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はてなキーワード: ジレンマとは

2023-12-01

anond:20231201223536

インテリだけに支持されたいが馬鹿豚の支持もないと与党にはなれないんだよな

本人も支持層も一生ジレンマだろうな

頭がよく世界基準に合わせられるリベラル与党取ってクソバカNO倫理HENTAIジャップ世界尊敬される日本に変えてくれるのを一生夢に見るんだよ

2023-11-27

人間の魂に寄生する寄生

現代技術文明が直面している最大のジレンマの一つは、ソーシャルメディア人間本質を歪めていることだ。

ツイッターフェイスブックインスタグラム。これらは人間の魂に寄生する寄生である

人間善悪判断する能力を奪っている「いいね!」と「シェア」の機構全体が毒。

実際、人間の知性や感性を高めるどころか、低俗な刺激、感情的衝動(多くの場合道徳的な憤り)を誘発するようなものばかり。

根本的な原因は匿名であるという人もいる。

自分言葉にさえ責任を持たないのであれば、本当に何の価値もないと言うのである

自分存在証明しなければ、物事を共有したり「いいね!」を押したりできないようにすべきかもしれない。

しかし、この投稿匿名なので自己矛盾に陥っているのは否めない。

2023-11-25

ブコメジレンマ

トンチキで過激な主張にスターが付いているのがどうしても許せないが、ホッテントリ後に適切で正しい解説をしても2,3個くらいで終わってしまう。

ならば物議を醸しそうな新着に先んじて釘を刺すように冷静なコメントしていくと、そもそもエントリーが読まれないで落ちていく

正義とはなにかを考えた

2023-11-21

不登校角川ドワンゴ

不登校30万人と言われようが、絵に書いた餅対策しかしてこない文科省

それに群がる不登校ビジネス、発達障がいマーケット

そして最近日本財団と組んできた角川ドワンゴ「N.S学園」」。以前のN予備講師陣がジャパンハンドラー臭キツくて我が子の選択肢から速攻外したが、ここへ来てやはり日本財団笹川勝共か…

しかし我が子は角川ドワンゴに興味深々というジレンマキツイというただのボヤキ。

2023-11-18

anond:20231118162246

低所得世帯なら大学辞めるか休学して給付金を貰いつつ職業訓練受けて資格取って就職するのが一つの道だと思いますやで

こちら参考になりますやで

https://www.mhlw.go.jp/hellotraining/support/

職に就いて生活が落ち着いてから

通信制大学に入り直すなり基礎学力学び直して夜間大行くなりお好きにすればいいと思いますやで

対人恐怖は対人を繰り返すことでしか払拭されないというジレンマがありますやで

安倍晋三維新政治家共や話題デスマフィンを見習って図太く生きるメンタルを身に着けてもろて

2023-11-11

🌙夜中にトイレに行くときジレンマ🌙

尿意があったので、起き上がったが、もう一度寝ようかなと思った。でも、布団に入ると眠れなくなることもある。そんなとき、どうする?😴

私はA派です。トイレに行って、すぐに寝るのが一番です。スマホを見ると、目が覚めてしまうし、我慢すると、膀胱に悪いですからね。みなさんはどうですか?コメントで教えてください👇

#夜中のトイレ #尿意 #眠れない #アンケート

2023-11-06

「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・後編

オラフ・ステープルドン

最後にして最初人類現代人類から数えて第18番目の人類進化描写する奇書で、巨大な脳みそだけの存在になったり、知性を退化させてトドアザラシみたいになってしまったりと、何億年にも及ぶ人類歴史が豊かな空想力で描かれる。プロットキャラクターは極めて希薄で、現代作家がこんな作品を書いて売れることは考えにくいのだけれど(ほぼ設定資料に近いかも)、個人的にはお気に入りと言うか性癖に近い魅力を感じる。

スターメイカーはそれをさらに発展させたもので、時間空間を越えて精神銀河を飛び回り、エキセントリックエイリアンの生態の設定を惜しげもなく披露しつつ、それが銀河歴史にどのような影響を与えたかを語る。そして、この宇宙創造した存在意図を探求する旅をする。光速限界があるため、その旅やエイリアン同士の交流テレパシーで行われるという設定はSFとしては苦しいが、宇宙創造目的たる究極の歓喜の瞬間を目指すヴィジョンは美しい。残念ながら、その瞬間までには人類はとっくに滅亡していることが示唆されるんだけどね。冷えて寿命を迎えつつある宇宙必死に命をつなごうとする生命描写は壮絶。

チャールズ・ストロス

「アッチェレランド指数関数的に発展するAI10年ごとに描いた小説で、タイトル通り加速のスピードがとんでもない。最初21世紀現実世界と地続きなんだけど、21世紀半ばには進歩しすぎたAI地球解体してダイソン球を作り始め、その過程地球のすべての化石だとか地質だとかをアーカイブ化しはじめる。人類暴走するAIを止められなくて太陽系辺境に追いやられていく。その途中でエイリアンともコンタクトを取る。

これはとある一族の三代にわたる因縁話でもある。最初世代では夫がAI特異点信奉主義者コピーレフト大賛成、妻がガチガチ保守主義著作権かに厳しく、しかSMプレイ女王様だ。2代目は妻が夫を無理やり犯すことで妊娠した子どもだという、ドロドロの設定。

酉島伝法

皆勤の徒」は遠い未来地球で、地球生命体に奴隷として使役されるコピー人間の苦悩を描いている。この短篇集は優れた言語感覚日本語漢字表記とルビの可能性を拡張した造語であふれており(というか酉島伝法作品はだいたいそう)、異文化に触れたときの驚きや、似ているけれども少し違う文化に対する戸惑いが感じられる。ただし、かなり読解に力を要するので、場合によってはネタバレ覚悟世界観を通常のSF用語説明した巻末の大森望解説を先に読んでもいいのかもしれない。

「宿借りの星」とある惑星地球人類との宇宙戦争に勝利した昆虫生命弥次喜多道中記で、舞台固有名詞こそ異質だがストーリーのものは非常に読みやすくなっている。まったく異質なものを作り出すことにかけてはこの作家は他の追随を許していない。そして、滅ぼしたはずの人類がどこかに生き残っているのでは? という疑惑から物語は不穏になっていく。

野尻抱介

こちらで述べた通り。太陽簒奪者」はいいぞ。

天文部だった主人公宇宙に出ていくという意味でもすごく夢がある。

スティーブン・バクスター

まずは前述したH・G・ウエルズの「タイム・マシン」の遺族公認続編タイムシップ面白い。前作で行方不明になってしまったヒロインを救うために、再び未来に旅立ったはずが、なぜか前回とは似ても似つかない未来にたどり着いてしまう。

時間旅行のたびに歴史改編がなされ、パラレルワールドが生成されてしまうとしたら、主人公はどうやってヒロインと再会するのか? いっそ歴史を改変してしまってもいいのか? さまざまなジレンマに悩まされる冒険小説だ。

また、この著者は時間無限大という作品も書いている。これは宇宙最強の種族ジーリーを扱ったジーリークロニクルの一編だ。作中世界では、人類クワックスというエイリアン支配を受けており、それに対抗する手段を知っているという「ウィグナーの友人」という、とある思考実験にちなんだ名前を持つ謎の団体が暗躍する。主人公父親との(正確にはその再現人格との)屈折した関係に悩んでいる。作中に出てくるタイムマシンは、少なくとも現代物理学とは矛盾しないらしい。ちょうど90年代の「ニュートン」で紹介されていた。

で、確かこの作品だったと思うんだけれど、人類クワックスもジーリーという宇宙最古・最強の種族テクノロジーおこぼれで生活してるんだけど、そのジーリーでさえ恐れている存在がいる……というのがこのシリーズの基本設定。

なお、同一世界観の短編集がプランクゼロ」「真空ダイヤグラムにまとめられていることを最近知った。それに、長編結構邦訳がある。未読だけど気になる。

林譲治

短編ウロボロス波動高校生時代に読んですごく好きだった。実際にかなりありそうな宇宙探査が描かれていたからだ。太陽系侵入してきた小型ブラックホール捕獲して天王星を周回する軌道に乗せるという設定と、作中の謎解きがすごく魅力的だった。

ただ、なぜかそれ以降のストリンガー沈黙」「ファントマは哭く」が読めなかった。キャラクターの会話や背景となる政治の設定がかなり説明的で、ぎこちなく感じられたからだ。読むのに気合がいる本は、持っていてもあえて図書館で借りることで、期限を決めるという強硬策があるが、まだ試していない。

春暮康一

オーラリーメイカー」「法治の獣」。とにかく事前情報なしで読んでほしい。日本ファーストコンタクトもの第一線に立っている。とにかく奇抜なエイリアンが出てくるし、どうやら知的生命体の連合らしきもの確立されていく歴史の一部らしいのだが、この「オーラリーメイカー」という宇宙人の種族の作り上げたシステムは、素晴らしく絵になる。

H・P・ラブクラフト

おなじみクトゥルフ神話創始者の一人。前にも書いたけど、ラブクラフト作品知識欲に負けて禁断の知識に触れて発狂するか未知の存在拉致されるかするオチばっかりなんだけれど、人類宇宙の中では取るに足りない存在なんだという絶望感が僕は好き。

SFを紹介するのが趣旨なのでエイリアン地球外の神々や人類以前の種族)の歴史の壮大さを感じさせてくれるのをピックアップすると、南極探検発見した人類以前の知的種族を扱う狂気山脈にて」や、異種族図書館幽閉される時間からの影」だ。侵略ものとしては宇宙からの色」かな。ニコラス・ケイジがこれを原作した映画で主演を務めていたはず。

ダンセイニ風のファンタジー作品も好きだ。読みやすいとは言えないが、ラブクラフト全集を読んでほしい。というかアザトースの設定が好きすぎる。元ネタのマアナ・ユウド・スウシャイそのままだとしてもね。

ピーターワッツ

ブラインドサイトについてはこちらに書いたので、「6600万年革命について。巨大小惑星の中で暮らす人類と、それを管理するAI物語だ。彼らは銀河系にワームホールネットワークを作る旅路に出ているのだが、もはや地球文明が存続しているかどうかも定かではない。すでに正気を失いそうな時間が経過しているが、使命をひたすらこなしている。

管理AI人間の知能を越えないようにギリギリ調整を受けている。そのことから「チンプ」つまりチンパンジーあだ名がつけられている。とはいえ地球時間で6600万年が経過していると、「もしかしてシンギュラリティ迎えたんじゃない?」みたいな出来事があり、人間AIに対してレジスタンスというか隠蔽工作をする。バイタルを始め何から何まで知られている人類は、AIに対して何ができる?

少し条件がずれるので乗せなかった作品

アシモフの例えば銀河帝国の興亡」なんかはシリーズが進むと鋼鉄都市「はだかの太陽などのロボットシリーズクロスオーバーして行って、確かにアシモフが発表順に読んだほうがわかりやすくなるんだけど、さすがに全部読む前提で書くのはちょっとしんどかった。個人的にはアシモフ黒後家蜘蛛の会というおっさん萌え短編ミステリおすすめ英米文学地理に関する雑学が無いとわからないところもあるけど、口の悪い仲良しなおっさんの同士のじゃれあいを読んでなごんでください。

堀晃の「太陽系から3光日の距離発見された、銀河面を垂直に貫く直径1200キロ全長5380光年に及ぶレーザー光束」が出てくるバビロニアウェーブハードだなって思ったんだけど、どういう話か思い出せなかったので省いた。まずは太陽風交点」かな?

あと、SFじゃないんだけどマン・アフター・マンあたりも未読だったのでリストに入れなかった。人類グロテスク進化という意味では、上記条件は満たしていたと思う。フューチャー・イズ・ワイルドは読んだ。

ダン・シモンズのハイペリオン四部SF全部乗せだし、AIの反乱だとか人類進化した宇宙の蛮族だとか愛が宇宙を救うとかとにかく壮大なんだけど、とある場所増田では評判の悪い(?)夏への扉以上に男性主人公に都合のいい描写があるのが欠点。あと、それ以外の作品もっと男性に都合がよくなっていて、保守的な僕もちょっと「おや?」って感じた。でも、「三体」にどっぷりハマった人だったら好きになると思う。「三体」よりも前の90年代SFから時代背景を知ったうえで、加点法で楽しんでください。

あと、全然エイリアン宇宙SFじゃないんだけど、今注目しているのは空木春宵で、この人は東京創元社の年間傑作選やGenesisですごくいい作品を描いてる。どれもいいんだけど、たとえば地獄を縫い取る」アリスとの決別」「allo, toi, toi」に並ぶロリコンペドフィリアを扱った名作に並ぶ。

エイリアンSFも出てくるけど、世界の中心で愛を叫んだけもの」「ヒトラーの描いた薔薇ハーラン・エリスン人種差別を扱った作品も書いていて、これもいい。穏健派黒人男性テロリストに転身してしま作品はつらい。とかくエリスン絶望と怒りは若い人に読んでもらいたい。

Q. 選んだ作家日本人・欧米人男性に偏ってない?

自分が一番SFを読んでいた時期は、今と比べて女性作家が推されるずっと少なかったし、さら自分古典を好んで読んでいた。アジア作家が紹介される機会も少なく、そういう意味では感受性のみずみずしい今の若い読者がうらやましい。

後は、女性作家で今回のテーマである宇宙を扱った作品男性よりも少ない気がするのだが、よく考えてみればル・グインハイニッシュ・ユニバースがあるし、ティプトリー・ジニア「たった一つの冴えたやり方」で始まるシリーズがある。スペースオペラでは「叛逆航路のアン・レッキーもいることだし、単純に探し方が悪いのかもしれない。

最近短編ばっかりで腰を据えて長編を読んでないな。銀河系で忌み嫌われた人類の唯一の生き残りが活躍する「最終人類とか、面白そうなのがいっぱいあるので、そのうち読みたい。

というか、僕の選んだ作品の他にもっといい作品を知っている、勧めたいという方は、どんどんトラバブクマ追記していってほしい。

気が向いたらまたなんか書きたいな。まだおすすめしたいSFもあるし、池澤夏樹世界文学全集を9割読んだのでその感想も書きたいし、かなり疲れるから数ヶ月後にはなるだろうけど。

みんなでやろうぜ増田ビブリオバトル

前回

【翌朝追記あり】劉慈欣「三体」の好きなところと微妙なところについて

前編はこちら

追記

「三体」が好きだった人にオススメしたいSF小説・追補編

はみ出たのでこちらに。

2023-11-05

anond:20231105113611

全く同意で、言いたいことがほぼ尽くされている。

問題は、マイノリティ被害者無謬化する戦略は、他方でマジョリティ側を強者権力者および潜在的加害者として一括りに断罪する戦略必然的に伴うこと。

マジョリティ側にも当然ながら労働市場恋愛結婚市場における弱者は膨大にいるわけで、だからマイノリティ擁護する社会運動は、社会的分断の原因にもなりがち。誰が悪いということではなく、これは根本的なジレンマだと思う。

2023-11-02

anond:20231102095132

これを陰謀論だと思ってるなら相当な情弱だぞ

いかソーシャルジレンマをネトフリで見ろよ

2023-11-01

彼女居ない歴年齢の弱者男性だけど、仮に彼女が出来たとしても彼女に「してあげたい事」がなにひとつとして無い

何もない。


したいことやして欲しい事はあるけど、してあげたい事は何一つない。

料理してあげたいとか何をプレゼントしたいとかどこに連れて行きたいとか一切無い。

セックス「してあげる」立場セックスしてみたいな、とは思うけど、

それはなんとなく問いの趣旨とは違う気がする。

俺も男だから多少はヒーロー願望みたいなのはあって、

笑顔を失った彼女を笑わせたいとか笑顔にさせたいとかは無くは無いけど、

リアル想像するとなんかめんどくさいというか、最初から笑ってくれてる方がいいやって感じ。

まあ現実に出来るか出来ないか度外視して良いのなら、「養ってあげたい」はあるかもしれない。

仮に年収5000万くらいあったら好きな女の子は養ってあげたいかもしれない。

でもなー実際は年収200万台だし、「養ってあげるから結婚してください」とは言えないわな。


なんかこう、したい事として欲しい事しかいか非モテ弱者男性なんだろうなって自覚はあるけど、

でも、してあげたい事ってマジで何にもないんだよな。

でも彼女は欲しい。したい事として欲しい事はあるから。というジレンマ

2023-10-31

AV男優トリックが分かった

それは、AV男優は本番行為撮影時に常に半勃ち状態を維持して陰茎を膣に入れて交接している。という事。


フル勃起で交接すると、多分すぐに射精してしまうからだ。

あと、日本AV男優勃起している陰茎の角度が直角ではないのも、日本人の男性器はフル勃起すると根本から硬直して上向き(縦)に角度があるので男性器を横に倒すと痛い。(そういう硬い陰茎の状態でできる体位は極論だと正常位や側位や座位または背面騎乗位ぐらいしかできないと思われる。)


AV男優は半勃ち状態だけで、平均な成人男性勃起ペニスサイズを上回る陰茎を持つ人達の集まりであるのであろう。でないと性器の見栄えや撮影時のペースが成り立たない。(もしAV男優がフル勃起で交接をしていたら男優オーガズム(射精)が割と早く来てしまい、ワンカット長回し撮影ができなくなる。)


それを知らない童貞無知者(大半の男性視聴者)は、「AV男優はフル勃起で思うままにやっている」と都合良く解釈して妄想してしまう。妄想によってその世界に憧れてしまい、結果カモになってしまう。


AV男優は性欲が完全に満たされないジレンマの中で交接をしているであろうと思われる。撮影終了後にAV女優と肉体関係をしているか不明だが(多分プライベートでの交接は無理だと思われる)。

それはイチゴ狩りのように、採れたてで甘くて冷たくて大きい美味しいイチゴが、果樹園には無く食べれないように。(いちご園にはぬるい苺しかなかったりして、何かとその理想が埋まらない。)


中出しをしているアダルトビデオというのは、まるで昔に存在したといわれる首吊り芸人のような見世物大道芸である

ピル血液検査などの医学知識産物である医薬や医療などの技術によって、死活問題を背にしたある意味、捨て身の芸ができる。


2023-10-25

任天堂ガイドラインの何がすごいのかを解説してみる

最後追記あり

ゲーム大会計画主催される方へ。「ゲーム大会における任天堂著作物の利用に関するガイドライン」を公開。

https://topics.nintendo.co.jp/article/13d6eda4-7e9a-4c01-abb7-2783eea71f36

こちらの記事の話。

実は家庭用ゲーム歴史を塗り替えるようなものすごい出来事だということがあまり理解されていないのでまとめてみる。

ゲーム大会を開催するのは一見して主催者の自由とも思われるのだが、実は様々な法律でがんじがらめに縛られている。

そしてこの法律は、ゲームメーカー権利を守るものでもありながら、ファン主導でコミュニティ活動を行おうとする時に常に大きな障害となり得る問題でもあった。

その打開策を、まさか最も権利関係に厳しいとも考えられる任天堂自らが風穴を開けるような宣言を行うとは思ってもいなかったことが、今回の一番の驚きとも言える。

しかも発表された解決策が、ものすごい高い汎用性で、すぐにでも他のメーカーもほぼ改変無しで便乗できる完成度だというのだから二重で驚きだ。

この問題を語る上で、3つの法律について理解必要になる。

それぞれ、刑法賭博罪著作権法風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(いわゆる風営法風適法)。

ゲーム制作する側が大会主催する場合には景品表示法が関わってくるけど、今回は無関係。)

風営法がどうして?と思うかもしれないが、それは後に説明したい。

あと、先に断っておくと、某カジノ研究家本人ではありません。

ファンボーイの一人ではありますが、彼とはイデオロギーの原点が異なるので帰結する結論においても同じとはならないでしょうし、それぞれの法律や取り巻く問題に対する解像度についても彼には遠く及びません。

彼の解説を待ちたいと思いつつ、先に筆を起こしてみました。

まずは第一問題である刑法賭博罪

ゲーム勝敗について、たった1円であってベッティング行為を行えば賭博罪にあたる。

仮に任天堂ゲームを使って、客同士が賭博を行ったとしても任天堂が罰を受けるということはまずない。

禁止することもできなければ、責任を負う必要もないことでもある。

しかし、それによって逮捕者が出たとすれば、任天堂イメージは大きく毀損されることとなり、ひいてはゲームのもの健全性を揺るがす事態になりかねない。

ゲーム競技として注目される中、能力を競い合う機会が増えるのは当然のことで、それに対して、勝負を盛り上げるためとして競う側、見る側において賭け事が発生する可能性は容易に想像できる範囲にある。

任天堂は、自らの著作物を扱う限り、そうした行為絶対に許さないということを未然に釘を差した形といえる。

賭博罪は、グレーゾーンについて一切語らないとした場合、例え1円であっても勝敗について金銭・それにあたる有価証券でベッティングを行い、結果に応じてそれらのやり取りを行った時点で成立する。

例外として、”一時の娯楽に供するもの”を賭けた場合には、直ちに賭博には当たらないとされている。(ゴチバトルはこれに該当)

厳格運用することで勝利者に賞金が分配される仕組みが作れない訳では無いが、賭博罪スキームに対して判断されるのではなく、参加者目的によって判断される場合があるので、大丈夫から実質的賭博が行われてしまえば、先日のポーカーのように逮捕者が出てしまうこともある。

任天堂においては、そうしたベッティング行為ゲーム競技シーンを盛り上げるためには不要という判断のもとに、一切の例外を認めない形をとったものと思われる。これについては増田も大いに同意する内容だ。

著作権法について

ゲームはどこまでいこうとも企業著作物である制限を超えない

面倒くさいのでesportsという言葉を使ってしまうが、いわゆる一般的スポーツとesportsの一番の違いは、ゲーム企業著作物であるという点にある。

まりゲームを使った営利活動は全て著作権者の許諾が必要であり、現状、コミュニティ活動を行うためには厳格に運用しようとすればするほど、主催者側がほとんどの費用負担するでしか実施できなかったというのが現実だった。

過去にはゲーム機を無料プレイできるゲームバーカフェなどの業態話題になったりしたが、例えゲーム無料であっても著作物集客目的に利用しているという観点から全て著作権法に引っかかり、結果壊滅状態となった。

そしてその壊滅の引き金を引いたのは、他でもない任天堂だとされている。

その任天堂から今回のような発表があったのだから、これがどれほど驚きのニュースかは理解していただけるものと思う。

賭博罪抵触しないように配慮しつつ、なおかつ2,000円以下(観客は1,500円)という金額制限を設けることで、大半の場合ガイドライン違反せずにコミュニティ運営が実現できるようになる。

さらに言えば、スポンサー禁止をすることなどによって、コミュニティ運営以外の第三者営利活動に利用にされないようにも配慮されている点は、全く持って抜かりがない。

今までコミュニティ運用しようにも、著作物の商用利用の壁にぶつかり泣く泣く諦めていた主催者や、自らの負担において実施していた主催者(自分もその一人)は、ほっと胸をなでおろすだけでなく、今後の展開について胸を躍らせていることだろう。

かといってそれ以上の規模や個人以外による開催を禁止するかと言えばそうではなく、任天堂は今回、同時にそうした大会申請窓口も用意した。

これについても驚きで、他のゲーム企業において、esportsを盛り上げたいとは口々にしながらも、そうした窓口を設けている企業はほぼない。

そうした裏には、esportsが盛り上がることで自社のゲームが盛り上がり、それらの収益はその企業、もしくは仲の良い身内だけで独占したいという思いが透けているようにも思える。

Jesuという迷走を繰り返す中立的団体があるにはあるのだが、本来、そうした窓口を作るのは彼らの役目だったのではないか増田は考えている。

ファン企業との間に立ち、どちらの権利や利害をも侵害しないようにガイドラインを正しく定めることができるのは、彼ら以外にいないと今でも期待している。

そうした動きに業を煮やしたかどうかはわからないが、ほぼ模範解答と言える形のもの任天堂が出してきたことの意味は大きい。

なぜなら、他のメーカーが中身を少しローカライズするだけでそのまま使えるほどに汎用性の高い内容だからだ。

ある意味では任天堂がやったのだから追随せざるを得ない内容とも取れるので、他企業の今後の動向には大注目である

ただし、あくまハードウェアメーカーも兼ねている任天堂からこその内容だとも取れるため、他社が同様の発表を行うためには、別途ハードウェアの利用許諾についても解決する必要があるものと思われる。

これについては多くを語れるほどの知見を増田は持ち合わせていないため今後の他メーカーの発表を待つ形になるが、大いに期待している内容でもある。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(いわゆる風営法風適法)について

電子ゲーム機を用いて営利目的集客を行うには風営法許可必要だよ

これについては、あくまコミュニティ運営を行うために弊害になっている部分であって、今回の任天堂の発表とは直接的には関係のない話でもあるが、避けて通れない問題であるということも知ってほしいために敢えて書いている。

勘違いしている人が多いので先に言っておくのだが、アーケードゲーム機を用いた営業風営法許可必要なのではなく、家庭用だろうとなんだろうとゲーム機を用いた営業を行うには風営法許可必要というのが、この法律趣旨だ。

過去問題になったものを例に上げるのであればダーツマシンなんかがそう。(詳しくは知らないが、現在改正があって条件を満たせば風営法許可必要ないはず。)

どうしてそうなるかというと、風営法というのは、いわゆる性風俗規制する法律と、賭博にならないように規制する法律に分けられるため。

前者は言わずもがなであはあるが、意外なものとしてはダンスがここに含まれる。

その理由は、みだりに不特定多数の男女の身体が触れ合うから。まじかよ。

後者については、ゲームセンター以外にもパチンコスマートボール麻雀が含まれる。

これらについては、容易に勝敗が決定するものであり、その結果をもとに賭博行為が容易に行えてしまうために、そうならないようにするために規制がされていると考えてもらえば理解できると思う。

なので、アーケードゲーム機に限らず、ゲーム機そのものを用いた営業自体風営法規制対象となる。

(ここでパチンコの話は論旨とずれるためにやめていただきたい。一つ言えることは、風営法のもとに規制が守られている限りは合法。)

アーケードゲーム機にはそれ以外にも著作権に対する解決もされていて、許諾に商用利用が含まれているという点も挙げられる。

家庭用ゲーム機はあくま個人での利用に限り許諾されているので、ゲームバーカフェでの利用が許されなかったのはこの部分。

気づきかもしれないが、今回の任天堂の発表については、施設運営に対する解決がされていない。

おそらくの理由は、これらについては施設運営側の責任下にある問題であり、コミュニティ主催者側が気にする必要のない問題であるからだと思われる。

基本的には、例えカフェ業態のつもりであっても、ゲーム機を常設するような業態を取ろうとすれば風営法許可を取らなければ違反検挙される可能性が高い。

どのラインまで許されるかなどの話は、増田法令に対する理解度で行うには危うく、また、今回の趣旨とも異なるためこれ以上は行わない。

施設運営コミュニティ運営を同時に行うような場合には影響がある問題であるが、それはそもそも任天堂がうかがい知る問題ではないという理由から一切触れずにいるものと予想される。

しかしながら。

大事ことなのでもう一回。

しかしながら、金額制限があるとは言え、大会運営費に充てる目的のみに利用する条件を守れば、参加費の徴収が行えることの意味は大きい。

なぜなら、風営法抵触しない業態を維持することができれば、例えばゲーム大会に特化した設備を有した施設運営が、一部について許された形になったとも言えるからだ。

esportsの発展には、ファン主催によるコミュニティの発展が欠かせないのと同時に、主催者に一方的負担がかからないような活動拠点の存在も不可欠である

コロナ禍においてその役割オンラインに取って代わった部分も大いにあるが、やはりファン同士が直接交流できる場所存在価値は高い。

それがわかっていていても、いつ、メーカーからストップがかかるかわからない状態であれば、出資しようにもできなかったのがesportsを取り巻く現状でもあった。

いや、実際にesportsカフェとかあるよね?と思う人もいるかも知れないが、増田の目から見るとあれら全てがグレーゾーンの上に成り立っていて、正しく運営できているところはほぼ皆無だと思っている。

言い換えれば、今現在運営できているところの大半(全てとは言わない)はコンプライアンス無視した状態であり、そんな状態では大手資本流入が期待できないどころか、健全業界発展が行われるわけないよねというのが増田視点であり、esports業界が抱える最大のジレンマだと考えていた。

そこに任天堂が、まさか任天堂が風穴を開けたのだ。

これが大ニュースじゃなければ何が大ニュースなのか。

風営法に付随する問題は実はこれだけではなく、接待や深夜営業特定遊興飲食店営業など関わってくるものが多い。

それについても、「主催者は、コミュニティ大会での賭博酒類・薬物の使用を看過してはなりません。」という一言でやんわりと釘を差しているところ増田は見逃さなかった。

この一文で、酒類提供を行う業態、もしくは大会開催中の酒類提供のもの禁止している。

まりゲームカフェならいいけどゲームバーはだめという意味であり、そうなれば、風営法に関わる問題ほとんどは回避できる。

恐るべし任天堂法務部。

厳しく定めるべきところは定めて、直接的問題に発展しない部分はやんわりと網をかけてあるガイドライン教科書のようなガイドラインで、何度読んでも、おそらく今後もさらに隠された気づきがあるであろう内容になっている。

一気に書き上げてしまったので抜けや間違いがあったらもうしわけない。

ファンボーイ目線からカジノ研究家から解説を待ちつつも、あくま視点の一つとして、esports振興にそれなりの熱意とコストを投じてきた増田から視点として受け止めてもらえるとありがたい。

なお、今回のガイドラインあくまコミュニティ主催大会についてのガイドラインで、通常のコミュニティ活動に対して言及されているものではない。

せっかく打ち出されたガイドラインエクストリーム解釈して権利者に迷惑を掛けてしまえば本末転倒であり、ファン側においても徹底遵守が求められるという点は忘れてはならない。

そういった意味で、増田任天堂のことを完全に誤解していた。

ファン大事にするといいながら、結局は誰よりも自社の権利第一に考えている企業だと思っていた。

この発表を受けて、任天堂ファンを一番に大事にする企業だということが証明された。

今まで誤解していたことを全て謝りたい気持ちと、今回の発表に対する感謝気持ちでいっぱいだ。

繰り返しになるが、このガイドライン任天堂から発表された意味は家庭用ゲーム機の商用利用という点においてものすごく大きい。

企業追随に対する期待と、さらなるファンコミュニティ活動自由度につながる議論の加速に期待したい。


追記

色々と指摘されて気づいたことがあるので追記

増田立ち位置をもう少し明確にするとesportsなんてどうでも良くて、ファンコミュニティが楽しくわいわいゲームができる未来を望んでいる。

プロシーンなんてどうでもよいのだけど、彼らが引っ張る形でコミュニティ活動が活発化してくれるならいいなという立場

なので、任天堂がesportsを切り離してくれたことはとてもうれしい。

「それに乗じてプロ活動とかしようとするなよ。」という点に釘を差している点についてはめちゃくちゃ好意的に捉えていて、「esports活動から」って好き勝手やってる連中に対してのほうがめちゃくちゃに腹が立っている。

それに冷水ぶっかけてくれたことは素直に嬉しかった。

任天堂崇拝者と取られてしまったなら誤解だけど、今回の件は崇拝者になってもいいと思えるくらいの内容だったので、崇拝者構文になってしまったのは否定しない。

ゲームカフェ運営についてはある種エクストリーム解釈なので、冷静になってみて書かないほうがよかったかなと思っている。

ただ、本当に理解してほしいのだけど、版権元に迷惑をかけないように法令を遵守しようとすればする著作物の商用利用という壁にぶつかり、結果としてその負担主催個人にのしかかっていたのが現実だった。

それはコミュニティ活動にとって先細りの未来しかないということ。

それが、ガイドラインが定められたことによって、道が開けたことが一番うれしかった。

<一部自分起業についてはやっぱり誤解を招きそうなので削除。>

他のゲームでこんなガイドラインたことないというのは、自分の知見の狭さを露呈しただけの話でした。

ちなみに自分ファンコミュニティで扱っているゲーム任天堂のものではないので、現時点で自分にできることは他のメーカー追随するか、第三者的な団体が取りまとめてくれるのを待つだけ。

俺もesportsにいっちょ噛みさせろというつもりは一切ない。

2023-10-21

少子化高齢化が同時進行なのがヤバイのよね

高齢問題寿命自然解決しても結果は人口減少なワケで

地方なんか過ッ疎過疎で路線維持どころじゃねーわな

から少子化対策をっても、年金やら医療やらの老人福祉が圧迫してるし

財源のために現役世帯負担増やせば子供産む余裕がなくなるつージレンマ

2023-10-20

普通を語る人に普通の人は居ない

ttps://b.hatena.ne.jp/entry/4743722181213919151/comment/subarari

id:subarari

一般的感覚で言ったら概ねこうなると思うけど、エコチェンはてサ界隈には効かないか。>暇の言動がどうしようも無いのはあちらの支持層ですら認めてるが、あの様な人間で無いと左翼界隈とは戦えないというジレンマ

フェミニズム

フェミニスト

左翼

はてサカルト

これわざとやってるのか無自覚なのか知らないけど

この人控えめに言って「一般的感覚」が分かる人とは思えない

ttps://b.hatena.ne.jp/entry/4743678727394828143/comment/zion3

一般的感覚」が分かる人ならこんなブコメスター連打とかしないだろうし

2023-10-16

anond:20231016122145

広く浅く掘るには土地が広すぎる。

完全に同意だわ

哲学者が俺の専門領域に入ってきたことあって、自分領域だけで引きこもってる人らよりいくらかマシかなぁとは思ったんだが

何の意味もない言いかえ(とそれに伴う微妙意味のズレからくる言葉遊びによる帰結として)妙な結論を導く、よくよく考えると普通に間違ってるみたいなことをずっとやっててこいつら何のために存在してるんやろって思ったりはした

このご時世いくらでも金を稼いだりほかにやることがあって、まともな人間哲学なんて選ばんしそれこそ「哲学が」専門ですなんて言わんわけで

そこで哲学を選んでしまうような残念な頭の人間には他分野まるごと理解するなんて高度な芸当はできないっていうジレンマがある

2023-10-10

ジレンマがある

討論番組貧困問題について、良いものを喰っていい暮らしをしている奴らが語る。

そこに本質はない。

元アイドル貧困問題ドヤ顔で堂々と語る。

反論は誰もしない。

タレントが賢しらに口を出す。

貧困で困っている人たちに手を差し伸べるべきだと。

そうして彼らは高給をもらい、寝るときにはすべてを忘れている。

一番のジレンマは、知識人であれば極貧に陥るはずはなく、それ故極貧の知識人がいないということである

2023-10-06

メンタルダウンしたかスーパー銭湯で腹を満たして風呂も入りたいのに

ソファから起き上がる気力もでないというジレンマ

誰か俺を担架で運んでいって欲しい

2023-09-29

自動車価格ジレンマ

自動車が高い。コンパクトカーを例とすると乗り出し200万円を切ることはできるが、装備はゴミオブゴミ

中古車買ったほうがいいんじゃないかって感じになる

じゃあ装備を充実させるとどうなるか。400万円になったりする。

メーカーとしては安い金額提示することで交渉テーブルに載せる率を上げようという思惑だろうが、

交渉の段階で200万じゃ鉄くずにしかならねえな。ってなるのはなんか違う。

かといって400万円がマックスです。と売り出されても、コンパクトカーで400万とかむりーってなる。

そして、1車種ですらグレード、オプションの組み合わせが膨大で、他社を競合させると宇宙になる。

頭悪い奴は本当に車買えなくなったなと感じるし、普通脳みそだとしても車買うのになんでこんなに疲れなきゃならないんだと思うだろう。

AI10個ぐらいの質問おすすめしてくれるサービスはないだろうか。

2023-09-26

万物黎明』は人類歴史を誤解している

はじめに

急進的な著者の本が主流紙で書評されることは、ましてや好意的評価されることは滅多にない。デヴィッド・グレーバーとデヴィッド・ウェングローによる『万物黎明』は例外であるわずか2ヶ月前に出版されたこの本は、すでに世界で最も影響力のある英字新聞雑誌の多くから賞賛を受けている。

著者のアナーキズムの主張に疑問を呈する書評家でさえ、「3万年にわたる変化に関する岩盤の前提を覆す見事な新説」(アトランティック誌)、「多くの大陸と数千年にわたる文明に関するめくるめく物語の数々、そのすべてが自由であることの意味に取り組んでいる」(ワシントン・ポスト紙)と称賛している。また、ソーシャルメディア上の左翼的投稿者たちからも、好意的コメント-場合によっては絶賛!-が寄せられている。

しかし、以下に掲載する2つの書評は、いずれも唯物論人類学者によるもので、この本の人類史に関する記述は、大量の反対証拠無視しており、その政治的主張観念論的で自発主義であると論じている。どちらの書評特に女性抑圧の原因を考察していないことに批判である

クリスナイトはユニヴァーシティカレッジロンドン人類学上級研究員で、アフリカにおける人類起源研究するチームの一員である。著書に『Blood Relations(血のつながり)』など:Menstruation and the Origins of Culture』、『Decoding Chomsky: Science and Revolutionary Politics』などがある。The Dawn of Everything』の書評はTimes Higher Education掲載された。

ナンシーリンディスファーンジョナサンニールはともに人類学者として訓練を受け、人類進化階級社会性的暴力についての本を執筆中。ナンシーの近著は、リチャード・タッパーとの共著で『Afghan Village Voices』(アフガニスタンの村の声):Stories from a Tribal Community, 2020』であるジョナサンの近著は『Fight the Fire: Green New Deals and Global Climate Jobs』。The Dawn of Everything』の書評エコロジスト誌とブログ『Anne Bonny Pirate』に掲載された。

どちらの書評も著者のご好意により再掲載されている。

根本的に支離滅裂で間違っている byクリスナイト

本書は楽しく、有益で、時には爽快である。また、根本的なところで支離滅裂で間違っている。ヨーロッパ洞窟壁画が現れ始めた頃からの、比較最近先史時代について学びたいのであれば、必読の書であるしかし、人類最初に笑い、歌い、話し、芸術儀式政治創造し始めたのはなぜなのか、どうしてなのかを知りたければ、きっと失望するだろう。

この本のタイトルは深刻な誤解を招く。『万物黎明』? 『お茶時間』の方が正確だろう。ホモ・サピエンスヨーロッパに到着する何万年も前にアフリカで始まった文化の開花を体系的に横取りし、この物語はあまりにも遅く始まる。

欠点はあるが、この本は広報勝利であるフリードリヒ・エンゲルスが『家族私有財産国家起源』を出版して以来、左翼知識人活動家人類社会的起源先史時代過去について学ぶことにこれほど興奮したことはない。

短い書評では、本書の幅の広さと博識を伝えることはできない。その核となる政治メッセージ露骨だ。平等主義狩猟採集民が生活の中で共産主義実践したというエンゲルスの話は神話である。『万物黎明』はエンゲルスを見事にひっくり返している。第4章の結びの言葉引用すれば、「私有財産に "起源 "があるとすれば、それは聖なるものの考え方と同じくらい古いものであり、おそらく人類のものと同じくらい古いものであろう」。デヴィッド・グレーバーは、マーシャル・サーリンズとの共著『王について』の中で、神の王や森の精霊のような想像上の超自然的な存在が常に人々に対して権威行使してきたこから国家権力の原理人間の条件の不動の特徴であると主張している。

よりによってアナーキスト国家必然性を受け入れるのは逆説的に思えるかもしれない。しかし、本書はそのメッセージに重みを与えている。そう、著者は言う。アナーキスト的な自由は実現可能だが、それは貴重な瞬間や飛び地に限られると。もうひとつ世界可能である」という革命スローガンはもうたくさんだ。その代わりに、グレイバーとデイヴィッド・ウェングローは、「階層平等は、互いに補完し合うものとして、共に出現する傾向がある」と主張している。ある場所自由を手に入れるには、別の場所での抑圧を受け入れるしかない、と彼らは言っているようだ。

著者たちはダーウィン自然淘汰理論違和感を抱いており、現代進化論を「社会進化論」と混同している。現代進化論は科学であると主張するが、実際は純粋神話であるグレイバーとウェングローは、進化論をまったく認めない人類起源についての視点を、読者が真剣検討することを期待しているのだ。

彼らが認める唯一の科学応用科学であり、この場合は「考古学科学である。彼らは、政治社会生活については、古代人類の「頭蓋の遺骨と時折出てくる火打石のかけら」からは何も読み取れないと主張することで、「万物黎明」の年代わずか4万年前とすることを正当化している。この言い訳は、人類の最もユニークな特徴である芸術象徴文化が、これまで考えられていたよりも3、4倍早くアフリカで生まれたという、説得力のある最近証拠に照らすと、弱々しく見える。その証拠とは、骨や石だけでなく、ビーズ幾何学的な彫刻、埋葬品、砥石や絵の具壺などの工芸である

彼らが "フェミニスト "と呼ぶ人物(実際には進化人類学第一人者サラ・ハーディ)が、現代人の本能心理形成する上で集団的育児重要役割を果たしたことについて興味深いことを言っていることは、グレーバーとウェングローも認めている。しかし彼らは、「エデンの園存在せず、一人のイヴ存在しなかったのだから、そのような洞察部分的ものしかなりえない」とコメントしている。この種のトリック--この場合は、ハーディ研究が "アフリカイブ "の年代測定より200万年前にホモ属が出現したことに焦点を当てているという事実無視すること--は、明らかに人類起源研究が追求する価値があるという考えそのものを損なわせることを目的としている。

グレーバーとウェングローは、初期の平等主義を "有害神話 "として否定する一方で、狩猟採集民の多くが "自称自慢屋やいじめっ子を地上に引きずりおろすために、嘲笑羞恥心敬遠など、他の霊長類には見られない戦術を総動員している "ことには同意している。ではなぜ彼らは、私たち人間性規定する本能能力平等主義的な生き方によって形成されたという考えに敵対するのだろうか?

私たちは皆、社会的政治的に対等な人々と笑い、歌い、遊び、交わることができるとき、最も幸福を感じる。しかし、グレイバーとウェングローは、この事実を土台にする代わりに、狩猟採集民の祖先も同様に、攻撃的な男性による嫌がらせ虐待支配を選んだかもしれないと言っているようだ。進化人類学クリストファー・ボームが描く、反権威主義抵抗の中で形成された道徳意識の高い社会に対する反論をまとめると、狩猟採集民の祖先は一貫して平等主義を好んでいたという彼の考えを、彼らは「初期の人類さりげなくエデンの園に投げ返している」と表現している。

グレーバーとウェングローの基本的論点は、政治選択の自由に関するものである。彼らの考えを説明するために、人類学古典であるエスキモー伝統的な生活説明を思い起こさせる。アザラシを狩る彼らは、夏の間は家父長制的な家族構成確立し、冬の間は共同生活(夫と妻を含むすべてを共有する)に戻るだけである私たち人類は、その本性上、大胆な社会実験に駆り立てられるのだと著者は結論づける。その結果、奴隷制度や人身御供、大量殺戮といった極端なヒエラルキー形成され、破滅的な結果を招くこともある。しかし、遠い過去の良い点は、少なくとも現代のようにひとつシステムに縛られることはなかったということだ。

この歴史対立と交替に満ちているが、その周期性はエスキモーの周期性に倣ったもので、一方的な季節性であるグレイバーとウェングローは、ほとんどの狩猟採集民が季節だけでなく月の周期にも従っていることを知らないのだろうか。月経の満ち欠けと結びついた女性儀式は、基本的に月によって予定されている。

著者たちが問いかける重要な問いは、"なぜ不平等になったのか?"ではなく、"なぜ行き詰まったのか?"である。彼らは自らの問いに答えられるところまで来ているだけに、そこにたどり着けないことに深い苛立ちを覚える。自らに課したハンディキャップひとつは、女性人類学者による狩猟採集民の研究を見落としがちなことだ。例えば、適切な参照もなしに、彼らはモーナ・フィネガンの共産主義概念に触れている。彼女は、コンゴ熱帯雨林に住む女性たちが、男性たちが筋肉質な勇気と優位性を発揮する可能性を示すよう意図的に促していることを記録している--男女間の「力の振り子」で優雅降伏する前に、「ンゴク」と呼ばれる女性だけの儀式男性たちをあざ笑い、反抗するのだ。しかし、グレイバーとウェングローは、この政治的知性の表現を認める代わりに、ここでの成果やパターンを見出すことなく、それに言及している。

なぜ私たちは行き詰まったのか?正しい答えは、人類が農耕に依存するようになり、太陽暦が月暦の儀式よりも執拗に優先されるようになったからだ。私が最もよく知る先住民タンザニアのハザ族の弓矢猟師たちは、今でも彼らの最も重要宗教儀式であるエペメを、新月前後の最も暗い夜に毎月行っている。

太陽と月の中間的な存在であり、世界中でたどり着いた無数の妥協案のひとつが、中世ヨーロッパで毎年行われていたカーニバル伝統である庶民が今でも大切にしている伝統は、家父長制の秩序を逆転させるこのライセンスだった。

残念なことに、この「新しい人類史」は、その始まりがあまりにも遅く、アフリカ物語から切り離されているため、女性の抑圧とマンネリ化した現在の苦境との因果関係説明することができない。

すべての条件が同じだとすると byナンシーリンディスファーンジョナサンニール

グレーバーとウェングローの新著は、エネルギッシュで、献身的で、万華鏡のようだが、欠点もある。これは私たち問題を提起している。

デヴィッド・グレーバーわずか1年前に若くして亡くなった。彼の代表である『Debt』は、部分的には思わせぶりかもしれないが、その野心は当時としては刺激的だった。活動家として、またオキュパイ運動社会正義運動リーダーとしてのデイヴィッド・グレーバー活動は異例であり、模範的であった。LSE人類学部門の同僚たちからの彼への尊敬愛情は、そのことを物語っている。そして、彼の心は常に虐げられた人々とともにあった。

しかし、グレバーが善人であり、つい最近この世を去ったばかりであったからこそ、多くの人々にとって『万物黎明』が、今後長い間、不平等起源に関する理解の枠組みとなってしま危険性がある。

本書の裏表紙には、レベッカ・ソルニットパンカジ・ミシュラ、ノーム・チョムスキーロビン・D・G・ケリーといった、著名で立派な思想家たちから賞賛言葉掲載されている。ケリーはその代表的な例として、「グレーバーとウェングローは、私がこれまで世界歴史について考えてきたことを、事実上すべて覆した。この30年間で読んだ本の中で最も深遠でエキサイティングな本だ」。

この本は最近マスコミでかなり注目されているが、このような賞賛一般的見方になったら残念である

人類進化歴史における不平等起源という問題は、私たちがどのように世界を変えようとするかという点で、非常に重要であるしかし、グレイバーとウェングローは平等階級に目を向けることなく変化を求め、環境生態系説明を敵視している。これらの欠点保守的意味合いを持つ。

では、ここから。これは膨大な本の、乱暴部分的書評である私たちは、グレバー知的議論の切り口を愛し、得意としていたという知識自分自身を慰める。

ジレンマ

この本の最後段落、525-526ページで、グレーバーとウェングローは自分たち立場を明確に示している。彼らはこう書いている、

例えば、他のあらゆる点で厳密な研究が、人間社会には何らかの「原型」があり、その性質基本的に善か悪かであり、不平等政治意識存在する以前の時代があり、このすべてを変えるために何かが起こり、「文明」と「複雑さ」は常に人間自由と引き換えにもたらされ、参加型民主主義は小集団では自然であるが、都市国家のようなものまでスケールアップする可能性はない、という未検証仮定から始まる場合

私たちは今、神話を目の前にしている」

まり神話を打ち砕く者たちは、人間社会の原型は存在しないこと、不平等政治意識が生まれる前の時代存在しないこと、事態を変えるようなことは何も起こらなかったこと、文明や複雑さが人間自由制限することはないこと、参加型民主主義都市国家の一部として実践可能であることなど、正反対のことを言っているのだ。

このような断定的な声明は、非常に大胆に述べられ、新しい人類史を書いたという彼らの主張を魅力的なものにしている。しかし、2つのつまずきがある。

第一に、彼らの主張そのものが、彼ら自身政治プロジェクト対立している。第二に、証拠が彼らが言おうとしていることにそぐわない。

続き→https://anond.hatelabo.jp/20230926143527

2023-09-14

anond:20230914085040

クンニバーガーパンティー付き)

ハンバーガーパンティかぶせられてる姿を想像したらけっこう食べやすいかも、と思った。でも食べやすい形で食べたら腹側から食べることになるしクンニバーガーじゃなくなるよなあ。パンティ脱がして割れ目に舌突っ込まないとクンニバーガーにならないジレンマ

2023-09-10

anond:20230910124445

ただそうなると分派活動での処分正当化されるという一種ジレンマ

時代に合わせた共産党必要だと思うけどね

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