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2024-03-21

いのまたむつみ先生雑語り

いのまたむつみ先生の業績を雑に語ってインプレ稼ぐ人が出てこない

仕方ないので自分が口火を切ろうと思う

 

自分たちの世代にとって、いのまたむつみ先生ジャンルファンタジー擁護者であり守護者だった。

ライトノベル黎明期を支えたイラストレーターだが、元々はアニメキャラデザ作画監督で有名で、特に幻夢戦記レダウインダリアキャラデザで、ファンタジーアニメといえばいのまたむつみ先生、というイメージを植え付けられた。

ロードス島戦記より前、ファンタジーアイコンといえばビキニアーマーだった時代レダイラストファンタジーアニメというニッチ存在感を支えてくれていた。

ロードス島戦記ディードリットファンタジーアイコンビキニアーマーから耳長エルフに置き換わる。ディードリットの衝撃は耳の長さもさることながら、ファンタジーなのに肌色の多いビキニアーマーじゃなくちゃんと布で覆われつつファンタジー鎧だとわかる格好をしてることだった。コンプティークディードリットヌード扉絵プレミア価格なのはビキニアーマーじゃないちゃんと服着てるヒロインが脱いだからこそで、それだけ衝撃がすごかったのだ。耳長エルフ世界的に広まってしまった現在だと該当コンプティークプレミア価格は億超えしかねないぐらいだ)

いのまたむつみ先生レダが他のビキニアーマーと違うのは、やはり、ビキニアーマーなのにエロ方面に振られてなくて、あくまで綺麗な姿として描かれてたことだと思う。ドリームハンター麗夢だとロリコン絵柄ということになってしまうし、都築和彦先生ザナドゥ思春期男子には刺激が強すぎて広告だけで繰り返ししこらざるをえなかった。

そんなビキニアーマーという黙ってるとすぐエロになってしまグラフィックを、エロの手前にとどめて一般へ訴求するに足るラインにしてくれたいのまた先生の功績は大きい。

先日、ジャンルファンタジーマンガ雑誌編集に拒絶され描かせてもらえなかったという話題がバズっていたが、ジャンルファンタジー市場として認知されるのはテレビゲームで十分に裾野を広げた後に、映画ロードオブザリング世界的ヒットした21世紀以降で、それより前、ジャンルファンタジーは「ストーリーを展開する前に説明しなければならない設定が多すぎて一般層に届けるのは難しい」という認識だったと思う。レベルスキルエルフドラゴン、といったテンプレが準備され誰にでも通用するとみなされる以前は、ファンタジーアイコンとしてキャッチーさで客を捕まえらえる要素は少なかった。ファンタジー黎明期を支えてくれたのがビキニアーマーというアイコンであり、そのビキニアーマーエロくなく綺麗に描いてくれたのが、いのまた先生だった。イーノ・マータがエロ女神じゃなく美の女神なのはすごく大事なことだった。

次いでいのまた先生キャラデザウインダリアRPG以前のジャンルファンタジーとして重要作品だった。ファルコムイースネタ元ではラピュタが挙げられることが多いが、ラピュタとほぼ同時期に上映されていたウインダリアネタ元だった。イース名前の由来はフランス伝説の町イス(Ys)だけど、イスの伝説イースより先に採用したのがウインダリアのイサ。ファルコム出身新海誠ウインダリアからネタをちょくちょく拝借してる。ラピュタウインダリアが上映されていた当時、「火吹山の魔法使い」などのゲームブックは既に発売されファンタジーブームに火がつきかけていたが、アニメーションはSFアニメが主流でファンタジーアニメ殆ど存在しないに等しかった。なのでウインダリアは貴重な供給元だった。

そんなわけでファンタジー情報に飢えていた当時のガキンチョにとって、いのまたむつみ先生の影響力は絶大だったのだ。

いのまたむつみ先生のご冥福をお祈りいたしま

 
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