというのをまざまざと見せつけてくれるような、哀れを誘うような仕草で逃げるので、潰しちゃいけない気が増し増しでごめんと謝りながら攻撃を加えることになる。

 激しい攻防戦に、私の方が先に疲れて、手を止めた。途端にいもむしはぴたりと動きをとめると、おもむろにコスモスの葉っぱの先を齧った。

「シャクッ」

 あかん捕獲せねば。再挑戦。いもむしは逃げ回る。私は疲れて止まる。いもむしも止まった。なんかもう直接攻撃は無理じゃね? と思い、子供に、枝一本犠牲にしてもいい? と確認したら、嫌だとゴネられた。そこから腐ったらどうしてくれる? と。でもこのままでは枝一本やられるどころか幹の根本まで食い尽くされますけど? と説得。なんとか枝一本を犠牲にすることの許可を得る。

 頭上で人間達がもめているのをよそに、いもむしはもう安全とばかりに葉っぱの先を食んでいた。私はいもむしの載った枝の根本に狙いを定め、引きちぎろうとしたが引きちぎれなかった。

 コスモス案外丈夫! 8月に蒔いた種からまれ育った株だったのでイケるかと思ったが無理だった。枝を引っ張ったら全体が引っこ抜けそうになった。そうこうしている間にいもむしは私の指を避けて別の枝に乗り換えた。私が取ろうとした枝はぼろぼろになって最終的に付け根から取れたが、枝と一緒に幹の表皮が長々と剥けた。

 こうなったら最終手段だ。黄色い汁とか飛び散って大変なことになるかもだけどいい? 子供はおごそかにうなずいた。いざ。

 デコピン攻撃! デコピン攻撃! デコピン攻撃

「あ゛ーっ!!!!!」

 弾け飛び撃墜されるはずだったいもむしは何故か私の手の甲にいた。ノーダメージ。そして元気にゴム手の上を這い上がり、ゴム手の縁から手袋の中を覗いている。そっちはダメよ!! 手を振り回してもいもむしは落下せず、私は庭の雑草をちぎってわめきぐるぐるまわりながらいもむしの前に草を差しだした。いもむしはスッと草に乗り移った。私は草を遠くに投げようとしたが、草は私のあしもとにポロリと落ちた。

2021-08-03

anond:20210803023101

小一時間考えたが、意味の通る解釈は一つしかない。

A は動物園に来た、子ども。B は母親母親子ども感想きっかけにして、遺伝概念を教えようとしている。

後半の

ぞうさん ぞうさん 誰が好きなの」は、こんな鼻の長い動物好きな人間がいるのか? って子どもの問いに、「母さんは好きだけどな」と皮肉を込めて返している。

でもこれが正しいとすると、前半と後半とで「母さん」の意味が変わるトリッキーな会話になってしまう…

2021-07-29

いつも通りいっちょ噛みする皆さんのための卓球用具解説

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/news.yahoo.co.jp/articles/7a2e64e31ea00735807668d279903d9206e0a486

いっそ全員同じラケット使えばいいのに。試合前に新しいの配る。それじゃやりづらいのはもちろんわかるけど、フェアではあるでしょ。何種類かの中から選べるのでもいいよ。マリカーみたいね

これ自体個人のひとり言のようなものですし強く咎める気はありませんが、これに大量のスターが付いていたことに何よりも愕然しました。

いくらなんでもエアプが過ぎるでしょと。もうね、アホかと、馬鹿かと。

お前らな、金メダル如きで普段観てない卓球にいっちょ噛みしてんじゃねーよ、ボケが。

金メダルだよ、金メダル

なんか涙とか色々出てるし。旧知のペア金メダルか。おめでてーな。

実況がよーし3-3で最終ゲームだぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。頭抱えて音だけ聞いてたわ。

卓球用具にどれだけ種類があるのかという話と、補助剤問題についての話をします。

ラケットの種類

シェイクハンド

握手シェイク)するように握るラケット

最も使用者が多い形状。アジア以外の選手はほぼ全員これと言っていい

両面にラバーを貼って使い分ける

汎用性が高く様々な戦い方ができる

ピンポン」のスマイルドラゴンはこれ

ペンホルダー:

ペンを持つように握るラケット

基本的ラバーを片面にしか貼らない(=同じ面でフォア・バック両方に対応する)ものだったが、今は両面に貼って戦うスタイルが主流

シェイクハンドに比べて手首を動かしやすいなどのメリットがある

中国式ペンホルダー

中国を中心に東アジア出身選手使用者が多い。

先日水谷伊藤ペアと決勝で戦った中国の許昕(Xu Xin男性の方)は現代最強の中ペン使い

ピンポン」のチャイナもこれ

日本式ペンホルダー

かつて日本選手たちはこのラケットを手に世界を席巻したが、現在絶滅危惧種

強力なフォアハンド武器にする戦い方にマッチする

ピンポン」のペコはこれ

これをベースにした「反転式」というラケットもある

ラケットの素材

単板:

木の一枚板。ヒノキとか

厚いほど反発力が増すが、コントロールが難しくなるし重くなる

主に日ペンラケット使用されており、絶滅危惧種

合板

木の合板。3枚とか5枚とか7枚とか

枚数の多い方が反発力が増すが、コントロールが難しくなるし重くなる

初心者は3~5枚合板で柔らかめのやつがおすすめ

特殊素材入り合板

合板カーボンやケブラーなどの素材を挟みこんだやつ

合板より軽く反発力も高いが、独特な打球感を好まない人もいる

中~上級者向け

ラバー

打球する部分 基本的ゴムとスポンジを重ねて作られている

ラケットの両面にラバーを貼る場合ルール上「どちらかが赤、もう片方が黒」でなければならない

(同じ色で性質の異なるラバーを各面に貼って相手を混乱させる選手が現れるため)

ソフト

最もポピュラーで、殆どの人が思い浮かべるタイプのあのラバー

球との表面積が大きく、回転をかけやすオールラウンドに使えるラバー

水谷隼は両面裏ソフト(裏裏)

ソフト

実はこのつぶつぶのある方が「表」

ソフトに比べ球との表面積が小さいので球離れが良く強打に向く

スマッシュ(強打)を武器にする攻撃的な戦型と相性が良い

伊藤美誠はフォア側が裏ソフト・バック側が表ソフト(裏表)

粒高(ツブ高とも):

ソフトのつぶつぶを更に高くしたもの

相手の回転をいなしたり逆回転にして返したりと、相手のかけた回転を利用したトリッキーな戦いができる。触ると気持ちいい

後方で相手の強打をいなす守備的な戦型や、打球が変化する性質を利用して前陣でブロックを駆使する戦型と相性が良い

いずれにせよ、回転を熟知しないとその特殊な性能を生かしづらい上級者向けラバー

ピンポン」のスマイル物語後半でバック面に採用したのがこれ

アンチアンチスピンアンチトップスピンとも):

ぱっと見は普通の裏ソフトラバーだが摩擦力殆どなく、回転が命の卓球において自ら回転をかけるのが難しいという特異な性質を持つ

したがって粒高のように相手の回転を利用する戦い方になるが、粒高よりもナックル性の球を返しやす

よって片面にアンチ、もう片面に裏ソフトや表ソフトを貼り、両面の回転量の差で相手翻弄するのが基本戦術となる

(両面同色が許された時代はそれで猛威を振るった…らしい)

現役選手ではアメリー・ゾルヤ(オーストリア)くらいしか使用者を知らない 粒高以上に変態向け

更に同じ種類のラバーでも性質に違いがある
テンション系:

より反発力を高めたラバー 強いけど寿命短め

粘着系:

より粘着力を高めたラバー ぺとぺとしておもろい

変化系:

粒高寄りの性能を持つ攻守兼用ソフトラバー

スポンジ:

更にラバーゴムの下に貼るスポンジにも厚さや硬さなどに違いがある

卓球用具最大手バタフライではラバー1種につき少なくとも3段階のスポンジ厚が用意されている

厚いほど威力が増すので攻撃的な選手は基本厚み全ツッパだが、重みが増したりコントロールしづらくなる

守備的に戦う選手は調節して両面で厚さや固さの違うラバーを貼ることもある

ごくまれにスポンジのない、ゴムだけのラバー使用する選手もいる

グリップの形状

グリップの形状も色々種類があり、更に各自が手になじむように削ったりテープを巻いたりする

用具の話まとめ

というわけでね、ざっくり説明しましたけども「全員同じラケットで」試合をするということがいかに困難かお分かりいただけるかと思います。やりづらいとかいう以前に、そもそも物が違うんです

上記の用具の多様な組み合わせを「何種類かの中から選べる」ようにしたところでカバーできるものでもありません

そもそもトップ選手の多くは特注ラケットだというのはさておき)

卓球には各選手個性に加えて様々なプレイスタイル(戦型)があり、それぞれに合った用具の組み合わせがあります

ドライブ型、前陣速攻型、カット主戦型、前陣攻守型、異質攻撃型…

もし使用ラケットを「シェイクハンド/7枚合板/裏裏/テンション系/ストレートグリップ」の規格品に統一したら、卓球は同じような戦い方ばかりになり、プロアマチュアプレイ面白みを失っていくでしょう。自分に合うプレイスタイル、合う用具を見つける面白さも卓球の魅力なので。

あと単純にコスト問題として、トップ選手は早くて1~2週間ほどでラバーを交換するなど、ラケット周りは消耗品です。大会側で検査のものを用意して全て賄うというのはさすがに無茶です。

そして何より、規格品を使用せよという意見は各選手身体差異性別身長体重、骨格、手の大きさ、筋肉量…etc)をはっきり無視しています

人によって良好なパフォーマンスを発揮できる用具の組み合わせが異なる中で、たまたま規格品に適応した選手が有利になる、すなわち規格品の変更次第で有利不利が変わり得る状態競技として適切とは言えません

これは今まさに行われている東京五輪パラリンピックにおいても例外ではありません。

様々なハンディキャップを抱えながら競技に挑む人々に対しても規格品の使用を強いるべきでしょうか?卓球というかそもそもスポーツに大して興味がないのは分かりますが、興味がないなりに最低限の思慮と検索を以て、そのスターを押す前に少しだけ立ち止まって考えてみてほしいと切に願います

長くなりましたがここからが本題です

卓球の「補助剤」問題について

と思ったけど簡潔で分かりやす記事があったのでそれ貼って終わりにしま

大体の流れはこの記事の通りです 短いから読んでね

https://rallys.online/forplayers/whats-hojozai/

2016年には日本卓球協会が反発係数を測定するラケット検査の導入を提案したが、ITTFコスト面などを理由にこれを否決した」

まあそういうことですわ やボ神(やっぱりボルって神だわ)

あと「技術の発展で用具が進化するのは当然」という意見もあって、原則論としてはそうなんですけど、今は卓球ラバーに限った話なので的外れです。

ラバーの後加工(出荷された後のラバーに加工を加えて性能を変化させること)」がルール禁止されている中で、正規に出荷された商品選手がそれぞれ勝手に薬剤を使用することを容認してしまったら、フェアネスを保つことは困難です。

陸上シューズしろ競泳水着しろ国際的競技団体による承認を得た上で使用されているはずです(だよね?)。卓球も同様です。

ただ、ITTF承認を得ているかどうかが見て取れるラバーラケットと異なり、塗布された薬剤はその場で承認の有無を判別できる代物ではありません。承認済みの薬剤なのか、それとも未承認でフェアネスを著しく乱す薬剤なのか、正確に判別できるでしょうか?

なのでラバーを貼った状態での反発係数に上限を設けて試合前に測定するのがベストだと思うんですけどね~ITTFがね~

測定コストをより削減できたとしても首を縦に振るかは怪しいところ

やってるのは中国選手だけじゃないだろうけど、中国選手がこの問題言及してるところはまあ~見たことないですね

あったら教えて!

あ、あと五輪卓球女子シングルス準決勝伊藤美誠が今出ていて、シングルスが終わったら男女団体戦があります!興味があればよろしくね!

おしまい

2021-05-21

駄菓子 強さランキング 2021年5月

Sランクポテトフライ BIGカツ うまい棒コーンポタージュ

Aランクキャベツ太郎 うまい棒なっとう味 ヨーグレット 焼き肉さん太郎

Bランク:たらたらしてんじゃねーよ カットよっちゃん チョコバット

Zランクウメトラ兄弟 ブタメン

Sランク

最強格。こいつらだけで300円分組んだグッドスタッフは強すぎるので、

大会によっては禁止になることもある。

ポテトフライ

環境最強。SSランクにしてもいいほど。

類似商品ポテトスナック販売終了はDAGASHIERに衝撃を与えたが、まだこいつがいる。

駄菓子界のガブリアス(後述)に比べると汎用性は低いが、エースはこいつ。

駄菓子界のミミッキュといったところか。

BIGカツ

なんだこいつ、もはや本物のカツ。いや、カツの衣。

男の子ならみんな大好き衣。

これをおかずにご飯3杯いける。

うまい棒コーンポタージュ

駄菓子界のガブリアス

似た役割を持つものリスカコーンポタージュがあるが、

うまい棒ブランドコストパフォーマンスの高さがチート

どんなデッキにも刺さる。

好きな駄菓子デッキを組んでいき、

最後10円〜30円をこいつにするだけで環境トップクラスの力を得る。

Aランク

Sランクほどではないが充分強い。

テーマプレイング次第では大会上位も狙える。

キャベツ太郎

キャベツ?こいつはほんとにキャベツか?

全然キャベツの味がしない。しないが、みんな大好きなスナック菓子の味だ。

この世界スナック系が幅を利かせすぎだ。

次回作ではスナックメタ系統実装されることを祈るが、難しいだろう。

若干の酸味とキャベツを冠するネーミングのせいでSランクを逃した。

うまい棒なっとう味

あ?なんだ?文句あっか?

Sランクにしてやってもいいんだぞ。それくらいのうまさだ。

ポテンシャルなんていう生易しいもんじゃない。普通に一線級。

若干トリッキープレイングが必要になるから敬遠されがち。

こいつの強さに気付かないうちは三流DAGASHIERよ。

ヨーグレット

スナック菓子全盛の環境において堂々のAランク入りを果たした甘味

ラムネよりも口当たりが良く、デッキスパイスになってくれる。甘味なのに。

包装もスナック菓子にはない見た目をしており、

こいつ中心のファンデッキを組んでもそれなりに戦える。

焼き肉さん太郎

太郎系の一角。【太郎】では必須駄菓子

Bランクか迷ったが、焼き肉というネーミングが男の子にぶっ刺さるためAランク入り。

Bランク

まずまず戦えるが、環境トップを狙うのは厳しい。

人気のある駄菓子が多いものの、ファンデッキの粋を超えない。

たらたらしてんじゃねーよ

名前インパクトありすぎる。

そのため一部界隈でカルト的な人気を誇るが、実力は名前負け感がある。

やはりスナック菓子環境に入り込むには尖った性能でなければ難しい。

カットよっちゃん

たらたらと同門。

シニアリーグではかなりの実力を誇るが、

トップリーグであるボーイズリーグで実力を発揮しきれないところがマイナス

今回は省いたが、酢だこさん太郎とのコンビネーションがいろんな意味で有名。

個人的にはアンチシナジーだと思うのだが。

チョコバット

本来の実力を考えればAランクなのだが、環境的に厳しい。

甘味が刺さりにくい環境において、かなり頑張ってくれているほう。

これを刺すならヨーグレットとは入れ替え。相互互換

Zランク

便宜上Zとしているが、最低ランクというよりは番外編。

ルールによってはSランクすらも凌駕する。

ウメトラ兄弟

シェアや交換前提のルールでは一気にトップクラスになる実力を秘めている。

今回はシングルルールでの考察なのでここに。

性能はかなりピーキーで、場を乱す能力は随一。

正直これを出されるとどうしていいかからなくなる。害悪

ブタメン

お湯が使えるルールだとSSSランク

お湯が使えないルールだとゴミというルールに左右されすぎなやつ。

中心環境ボーイズリーグ遠足ルールなのが痛い。

だが最近成長が著しいリモートルールではこいつが環境を席巻している。


総括

うまい棒なっとう味つえーから、まじで。

イオナとか言ってるやつはカス、わかってない。

スナック最強環境でこいつが入らないわけがないんだよなあ。

2021-05-09

椿屋四重奏解散と中田裕二10周年に寄せて

最初、音がごちゃごちゃしていてうるさくってナルシスティックでなんて気に触る曲だろうと思った。

でも音の抜き方が絶妙でおしゃれでどうしてもやるせなくてかっこいいと思ってしまった。

椿屋四重奏 - 恋わずらい on YouTube

ベスト盤を借りてきてひと通り聞いてその一枚で充分で、ほかのバンドと同じようにそのまま記憶の隅に眠ると思った。

それでも他のデータウォークマンの残り容量を食っていってもたまに取り出しては聴いて、私は椿屋四重奏を消せなかった。


彼らを見つける前の話をする。

私は志村正彦音楽が大好きだ。

もし音楽物心がつく時があるならば私の場合志村正彦出会った時だ。

シンプルなのに予想と異なり期待を上回る音が大好きだ。だからこそ限られた曲をすべて聴く勇気が今でも出ない。すべてが予想通りの志村正彦音楽になってしまうのが恐ろしくて堪らない。

必死になって代替品を探した。彼のルーツ、好きだと話した音楽、同年代音楽。分かったのは私はロックがあまり好きではないということと同じものはないということ。


閑話休題

月日は経ちひょんなことからノイジー音楽が入り用になった。私のウォークマンの中で一番うるさいのは椿屋四重奏だった。周りの音を掻き消せば事足りた。

でも一枚ではもの足りなくなってしまった。

深紅なる肖像薔薇ダイヤモンドTOKYO CITY RHAPSODYCARNIVAL

アルバム一枚分ずつ椿屋四重奏ウォークマン侵食していった。彼らは欲しい音を激しい音も穏やかな音も確実に鳴らしていった。

孤独カンパネラを鳴らせ、一枚だけが残っても躊躇はなかった。その名の通り椿の落ちるような鮮やかな解散はただただ美しく見えた。

椿屋四重奏が残した映像はあまりにすくない。音も画面もバキバキでみにくかったが中田裕二の歌だけは際立っていた。ナルシスティックに聞こえた歌は、つぎはぎだらけの架空のかっこよさではなくそのまま彼から出ているものだということを数年ごしに知った。

もっとその声が欲しくなってしまった。中田裕二は生きているから。怖々と私はソロ楽曲試聴した。椿屋然とした曲は最初なじまなかった。それでもやわらかであでやかさを増した楽曲達は椿屋四重奏よりもずっと好みだった。

椿屋四重奏と同じ数だけのアルバムウォークマンに収まる頃には私は椿屋四重奏よりもむしろ中田裕二に魅入られていた。


いつから手遅れになったのだろう、とたまに思う。

昭和歌謡カバーアルバムを聴いた時から

中田裕二ジャズをたしなむことを知った時から

ギター弾き語りだとその声がよく引き立つことに気がついた時から

école de romantismeのさみしさを孕んだうつくしさに聞き入ってしまたから?

ライブごとに曲のアレンジを変えた最高の状態演奏しつづけるさまを見せられたから?そもそも椿屋四重奏をきいた時からだろうか。

春あたりに一年に一回のペースで出るフルアルバムとそれに伴うバンド編成によるツアー、全国での弾き語り、年によってはトリオなどのトリッキーな編成のツアーをこなされたらほかに気がうつる暇もない。去年はひまだからなんていって二作品アルバムを出してしまった。

ワインウイスキー日本酒と忙しなく熱を注ぐのを見てしょうがない人だなと思う。調味料の話します!と話してもの足りなさそうに切り上げるのを見て面倒な人だなと思う。

でも、アルバムが出るたびライブを見るたび、何度でも魅入ってしまう。最高の演奏の後、これからも好きなようにやりますとへらへらと笑っているのを見たらお願いだから好きなようにやってくれと心から思うのだ。

まるで炎のように常に揺らめいて姿を変えて魂ごと取り込まれしまいそうなほど、見入ってしまう。

どうか健康末長音楽を続けてくれたら嬉しい。

血を吐き出すようだった椿屋四重奏という季節に囚われないでいい。

でもたまに歪んだエレキギターをかき鳴らすのも聴きたい。

おだやかなPredawnも激しい群青も全部等しく愛している。


TWILIGHT WANDERERS


 

2021-04-13

所沢駅トリッキー

なんで西武新宿行と池袋行が真逆の方向に出発するんだ?

と混乱したが、地図見たら納得した。これは初見殺しだな。

しか西武線しか走ってないのに渋谷やら横浜

乗り継ぎ無しで行けてしまうのも謎めいた感を増してる。

2021-04-01

新社会人になれなかった者による戯言

タイトルからわかる通り自分は21卒無職だ。

これは4月1日の明るさに耐えられなくなったため書き散らす戯言であり社会への当たり散らしのようなものだ。

からからここに書かれることは社会に出られ日夜経済活動に貢献している方々にとっては非常に目に余る文ばかりだと思う。

推敲校正いっさいなし、増田ベタ打ちの文章を読みたい変人の方は以下に目を滑らしてほしい。

さて、さきほど無職自己紹介させていただいた自分だがもちろんこんな将来を2.3年前は想像をしていなかった。

様々な映像文学作品のなかの描写大学に入ってから先輩たちに聞かされた話から常々恐ろしさを感じていたため、正直まわりの友人達よりも早めに活動を始めていたと思う。

大学2年生の終わりごろには企業研究や適職診断などを行い、3年生の夏にはインターンへ参加した。高い講習費用まで払って就活塾にまで通った。

ここまで読むと意識高いと思われるかもしれないが、その逆意識が低いか予防線をたくさんはっておこうと必死だったのだ。

正直インターンと授業だったら後者を取るほど大学の授業が好きだった、学生インターンましてや自分が参加したような短期のもの業界企業理解のための講習がほとんどで実務に触れる機会はなかなかない。(そもそも学生インターンに実務内情を明かせる企業などないと父親から聞いた)

そのため中小企業ベンチャーに絞ってインターンへ行って面接慣れをしようと目論んだ。おそらくここで面接慣れは出来たと思う、多少トリッキー質問でなければ笑顔で回答できるほどには慣れた。

しか惨敗

怪しげな個人就職エージェントではないが100社は落ちた。どれも2次面接、もしくは最終面接まで行ってから不採用通知を受け取った。

こういうことを言ってしまっては非常に品が無いかもしれないが周囲の友人と比べて喋れるほうだと思っており、面接では逆に喋りすぎないことを意識したほどだ。

「2次、最終まで行けるのに落ちる、何故」

ググるとたいていキャリアプランが出来ていない云々、企業への理解が出来ていない云々、そもそも相性が悪かった、などなど様々なifが出てくる。

キャリアプランとか働いたこともないのにわかるかよクソが、と思いつつインターネットインターンで会った社会人を参考にして作ったんだけどな、日経新聞読んでいろいろ勉強したけどな、と絶望する。

就活後半戦の7月ごろ、そんなのばかり見てたら「くだらねぇ」の一言しか出てこなくなり人材派遣会社ばかりを受けた。しか面接志望動機もなにも出てこないので面接辞退を繰り返す無意味時間を過ごした。

そして卒論のための調査などに追われ就活どころではなくなり、あっという間に新年を迎えた。

正直今年に入ってから想像以上に地獄だった。

日に日に就活への焦り、身内からプレッシャー精神的にまいっていった。

夜中は泣きながらぬいぐるみを抱えて眠れない夜を過ごし、正直料理匂い吐き気を催すこともあった。(そもそも食事が好きではなかったため過去にもちょくちょくこういう症状は出ていた)

昼間に起き、リモートワークで仕事をしている家族に引け目を感じながら寝間着で求人を漁り応募する日々。たまにスーツに着替え、就活メイクなるものを施した自分顔面辟易しながらリモート面接

そしてまた求人漁り、たまに友人から声がかかって外出。

すべての行動が自己否定につながるほど毎日地獄だった。

地獄要素は書ききれないほどあるが大まかに分けると3つだ。配慮の無い人事との面接家族への引け目、友人との比較

就活地獄要素はたいていこれで言い切れるだろう。

まず配慮の無い人事との面接。これが一番大きかった。

配慮とは何か、一言で言うと就活生を尊重しながら会話をしようとする姿勢だ。

就活生と人事は対等であるだなんて詭弁、1ミリも信じてない。しかし、あまりにも就活生をおもちゃにしすぎている人事がいることは今回の就活で痛いほど知った。

「一発芸をやって笑わせてください」、「珍しい名字から早く結婚して分かりやす名字になるといいね」、「あなた上司に従えることをここでアピールしてください」

Adoさん呼ぶぞ。

上記は一例だが人事から質問パワハラまがいなものからセクハラ人権侵害なんでもござれの見本市。

もちろんコンプライアンスがしっかりしている企業もあったし、コロナ翻弄された就活生をいたわってくれる人事もいた。

しかし100社以上受けてみると割合としては少ない。あと企業規模が大きいほど質問はしっかりしている。なるほど皆大企業を目指すわけだ。

一発芸云々言ってきたところは大手芸能事務所から業界的な色もあるのだろうが、パワハラすぎて固まってしまった。

腹立ったか逆質問で「先ほどの一発芸についてですが、実際に人事さんはどのような芸を披露されるのか見せて頂いてもよろしいですか」って聞いたら無礼すぎるってキレられて落とされました、草。

次に家族への引け目。家族が家で仕事をしている中、同じく家で就職活動するのは非常にしんどいものだった。

リモート面接、これがとにかく鬼門。いままでは対面の中で行うので多少キャラづくり、外部の人に見せる自分をいつも通りやっていればよかった。

しかコロナ野郎のせいで対面面接が難しくなり、世はリモート面接時代突入

自室は防音機能0、部屋での音は共用部に筒抜けになる仕様のため、いままで友人との電話すら習慣になかった。

ましてや面接となるとさらハードルが高い。自己PR家族に聞かれながら面接するの非常に苦痛、一瞬でいいか露出狂の魂を取り込んでこの苦痛快感にしたいと何度も願った。

また、就活後半になると家族が目の前で働いている中自分には職がないってことがすごい精神的に苦痛だった。

父親就活が上手くいかなさすぎて慰められたとき、「惨めだよな、みんなは働いているのに」って共感(?)してくれたとき本当に死のうかと思った。

最後に友人と比較してしまたこと。

今まで自分自分、己の道を行くタイプで生きていたので授業を一人で受けるとか、マラソンが周回遅れだとか本気で気にしたことがなかった。

そもそも気にしたところで精神的に負担になり、追い詰められていくと思っていたのであえて見ないようにしたりしていた。

しか就活はそうもいかなかった。6月ごろに来た誰だかも思い出せない輩から就職先どこ?俺は○○!」みたいなマウントLINE、やっと落ち着いたからみんな遊んで!みたいな匂わせインスタストーリーさらにはメディアから随時発表される内定率。

周囲を気にしなくてはいけない、他人ではなく自分を選んでもらわなければいけない。そうだった、この世は競争社会だった。

幼稚園の頃大好きだったしまじろうの「自分だけを優先するのではなく誰かに譲ってあげようね」というストーリーで出てきていた「おさきにどうじょ」(ドジョウキャラクターがとても可愛かった記憶がある)。彼はいま元気だろうか。

競争社会絶望し、粘液が干からびていないだろうか。自分は体液が干からびるほど泣いて今まで他人を優先してきた自分を誇っていた気持ちが全部溶け出てしまったよ。

とまあ脱線したが他者比較して自身を魅力的に見せ採用してもらうという就職活動に、マイペース自分はどうにも適合出来なかった。

最終で落ちた企業にも、落ちた理由フィードバックしてくださいって連絡したら他の就活生との兼ね合いでって返されたのでやはり競争に向いていないんだな。最終まで行けたのはたまたまなのかもしれない。

だらだたと書いていたら1時間を溶かしてしまった。これがクソヒキニートの第1日目であった。旧約聖書もびっくりな不毛さ。

これから自分既卒就活生としてまだ就活を続けるつもりではある。しかしこんな就活クソだという気持ちを捨てられずに活動継続するため、きっと毎晩泣くだろうし苦痛を覚える日々を過ごすだろう。

ここまで読んでくれた人に自分は何を伝えたかったのかまとめることも出来ないが、とにかく就活は辛くて厳しい。働きたくないけど金は必要で働かなくてはいけない。とりあえず年金徴収に怯えている。

働いている人がみんなこんな苦行に耐えて職を得ているという事態に非常に頭が下がる思いである。

皆さんこれから新学期、ご自身の体に気を付けて過ごしてください。就活に耐え抜いた新社会人、また社会人の先輩方は本当に立派です。

自分はとりあえず職と金を手に入れるべく頑張りますので、お互いに頑張りましょう。






働きたくねえーーーーーーーー!!!!!!!!!!社会はクソ!!!!!!!!!!

以上、書き散らし終わり!

追記:まじ皆優しくて泣いてる、地元友達かって並みに優しい言葉ありがとうアドバイスとかもまじで心救われました、感謝


追々記:なんかちょっとバズりました?閲覧数増えるとやっぱり厳しいお言葉も多いですが概ね皆さん優しくて救われています

色々と言いたいことは沢山あるけれど、とりあえず今日面接ハロワ行ってから資格取得のための勉強始めました!がんばるぞ~

2021-03-30

うちのこどもの引き算がオリジナル

13-7=

我が家小学1年生(4月から2年生)にこの計算をさせたのだが、

このような解法を説明してきた。

まず、7から、13の一の位の3を引く、すなわち、7-3=4として、4をだす。

そして、この4を10から引いて、10-4=6と計算をして、6の答えを出すというものだった。

普通、繰り下がりのある引き算は、減減法と減加法のいずれかを学校で教わるらしいのだが、うちのこどもは、このトリッキー方法自分で考え付いたと言っていた。

初めこの解法を説明されても、私は何を言っているのか分からなかったが、方程式を使って解いてみると、確かに正しい結果が導き出せることが分かった。

ちょっと勉強になった。

2021-03-09

anond:20210309011156

いえいえ、なんかの助けになれば幸いですけど😃

あと、ソースコード読んでるなら命名はやっぱり大事だなあと思う

最近命名についてちょっと考えさせられてしまうことがあったのだけど

命名からググってというのも自分場合はかなりヒントになる、助かる

知らない分野でもとりあえず関数変数名前でググってみるとか(というか、Googleない時代を考えると地獄だよなあ

コメントも適度にあるといいとは思うけど、過剰にコメントする意味はないし、

といっても、コメントを書く必要あるかないかって当然だけど読む側のレベルを試されているんですよね

FreeBSDカーネルだったかな、

大学院の授業でコードリーディングするのがあって、

やっぱりハッカーが好きそうなトリッキー?な書き方があったりして、

でも、こういうときはこう書くものだ、みたいなのがあったりもするので、

それもググるなり書籍なりで調べれば理解はできると思う

昔のゲームとか、あとメガデモみたいなのもそうだけど、浮動小数演算とか富豪すぎるので、

整数演算いか適当に誤魔化すかみたいな、精密さより高速にそれらしく動作するのが求められるのもあるし、

自分場合レベルが低いのか、知らなくてもググって調べてけば大体なんとかなってる

でも、発売前のゲーム機と書いたけど、公開されてないのでググっても出ない情報社外秘ソースコードとか技術で、

特にレベルが高いのとか、逆に酷く汚いコードだけどなんか動いてる()みたいな場合は、

降参する場合はもう周囲の先輩や同僚に頼るしかないんですよね

考えるだけ時間無駄だし、やった仕事どうなった?まだできてない?え、ずっと考えてたの?みたいになったら大問題ですし

つくづくマゾでないとできない仕事ひとつに思えてしま今日この頃

2021-02-16

ジブリ声優起用

トリッキー声優起用で有名な宮崎アニメ

なんと次回作の主役にあなたが大抜擢。

連日鈴木さんが説得の貴方詣。

さあどうする?

1.快諾!子供の頃からの夢だった!

2.無理無理無理まじ無理。そんなの無理。

3.ギャラはいくらなのよ?

4.その他

2020-12-16

anond:20080810113624

サイトとかGoogle Code (なつかしー) とかことごとく死んでたのでWeb archve 漁ってきた

https://web.archive.org/web/20110525001358/http://zamamin.googlecode.com/files/BLACK-OUT.CSS.zip

Stylus で使ってみたけど、うーん

流石に現代Webではスタイルが崩れすぎて使いものになりそうにない…

増田みたいにかなりプレーンHTML寄りのページでも崩れる…

時代的にメディアクエリーとか考慮されてないぽくて、ウインドウサイズを動かしてスタイルが変わるとゴリゴリに表示が崩れるなあ

SVGアイコンもことごとく死んでる…(まあCUI風といえばそうだが、ユーザーとしては表示されて欲しい)

当然だけどYoutubeスタイルぐちゃぐちゃでまともに見れませんでした

てかGoogleサービスってことごとくJSとかCSSトリッキーにいじりすぎててすぐにぶっ壊れるから糞だよな

見れるサイトもあるっちゃあるけど、ってくらいか

個人的にはこのぐらいのCSS適用スタイル崩れないで欲しいとはおもう。カリカリWebチューンされてうざい

2020-12-05

萌え絵アニメーションに向いてないという勘違い


巷で話題萌えアニメオタク害悪だと主張する記事を読んだ感想である


私は萌えアニメからいわゆる硬派と呼ばれるアニメまで広く嗜む、アニメ視聴歴20年くらいのしがないアラサー男だ。

ジャンプサンデーと言ったお馴染みの週刊誌で人気の原作アニメが、テレ東ゴールデンタイム毎日のように放送されていた頃に、箸で摘んだ夕食のコロッケテーブルの上に落としブラウン管にかじりつく少年期を過ごし、最近新刊が発売された『涼宮ハルヒの憂鬱』をきっかけにいわゆる深夜アニメ世界に足を踏み入れて、今日に至ると言った経歴(他に言葉が思いつかなかった)を持っている。

視聴作品数は、履歴書に書けば人間性理由採用確率が30%減になるくらいあっただろうか。と言っても熱中度でいえば大したモノではなく、どんなに気に入った作品でも円盤を買ったり、グッズ等を買う程度だった。興奮が抑えられず感想ブログに載せたり、二次創作に勤しんだりするくらいならニコニコ動画で他の作品の視聴課金をし始めるくらいには職人気質は持ち合わせておらず、人によってはカステラ茶色の表皮だけをすくって人工甘味料(無いかも)の鋭く刺すような舌触りだけで満足するような、奇怪な楽しみかたをダラダラ続けていただけに見えるかもしれない。

そんな人間がひさしぶりに取れた休日の暇潰しに書いた文章だ。

簡潔に何が言いたいのか知りたい方は、途中全く大したこと書いてないので、最後だけを読んでほしい。

以降は今の俺以上に暇だと宣言できる、大変人間強度に優れた人だけが読み進めて欲しい。


主に作品ごとのアニメーションが持つ性質役割の違いについて横道に外れながら綴っていきたいと思う。

過去に色々な作品を目にしてきている者ならばご理解いただけると思うが、「好きなアニメは? どういうところが好きなの?」と質問を受けたとき、瞬時に心動かされた場面(シーン)が頭の中を駆け巡り、「さてどれから話せばよいものか……」と、全身が幾分高揚している自分がいることに気づくだろう。

それらはキャラクタたちと共にストーリーを辿ることで得られた感覚につけられた名前のようなものだと私は考える。そしてそれらは言葉では表せないが、私たちに中で一種の『共通言語』的な役割を担い、機能しているのだ。


例えば以下のシーンを目を瞑って思い浮かべてもらいたい。


『氷属性もつ冷徹残忍な魔女が、手に持った杖を振るった。その瞬間空間四方から無数の鋭利な菱形をした氷の刃が出現し、彼女の透明感のある艶やかな唇で結ばれる「さようなら」の言葉を合図に一斉に襲いかかってきた』


数々の映像作品を見たことがある人なら、無の空間からパキパキと音を立てながら蒼白い形作られ、魔女の妖艶な笑顔が映った次の瞬間に鋭い氷の塊が視界の中心に集まってくる2、3カットくらいの映像が容易に頭の中に流れたことだろう。

これは性格によるのかもしれないが、私は基本的には物語の進行上は「それ」でOKと考えるのだ。

「それ」とは、視聴者の頭の中で出来上がった薄ぼんやりとした2、3カットのことであり、重要なのは「それ」を我々視聴者に想起させ、作品を補完させることだと考えている。

例えば先のシーンで「魔女がどんな容姿でどんな服装服をまとい、どんな体勢なのか」とか、「魔女と言うくらいなら箒に乗っているのか」とか、「どんな服を身に纏っていたのか」とか、「どれくらい勢いで杖を振ったのか、杖の先はどこを向いているのか」とか、「氷の軌道は直線的なのか最初に外側に弧を描くなどトリッキーな動きをしているのか、時間差のある多段階攻撃なのか」などの質問されたら、スラスラと答えられるだろうか。(……私だけができないのなら怖い。ショックのあまり寝込む)

おそらくだが「いやそんな細かいところまでは……」のレベルの話だと思っている。多分これができる人はきっと絵が上手いはずだ。私は私を含め絵がど下手くその人がこの世にいることを知っている。

ぶちゃけた話、そこの解像度が高くなくても我々には多分『伝わってる』のである

しろ、それでどれくらい負傷するのかとか、実力差はどれくらいなのか、どうやって勝つのか負けるのかなどの次の展開に興味が移っていないだろうか。さらに言えば、この魔女性格はどんな感じなのか? 冷徹なのだから口調は厳しいのかとか、魔女主人公のこと気に入ったりするのか、追々仲間になる展開なのか、と言った、キャラクタの心情の移り変わる様子すら、この段階で期待してそれを軸に妄想を膨らませる人もいるだろう。

さらにここに、


『氷の魔女と呼ばれる彼女は、実は地球に住む人間の種を手に入れようと狙ってやってきた宇宙人であった。侵略活動やすいよう周りの空気自分たちの住む星の大気温度まで下げるため、彼女腰掛けているステンレス製の巨大三角から温度を奪う冷気的な何かを放出していて、空気中の水蒸気が氷結してできた塊を利用し相手冷凍保存しようとしている』


と言ったストーリーの上欠かせない設定が加わった瞬間、魔女攻撃の一連の動きがどれくらい迫力があるのかよりも、物語の展開的な動きの方が気になってこないだろうか。アニメーション上の緻密な動作よりも、ギャグ調を出すためにSDキャラデザや画面効果といった要素の方が卓越してきそうなモノである


要はその作品がどんなジャンルでどんなテーマなのか、その中でアニメーションをどう位置付けているかで、表現千差万別の答えを持っていると考えている。立体的な動きとか力の伝わり方を見て取れるようなリアリティを重視するよりも、もっと感情移入して欲しいかキャラクタの魅力を全面に出す方針があるのであれば、背景のモブと呼ばれる方々まで生き生きと動いていればその画面の映え様に感動するけど、そこに力入れるなら止め絵でも良いかキャラ造形やカラーグラデーションに力が入ってて欲しいよねって意見も当然あると思う。

この時萌え絵かどうかはあんまり本質的問題ではなくて、視聴者各々の共通言語とどれほどマッチしていて違和感あるかないかの話に過ぎないと考える。

これより先は趣味指向トレンドしか言えない領域突入してしまう気がしてならない。そこは表現の自由が担保されている以上、善悪判断軸が及ばない空間である

もしそれに対して「過去多くの作品萌え絵が使われていて、時間をかけて大衆になじんでしまたことで不当にも市民権的なモノを得てしまたからだ!」などと主張してしまっては、もはや時代(トレンド)に対する憎悪しかなく、いつまでも見えない相手との戦いを余儀なくされることになるだろう。

キャラ造形に対する文句ほど不毛なことはない。


ひと昔前にギャルゲー原作としたアニメが多く生み出される時期があった。のちにラノベ原作アニメが多く輩出される時代が訪れることになるのだが、当時としてはニコニコ動画を始めとした他メディアで取り沙汰され、言わば萌えアニメの本流とも言える地位を築いていたと思う。

ではそのどれもが、彼がいうところの『強度』なるものを有してたかというと、……なんとも言えないところはあるかも知れない。

当然のことだが何千枚という数の原画に対して、その全て原作独特の繊細な塗りを再現するのは時間的にも経済的にも叶わず立ち絵差分とスチルと効果のみで表現されていた絵に対して、話の展開にマッチするようにかつゼロから動きを盛り込むのはやはり至難の技のようで、結果的作品の持つ強みを生かしきれないまま終わってしまったものが多くあった印象がある。

その原因は、アニメ萌え絵が向いていないというよりは、テキスト……特にキャラクタの心情面に比重が大きい作品は、初めからアニメーションを十二分に活かせるだけの舞台比較的狭いように思える。キャラクタ同士のウィットに富んだ掛け合いを楽しむだけなら、それこそゲームのように会話と場面移動、要所要所で叙情性の窺える背景描写カットの繰り返しで事足りてしまい、ともすれば動作は間を持たせるためのツールになってしま可能性すらあるのだ。身もふたもない話だが。

まりなんとも言えない感じになるのは萌え絵のせいではなく、作品のコンセプトにいかアニメーションを上手絡めることができるかによるのだ。そしてそれは当然、作品ジャンルアクション主体なのかコメディ主体なのかリアル恋愛主体となるのかでアニメーションの寄与度の上限が決まってくるので、表現手法の一つである「動き」単体で評価した時、ジャンルによる偏りがどうしても出てしまうモノなのだ。画面映えする動きがなくても『十二人の怒れる男』(実写映画だけど)のような名作は生まれる。

実際のギャルゲー原作作品には、画面映えを飽きさせないようなさまざまなアイデアが盛り込まれていたけど、いよいよ話の筋から外れてしまうから割愛したい。


画面を縦横無尽に駆け巡るアニメーションは、突き詰めればただの動きであり、結局は表現手法の一つでしかなく、ストーリーとの直接的な関係がなければ、ストーリーへの直接的に干渉することはできない別レイヤー存在にすぎないとも言える。

絵コンテ等の段階でスクリーン上の動きに込めた意図に気づける目の肥えた人にとっては、「動かし屋さん」の実力が垣間見れる瞬間であり、味の決め手のような作品価値を決定づける重要ポイントなのかも知れない。

だがストーリーの展開に目が向いてしまう人々にとっては「面白い動きだな、他作品ではあんまり見ないカットを入れてるな」くらいに止まっていて、やっぱりキャラ同士の会話やその時に垣間見れる感情自分リーチできるかどうかに関心が向いてしまものだ。

昨日NHKの某番組で紹介されていたが、殆ど人間は1秒間に4,5枚の絵しか見れないらしい。一枚絵のカットの切り替え表現の繰り返しは、程度にもよるのだろうが、予算工程など諸々の事情を鑑みた時、大変妥当表現だと個人的には思う。

昨今のは様々な形が出てきたとはいえ、まだまだ異世界生モノアニメブームが続いているように見える。

少ないリソースで最大効果を期待する戦略としては非常に合理的だと思っている。

ストーリー上の役割が小さい場面では「異世界生モノあるある」やその根底にある「子供の頃に慣れ親しんだRPGの思い出」という共通言語を利用して絞り、作品オリジナルの強みにピボットを置き部分的に「動き」のリソースを割くことで相対的な画面と展開のギャップを生み出し、差別化と人気を獲得するにあたり大変都合が良いのかなと思っている。

この潮流について個人的にどうと言うつもりはない。むしろ当然の流れだと思う。個人的には長らく続いてきた「高校生部活青春ドラマ」がようやく落ち着いてきて、代わりに台頭してきたくらいの感覚だ。時代とともに変遷する価値観や需要を端的に示していると思ってる。


ところで『リトルウィッチアカデミア』というアニメ作品をご存知だろうか。

2017年に株式会社トリガーから出されたオリジナル作品で、ヒロイン少女アッコが憧れの魔女シャイニィシャリオにのようになろうと魔法学校入学し、仲間達と共に成長を遂げていくというお話である。当時OP映像を見てその作り込まれ世界観引き込まれ、全話リアルタイムで追っていた。

ご存知の通りトリガーといえば他にも『キルラキル』や『SSSS.GRIDMAN』を始めとする数々の名作アニメを世に生み出した有名なアニメ製作会社だ。

社名に違わず弾丸が飛び交うような激しいアクションシーンが特徴的で、およそ10年にわたり多くのアニメファンを魅了し続けてきた。

何の因果か、つい先日株式会社トリガーが手がけるのアニメオリジナル放送前となる『リトルウィッチアカデミア』の短編映画原画制作する新人アニメーターたちの様子を追ったドキュメンタリー動画を、失礼ながらもしゃちく☆まっしぐらしていたリアタイ当時の自分の状況と重ねながら観ていた。

今回この拙文を書こうと思ったのも、その動画を触れたあとの余韻がそうさせたのだと思う。

動画の内容が気になった方は各人で確認してもらいたい。

端的に言うと、彼らが手がける他作品と一線を画す豪快な「動き」に込められた感動を生み出すもののの正体はアニメーターたちの寿命のものだ。

そこまで心血注がなくたって、既に共通言語を獲得している我々にはその半分以下の動きであったとしてもおそらく『伝わっている』のである。だが彼らはそんな事眼中にはなさそうだ。彼ら自身が観たいものを描いているだけなのだろう。シャイニィシャリオクルクルと回りながら杖を振り動物たちの花火魔法を出すまでのたった数秒の「動き」に、何週間も終わりの見えない苦悩を重ね続けるなんて、それこそ描くこと動かすことが大大大好きでもなければやれるはずがない。私のような観ているだけの人間には理解できない世界がそこにはあった。

間違いなく時代トレンド関係なく後世に伝わってほしい作品の一つだし、アニメ好きの私は一つでも多くそう言った作品が世に出てくることを願ってやまないものの一人ではある。

だがそれがアニメの全てだとかあるべき姿だとかそういう指向性に囚われるような話でもないと思う。

だが、予算制作期間と人員の消耗等のあらゆるのリスクを考えるのであれば、それらアニメーターの生命と血が滴る作品を世に出すことは、何十人何百人の人生をかけた大勝負であり、そんなものを定期的に見せておくれよなんて烏滸がましいことを言えるほど私は偉い人間ではない。

製作陣の戦いの姿の一端を見ただけで、シャリオが振う杖の軌跡一つとっても、数年に一度しか拝めない奇跡の奇蹟と言われても納得できるし、胸の内から熱く込み上げてくるものを心地よく感じることができる。


コロナの影響ですっかり荒廃しきった今の時代、人との関わりがすっかり乏しくなってしまった(俺だけかもしれないけど)独身を生きる俺に、自然と「頑張って作ってくれてありがとう」の気持ちと、明日を頑張れる活力を授けてくれた魔法だった。

もっと色々な魔法を、『傑作』を見てみたい! その想いの強さが故にアニメ業界の現状に、文句の声の一つくらい出してみたい気持ちもわかる。

けれど、

あの世界は、我々視聴者同士が視聴者層の絵の嗜好がどうとかで文句を言い合っているレベルで語れるのものではないのだと私は思う。

私が円盤や関連グッズを購入すると言った金銭的な応援以外にできることは、アニメーターの方々が1秒でも長くアニメを大大大好きでいていただきたいと願うだけである


気づきの通り最後の2文が言いたかっただけだ。

最後まで読んでいただいた方は、こんな拙文にお時間取らせてしま申し訳ない。

良いアニメライフを。

萌え絵アニメーションに向いてないという勘違い

巷で話題萌えアニメオタク害悪だと主張する記事を読んだ感想である

私は萌えアニメからいわゆる硬派と呼ばれるアニメまで広く嗜む、アニメ視聴歴20年くらいのしがないアラサー男だ。

ジャンプサンデーと言ったお馴染みの週刊誌で人気の原作アニメが、テレ東ゴールデンタイム毎日のように放送されていた頃に、箸で摘んだ夕食のコロッケテーブルの上に落としブラウン管にかじりつく少年期を過ごし、最近新刊が発売された『涼宮ハルヒの憂鬱』をきっかけにいわゆる深夜アニメ世界に足を踏み入れて、今日に至ると言った経歴(他に言葉が思いつかなかった)を持っている。

視聴作品数は、履歴書に書けば人間性理由採用確率が30%減になるくらいあっただろうか。と言っても熱中度でいえば大したモノではなく、どんなに気に入った作品でも円盤を買ったり、グッズ等を買う程度だった。興奮が抑えられず感想ブログに載せたり、二次創作に勤しんだりするくらいならニコニコ動画で他の作品の視聴課金をし始めるくらいには職人気質は持ち合わせておらず、人によってはカステラ茶色の表皮だけをすくって人工甘味料(無いかも)の鋭く刺すような舌触りだけで満足するような、奇怪な楽しみかたをダラダラ続けていただけに見えるかもしれない。

そんな人間がひさしぶりに取れた休日の暇潰しに書いた文章だ。

簡潔に何が言いたいのか知りたい方は、途中全く大したこと書いてないので、最後だけを読んでほしい。

以降は今の俺以上に暇だと宣言できる、大変人間強度に優れた人だけが読み進めて欲しい。

主に作品ごとのアニメーションが持つ性質役割の違いについて横道に外れながら綴っていきたいと思う。

過去に色々な作品を目にしてきている者ならばご理解いただけると思うが、「好きなアニメは? どういうところが好きなの?」と質問を受けたとき、瞬時に心動かされた場面(シーン)が頭の中を駆け巡り、「さてどれから話せばよいものか……」と、全身が幾分高揚している自分がいることに気づくだろう。

それらはキャラクタたちと共にストーリーを辿ることで得られた感覚につけられた名前のようなものだと私は考える。そしてそれらは言葉では表せないが、私たちに中で一種の『共通言語』的な役割を担い、機能しているのだ。

アニメーション、画面上の動きの一つに、こうした共通言語や構図の時間的変化から読み取れる言語で感じて欲しい叙情性に補完を入れたいのか。

例えば以下のシーンを目を瞑って思い浮かべてもらいたい。

『氷属性もつ冷徹残忍な魔女が、手に持った杖を振るった。その瞬間空間四方から無数の鋭利な菱形をした氷の刃が出現し、彼女の透明感のある艶やかな唇で結ばれる「さようなら」の言葉を合図に一斉に襲いかかってきた』

数々の映像作品を見たことがある人なら、無の空間からパキパキと音を立てながら蒼白い形作られ、魔女の妖艶な笑顔が映った次の瞬間に鋭い氷の塊が視界の中心に集まってくる2、3カットくらいの映像が容易に頭の中に流れたことだろう。

これは性格によるのかもしれないが、私は基本的には物語の進行上は「それ」でOKと考えるのだ。

「それ」とは、視聴者の頭の中で出来上がった薄ぼんやりとした2、3カットのことであり、重要なのは「それ」を我々視聴者に想起させ、作品を補完させることだと考えている。

例えば先のシーンで「魔女がどんな容姿でどんな服装服をまとい、どんな体勢なのか」とか、「魔女と言うくらいなら箒に乗っているのか」とか、「どんな服を身に纏っていたのか」とか、「どれくらい勢いで杖を振ったのか、杖の先はどこを向いているのか」とか、「氷の軌道は直線的なのか最初に外側に弧を描くなどトリッキーな動きをしているのか、時間差のある多段階攻撃なのか」などの質問されたら、スラスラと答えられるだろうか。(……私だけができないのなら怖い。ショックのあまり寝込む)

おそらくだが「いやそんな細かいところまでは……」のレベルの話だと思っている。多分これができる人はきっと絵が上手いはずだ。私は私を含め絵がど下手くその人がこの世にいることを知っている。

ぶちゃけた話、そこの解像度が高くなくても我々には多分『伝わってる』のである

しろ、それでどれくらい負傷するのかとか、実力差はどれくらいなのか、どうやって勝つのか負けるのかなどの次の展開に興味が移っていないだろうか。さらに言えば、この魔女性格はどんな感じなのか? 冷徹なのだから口調は厳しいのかとか、魔女主人公のこと気に入ったりするのか、追々仲間になる展開なのか、と言った、キャラクタの心情の移り変わる様子すら、この段階で期待してそれを軸に妄想を膨らませる人もいるだろう。

さらにここに、

『氷の魔女と呼ばれる彼女は、実は地球に住む人間の種を手に入れようと狙ってやってきた宇宙人であった。侵略活動やすいよう周りの空気自分たちの住む星の大気温度まで下げるため、彼女腰掛けているステンレス製の巨大三角から温度を奪う冷気的な何かを放出していて、空気中の水蒸気が氷結してできた塊を利用し相手冷凍保存しようとしている』

と言ったストーリーの上欠かせない設定が加わった瞬間、魔女攻撃の一連の動きがどれくらい迫力があるのかよりも、物語の展開的な動きの方が気になってこないだろうか。アニメーション上の緻密な動作よりも、ギャグ調を出すためにSDキャラデザや画面効果といった要素の方が卓越してきそうなモノである

要はその作品がどんなジャンルでどんなテーマなのか、その中でアニメーションをどう位置付けているかで、表現千差万別の答えを持っていると考えている。立体的な動きとか力の伝わり方を見て取れるようなリアリティを重視するよりも、もっと感情移入して欲しいかキャラクタの魅力を全面に出す方針があるのであれば、背景のモブと呼ばれる方々まで生き生きと動いていればその画面の映え様に感動するけど、そこに力入れるなら止め絵でも良いかキャラ造形やカラーグラデーションに力が入ってて欲しいよねって意見も当然あると思う。

この時萌え絵かどうかはあんまり本質的問題ではなくて、視聴者各々の共通言語とどれほどマッチしていて違和感あるかないかの話に過ぎないと考える。

これより先は趣味指向トレンドしか言えない領域突入してしまう気がしてならない。そこは表現の自由が担保されている以上、善悪判断軸が及ばない空間である

もしそれに対して「過去多くの作品萌え絵が使われていて、時間をかけて大衆になじんでしまたことで不当にも市民権的なモノを得てしまたからだ!」などと主張してしまっては、もはや時代(トレンド)に対する憎悪しかなく、いつまでも見えない相手との戦いを余儀なくされることになるだろう。

キャラ造形に対する文句ほど不毛なことはない。

ひと昔前にギャルゲー原作としたアニメが多く生み出される時期があった。のちにラノベ原作アニメが多く輩出される時代が訪れることになるのだが、当時としてはニコニコ動画を始めとした他メディアで取り沙汰され、言わば萌えアニメの本流とも言える地位を築いていたと思う。

ではそのどれもが、彼がいうところの『強度』なるものを有してたかというと、……なんとも言えないところはあるかも知れない。

当然のことだが何千枚という数の原画に対して、その全て原作独特の繊細な塗りを再現するのは時間的にも経済的にも叶わず立ち絵差分とスチルと効果のみで表現されていた絵に対して、話の展開にマッチするようにかつゼロから動きを盛り込むのはやはり至難の技のようで、結果的作品の持つ強みを生かしきれないまま終わってしまったものが多くあった印象がある。

その原因は、アニメ萌え絵が向いていないというよりは、テキスト……特にキャラクタの心情面に比重が大きい作品は、初めからアニメーションを十二分に活かせるだけの舞台比較的狭いように思える。キャラクタ同士のウィットに富んだ掛け合いを楽しむだけなら、それこそゲームのように会話と場面移動、要所要所で叙情性の窺える背景描写カットの繰り返しで事足りてしまい、ともすれば動作は間を持たせるためのツールになってしま可能性すらあるのだ。身もふたもない話だが。

まりなんとも言えない感じになるのは萌え絵のせいではなく、作品のコンセプトにいかアニメーションを上手絡めることができるかによるのだ。そしてそれは当然、作品ジャンルアクション主体なのかコメディ主体なのかリアル恋愛主体となるのかでアニメーションの寄与度の上限が決まってくるので、表現手法の一つである「動き」単体で評価した時、ジャンルによる偏りがどうしても出てしまうモノなのだ。画面映えする動きがなくても『十二人の怒れる男』(実写映画だけど)のような名作は生まれる。

実際のギャルゲー原作作品には、画面映えを飽きさせないようなさまざまなアイデアが盛り込まれていたけど、いよいよ話の筋から外れてしまうから割愛したい。

画面を縦横無尽に駆け巡るアニメーションは、突き詰めればただの動きであり、結局は表現手法の一つでしかなく、ストーリーとの直接的な関係がなければ、ストーリーへの直接的に干渉することはできない別レイヤー存在にすぎないとも言える。

絵コンテ等の段階でスクリーン上の動きに込めた意図に気づける目の肥えた人にとっては、「動かし屋さん」の実力が垣間見れる瞬間であり、味の決め手のような作品価値を決定づける重要ポイントなのかも知れない。

だがストーリーの展開に目が向いてしまう人々にとっては「面白い動きだな、他作品ではあんまり見ないカットを入れてるな」くらいに止まっていて、やっぱりキャラ同士の会話やその時に垣間見れる感情自分リーチできるかどうかに関心が向いてしまものだ。

昨日NHKの某番組で紹介されていたが、殆ど人間は1秒間に4,5枚の絵しか見れないらしい。一枚絵のカットの切り替え表現の繰り返しは、程度にもよるのだろうが、予算工程など諸々の事情を鑑みた時、大変妥当表現だと個人的には思う。

昨今のは様々な形が出てきたとはいえ、まだまだ異世界生モノアニメブームが続いているように見える。

少ないリソースで最大効果を期待する戦略としては非常に合理的だと思っている。

ストーリー上の役割が小さい場面では「異世界生モノあるある」やその根底にある「子供の頃に慣れ親しんだRPGの思い出」という共通言語を利用して絞り、作品オリジナルの強みにピボットを置き部分的に「動き」のリソースを割くことで相対的な画面と展開のギャップを生み出し、差別化と人気を獲得するにあたり大変都合が良いのかなと思っている。

この潮流について個人的にどうと言うつもりはない。むしろ当然の流れだと思う。個人的には長らく続いてきた「高校生部活青春ドラマ」がようやく落ち着いてきて、代わりに台頭してきたくらいの感覚だ。時代とともに変遷する価値観や需要を端的に示していると思ってる。

ところで『リトルウィッチアカデミア』というアニメ作品をご存知だろうか。

2017年に株式会社トリガーから出されたオリジナル作品で、ヒロイン少女アッコが憧れの魔女シャイニィシャリオにのようになろうと魔法学校入学し、仲間達と共に成長を遂げていくというお話である。当時OP映像を見てその作り込まれ世界観引き込まれ、全話リアルタイムで追っていた。

ご存知の通りトリガーといえば他にも『キルラキル』や『SSSS.GRIDMAN』を始めとする数々の名作アニメを世に生み出した有名なアニメ製作会社だ。

社名に違わず弾丸が飛び交うような激しいアクションシーンが特徴的で、およそ10年にわたり多くのアニメファンを魅了し続けてきた。

何の因果か、つい先日株式会社トリガーが手がけるのアニメオリジナル放送前となる『リトルウィッチアカデミア』の短編映画原画制作する新人アニメーターたちの様子を追ったドキュメンタリー動画を、失礼ながらもしゃちく☆まっしぐらしていたリアタイ当時の自分の状況と重ねながら観ていた。

今回この拙文を書こうと思ったのも、その動画を触れたあとの余韻がそうさせたのだと思う。

動画の内容が気になった方は各人で確認してもらいたい。

端的に言うと、彼らが手がける他作品と一線を画す豪快な「動き」に込められた感動を生み出すもののの正体はアニメーターたちの寿命のものだ。

そこまで心血注がなくたって、既に共通言語を獲得している我々にはその半分以下の動きであったとしてもおそらく『伝わっている』のである。だが彼らはそんな事眼中にはなさそうだ。彼ら自身が観たいものを描いているだけなのだろう。シャイニィシャリオクルクルと回りながら杖を振り動物たちの花火魔法を出すまでのたった数秒の「動き」に、何週間も終わりの見えない苦悩を重ね続けるなんて、それこそ描くこと動かすことが大大大好きでもなければやれるはずがない。私のような観ているだけの人間には理解できない世界がそこにはあった。

間違いなく時代トレンド関係なく後世に伝わってほしい作品の一つだし、アニメ好きの私は一つでも多くそう言った作品が世に出てくることを願ってやまないものの一人ではある。

だがそれがアニメの全てだとかあるべき姿だとかそういう指向性に囚われるような話でもないと思う。

だが、予算制作期間と人員の消耗等のあらゆるのリスクを考えるのであれば、それらアニメーターの生命と血が滴る作品を世に出すことは、何十人何百人の人生をかけた大勝負であり、そんなものを定期的に見せておくれよなんて烏滸がましいことを言えるほど私は偉い人間ではない。

製作陣の戦いの姿の一端を見ただけで、シャリオが振う杖の軌跡一つとっても、数年に一度しか拝めない奇跡の奇蹟と言われても納得できるし、胸の内から熱く込み上げてくるものを心地よく感じることができる。

コロナの影響ですっかり荒廃しきった今の時代、人との関わりがすっかり乏しくなってしまった(俺だけかもしれないけど)独身を生きる俺に、自然と「頑張って作ってくれてありがとう」の気持ちと、明日を頑張れる活力を授けてくれた魔法だった。

もっと色々な魔法を、『傑作』を見てみたい! その想いの強さが故にアニメ業界の現状に、文句の声の一つくらい出してみたい気持ちもわかる。

けれど、

あの世界は、我々視聴者同士が視聴者層の絵の嗜好がどうとかで文句を言い合っているレベルで語れるのものではないのだと私は思う。

私が円盤や関連グッズを購入すると言った金銭的な応援以外にできることは、アニメーターの方々が1秒でも長くアニメを大大大好きでいていただきたいと願うだけである

気づきの通り最後の2文が言いたかっただけだ。

最後まで読んでいただいた方は、こんな拙文にお時間取らせてしま申し訳ない。

良いアニメライフを。

2020-11-11

おそ松さん三期があまり盛り上がらないのは何故か

一世を風靡した「おそ松さん」というアニメをご存じだろうか。赤塚不二夫おそ松くんベースだが、キャラ設定等はほぼアニオリだ。

個性的なむつごのキャラ不条理ギャグ、そこはかとなくインモラル下品、だがどこかおしゃれな作風個人的意見です)に人気が爆発した。

深夜アニメにも関わらず子供にも人気で、放送が始まった2015~2016年ころは社会現象とまで呼ばれるくらいの人気だった。同人界隈も盛り上がった。

しかし、現在第3期が放送されているのにいまいち盛り上がりにかけているように感じる。

5年も経てばこんなもんかと思うが、2年前の二期、昨年放映した映画ときはまだ、もうちょっと盛り上がっていたように思う。

Twitter検索欄に「おそ松さん」と打つとサジェストに「つまらない」と出てくる始末。

何が原因なのだろうか、他の人の感想意見を見ながらまとめてみた。


①鬼滅やツイステにヲタクが吸われた

これはしょうがない。

流行から

そもそも二期の頃もユーリ等に吸われた。

そして今季ダイ大や金カム2期、ヒプマイ、呪術廻戦、ひぐらし夜叉姫等、同時期に期待値が高く話題さらアニメが多すぎるのも原因だ。

ネームバリューではおそ松さんもそれらの作品に負けていないのだが、

世間では鬼滅映画で賑わい、pixivはツイステ創作で溢れているので時期もちょっと悪かったかもしれない。


キャラデザの変更

一期、二期、映画とずっと務めていたキャラクターデザインの人が降板し新しい人になった。

急な絵柄の変化に戸惑いを隠せない人も多かったはずだ。松ファンなら、明らかに違うのが分かる。新しい人が悪いとは言わない。しかし顔も体系も違うのだ。

でもまあ、その人がすべて本編作画の指揮をとっているわけではないし、その人はベテランなのでアニメーションがうまい。本編にはさほど影響はないように見える。

そもそも松のフォルムは難しく、アニメーターによって作画のブレがひどいのだ。

コマ送りして見ると作画崩壊なんてこともしょっちゅうある。4~5頭身でムーミンのようなフォルムなので他のアニメと比べると多少の作画崩壊は目立たない。というか、動けば問題はない。

問題立ち絵キービジュを使ったグッズの売上だが……。


③中身が暗い

なんか全体的に暗い。

・結局コンプライアンス馬鹿にしている1話。

・新キャラ登場でこれまで当たり前だったギャグ要素にケチがついていく。(チビ太のチビ蔑称とか、デカパンの格好はわいせつ物陳列だとか何とか…。そもそもチビ蔑称ならシコ松も蔑称だしトト子に対するうんこ評価侮蔑なのになぜつっこまない。ガバガバAIか?)AIに対してはむつごの誰かが面白くツッコめばギャグになるが、誰もツッコまないので放置されている。多分伏線からこの不穏さは最後までとっておくんだろうがこれがいつまでも続くとなると……。

スタバァでうんこしたりチンコぶるんぶるんさせて弟に迫ったりしていた一松が三期は打って変わって折り紙折ってラジオごっこする陰キャなだけの人に。

・一期で結婚したサブキャラ橋本にゃーが突如離婚してシングルマザー化。アイドルであるトト子ちゃんももう後がないと言われ自身の年齢を気にしている様子。生活費稼がなきゃいけないにゃーと後がないトト子は一期からやってきたアイドルをやめて女子プロレスラーに…。(オチギャグにしているがすごく重いです…)

・友人の結婚式に出て落ち込む等、むつごの年齢を感じさせる会話。

三期は、「パロデギャグ+本編軸ギャグ+シリアス本編軸(AI絡み)」の構成でやっていくのだろうか。

4話の「カップ麺を食べたいがために奮闘するむつごの話」のように、明るく楽しい話もあるが、正直見ていて陰鬱な話の方が多い。

三期の新しい取り組みとして、1話完結ではなく続き物を試みているのだが、それが今のところシリアスで楽しくない。

このシリアス風味のAI日常パートや妙にリアルを感じさせる重い設定がずっと続くと思うとなかなかしんどいものがある。たぶん1期2期と同じく24話で特大シリアスをやって最終話で大爆破オチなのだろうが……。

リアルで考えれば6人全員ハタチ過ぎてニートなのはもともとキツい設定なんだからアニメの中くらい楽しく明るく馬鹿やってるニートでいてほしい。(そもそも赤塚不二夫のむつごを「将来はバカニート」という設定にしたのはおそ松さん公式なのに、今更むつごに自虐させていかダメかを描くのは正直言ってよくわからない。1期は20代前半だが3期は20代後半になっているので、そういう時間の経過を書きたいのだろうか)

まだ序盤なので今後に期待したいが、5話まですべてこうなので不安が拭えない人もいるのだろう。

1期にも2期にもシリアス回はあってそのたび良い意味でも悪い意味でも話題にはなってきたが、それはたまにあるから良いものではないだろうか。

「また笑おう」がキャッチコピーのはずなのに、シリアスとのバランスおかしいので笑えないことになっている。

ギャグアニメを見ている人がギャグアニメへ期待することは、安心して笑えるということだ。笑いたいときに妙にリアルなキツさを突きつけられると視聴者の心も疲弊する。


既視感

どこかで見たような話が多い。

既視感。これは単純に、二期以降ひとりの脚本家がすべてひとりで書いているのでネタ切れなのではないだろうか。

一期は他の脚本家もいて、交代で書いていたが二期から何故かひとりで書いている。

ドラマCDフェス松さんを合わせれば現在脚本家が作った話はゆうに40話を超えるので、ネタ切れも仕方ないのかもしれない。

個人的には助っ人脚本家を雇うか、ネタ出しのアドバイザーみたいな人を入れるかした方が良い気がする。そして監督脚本家意見を言える人物必要なのではないだろうか。

制作チームを気の合う人だけで固めるとどうしても内輪ウケになってしまい、視聴者との壁ができることがある。特に二期は視聴者不快になるような下ネタが多めで賛否両論だった。(もちろん二期も面白い話はある)

衝突しない程度のストッパーはある程度重要だし、「ひとりで決め過ぎない」ということも、続編物語を作るうえでは大切だと思う。

「むつごを使ったコントを見ている気分になる」といった意見を見た。

むつごじゃなければできないギャグ、そのキャラじゃなければできないネタもっとあれば盛り上がるのかもしれない。

追記 6話はついに過去に出したドラマCDをそのまま映像化してしまった。本当にネタ切れなのかもしれない。


キャラ格差

出番の差、扱いの差がわりと露骨うんざりしている人が多いようだ。

そういえばイヤミも1話以降出てないな…。

不憫なのはトド松とカラ松、たまにチョロ松で、全体的に空気なおそ松。暴れん坊フィジカルな一松と十四松の構図は二期から同じだ。

一松と十四松はあまり痛い目に遭わない代わりに下品下ネタ担当な気もしたが、三期はそれすらなくなってしまった気がする。(一話で食糞する十四松は面白かったけど)

一期二期は大ボケ担当だった十四松だが、映画と三期ではわりとまともなツッコミキャラとなってきたのではないだろうか。十四松の新しいキャラクターを模索しているような気もする。

一松に関しては前述したように唐突下ネタやキレ芸、カラ松に対する理不尽暴力等のトリッキーさがなくなり、出番は多いのになんとなく影の薄いキャラになってしまった。

ひとりだけAIに靡かず不信感を募らせたり不穏な空気を出したりと、わざとキーキャラとして置いているように見えるが、そろそろ一松の持ち味であるヤバい奴感を出してほしいところだ。

十四松をツッコミキャラ・チョロ松をボケキャラとしてギャップをつけて昇華したように、ポジショニングの変化も多少はあった方が飽きがこず面白いかもしれない。

あとコンビの差(このキャラはあのキャラとばかり絡んでるな…というもの)。二期以降、そういう格差に気を使っているのは感じるが三期はどうなるのだろうか。一ファン的には、推しはいろんなキャラと絡んでほしいのだ。

これはアニメ本編と関係ないことだが、A推しの人が、「最近A+Bのコンビグッズばかり出て萎える」と言っていた。相手を固定されるよりは、さまざまなキャラとの版権、グッズが見たいのだろう。


広報の変化

おそ松さん公式ツイッターによる広報の変化。三期からは、ファン意識した企画が多い気がする。

まりファン参加型。

放送が決まってから放送3話目くらいまでの企画コラボについて調べてみた。


【二期】

おそま通信

カウントダウン(一人ずつ)

日替わり松(一人ずつ)

衣装むつご紹介(一人ずつ)

公式アンソロ6冊同時発売

おそ松さんVRコンテンツ開始

セレクション発売

しま松開始(おそ松さん牧場ゲームしかし1年持たずに終了した)

水族館とのコラボ

東京ガールズコレクション 2017

47都道府県勝手応援プロジェクト

6つ子がアプリにおじゃましま〜つ(さまざまなアプリコラボ


【三期】

塗り絵

絵描き

ファンクラブ設立年会費5700円)

救出作戦イヤミにむつごが攫われたというていで、救出を呟くとキャラクターのボイス付きのリプライが貰える)

衣装公開(全員ひとまとめ)

キャラクター紹介(一人ずつ)

また笑おうハッシュタグ感想キャンペーン(ツイで再放送感想を呟いてもらうキャンペーン

ブライダル松さん(結婚式とコラボ

おそ松巨大広告(渋谷に巨大広告)

クラウドファンディング新聞公告掲載(これは松公式企画したというよりもクラファン会社が持ち掛けたらしいが)

集えよ同胞NEET応援プロジェクト!(ファンから歌声を募って主題歌CDに収録する企画

4コマ募集ファンの描いた作品アニメになる企画


2期も別にそこまですごい企画を出しているというわけではないが、3期は明らかに、「こうじゃないだろ感」がぬぐえない企画が多い。すごくお金をかけているのは感じる。

塗り絵絵描き歌は幼児用(?)なのに、肝心のアニメの中身は暗くて子供ウケするような話ではない。そもそも今でも松を見ている層は大人の女のオタクが大半だ。

そして、むつごが結婚式を祝ってくれるブライダルコラボをしているのに、5話のアレ(知り合いの結婚式帰りのむつごが将来を憂いながらトボトボと歩いて帰るだけの話)はまずいのでは……? あれを見て呼ぼうと思う人がはたしているのだろうか?

ツイッターでも荒れていた4コマ募集企画通称コンテ松さんについても話そう。

ファン4コマ形式のコンテを書いて応募すると、その中から採用された作品ショートアニメになってDVDの特典につくという。

素人作品アニメ化する夢のような企画だが、裏を返せばファン妄想公式になるということだ。しか円盤の特典なので、これによって「円盤買えない」と嘆く人もわりといた。

さらに応募は匿名ではなく、応募した人のツイッターIDサイト掲載される仕組みなので、過去に何を描いているのか、どのキャラ腐女子なのか等を掘られる人も出た。地獄絵図。

Twitterでも賛否両論だが、円盤特典が賛否両論な時点で商法としては失敗しているような気がする。

個人的には今までにない取り組みなので期待をしたいが、否定的な人の意見も分かる。

今まではファン意識したようなネタはあまりなく、むしろ2期1話ではファン小馬鹿にしている始末だが、今期からファンに寄っているような気がする。その姿勢に戸惑いを隠せない松ファンもちらほら見えた。

三期が始まる前、制作陣が雑誌で言っていた「新しい試み」はことごとく効果を得ていないように感じる。



1期第1巻の円盤(BDDVD)の初動売上は79,108枚。

2期第1巻は10,321枚だ。

深夜アニメなら1万を超えれば大成功の部類だ。1期1巻の売上が化け物だったため2期の落ち込みっぷりは各場所揶揄われるが、数字だけ見れば十分成功している。

ちなみに映画興行収入は6億~7億円くらい(127スクリーンで、二期から1年の月日を経てのこの数字はまずまずではないだろうか)

しか公式サイトで行われた「666666人に届け!キャンペーン」も、動員数は535269人でストップし、最後トド松にだけ色がつかず終わった。(10人達成ごとにキャラクターに色がついていく仕組みだった)

トドはいまでも無色のまま、サイトの奥に笑顔で佇んでいる。

別にアニメは売上がすべてではないが、売上が著しくないと4期はない。

3期の売上はどうなるのか…今からキドキする。

通常アニメは1巻で5000枚売れれば続編の可能性が見えてくると聞く。「おそ松さん」はわりと金がかかるアニメなので、4期を期待するなら7000~1万枚の売上は欲しいところだ。

2020-10-23

あれ?胡蝶綺、BL!?

帰蝶が雄だ。

そしてこのED…。

いたって普通信長譚だと思ってたら実はトリッキーなやつだった。

どうあがいても第六天魔王はアレな仕上がりになる。

BAKUMATSUクライシス第一話を見てみたのだがワケが分からず。

どうやらこれは2期らしかった。

ということで1期を見ようとしたところ、実は以前に視聴中止していた作品だった。

じゃあ2期も無理じゃん。

仕方ないので別にアニメを探す。

歴史繋がりで、胡蝶綺~若き信長~を見てみる。

第一話はなかなか良かった。

監督阿部記之だった。スタジオディーン。安定感のある作品なんだろうな。

信長モノで好きなのは信長協奏曲だが、こういうトリッキーじゃなさそうな作品もいいかもね。

2020-10-21

https://note.com/teren_mikami/n/n8a5f3e4c53b7

ストーリーはともかく(主さんの主張はあながち間違いとも思わない)。

以下は個人的感想

百合姫って雑誌カラーを知らないので正しいかはわからない。

2017年度表紙担当、べにしゃけ先生

落ち着きすぎているけど、春号なのでいいんでしょうか。少々地味すぎる気も。

2018年度表紙担当フライ先生

個人的にはこれが一番安定してる気がします。しっとりした水のイメージと二人の距離感もいいし、配色と白地の清潔感も手に取りたくなる要素。

2019年度表紙担当白身魚先生

こう言うとあれなんですけど、面々の中で一番描けてないかなって。

背景の密度バランス、立体感。どれも他のイラストレータに比べるといまいちです。

その空間の出せない感じを派手なパースで補って上手に見せようとしてるのはわかるんですけど、それだけですね。

ちなみに自分のことは棚に上げてます

2020年度版1月号の表紙、うるあ先生

圧倒的にこってり。ただ正直厚塗り系でこの感じはイラストとしての押しが強すぎて表紙を飲んでしまってる感が否めず。デザイナーさんがこのくどさに合わせてトリッキーで尖ったデザインを施していますが、それでも浮いてる感じがします。主張が強すぎです。

4月号(同氏?)

そして、うるあ先生の表紙デザインとしての問題は個々にも出てる気がします。押しが強くくどいのに、テーマや造形が至って普通という安牌をきってる点ですね。尖り方が足りないか大人しさが足りないかのどっちでもない。中庸というよりどっちつかずです。なにかビビってんでしょうか。2013年辺りまではもっと尖った人がいたもんですが。

5月号(同氏?)

これ、僕も好きです。80年代サブカルチャー的な文字とポップな女の子の髪の色、化粧崩れと、どれも正面から挑まず斜めにずらしている感じがかっこいいしかわいい。

9月

そこまで心に止まらないというか、趣味ではないのでノーコメント

11月

押しの強さの割に普通、という印象が全く変わってません。なんでこの人はこんなに変わった雰囲気であるように見せかけながら極めて普通なんでしょうか。教科書からくどさを学んだような印象と言ったらいいのか。

10月

うまいですね。空イラストごまかしがききやすいので手を抜きがちですが、キャラクター左上部に目線が集中するように渦を誘導し、キャラクター二名の頭上から線を引くと台形、右側のオブジェクトと併せてみるとVの字が形成されるように描かれています。構図がかなりしっかりしてる。こうすることによってVの字の終端であるキャラが向いている方向へも意識誘導することができています。また、魚眼により空間が広がっています

まあ、noteの主さんとはまるで関係のない感想ですが。

2020-10-15

anond:20201014234053

https://allabout.co.jp/gm/gc/292936/

を読むと分かるけど、

国はせっせと返す当てのない国債を発行してるんだよ。

国債を発行して、日銀に買ってもらう。

日銀国債を買うためにお金を刷る。

日本社会全体が成長している、人口も増えれば、GDPも増えてる時代は、

そういうトリッキーな円の増やし方をしても問題無かった。

でもこれから人口が減って行くのだから現在流通している円も一緒に減らさないと

ヤバいことになる。

2020-09-29

テレビ番組にとって「CMマネタイズする構造」って本当に最適解?

いつからこういう形になってるのか知らないけど、テレビマネタイズの仕組みってえらく間接的で、なんというかトリッキーじゃない?

普通に考えたら受信料とか追加コンテンツ販売とかで直接的に金とるのが最初に考え付くと思うんだけどどうしてこうしたのかな

そして今の時代を前提とした場合、本当に今のこの形が最適であり続けてるのかな

CMを織り交ぜつつも普通に受信料とったほうがいいと思うんだけども。

【全戸完売! なのに塩漬け…ル・サン小石川後楽園

文京区小石川建設された分譲マンション「ル・サン小石川」が販売を終え、引き渡し寸前に建築確認を取り消される。建築確認取り消しの訴訟を起こしたのは、建設に当初から反対していた周辺住民の一部。彼らが繰り出した、かなりトリッキーロジック不動産業界は唖然とした。

2020-09-24

ハロコン2020八王子公演の感想メモ


全体的な感想

以下各チームの感想だが,表記は下述の通り:

  1. 歌唱者名: 『曲名

Aチーム: 0823朝

  1. 岡村まれ: 『想い出がいっぱい』
    • 二度ほど声が途切れた;大サビ少し早取りしたか?;声質は前回聞いた時から少し変化した印象
  2. 譜久村聖: 『元気を出して』
    • 上手い;ほぼ瑕なし;声質が曲に合ってる
  3. 松永里愛: 『ありがとう
    • 上手いが,棒立ちで声の伸びが不足気味なのが惜しい
  4. 段原瑠々: 『I LOVE YOU
    • さすがの出来;小野版よりやや大げさで尾崎寄りの印象
  5. 船木結: 『月光』
  6. 井上玲音: 『ワインレッドの心』
  7. 高瀬くるみ: 『会いたくて 会いたくて』
  8. 羽賀朱音: 『あなたに逢いたくて~Missing You~』
    • 笠原版より声はオリジナルに近いと感じたが,高音に上がる箇所が不安定だったように思う
  9. 江口紗耶: 『ハナミズキ
  10. 川村文乃: 『青春の影
  11. 西田汐里: 『なごり雪
    • 演出&情感がやや過剰気味の石田版と違い,普通に歌った印象;これはこれで上手いが,低音ほんの少し苦しいか
  12. 石田亜佑美: 『青葉城恋唄
  13. 小林萌花: 『愛唄』
  14. 加賀楓: 『海の声

この回のMVP文句なしで船木さん。上手いだけでなく,印象に残るパフォーマンス。会場の空気全体が震えているように感じたほどの声量だった。

次いで譜久村さん,高瀬さん。譜久村さんは印象的なものはあまりないが,歌の総合的なレベルバランスよく高い。高瀬さんは最初ミスさえなければ譜久村さんを超える歌唱だったかもしれない。これに続くのが段原さん,井上さんあたりというのが,個人的評価

cf. anond:20200924042540

2020-08-14

DCDアイカツ!シリーズお勧めコーデを書く

増田アイカツ!がアツいみたいなのでデータカードダス アイカツ!シリーズ元増田が好きなコーデを書くぞ。

詳しい画像とかはググって確かめてくれな。お勧めアイドルも書くぞ。増田のみんなでDCDアイカツ!を盛り上げてくれ。

ファニートリックコーデ

ワンショルダーでカジュアルさを残しつつ、大胆に見せるホルターネックビキニセクシーだ。攻めすぎじゃねぇか?これ。蘭に着せろ、死ぬから(可愛すぎて)。

ハイポリストップス、ネイビーエナメルショーパンスカイブルーエナメルブーツ

引くほどミニショーパン効果めっちゃ脚長く見える、姐さんの5thフェスコーデだ。どうでもいいけどあのあお蘭付き合ってるよな???

ロイヤルスウィーティーコーデ

デザイナーに関しては宗教上の理由ノーコメントだがデザインはほんと好き。ネイビーブルーピンク差し色大人カワイイ演出だ。やっぱあかりちゃんが似合う。

ブルーローズノーブルコーデ

上のロイヤルスウィーティーと合わせてもいい。どっちもネイビーブルーベースだけどこっちはCoらしく赤×金の差し色が効いてる。あかスミで是非(当方リバOK)。

・コットンシュガーコーデ

セーラー風激甘コーデだ。ののリサやまど凛に双子コーデさせよう。

エンジェルアリスコーデ

元増田イチオシアイドル、天羽まどかPRドレスだ。祝福しろ彼女にはそれが必要だ。

ホワイトステージコーデ

板野友美スクドレだな。シンプルモノトーンコーデだからだれにでも合うぞ。ユウちゃんしおん辺りのショートカットに着せるとカッコよさを底上げしてくれる。

スイートデビルコーデ

ニャーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!(パープル基調なんで髪がビビッドカラーアイドルに似合うよ。猫耳カチューシャもGOOD!)

ブルーロージーコーデ

お上品なドレスコード。スミレに着せていちあか結婚式に招待しよう(元増田CP固定でない)。


ブラックロマンスコーデ

魔夜さん、お前さ…そんなカッコいいコーデ作るの、反則。百合紋章入りなんでもうそういうことでいいだろ。

・ハーティリュミエールフラムコーデ

ラブミーティアフレンズドレスだ。いちあおに着せて挙式の準備だ。同様にダイヤモンドフューチャーエンジェルコーデもいいぞ。ご結婚おめでとうございます

キティトリッキーコーデ

こいつはほんとあんなツラしてこんな激かわコーデ作るとかどういうことだよクソクソ、大好きだよ。あかスミひなきにピッタリだ。ニャーーーン!!!

バレンタインアクアレースコーデ

ロチコーデだな。まぁ、やっぱベタにCuCoの組み合わせが合う。蘭ユリでもいい。SeCuも可愛いオーロラキスピュアエンジェルアクアリボンと合わせると地上に恋を振りまく天使になるぞ。

フェアリーテイルコーデ+ブルーミングフアリーカチューシャ

説明不要あかりちゃんに着せろ。

プレイングトランプコーデ

デザインレベルの高いマジカルトイの中でも特に優秀なのがこれ。超かわいい。やっぱ最初はかえでかな、隣にハニージョーカーコーデのユリカ様を添えて。

ゴシックローズコーデ

寒色系なので明るい色のアイドルがよく似合う。自分はいちごが一番似合うと思うね、髪色が丁度差し色になってるし。もちろんリリィ先輩やユリカ様、あおい姐さんみたいなCoにもピッタリだ。

ロックマイハートコーデ

個人的スターズ!ではローラが一番好きなので。

ファントムレディコーデ

オシャレ怪盗のやつ。どうでもいいけど劇場版に出てきた三代目(?)は爆発力あったよな…でも俺は蘭ユリスワロテイル見たかったよ。あの回大好きなんスよ…。

・オデットスワン、オディールワンコーデ

めっちゃ好っきゃねん…めっちゃ好っきゃねん……やっぱりあかスミなんだなぁ みつを

サマーデイムーンミラクルコーデ

死因:ゆめローラ

2020-08-01

anond:20200731155404

自称センスある複雑でトリッキー理解しにくいカリカリチューニングコードを書く人の方が厄介。センスない人間でも理解できてメンテ拡張やすコードベスト

元の言う「センスがない」→「プログラマに向かない」→ 勉強する気がないから成長に時間がかかるし応用の効かない人。その人が単価に見合ってないだけじゃないかな。

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