はてなキーワード: ウィザーズ・オブ・ザ・コーストとは
俺が好きだったゲームはMTG、マジック・ザ・ギャザリング。
TCGの元祖、「遊戯王」「デュエルマスターズ」の元ネタとかって説明されることが多くて、名前だけは聞いたことがあるって人もいるかな。
ゲーム自体もとても面白いのだけど、今回は主にゲーム性じゃなく、それ以外の部分で俺が惹かれた要素と、「好き」が過去形になった理由について書いていく。
ゲームプレイヤーにも勝利を求めるガチ勢、楽しさを重視するエンジョイ勢と色々いると思う。
(俺はガチ勢ってのも互いに本気で勝利を追求する遊び方を楽しんでる人って考えてる)
他のとこは知らないけど、MTG界隈では競技(ガチ)⇔カジュアル(エンジョイ)って表現を使ってた。
競技なんて言うと「カードゲーム風情がスポーツかなんかのつもりかよ」って思うかもしれない。
まずは俺が惹かれたMTGの要素の一つである競技性を語らせてくれ。
ゲーム=競技ってことで、その競技性ってのはつまりプレイヤーがどれだけ本気で勝ちに行ってるかの指標って感じかな?
皆が本気で勝ちに来るような方法って?そんなの簡単な話だ。商品を付ければ良い。皆が本気で勝ちに来るような商品って?これも簡単。「金」に決まってる。
今でこそゲームの大会に賞金が出るのなんて当たり前だけど、今から30年近くも前から「ゲーム」自体を主体に賞金制の大会があったってのは凄いことだと思う。
次にその大会の規模、まずGP (グランプリ)。世界各国で行われて、誰でも参加が可能。コロナ以前には日本国内でも年に4~5回開催されてて、最高人数は2500人程度、2000人↑は当たり前って感じでかなり大盛況だった。
優勝で大体100万円くらいで、結構大金だけどガチ勢にとって同じくらい大事なのが上位入賞者に与えられる副賞。
PTは世界各地で行われる。各国の強豪が集って、各々が練りに練ったデッキを持ち寄り優勝を目指す大会。賞金は優勝で500万円くらい。多くの競技者はこの舞台を夢見て、焦がれて、狂ってた。
このPTって舞台はMTGやってる奴には本当に羨望の的なんだ。昔はニコ生で、今はTwitchで配信してて、海外でやるから時差があったりで眠たさ堪えながら噛り付いて見てた。
さらにもう一つ大事なことがあって、MTGにはプロプレイヤーって呼ばれる存在がいる。
「プロ」の定義は論の種にもなる事なんだが、一つ明確な線引きがあってプロ・プレイヤーズ・クラブっていうMTGを制作した大元であるWoTC(ウィザーズ・オブ・ザ・コースト)社が公式に制定した制度。
これはプロポイントってポイントを稼いで、それが一定数溜まったらそれぞれブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナと順にランクが付与されてボーナスが貰えるって仕組み。
このプロポイントを貰えるのが前述のGPやPTなどのグレードの高い大会。
誰でも参加可能なGPでも、このプロポイント1点取るのに結構苦労するんだが、MTGのプロプレイヤーはこのポイントを求めて世界各国を飛び回ってGP、PTに参加するってのが常だった。
国内だけだと4~5回と書いたGPだが、世界ではほぼ毎週のように行われてるので、プロやプロになりたい奴らはポイントを、PTへの参加権を求めて世界を旅してた。
WoTC公式からも「PLAY THE GAME, SEE THE WORLD」って言葉でその行動を奨励してた。
俺はこのプロプレイヤーってものに強く強く憧れた。最初はただゲ-ムが面白くてやってたんだが、次第に戦えるようになって、勝てるようになって、大きな大会にも出るようになった。
俺はいつの間にかこのゲームに狂ってたんだ。狂うのも悪くないけどな、好きなことに狂えるならそんな幸せなことはない。だから狂いが醒めてしまった俺からみると、未だに狂ってるような人を羨ましく感じたりする。
ここまでが俺がMTGを好きだった理由。ここからは好きじゃなくなった理由。
上に書いた競技性と、それを織り成す制度ってのが、俺がMTGってゲームに惚れた一つの要素だったわけだ。
結論から述べる。俺がこのゲームを好きでなくなったのは崩壊とも表現したくなる度重なる制度の変更が理由。
最も絶望するのは、それが他でもないこのゲームを作り出したWoTC社が原因となることだ。
2016年の初めあたりにWoTC社の社長が変わった。度々この社長がやり玉に上がる。
本当に社長のせいなのかは分からないが、実際にこの時期からWoTC社は数多くの制度変更を打ち出す。
色々と細やかな変更はあったんだが最大級のヘビーパンチが、2018年末のこと。
その内容は、前述したプロプレイヤー制度の廃止。そしてそれに代わる32名の定員でのMPL(マジック・プロリーグ)という新しい制度への移行だった。
元々、プロプレイヤーって呼べるような人間は世界に数百人いたと思うんだが、それに対してMPLの32名という枠はどう考えても少ない。
プロ制度の廃止に伴ってプロポイントも無くなり、世界を股にかけて飛び回る意義も失われた。
過去のプロ制度は、本気で目指して努力すればギリギリ手が届きそうと思わせてくれるいい線引きだった。
それに対し、MPLってのは百戦錬磨のトッププロが競い合う中で、そいつらを蹴落としてようやく入れるような場所で、明らかに必要となるコストの大きさが違うんだ。
MPLからあぶれたプロプレイヤーも、プロを目指していた競技勢の人々も次の目標となるものの遠さに驚いたと思う。
(ちなみにこのMPLももうすぐ終わっちまうらしい。それ以降のプロに対する制度の説明は現状一切ナシ。
推測の域を出ないが、界隈で多く見かけた意見は前制度にかかるコスト、金銭的負担の軽減が目的というもの。
PTのようなアメリカ、ヨーロッパ、時にはアジアなどで行われる大会の場合、世界各国からプレイヤーや運営する人材を派遣するだけでも多量の金がかかる。
プロプレイヤーへの報償も同様に、目に見えて分かりやすい直接的なコストのために制度が見直されたのだ…と。
競技性がMTGの魅力の一部でしかなく、皆が皆一様に求めていたものではないとは思うが、ゲームの人気の一端を担うものであった事も確かだ。
俺はWoTC社がそれを軽んじ、踏み躙ったように感じた。
WoTC社はそれ以外にも目先の利益に捕らわれた焼畑商業的な業務方針を繰り出した。
MTGには、「とあるカードセットで禁止カードを連発してしまい。開発陣は社長室に呼ばれて𠮟られた」という有名な逸話があるんだが、現在のMTGでは2017年から毎年新しいカードセットから禁止が生み出されている。
それ以前は偶発的なデザインミスで、禁止せざるを得ないようなことはあったものの、毎年のように禁止カードが続出している状況はおかしいとしか言いようがない。
ゲームデザインは非常に難しいことだとは思うが、発売からわずか17日で禁止が出たと聞いたときは流石に目を疑った。
本来の焼畑であれば、別の場所を耕作すればよいだけだが、MTGでいう土壌とはプレイヤーの事だ。容易に開墾できるものじゃない。
こうした事によって(俺の)WoTC社への信頼は地に墜ちることとなる。
人は信頼があるから金を落とし続ける。だから企業は顧客満足度なんてパラメータを得るのに躍起になるわけだな。
信頼=金ではないが、信頼≒金ではあるんだ。
友人にWoTCへの呪詛を吐き散らす奴がいたが、WoTCがクソなのなんて衆知の当たり前の事で、それを一々言ってる自分がおかしいのかもと言われて笑っちまった。
まず渡辺雄也は今例えるなら、「MTG界の大谷翔平」と言って差し支えない日本プロのトッププレイヤー。
競技シーンを知る人に「日本一上手いプレイヤーは?」と聞けば大体の奴はナベかヤソって答える。
次にマークド。これはカードに目印をつけて、裏面から見ても何のカードかを識別できるようにするっていうイカサマ。
事件の経緯は以下。
渡辺雄也選手は大会でこのイカサマを行ったとして失格処分を受ける。
↓
後日スポンサー(Cygames)と共に反論する旨の声明を出す。
↓
WoTC社はこれに対し報復とも考えられる重い罰(30ヶ月の出場停止、殿堂除名、MPL除名)を与えた。
・ジャッジや対戦相手などによって容易に物的証拠を作ることができてしまう。
・十数年間、イカサマなんてほど遠い、クリーンなイメージ像からこの裁定が下るなんてありえない。
俺は当事者以外があーだこーだ言ってもしょうがないと思ってる。
けど、一つだけ信じてるのは渡辺雄也って選手はイカサマなんてしなくてもこれまでの実績を疑わせないくらい強いという事。
この件でWoTC社に失望したのは、声明に対して納得のいく証拠の提出を一切することなく、異例なほど重い30ヶ月という罰を科したこと。
反則行為で失格になった時点で罰が与えられる事、それ自体は仕方ないことかもしれない。
しかし、求められた調査の開示がない事、不当に思えるほどに重い罰、あらゆる説明が足りなさ過ぎた。
結果的に日本を支えてきた英雄が不本意に、容易に、軽々しく選手生命を絶たれたとしか見えなかった。
この件を皮切りに実際にMTGを辞めたやつも何人か確認してる。
献身的にずっと日本のMTG界を牽引してきた人物でも、不透明な組織の指先一つで活動を終わらせられる可能性があるなんて、信じられないよな。
こんなとこで文句言ってんじゃなくて問い合わせろって?日本のWoTCに何か言っても無駄だ。
日本公式が駄目なら英語なり使って本社に言えって?俺は自分で声を挙げたことはないが、海外プロプレイヤーのWoTCへの不満がたまに流れてきてもゴミみたいな制度を連発してるあたり何言っても無意味ってことだな。
こんなことが続く内に、WoTC社に期待する方が悪いという風潮が当たり前になった。
面白くてゲームを初めて、企業に嫌気がさして、ゲームへの興味も失せた。
これが、俺がゲームを「好き」じゃなくなった経緯。
この手記が、MTGの魅力の片側から見た一方的な意見であり、カジュアルに遊んでる人が今も楽しくしてるのは知ってる。
まぁタイトルにある通り「愚痴」だからな。聞いて欲しかっただけだ。
こんなこと書きながら2,3年後にはMTGやってるかもしれないけどな。
滅茶苦茶ネガキャンしといてなんだけど、ゲームは本当に面白いので興味あれば触ってみて欲しいという思いはある。
今ならマジックアリーナって無料で始められるアプリもあるし。DCGの中では本当に金のかからない部類だしね。
カードゲームが趣味だったおじさんのか弱い嘆きを聞いてくれてありがとう。
書いてる最中に、存在すら知らなかったPTの代替となるCS(チャンピオンシップ)とやらが行われていたらしく、久しぶりに配信を見た。
山本一郎氏と長田氏の対談の記事を見て気になるやりとりがあった。
長田氏:
でも海外の消費者団体の方とお話することがありまして,そこでですね,日本ではなぜ,ガチャが認められているんですか,不公平じゃないですか,って指摘されることがあるんです。
山本:
海外製のアプリでも,日本のソシャゲ成功事例をまねてガチャを導入している作品がありますが,基本的には賭博に該当する可能性があるのでNGだと判断するメーカーは多いようですね。
長田氏:
ほかにも,「お金を出せば有利にゲームを進められる」とか「ほかの人に勝つためには課金が必要だ」というゲームを出しているのなら,それは“無料で遊べる”と表記してはいけないのではないかとか,お金を出した人が有利なゲームは不公平のはずなのに,日本ではそれが認められているのはどうしてなのか,といったご指摘を頂戴します。
山本:
海外における「公平」の考え方と,日本のそれは異なりますよね。しかし,そういう話で言うならば,PCのオンラインゲームでは2000年代からやっていた「ゲームプレイ基本無料」って表記がそもそもマズいと思っていたんですよね。
これを見て海外ではガチャが規制されているのか!と誤解をした人も多かったようで、こちらの記事のはてブで何人かその趣旨のコメントをしている。
このやり取りの中で重要なのは、基本無料という表記の問題と不公平感についての文化の違いについてなのだが、山本氏の途中に挟んだコメントで趣旨が大きく変わって受け取られているように思われる。
ガチャについて、過度に射幸心を煽ったり誤解を招くような詐欺的な確率表記のような実態があるなら是正されるべきだとは思う。だけど、海外のスマホゲームの実態について変な誤解をする人が増えるのは残念なので、海外のスマホゲームのガチャの実態について書くことにした。
参考になれば幸いである。
AppStore、Google Playのトップセールスのランキングは、IPによってその国ごとのランキングが表示されてしまうが、以下のようにランキング情報をまとめてくれているサービスはゴロゴロある。
http://applion.jp/market/us/iphone/rank/gross/
上記はアメリカのAppStoreのトップセールスのランキングである。200位まで見ることができる。
傾向を見ると、アメリカで人気のジャンルは、戦争を題材にしたRTS、気軽にプレイできるパズル、そしてカジノ、となる。
スマホアプリ市場において、F2Pの先駆けになったのはアメリカであるが、ゲームでの課金形態は時間短縮や資源購入型の課金形態が主であった。
2012~2013年頃に日本製ゲームである神撃のバハムートのローカライズ版が配信され、トップセールスランキングで1位を取るほどアメリカで人気が出た。それ以降にガチャ機能を持ったゲームが受け入れられ始めた、と考えている。
以前知り合いのアメリカ人に聞いたところ、アメリカにもコインを使っておもちゃを排出する機械はあるが、チープでそれほどメジャーな存在ではないとのこと。
そうしたアメリカで、ランダムに商品を提供するガチャに相当する存在は何なのかというと、トレーディングカードゲーム(以下TCG)のパック販売である。
TCGの始まりは、1993年にアメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から発売された「マジック:ザ・ギャザリング」とされていて、その後に世界中で大ヒットしている。
なじみの無い方向けに説明すると、マジックの場合、1パック買うと350円で15枚のカードが封入されていている。その中は、レア1枚、アンコモン3枚、コモン11枚、という比率で入っていることが保証されている。
当然同じレアリティでも強いカードと弱いカードがあるが、オンラインゲームやソーシャルゲームのガチャのように同じレアリティ内で偏りは無く、排出量は保証されている(はず)。
これを踏襲して、アメリカ向けのスマホゲームでガチャ相当の機能(ランダム性を持ったアイテム販売)が出てくる場合、"Pack"と呼ばれることが多い。
アメリカでは、スマホにおけるランダム性を持ったアイテム販売を規制するような法律は現時点では無いので、ガチャを持ったゲームも普通に配信されている。
カジノ系のゲームも、ガチャと同じようにランダム性を持って景品を提供するゲームと言えなくもないが、今回はカウントの対象外としている。
ガチャ的な要素があるタイトルは以下の通り。 (ちゃんとプレイしたことの無いゲームもあるので勘違いをしているタイトルもあるかも)
9位: Marvel: Contest of Champions
18位: Star Wars: Galaxy of Heroes
34位: Walking Dead
52位: HearthStone
53位: Jurassic World: The Game
57位: Knights & Dragons!
62位: DRAGON BALL Z DOKKAN BATTLE(ドラゴンボールZドッカンバトルの英語版)
66位: Castle Heros
72位: Brave Frontier (ブレフロの英語版)
89位: Marvel Puzzle Quest
100位中12タイトルなので、日本に比べると少ないがまずまずの数がある。主流であるというほどではないが、ガチャ機能も十分受け入れられている、といっても良いかと思う。
ガチャが日本の市場だけで受け入れられているって訳でもないし、またアメリカの場合だとカジノゲームのように文化によって形は違えど射幸性を持ったゲームが存在している、というのは覚えておきたい。
先ほどのサイトで他の国のランキングを見てみると、多少の順位の前後はあれど、上記のタイトル達がほぼランクインしていることも追記しておく。
中国・韓国ではランダム性のあるアイテム販売の規制が入っていることで有名な話だと思う。
中国については以下の「ガチャについての規制」の項目を読めば良い。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001588/china_mobile.pdf
日本と比べて中国ではRMTの文化が根強く、多分国の規制が入っていなければ、ガチャの景品が現実のマーケットで取引されてよりひどい問題になっていたことが推測される。
余談になるが、トレード機能を持つ日本やアメリカのソーシャルゲームは中国人のRMTの対象なることが多い。昨今の日本のスマホゲームでトレード機能が無くなってきたのは、これに対する対策という側面もあったりする。((代わりにいいアイテムを持ったアカウントが売買されたりしてるけど))
ただ、規制されても両国ともグレーゾーンを走るメーカーは多く、法に触れない形を取った確定ガチャやVIPシステムのような提供したりもしているのが現状である。
色々書いてきたけど、早い話が隣の芝はそんなに青くないって話。