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はてなキーワード: インセンスとは

2015-08-25

 僕と従兄弟の沙耶は,適当にどこかでご飯を済ませて,ラブホテルに向かった.僕はラブホテルに行く時には,どのホテルに行くか女の子意見を求めるようにしている.

「どこにしようか…,ここでいい?」

「うん,沙耶は全然いいで.行ったことあるし」

彼女自分がもう子どもじゃないんだと主張するような顔で言った.

 僕らはお茶しながら,お互いのことについて少し話した.沙耶も背伸びをして苦そうなコーヒーを飲んでいた.僕はコーヒーを飲みほして(なんとそのラブホテルにはドリンクバーがついていた),それから沙耶に僕のおすすめインセンスを買ってやった(ホテルで売っていた).

 違う日にまた沙耶と食事に出かけることになった.今度は祖父母も一緒だった.例によって,食後にラブホテルに行くことになったのだが(この世界では食後はラブホテルお茶するのが定番らしい),何故か僕らはタケコプターで移動していた.一人一台を使っているのではなく,祖父母のどちらかがタケコプターを操縦していて,僕らはそれに掴まっているという状態である.もしタケコプター道路交通法があるのだとしたら,完全に定員オーバーだろう.

 ラブホテルを探して空中をウロウロしていると,前回行ったホテルから50代くらいの気の強そうなおばちゃんが出てきた.おばちゃんは割烹着を着ていて,何かに対して怒っているような顔つきだった.おばちゃんは空に叫んだ.

あんたら,冷やかしはやめや!」

僕は慌てて言い訳をした.

「いえ,少し迷っていただけで」

言い訳はいから,はよ降りてこい!」

どうやら怒られるみたいだ.

 それでも,しばらく地上に降りずに空中を移動していると,おばちゃんはゴルフクラブを取り出した.そして,僕らの方に向かって,華麗にショットを放ってきた.当たるはずもないと思っていたが,おばちゃんはなかなかの腕前で,一打目は僕の眼前を切り裂いた.

「こら―!降りてこい!」

そう言って,おばちゃんは次々とショットを繰り出してくる.いよいよ危ないと思ったので,僕は料金を訪ねてみた.

「わかった,わかった,料金はいくら?」

「二時間で三千円や!!」

そう言いながらもおばちゃんは,マフィア映画で敵のボスが繰り出すような攻撃を続けた.僕らは渋々おばちゃんに三千円を払って,祖父母と僕と沙耶で店内に入った.沙耶は前にあげたインセンスが気に入ったようだったので,僕はもう一つ違うインセンスを買ってやると言ったが,彼女は断った.どうやらあまり買ってもらうと母親に怒られるらしい.

 ドリンクバーコーヒーを淹れに行くと,集団の男女と出会った.どうやらこの世界でのラブホテルは,カラオケカフェを合わせたようなものらしい.それでも二十一歳の僕と,十四歳の沙耶が一緒にいるのは異様に映るらしく,それなりに注目されていた.僕はコーヒーが出てくるボタンを押した.カップにはコーヒーの原液らしきものと,水が交互に注がれていて,おかしな仕組みだなと感じた.コーラジンジャーエールは,炭酸が抜けないように炭酸水と原液を別にして入れておき,注ぐときに混ぜることが多いが,コーヒーには原液というもの存在しないので,そのまま出てくるはずだった.

 そんなことを考えていると,急に目が覚めた.場所研究室のベッド,腕時計の針は二時の方向,辺りは明るいので昼の十四時のようだ.やってしまった,すぐミーティングだ.慌てて立ち上がると外は暗かった.どうやら蛍光灯の光を日光だと勘違いしていたようで,実際は深夜の二時だった.携帯確認すると,一時間くらい前に彼女から「起きてる~?」とメッセージが入っていた.寝ていたので,これには返信する必要はないだろう.

 
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