はてなキーワード: テキスト界とは
NANAで初めて見て、あの作品がブームの元なのかもしれないと思っているのでそういう見方で書くけども、NANAブームの頃から「○○の方が○○」という言い回しを「○○のが○○」と省略する表記をウェブでよくみかけるようになった。
凄く個人的(+理不尽かもしれない)な感想ながら、それが目障りで、目にするたびに少々ムカつく事もあったし(なんだかんだで今は割と慣れたが)、実際に見間違ったり読みづらくなるケースはあると思う。
いずれにせよ嫌悪している理由に説得力はないかもしれないが、とりわけ不快感を覚えるのは、実生活で使った(であろう)、もしくは流行った(であろう)言い回しを当たり前のようにウェブというテキスト界で使われるようになってしまったのではないか、ということ。
そもそも「のが」という省略形の語感から考えて、おそらく若い層(自分もその層だけど)が作り出した、流行り言葉みたいなものなんじゃないかと思う。
実際にNANAはそういった特に若い層を題材&ターゲットにしているし、無関係じゃないのではとも。
流行っている言葉を使う人にとって、話したり文章を書いたりするシーンでそういった言い回しが、どれだけ自然に思い浮かぶものかというのは承知しているつもりだけども、やはり情報の伝達手段がテキスト主体であるウェブ上で、まるでメールをしたり普段仲間と話すような感覚のままそこかしこで使い倒すのはいかがなものかと思ってしまう。
NANAは2次元だし、違和感なく登場人物が「のが」って使うかもしれないけども、あの作品はいわゆる自然主義的リアリズムで描かれていると言えるだろうし、つまるところNANAは元々、現実を模写するような構造で創られたわけで。
いくら紙面でセリフという文章として使われていて、日頃自分たちが読みなれている言い回しとはいえ、その”ウェブ外の現実(実生活)”の感覚(とりわけ言い回しなどの点において)をウェブに持ち込むという事は、情報を伝え合う気があるのかないのか、少し配慮にかけるのではと感じた思い出。
あとウェブで調べる限り、この言い回しに不快感を感じる人が何となく少なそうなのがちょっと意外だった。
念のために書くと、実生活で使う分にはウェブ上ほど気になるものではないように思うのも確か。
「の方が」をなんとなく短く、場合によってはそれを可愛く感じて使う人もいたりするだろうが「のが」という短縮形にしたところで、聞こえ方の感触はそんなに違和感の強いものではないと思う。