「ストラトキャスター」を含む日記 RSS

はてなキーワード: ストラトキャスターとは

2023-10-21

テレキャスターストラトキャスターは同じ音。これは事実ではない。 機械で音形でも測ってみれば多分わかること。

セッティングと奏者を揃えてもテレキャスターストラトキャスターの音が違うのは事実

大して違わないし、気にもならない。

わずかな違いではあるけど、こだわりたい。

違わないと思うけれど、違うと言う人もいるので使い分けてみる。

大分違うけれど、こだわりたい部分ではないので気にしない。

全然違うので、当然使い分ける。

全然違うし自分にとって重要な印象もまるっきり変わるけれど、敢えて使い分けない。

これらはどれも事実ではなく意見。各々が持つ感じ方を通してでしか出力出来ない。

意見なので当然事実と違って正解も間違いもない。強いて事実を見出すなら、どれが一般通念とされている蓋然性の高い考えか、くらいのこと。

全然違っていると思っている人が違わないと思っている人を「解像度」が低く劣っていると馬鹿にする。

全く違うと豪語していた人にブラインドテストを受けさせたら見(聴き)分ける事すら出来ず、受け売りに踊らされていたことをからかう。

ギターに限らずそんな光景ってあるんじゃないなと思う。どちらの意見真実を競わせ、試し、自分意見は正しいのだと誇り間違っている相手を貶す。

まあ違いを見極められないよりは分かってる方がなんかカッコイイ感じはすると思う。ただ違いがわかった所で何を以て良しとするかはまた別の話。

違いを認識出来るようになってから、その分解能が自分のイイと思える確信や納得に何か影響を与える事があって、そうなって良かったと思える事もあるかもしれない。ないかもしれない。

2023-06-25

Lawless爪Second-class

(すべて妄想バンドヒストリー

吉田アキコは、京都実家家業旅館業であったにも関わらず

コロナ禍の最中旅行業支援など実施する政府はクソ!」

と息巻いたせいで実家に居辛くなってしまった。

父親から

「お前が呑気に実家暮らし女学生身分音楽などやっていられるのは誰のお陰だ」

という言葉は、学費生活費人質にとった恫喝だとも思った。口喧嘩なんかしたくもないから細心の注意をはらって生きてたのに。

大学を休学し、女子大生というアドバンテージを使って水商売で働けば一人暮らし生活費と、あと1年分の学費を貯めることなどチョロいだろう、そう思っていたが、その見通しは甘かった。

そもそもコロナ禍で飲食業は店を閉め、風俗業も同様で客足が途絶えていた。そして少ない客を奪い合っていたからか、働き始めたキャバクラでは現実の厳しさを味わっていた。

売上No.1の嬢は女王様として君臨し、それに付き従う子分の女がいて、悪口、陰口、ちょっとした意地悪、接客妨害といった小さな棘のような攻撃女王様子分からチマチマと食らうのに辟易していて、周りの女たちも庇ってくれることはなかった。

常連客の威張り散らして自慢話ばかりの禿げた社長に「寂しいから会いに来て」とLINEするのもアホらしくてやってられず、旅館の娘なのにサービス業がまったく向いていなかった。そもそもそれほど器量が良い方ではないということも改めて思い知らされた。

結局、職場と住処を幾つか変わり、大阪東大阪スナックカウンターレディとして働いていた頃には大学を休学し実家を飛び出してからニ年ほどが過ぎていた。それでも大学に戻るつもりではいたから、何度失ったって取り返してみせるよ、と思っていたし、偉そうな社長が高級腕時計を見せびらかしながら話すねちっこいエロ話より工場労働者の陽気なシモネタの方が笑えて楽しかった。アパートから近鉄電車で二つ向こうの駅には司馬遼太郎記念館もあった。

少し生活が安定してきた頃にアキコは音楽活動を再開する。

京都時代実名活動していて、雑にピックアップを埋め込んだアコギを掻き鳴らして電子的に変調した爆音ギターにのせてフォークを歌うというスタイルだったが、休学して一人暮らしを始めてから音楽どころではなかった。

一度、東京ハードコアバンドVoで誘われたこともあったが、パンクというもの中央にいてはならぬ、周縁にいて少数派として生きねばならぬ、と頑なに思っていたのでそれも断ったのだ。

だが、遂には名前を変え「東大阪半日夢想沿線」という名で電子楽器によって幻想的で悪意のこもった電子雑音を奏でるスタイル活動を再開した。激しいライブアクションのせいで機材はすぐに壊れてしまうから楽器日本橋中古屋で安物ばかりを揃えた。

再開した音楽活動は客こそ少なかったが手応えはあった。しか名前を名乗るとギョッとする者もおり、また年配の人物に「極左テロリスト名前などを元ネタにして、被害を受けた人や家族が知ったらどう思うのか」と指摘され、己の軽率さを悔い、この名前を名乗ることも音楽活動も中断してしまったのだった。

そんな折に近鉄布施駅の近くで垢じみてうずくまっている女がいるのを見掛け、若いのにホームレスだろうかと目が釘付けになっていると、その女がこちらを見つけて「金を貸して欲しい」と近付いてきた。よく見ると女は女王様金魚のフンのようにくっついていた子分の女、ジュリだった。

話を聞くと、女王様は客だった起業家と名乗る男に入れあげてしまって、男が何をしでかしたのかフィリピンに逃亡すると女王様も後を追って行ってしまったのだという。女王様がいなくなるとジュリはたちまち他の嬢からいじめられるようになり、店を辞め、あれやこれやがあって住む家もなくなってしまったのだった。

散々意地悪された女だったが、彼女が弱さゆえに強い者に媚び付き従っていたことや、色んなことを我慢している女は強くて奔放な女に憧れてしまうことをアキコは薄々知っていたから哀れに思い、数日なら部屋に居てもよいと伝えた。そういう女は痛みにとっても弱いから。ジュリは泣きながら今まで自分がしてきたことを侘びた。

ジュリは意外と生真面目で、アキコが仕事から帰るときちんと部屋を掃除してくれていて、冷蔵庫にあるもの食事なども用意してくれた。そしてある日、部屋に帰るとジュリは開け放った窓に向かってアキコのギターを爪弾いていて、それはラジオからよく流れてくるOfficail髭男dismの曲だった。

アキコは脳内火花が散って、ジュリバンド結成を持ちかけた。バンドをやるならまだ部屋にいてもいいと交換条件もつけた。ジュリは喜んで同意し、よくよく話を聞くと中学時代軽音楽部であったらしい。そして中学卒業してから家を出て働き始め、ひょんなことから女王様と知り合い水商売で働くようになったのだという。隠し事だらけ継ぎ接ぎだらけの一人で心細く生きていた女が筋の悪い人物メンターだと思い込むことはよくあることだ。そして年上だとばかり思っていたが、ひとつ年下だということもようやく知ったのだった。

早速近所のハードオフに行ってエレキギターベースを見繕って一番安い激安の物を購入した。ジュリヒゲダンを爪弾いていたこから、今度はポップなものをやってやろうと思い、それらしい曲を捻り出したが、アキコはベース初心者ジュリギターブランクがあり、リズムは安物の電子楽器だったので、劣化したビッグブラック、初期の少年ナイフからも百万光年離れているような、やさぐれパンク以下の酷い感じにしかならなかったが、それは初期衝動ゆえである宣言することで自分たちを納得させた。バンド名もOfficial髭男dism名前を反転したような、公式に対して無法、髭に対して女の装飾の象徴である爪、そしてダンディズムという一流の男に対して二流や二等、二級品という意味を冠して、Lawless爪Second-Classと名付けた。何事もうまくいっていない自分たちにはお似合いの名前だと二人で笑いあった。

数曲をでっちあげ、今度はPOPロックをやるのだと意気込んで、アングラ凶悪バンド演奏しないような阿倍野にあった小洒落ライブハウスオーディションを受けた。

「まあええんちゃう?」という曖昧な判定だったが、出演はさせてもらえることになった。

阿倍野ライブハウスに出入りするようになると、女二人だと色んな男が声をかけてくる。なぜならカワイイ系のアクションジュリはとてつもなく上手かったから。でも音楽好きやバンド仲間だと思えば話も弾むが口説かれたりするのは面倒だった。しかしこっちはキャバ修行した身だ。うまくかわしていたし、ジュリはその辺りの身のこなしも上手かった。それでも面倒くさい人物もいた。

そのライブハウスに出入りするベテランブルースマンで、最初は何かと世話を焼いてくれる風に近付いてきたが、だんだんと遠慮がなくなってきて、あれやこれやと説教をするようになっていった。相手をしているとイライラしてくる。なぜこうなのか。ワガママ放題大人たち。どうして若い女は何も知らないと思っているのか。

ある日、演奏を終えて楽屋に戻ると、当日は出演者でもないのに例のブルースマン楽屋でくつろいでいて、アキコとジュリ楽器を値踏みし

もっと良い楽器を使わないとだめだ」みたいなことを言い出す。そしてなぜか自分の黒いギターを持ってきていて、それを引っ張り出し

「50sのフェンダーストラトキャスタークラプトンもこのモデルを使っている」などとウンチクをたれ始めた。

もう鬱陶しくて堪らなかった。怒りがふつふつと湧き起こってアキコはそれを抑えきれなくなり、そのストラトを奪い取るとネックを持って大きく振りかぶり思い切り壁に叩きつけてやった。その場にいた他の人間唖然として誰も声を出せず、壁の石膏ボードには大きな穴があき、ストラトのネックは折れて弦だけがブラブラしている。アキコも放心状態で、これは殴られるなと覚悟した。

しかジュリ咄嗟にアキコの腕を掴んで強引に引っ張りそのまま駆け出した。そしてそのまま店を出て走って、ずっとずっと走り続けて、ひた走る道路にはもう街灯さえないけれど、新今宮の駅の辺りまで走り続けて、やっともういいだろうと立ち止まって、息が切れて苦しかったけれど二人で顔を見合わせて死ぬほど笑った。嘘じゃない泥だらけの笑顔ギターベースも置きっぱなしだったけれど取りに行くつもりもなかったし、大して惜しくもなかった。

その後ブルースマンはアキコを訴えて、結局アキコは和解を受け入れた。調停の場でブルースマン代理人弁護士

「無法なんて名乗っているけれど法は法なので、賠償金の支払いはお願いしますよ」

と嫌味を言われたのが忘れられない。アキコは感情のないアイムソーリーだけを告げた。

もう大学に戻ることはないと薄っすら思っていたが、なんだか心の拠り所のようではあったので貯金はしていた。けれど、破壊したビンテージギターのせいで全てが消え失せてしまった。

しかし、やがてその話は噂になって、どうやら凶悪な女パンクバンドがいるらしい、他人の高価なビンテージギターをぶち壊して平然としているような奴らしい、以前「東大阪半日夢想沿線」という不埒名前でやっていた話の通じない女らしい、とその他あることないこと尾ひれ背びれもついて伝わっていった。まるで魔法のように簡単に広まってく噂話。お陰で奇特な人やバンドから少しばかり対バンの話も貰えるようになった。

アキコは今も近鉄電車の傍のアパートに住んでいて、ジュリも未だにアキコの部屋に居候している。貯金もなくなり、もう大学に戻ることはないだろうし、カウンターレデイの仕事は先の見通しもなく、何も状況は変わっていなかったが、それでも二級品なりになんとかやっていくしかないとアキコは思っていた。

おしまい

anond:20230621212051

2022-12-30

エレキギターの描きわけ方

anond:20221220182332

はじめに

ボディーやネック、ヘッドの形状、ピックガード、スイッチノブピックアップの位置と個数はギターモデル同定における重要情報である

これを適当に描くと「100000人に1人くらいも聴かない特殊音楽をやっている人」や「こだわりマン」「特殊趣味に沿ってギターを改造している人」「ギター変態」「オーダーメイダーのギターオタクおじさん」等のキャラ付けがされてしまう。

漫画キャラ使用ギターモデルは大体同定されているので、画像検索してポイントを抑るべき。

前提:それはエレキギターか?

何がギターで何がギターでないかというのは特に現代エレキ弦楽器では難しい問題であるが、ここでは弦に注目して6コースをEADGBEに調弦するものとその派生楽器エレキギターとする。

またソリッドボディ(中空でない板切れボディ)かセミホロー(中央は詰まってるが左右は空洞でヴァイオリンみたいにfホールが開いてる)に電気アッセブリが載っているものだけを取り扱う。

今日よく見る弦楽器は1本の弦で1つの音を弾く(単弦1コース)が、複数の弦で1つの音を弾く(2弦1コース,3弦1コース楽器もある。1つのまとまりコースと言う。弦の間隔が一定でないので目視判別可能リュートのように1弦は単弦だが2弦は復弦ということもあるので注意

弦がボディ上にある(ネックフがない)。→チター系。
↓
弓を使う→スカスカボディならエレキバイオリン等。
↓
弦が6コース未満→おそらくベース。小さいならマンドリン、マンドラ等、5弦のもの南米系。ネックの途中に糸巻があったらバンジョー。
↓
弦が6コース以上でネックが太く弦がボディのお尻のあたりまである→多弦ベースチャップマンスティック等のタップ楽器。
↓
弦が6コース以上でネックが太くなく弦がボディの中ほどまで→ギターまれバリトンギター。※弦を載せる駒が中央にあって、弦自体もっと伸びていることもある。
↓
ネックの上の線が斜めとかぐちゃぐちゃしてなんか気持ち悪い→めんどくさい人が持つめんどくさいギター。弦やネックがボディのお尻付近であるのは多弦ベース。
↓
そもそもネックがたくさんある→1本くらいはギターになっていることが多い。ネックが3本以上あるもの特殊変態ための変態楽器。今回取り扱いません。
↓
ネック以外にボディにも弦が張ってある→おそらくエレキシタールシタール風の音を出すギター)。ボディに張ってある共鳴弦はあんまり意味ないらしい。

ギター全般

弾き方

一般に右利きの人は左手の指でネックにあるフレットを抑えて音程を決め、右手で「ボディにある謎の四角」のあるあたりを弾く。

※「11フレットを押さえる」は「11フレットと10フレットの間を押さえる」の意味でフレットそのものは押さえない。

左利き場合

レフティギターは右利き用より数が少なく割高である

そのため左利き用を弾くほかに我慢して右利きにする、右利き用を左利き用にセッティングして弾く(ジミヘン)、右利き用を右利きのセッティングのまま左利きで弾く(アルバート・キング等)がある。

エレキギター場合スイッチコントロールノブ演奏邪魔にならない位置に集中しているが、左利きが右利き用を使うとそれが邪魔になる。

ボディとアクセサリ

ボディとネックの接合部ではボディが左手邪魔になるので多くは切り欠き(cut-away/カッタウェイ)がある。

表面は曲面のものと完全にフラットものがある。

ボディの上には謎の四角、保護カバーピックガード)、スイッチノブ類がついている。

ストラップをかけるピンは多くの場合ネック接合部の上とネックの延長線上にある。

ケーブルをさすジャックはボディ表面に斜めに挿すタイプ、ボディ表面にまっすぐ挿すタイプ、ボディ側面に挿すタイプがある。

弦の終端は弦を載せる部分(ブリッジ)と弦を留める部分(テールピース)が別になっているものと1つになっているものがある。

ブリッジ近辺には、音を変えるためのレバー等の特殊機構がついていることがある。

ネックはボディの中心線に上に生えていて、フレットが打ってある。奇数番のフレット間にはポジションを見失わないためのポジションマークという印がついている。

ギターやネックの縁は装飾でくっきりしているものと装飾がなくて木のままのものがある。

ネックの先端をヘッドという。ヘッドはネック本体より下げる(ギターを抱えたときネックより体側にある)ために、ネックから斜めに生えているか、1段さがっている。これは弦にテンションをかけるため

↓こういうこと。弦の振動部分の端より弦を留める位置を下げたい。

ネック←/△ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄△\→テールピー

ネック側の△をナット、テールピース側の△をブリッジと呼ぶ。

ピックアップ

弦の振動磁石コイル電気信号に変えるパーツです。弦の裏にある謎の四角。マイク

こんなちんすこうみたいのが基本のシングルコイルタイプテレキャスター検索したとき斜めについてるヤツ)。

( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

シングルコイルカバーをつけたものテレキャスター検索したとき銀色のヤツ)。

これを逆方向に2個セットにしてノイズを減らしたハムバッカタイプ

( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )

ハムバッカーにカバーをつけたものレスポール検索したときの謎の四角)。

大きいシングルコイルP-90マウント用の耳、↓の<>部分の有無で2タイプ

<[ ・・・・・・ ]>

の6種類でほとんどのギターピックアップは描ける。

ギターモデル

ギブソン
レスポール

達磨型のボディに下側をカッタウェイ。表面はブリッジのところが盛り上がった曲面。塗りつぶし塗装と木目が見える塗装がある。

ピックアップはカバー付きのハムバッカーが2つ。

三角ピックガードはとりはずし可能(ボディが曲面なので浮いていて支えあり)。

丸いノブが4つ。

ブリッジとテールピースは分離(Tune-O-Maticという名前がついた機構)。

スイッチが1つ。

ジャックはボディ側面。

ネックのポジションマークは台形の螺鈿

ヘッドは羽子板状の板がネックから斜めに出ている。糸巻は左右3個ずつ。

高級感のある仕上げの「カスタム」、装飾を減らした「スタジオ」等のバリエーションあり。

レスポールJrピックアップ2個のレスポールスペシャルあり)

レスポール廉価版。相違点は

形状はレスポールに似るがフラットトップ(表面が平ら)。

ピックアップはP-90が1つ。

ピックガードは固定。

テールピースは簡易版の一体型。

ポジションマークドット状の色違いの木。

SG

両サイドをカッタウェイしたクワガタみたいな形状。尖っている。角が斜めに切り落とされているがあとは平ら。

ピックアップはハムバッカーが2つないし3つ。

ピックガードは片側だけのものブリッジまで届き全面の半分を覆うものと2タイプ

ブリッジとテールピースはTune-O-Maticでテールピースがなんかでかくてレバーがついてるバージョンもある。

ストラップピンがギターの左の角ではなく、ネックとボディの接合部の裏についている。

あとはレスポールと同じ。

ヘッド落ちといって重量バランス関係でネックから手を放すとヘッドが下がっていく。

フライングV

カッコイギターランキングNo.2。

本家ギブソン製よりカッコよさを真似た各ルシア―の類似品のほうが目立つ。本家でない場合ギターとして破綻していなければ大丈夫。その分本家を描く時は注意が必要

ギブソン製はV形状ボディ、ヘッドはものによって形状が違う。本家は意外と尖っていない。テールにブーメラン型の飾り。アルバート・キングをはじめブルースギタリスト御用達だった。

お尻側のストラップピンとジャックはVの内側にある。

メタラーなどが使う本家でないFlying-V系ギターメーカーごとにいろいろだがボディが左右非対称だったり、テレキャスターのヘッドをとがらせたようなヘッドをしていることが多い。

フェンダー
テレキャスター

パドルと呼ばれたエレキギターの原点。

蝶々型のボディで片側カッタウェイ。縁は角にならない程度に丸めてある程度。

基本系はシングルコイルピックアップが2つ1つはカバー付き、1つは斜め。

ネックは簡素な1本棒、ポジションマークドット。ヘッドもネックと1体の木で段差をつけて削りだしてあるだけ。特徴的な形のヘッドで片側6個の糸巻。

うにゃんとしたピックガードは固定。

ブリッジは3Wayブリッジとよばれる3本パーツのものかノントレモロタイプの6パーツのもの。テールピースはボディの裏に6個穴が開いている。※つまりボディ裏から弦を通す。

その他電気アクセサリーはノブ2つにスイッチ1つを全部乗せしたアッセブリを載せる工業製品タイプ

ヘッドの形状は重要で、形状が違うと他社のコピー品に見える。

ピックアップやアクセサリーがレスポールの真似をしているものヴァイオリンのような穴があいているもの、謎のレバー、3弦の後ろの謎のパーツなど多数バリエーションオプションパーツあり。

それの見分け描き分けはこの記事と同じくらいの分量のテキスト必要になる。テレキャスター警察を避け、有志が同定したモデルを参考にするべき。

ストラトキャスター

オーソドックスギターといわれるとこのタイプ

ボディは左右差のあるカッタウェイ。縁は大きく丸めてある。たてたときのボディ左下(右ひじが当たる部分)は緩く削ってある。ボディ裏も削ってあります

基本はシングルピックアップ3つ。まっすぐまっすぐ斜め。

ピックガードは固定。ジャック以外のアッセブリは全部ピックガードにONという工業製品仕様

基本は3ノブ1スイッチ

ボディ右下に斜めに穴があってそこにジャック

ブリッジはトレモロブリッジというレバー付き(レバーは外せる)かノントレモロブリッジというレバーなし。

ヘッドの形状がテレキャスターより大きい。丸い部分と飛び出た部分が大きい「ラージヘッド」と2種類。

ヘッドの形状は重要で、形状が違うと他社のコピー品に見える。

PRS系

上記ギターあいのこを作り続ける第三の企業類似品。この部分はストラト、この部分はレスポールと分けて理解すれば描ける。同定されたギターがあればそれを観察すること。

リッケンバッカー

セミホローで鷹の爪のような穴が開いてる。セミホローはソリッドよりボディがデカい。全体につるっとして尖ったデザインピックアップカバーが独特。

グレッチ

「そしたらベンジーあたしをグレッチで」のグレッチ。高級品っぽく描くこと。

穴が開いてるのはホワイトファルコン、穴が開いてないのはホワイトペンギンを参考にすれば大丈夫

ブリッジとテールピースが別でテールピースは古のギターのお尻から吊るやつになっていて、おおむねレバーがついてる。

その他

レスポール、テレ、ストラトが描ければ対応可能なはず。ヘッドレスナットの先にテールピース、ブリッジの先に糸巻がある HohnerKlein)やフロイドローズブリッジが複雑)には注意。

2022-12-20

ぼっち・ざ・ろっく のイラストを描く方々へ!!!!!!!!!!!

ぼっちちゃん可愛い絵をたくさんかいてくれてありがとうございます!!!

いくつか気になることがありますので、こちらを気を付けていただけたらと思います

ギターのネックは左手で持って

ぼっちちゃんサウスポーじゃないよ。ぼっちちゃん(と他の人たち)はネックを左手でもっているよ

ギターの弦は6本だよ

多かったり、少なかったりする特殊ギターじゃないよ

ギターペグは両サイドに3本ずつだよ

ぼっちちゃんの使っている、レスポールペグ(弦を巻き上げるネジみたいなの)は両サイドにある奴だよ

片側に6個ある奴はストラトキャスターとかのフェンダーギターなっちゃうよ。

山田リョウベースフェンダー ジャズベースなので片側にペグがある奴だね

リョウベースは弦は4本なんで気を付けてね

ヘッドはちょっと曲がっているよ

レスポールのヘッドはネックとくっついている所でちょっと曲がっているんだよ

まっすぐじゃないよ

ギターシールドがないと聞こえないよ

ギターシールドケーブルがつながっていないと音が出ないんだよ

からライブ中の絵とかはシールドケーブルがつながっているように描いてね

ピックアップセレクター忘れないでね

上部についているピックアップセレクターっていうスイッチぼっちちゃんはいつも下に入れているよ

どのピックアップで音を拾うかという設定スイッチで、下だと音が重厚になるということで、ロックなどに向いているんだよ

スイッチはどこに入れているかはどれでもいいけど、ピックアップセレクター存在は忘れないでね

ボリュームノブ描いてね

レスポールにはボリュームノブが4つついているよ

ピック持っていることを忘れないで

ピック持たせてね

2022-10-17

anond:20221017164215

人間工学無視したインターフェース

エレキだが、Fenderストラトキャスターを買いなさい。70年前にすでに完成の域に達している。

ただし今買うならネックジョイント部が改良されてる最近モデルな。

昔の四角いゴツゴツしたヤツは人間工学を(略

2020-11-25

まれ変わったら



あ、来世も結婚って書き忘れてた…

駄目じゃん、俺無理じゃん結婚

2016-12-23

それどこ大賞」の審査員の末席をつとめさせていただいたのですが、

http://srdk.rakuten.jp/entry/2016/12/22/110000

実は当初、審査コメント文字数このくらいでよろしく、という指示をすっかり見落としてしまい、最初に間違えて書いたロングバージョンがありまして、せっかくなのでここに公開しておきます。受賞者のみなさんおめでとうございます

http://aonbo.hatenablog.com/entry/2016/10/12/220000

「買い物で人生が変わりました」と言われても「それはまあそういうこともあるだろうな」としか思わないかもしれません。「買い物がテーマブログコンテストなのだから、一番ど真ん中だよね、あざといよね」と穿った見方もできるかもしれません。けれど20年にわたる人生の変化と、その中心にあった買い物とをこれほど簡潔に描き、心から「ああ、買い物で人生は変わるのだなあ」という感慨をもたらしてくれる記事は、これを除いてほかにありませんでした。

「45で買ったストラトキャスター」という素っ気ないタイトルの「45」。その〈価格=45万円〉を表すようにも読めなくはないけれど、冒頭2行ですぐ、筆者にとっての「45」が〈年齢=45歳〉であることがわかります。「35で転職。37で離婚。/それから8年が経っていた。」。そして3行目に「子どもと妻がいなくなった生活。」と続きますわずか2~3行に濃密な行間を含み、 id:aonbo さんの10年間のほんの一部が明かされます

10年前、臨時収入を手にした、ゲーム趣味の45歳。「(うーん、このお金で何か自分にごほうび?)」の「自分にごほうび」という表現も、ちょうど10年前っぽい気分です。そんな中、とあるきっかけが id:aonbo さんに「(そうだよな。もうオレ45だよ。ゲームはそろそろやめようかな。)」と小さな一歩を踏み出させ、そこから一本のストラトキャスターを買うことによって、物語がはじまります。こうやって生きていけるのだな、と思いました。この記事は、ひとつの小さな人生賛歌です。

ところでこの記事、読後感は「ああ、人生」という感じなのですが、実は「人生」ということばは一度も出てきません。一貫して「生活」と書かれているところにも、ご本人のパーソナリティが感じられます。ぜひ賞金の30万円で、また次の10年の「生活の楽しみ」になるような買い物をしてください。おめでとうございます

http://akasofa.hatenablog.com/entry/2016/10/19/182759

つい「買い物」だけで満足してしまうことも多いですが、あくまで「買い物」はスタート地点で、使いこなせるようになっていく歓びこそが醍醐味なのだと感じさせる記事でした。「上達」を言葉で伝えるのはむずかしいですが、「カメラの上達」を伝えるのにブログというメディアはぴったりですね。

親バカ目線子ども目線がちょうど交わるところに結果としての写真がある、という感じもほほえましかったです。親が「美大生」とか「サブカル」とか評するにつれ、「最初美大生も、子どものような純粋好奇心のもとにシャッターを切るんだな」ということにあらためて気づかされたりしました。

子ども視点からしか写せない写真の魅力というのもありますね。子ども使い捨てカメラを渡して撮られた写真だけを集めた『Childlens』(リトルモア2003)という写真集があります。このまま id:akasofa さんのお子さんのカメラの腕がさらに上がっていってついにプロ写真家になったりしたら、その上達していく軌跡をまとめた写真集をぜひつくってください。ぼくは買います

http://walking-gourmet.hateblo.jp/entry/2016/10/15/164806

『買い物』することを一番最初楽しいと感じたのはいつだろう」というストレートな書き出しから、その「楽しさ」のルーツとして、子どものころの買い物の記憶、それと結びついた場所記憶を辿る旅なのですが、行き先がまさかの「屏風浦」。id:s06216to さんがご存知かどうか定かではないですが、「赤い電車」を歌ったくるりのもうひとつ京急ソングとして、その名も「屛風浦」という隠れた名曲があります。ぼくの「屛風浦出身という人もいるのだなあ」というどうでもいい感想は本当にどうでもいいのですが、ノスタルジック主題からしてもBGMとしてこれほど最適なものはないので、よろしければぜひ「屛風浦」を聞きながら読んでほしい記事です。

迷いながらも、風景をたよりにこっちかなと進んでいく感じ、「久しぶりすぎてどっちに行けばいいかすら怪しいけれどぼんやりとした記憶を頼りに歩き始めた」という感じが、写真もとてもきれいで、鮮やかに描かれています。ぼくも久々に自分が通っていた駄菓子屋に行ってみたくなりました。住んでいた部屋や遊んだ公園はなくなっていた、そして、探しものも見つからなかった、という話で終わるのかと思いきや……というところもよかったです。ちなみにぼくは、一枚20円のころでした。

2011-07-17

初音ミクLAライブ外国人感想その11

http://anond.hatelabo.jp/20110707195830

 初音ミク現象の持つCGM的側面については、外国人の感想でもしばしば言及されている。しかし、ワールドイズマインならぬWorld is Hers(世界彼女のもの)と題された以下の感想ほど、このテーマを正面から丁寧に描いたものはない。CGMこそ「クリプトン世界にもたらした最大の贈り物」との指摘はとても重要だろう。伊藤社長が主役を演じる世にも珍しい感想、という面からも一読の価値はある。

 urlは以下の通り。

http://www.manganews.info/the-world-is-hers-how-hatsune-miku-is-changing-everything-anime-news-network.html

+++++以下勝手翻訳+++++

世界彼女のもの:初音ミクはいかにして全てを変えたのか

 伊藤博之は自ら説明しようとしていた。

 「ヴァーチャルアイドル初音ミクを生み出した企業クリプトン・フューチャー・メディアのCEOとして、伊藤は人で溢れる大衆文化バンドワゴンの運転席に座っている。そして誰もが興奮しすぎる前に、彼は人々にこのバンドワゴンが何であるか理解させたいと望んでいた。

 「初音ミクは[一つのソフトウエアです」と彼は言う。「YAMAHAが開発したボーカロイド技術を使ったものです。[ボーカロイドは]歌声を作り出すエンジンで、我々はYAMAHAからその技術に基づく製品を開発するライセンスを得ました」

 言い換えれば、ミクのファンであると公言することは、KorgTritonキーボードあるいはフェンダーストラトキャスターギターのファンであるのと似ているのだ。君が応援するのは楽器――PCにインストールしなきゃならないうえに箱にはアニメ風のイラストが描かれているが、でもやはりそれは楽器だ。おまけにボーカロイドというブランドネーム自体はミクや彼女の華やかな友人たちに帰するものというより、むしろ彼らを動かす音声合成エンジンを指している。文字通りに取れば、「ボーカロイドのファン」であるとは、特定ブランドギター弦のファンであるのと同じである

 だが誰がそんな言葉遊びを気にするだろうか? どんな新興サブカルチャーでも、言葉に独自の意味が付きまとうのは普通である今日では「ボーカロイド」はそのイノベーションから花開いた仮想世界全体を示す言葉となっている。ボーカロイドとは作曲家がそのソフトを使って自宅スタジオで作り出した無限レパートリーを持つ曲のことであるボーカロイドとはそれぞれの曲に対応する画像動画ギャラリーであるボーカロイドとはそれらの画像から生まれたあらゆるミームや粗筋であるボーカロイドとはそれぞれ特有のボイスバンクを象徴するキャラクター群のことである。そして誰であれアニメエキスポに参加した者ならこう言うだろう。ボーカロイドとはそれらキャラのあらゆるバリエーションを含む姿にドレスアップしたファン層である

 これこそがクリプトンマーケディング・ディレクター佐々木渉すらも驚かせた口コミ波及効果だ。彼は「ユーチューブニコニコのような動画シェアサイトを通じて[ボーカロイドが]利用されるやり方」に驚いたと話す。「これらのサイトを使って、本当に口コミで仲間の間に広がっていきます。本当に過去に例を見ない[方法で]様々な国で人気を得ています」。つまり、本流エンターテインメントの大半が今なお企業の重苦しい手によって運営されている一方、自力推進型であるボーカロイド本質はあらゆるものをひっくり返したのだ。

 「ある意味、こんな現象相手に取り組む最良の手法を見つけるためもがき続けてきました」と佐々木は話す。「ファンからフィードバックを得るのが最良だと我々は信じてきました……いかに物事に対処するか、ファン層にとって最もよいことのためにどうするかを。急いで金儲けしようとは思っていません」

 クリプトンは、当時まだMP3ですら未発達の技術であり、ユーチューブ誕生に10年も先行し、そしてあらゆるものを可愛いアニメ少女擬人化するアイデアがまだ急増していない1995年設立された。「我々の目的はそもそもボーカロイド仕事にすることでも、[音声合成ソフトを作ることでもありませんでした」と伊藤は話す。「クリプトンは音全般――音と関係するソフト全てを取り扱う企業として設立されました」

 もし伊藤冗談めかして「ミクのお父さん」と呼ぶのなら、彼女の祖父母は最初ボーカロイドエンジン2003年に発表したYAMAHAの面々となるだろう。「そうした技術存在することは知っていましたし、それを使って何かできることがあるんじゃないかと思っていました」と、伊藤は当時について話す。「我々は既にYAMAHAと係わり合いをもっていましたので、彼らと連絡を取りそこから製品を作り出すことができました」

 だが、あたかも完成された合成音声で歌う天使の形でミクが天から降臨してきた訳ではない。彼女の根っこは、伊藤の説明によればとても粗末な形式の音声技術にまで遡ることができる。「日本では[音声合成ソフト結構一般的で、例えば駅などで使われています。そこでは列車の到着がアナウンスされたり、あるいは[乗車している場合]駅名が呼ばれたりします自動応答システムを使う電話はボーカロイドによって動いています」(想像してほしい、ミクの親戚の一人がカスタマーサービス用の電話回線で働く恐ろしいロボ電話であるという事実を)

 「当初[合成された]歌声を使うソフト存在しませんでした」と伊藤は続ける。「そうしたソフトにどの程度の需要があるのか、私には確信が持てませんでした。というか、はっきり言うなら、PCに歌わせることができるソフトを作るのにどんなメリットがあるのか分かりませんでした」

 この疑念こそが伊藤に次の手を講じさせた――それは最終的にはクリプトン歴史で最も賢い一手となった。「2004年、私は最初の[ボーカロイドソフトMeikoを作り、それに漫画風のキャラを付けました。ある人格が歌う[のを真似る]ソフトは人間にとって必要不可欠なものではなかったから、そうしたのです。人々にアピールし人々から愛されるようになるためには人間味を持たせる必要があると考え、そのための最適な手段が漫画キャラのようなものでした。このソフト結構いい成功を収め、そしてもちろん初音ミクの構想へとつながりました」

 そしてその次に起きたことは誰もが知っている。

 おそらく伊藤博之が成功した秘密は、クリプトン創業者である彼が音楽、サウンドエンジニアではなく、ソフト開発者ですらなく、何よりビジネスパーソンだった点にあるのだろう。伊藤は、あなたミュージシャンではないのかと質問されると笑い(彼はミュージシャンではない)、自身が経済を専攻したことを認めた。「音楽とは無関係です」と彼は言う。「ボーカロイドマーケティングに成功するうえで、私は自分が学んだスキルのいくつかを使ったと思います

 アニメエキスポ1日目のキーノート講演で、初音ミクボーカロイドカルトについてスライドショーを使った改まったプレゼンを始める際に、伊藤ビジネスマンとしての本領を発揮した。彼はまず自分が誰で彼の企業が何をしているかについて慣例となっている概要報告を行い、それから公式にクリプトン制作しているボーカロイドキャラクター」(あるいは、厳密に正確さを期するならソフトウエアパッケージというべきか)の一覧を示した。

 2007年8月31日に生まれた永遠の16歳、初音ミクは、今ではショーの目玉に位置している。人気で彼女に次ぐのは鏡音の双子リンとレンであり、彼ら独特の黄色い装飾と少年/少女のペアは、ミクの緑と灰色と同じくらいコスプレ業界では至る所で見かける。だが音楽制作者の視点から見ると最も用途の広い声は2009年製品である巡音ルカのもので、より深い音域と日本語及び英語で「歌う」能力を誇っている。何人かのファンは昔ながらのMeikoKaitoの旗を掲げている。その声は旧世代のボーカロイド技術の上に構築されているが、今なおクリプトンファミリーの中心メンバーである

 クリプトン以外のボーカロイドキャラサブカルチャー世界に入ってきている。たとえば声優中島愛のボイスサンプルに基づき、マクロスFランカ・リーモデルとしたMegpoidや、J-rockスーパースターGacktの声を使ったGackpoidなどがそうだ。より進取の気性に富んだ人々はUtauloid(日本語言葉『歌う』から来ている)と呼ばれるオープンソース音声合成エンジンまでも開発しており、その中で最も有名なのはピンクの巻き毛をした重音テトだ。

 音楽ソフトウエア・パッケージについて、それがまるで本物の人間であるかのように語るのは最初は奇妙に感じられるだろう。しか伊藤最初に作り出した時に予想したように、それこそがこのソフトをかくも魅力的にしている正体なのだ。これらのキャラがもたらした創造性は、伊藤プレゼンで誇らしげに見せびらかした数字によれば、ユーチューブで36万6000件、ニコニコで9万2600件に及ぶボーカロイド関連動画へと結実した。

 そしてこの成長するメタジャンルからあふれ出したマルチメディアコンテンツもある。クリプトンが運営するウェブサイトPiapro(『ピア・プロダクション』の省略形)には、ボーカロイドに触発された45万を超えるテキスト、音楽、及び画像創作物がある。さらに注目に値するのはクリエーターたちがどのように相互に刺激しあっているかだ。コンテンツを共有するポリシーの下、あるPiaproユーザーが音楽を制作すれば、別の誰かがそれを聞いて付随するイラストを描き、さらに別の人がその構想に従って短いアニメ動画作成する。そこでは、サイトルールに従い創始者を適切にクレジットに載せることだけが重要だ。

 何人かのボーカロイドファンはアート世界の彼方まで行ってしまい、エンジニアリングの成果をもたらした。最もよく知られているのは3DアニメーションプログラムMikuMikuDanceで、初音ミクキャラクターモデルを――実際にはどんなキャラクターモデルでも――特定の歌に合わせてリップシンクし踊らせることができる。より繊細な対象を扱っているのがVocaListnerで、本物の人間の歌手によるインプットを分析し、ボーカロイドプログラムのセッティングを自動的にその声にあわせて調整する。思いつきに過ぎない想像の飛躍ですら現実化し得る。初音ミク動画「Innocence」で取り上げられた「Ano Gakki」(『あの楽器』)というニックネームで呼ばれている奇妙な見かけのタッチパネルキーボードも、実際に使える楽器として再現された(それほど野心的でないバージョンならスマホアプリとしてダウンロードできる)。

 これら全てが意味しているのは、ほぼ完全にファンによって運行される賑やかで創造性に富む生態系存在するということだ。究極的にはそれこそクリプトン世界にもたらした最大の贈り物だろう。初音ミクボーカロイドソフトそのものではなく、それらが使われる方法こそがそうなのだ。企業という大領主によってではなく、消費者によって作られた完全なエンターテインメント形式。企業は僅かな道具と規則を与えるだけで、後は椅子に深く腰掛けて次に何が起きるかを見守っている。

 それでもなお、ボーカロイド体験を活気づけるため企業提供するイベントは多数ある。今年はアニメエキスポ日本以外では初となる「ボーカロイドライブコンサート」ミクノポリスホストを務めた。それはステージ上の綺麗なスクリーン投影するCGIアニメーションしかない(ほかならない)が、いい視野角と健全猜疑心の保留があればそのイリュージョンはなお印象的になる。さらに感動的なのはセットリストにある全ての曲が明らかにファンの作ったもの――クリプトンの地下室であくせく働かされるソングライター大量生産した製品ではなく、本物のミュージシャンボーカロイドという媒体を通じて自らを表現したものである点だ。

 だがコンサートはどのような限界が残されているかも暴露した。ミクの魔法は左右双方40度以上の角度では働かなくなった。調整の効かないボーカルは、時に楽器生演奏の下で迷子になっていた。そして音声合成技術のあらゆるイノベーションをもってしても、より繊細な耳にはなおミクが絞め殺されるようなロボットじみた変な声をしているように感じられた。でも、日本では生身のアイドルについてどう言われていると思う? 「アイドルは不完全であってこそふさわしい」。不完全さこそがミクをこれほど魅力的にしている。誰もが進行中の仕事に関与できるからだ。

 どんな未来があるか、誰に分かるだろう? クリプトンは既に英語版の初音ミクソフトが開発途上にあることを約束しているし、日本では新しい改良されたボーカロイドエンジンが開発中だ。それはつまり韓国語ですら歌えるボイスバンクを含んだ新たなキャラの登場を意味している。クリプトンオリジナルボーカロイド製品は、その声に新たな音色をもたらす追加物「アペンド」によって進化を続けている。そしてどこかで我々の誰にも知られていないマッド天才が、ボーカロイド世界永遠に変えてしまうようなアイデアにおそらく取り組んでいる。

 多くの人が知っているように、「初音ミク」という名は「未来最初の音」をもじったものだ。だがボーカロイド文化が広がるにつれ、この名前ますます不正確になっている。彼女はもはや未来の音ではない。彼女はまさに今の音である

+++++勝手翻訳終了+++++

初音ミクLAライブ外国人感想その1「再生の約束」逐語訳

http://anond.hatelabo.jp/20110707195830

初音ミクLAライブ外国人感想その2「再生の約束」フリーダム

http://anond.hatelabo.jp/20110708223459

初音ミクLAライブ外国人感想その3「ミクノポリスのボカレタリアートたちよ、団結せよ!」

http://anond.hatelabo.jp/20110709211718

初音ミクLAライブ外国人感想その4「仮想の歌姫:初音ミクの人気と未来音色

http://anond.hatelabo.jp/20110710234300

初音ミクLAライブ外国人感想その5「オレはAXには行ってないけど、まあとにかく……」

http://anond.hatelabo.jp/20110711212701

初音ミクLAライブ外国人感想その6「ミクノポリス:7月のクリスマス世界征服

http://anond.hatelabo.jp/20110712205546

初音ミクLAライブ外国人感想その7「AX11:ミクノポリスの印象」

http://anond.hatelabo.jp/20110713211501

初音ミクLAライブ外国人感想その8「ミクノポリスコンサートリポート

http://anond.hatelabo.jp/20110714210122

初音ミクLAライブ外国人感想その9「アニメエキスポ初音ミク

http://anond.hatelabo.jp/20110715222900

初音ミクLAライブ外国人感想その10「アニメエキスポ2011(抄訳)」

http://anond.hatelabo.jp/20110716194029

初音ミクLAライブ外国人感想その12「アニメエキスポ2011でのボーカロイド体験」

http://anond.hatelabo.jp/20110719031316

初音ミクLAライブ外国人感想その13「ミク:日本ヴァーチャルアイドルメディアプラットフォーム

http://anond.hatelabo.jp/20110719203237

海外blogに載っていたクリプトンインタビュー

http://anond.hatelabo.jp/20110723142345

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん