はてなキーワード: アメックスとは
いきってるのはアメックス持ち
少し前になるが、小学校卒業後も中高と仲良くしていた男と同窓会で再会した。
懐かしさもあり、久しぶりに二人でご飯にでも行こうかという話になった。
私立の小学校だったので、学年の全員が中学受験をした。その男は第一志望の御三家に落ち、私は第一志望の御三家に受かった。
今は私は医師になり、相手は東大から外銀?に就職したようだ。就活をしたことがないので企業名は聞いたが忘れた。横文字だった。
店を探すように言われ前もって予約したが、当日向こうが仕事が早く終わるようで予約を他の店に急遽変えた。直前に店を探すように言われて慌てて探したが、金夜で予約が割と埋まっていた。
メニュー表を眺めながら、
「ここ、潰れると思うわ。」
とそいつは何度か言った。
あぁ、みたいに曖昧な返事でごまかしながら、どういう常識の持ち主?と内心思った。
「俺さ、今タクシー通勤だわw電車とか時間がもったいないし、タクシーの金額ぐらい、タクシーの中で仕事すればペイできるし。」
「え、それ全部自分で出してるの?」
「いや、全部経費だよw」
「(経費かよ!!!)」
店員が飲み物の追加オーダーを取りに来て、そいつは二杯目を断って水を頼んだ。オイオイマジかよと思ったが、なんとなく私も断った。
「俺さ、最近外出たときの隙間時間とか、叙々苑で仕事してるからねw」
「へー、いいねー。」
「叙々苑の店員さんもびっくりしてると思うわw普通仕事してると思わないじゃん?オーダー取りに来たらパソコン開いて仕事してるってヤバイよねw」
「そうかもねwそれも自腹なの?」
「いや経費だよwうち経費緩いからw」
「でも立て替えとか大変そうだね」
「(え、お前会社の金でタダで叙々苑食ってるだけじゃね?てかお前の会社の人が叙々苑で仕事しすぎて絶対店員は慣れてると思うな...)そっかー」
この辺で正直帰りたくなったのだが、彼は止まらない。
「(えっとご実家は埼玉県のさいたま市の辺りでは...?実家が金持ちと自称できるレベルの金持ちは港区などにお住まいなのでは...?ていうか普通実家が金持ちとか他人に言う...?)そうだねー」
「てか俺、ほんと御三家とか行かなくてよかったわw男子校とか無理。共学がいいもん」
「(それを落ちた人が言うのは.......てかもしかして今日言いたかったのってそれか...?)そうかもね」
そして会計の段になり、男のクレカが今時流行の『SPGアメックス』であり、私のクレカも同じものだったのだが、そいつは会計時に黙って自分のクレカで払ってマイルをつけた上に、
「そんなんもってると男引くよ。」
と仰ったのである。
アメックス センチュリオンならまだしも、たかだか3万の年会費のクレカで引く男はいないだろうと思うのだが、ご実家がお金持ちの方の感覚はやはり庶民とは違うようだ。
更には店を出た後に、
「この立地でこのクオリティの飯でこの値段って、絶対この店潰れるわw」
ともう一度言った。
そうだね、確かに、あなたのように二杯目から水を頼むような人間がたくさん来店すると潰れるでしょう。
そもそもあなたの当日の突然の予定の前倒しのせいでこの店なんだけどね。
と思ったが、私は笑ってごまかした。
別れ際、「また連絡してw」と言われたが、次に連絡するなら少なくとも30年後あたりだろう。
私の友人の間では伝説の人物として語り継がれ、どんな女子でも笑いとツッコミを呼ぶ最高の物語として君臨しているため、時間は無駄ではなかったと思っている。
私は男に対していわゆる「さしすせそ」は言わないのだが、言わないと男はムキになってマウンティングを始めるので、こうした伝説の会合が時たま開かれることになる。
ぜひ、世の男性には、自分のコンプレックスを他人にマウンティングすることなく、己と向き合うことで解消して頂きたい。
他人からの「いいね」「すごいね」を集めても、何も変わらない。
他人の心を搾取しても、いつまで経っても満たされないと思うのだが。
更に言うと、評価されたいのであれば、自分が有能かもしれないと言うわずかな望みにかけるより、自分が平凡だと自覚して誰よりも努力するとカッコいいと思う。
残っている仕事を片付けようと空港のカードラウンジに行き、クレカと航空券を見せるためにカウンターで並んだ。
増田の前に並んでいたのは、30代の母親と、その子供たち3人とおじいちゃん。
子供たちはすぐ近くのサーティーワンで買ったアイスクリームを各々食べていた。
年末の空港は大混雑しているから、座って食べる場所のためにきたのだろう。
よくある家族連れといった様子だった。
そんな普通そうな人たちだったのに、受付の人が
「ラウンジ内にアイスクリームの持ち込みはご遠慮いただいております」
「は?なんでだよ」
「うちの子たちはアイスクリームこぼすとか、しないから!!!」
「(子供たちに向かって)いいよ、入ろう」
いくら説明してもおじいさんは頑にラウンジに入ることに拘っていた。
あまりにも感情的になっているおじいさん相手には歯が立たない様子だった。
一方の子供たちは、必死にアイスクリームを食べ切ろうとしている。
「ダメなんだよ……」と呟く子もいた。
わかってるじゃねーか。
母親と子供たちが外に出て行って、おじいさんはラウンジ内に入って行き、
一応その場は治ったのだけど、しばらくしてから、カウンターの方から怒鳴り声がきこえてきた。
「何様のつもりだ!!!!」
孫たちがいないからか、先程より声も態度も大きく、
聞き耳を立ててるこちらですら恐怖を覚えるような態度だった。
というか、アイスクリームの持ち込みを断られて失う人権って小さすぎやしないか。
極め付けは、
「アメックスプラチナの年会費がいくらかかっているのか、知ってんのか???」
まじかよ。
以前アルバイト先でよく接していたお金持ちたちは、店員相手にも丁寧な口調で、新人店員が会計に手間取っても静かに待ってくれる、こちらがミスをしてもにこやかに指摘をしてくれる、そんないい人たちだっただけに、めちゃくちゃびっくりした。
接客アルバイトをしていたことがあるのだが、激昂する中高年男は、同じくらいの年代の男性店員の前では大人しくなるのに、
若い女性店員にはめちゃくちゃ態度がでかい。家庭でもこうだったのだろう、子供の母親(おじいさんの娘)はだんまりだった。
カウンターのもう一人のお姉さんが席を外していたから、奥からもう少し慣れた人がでてくることを期待してラウンジを出たけれど、今思えば警備員さんを探して呼ぶべきだった。あのお姉さん、仕事辞めるだろうな。