はてなキーワード: アイドル活動とは
『わたしがアイドルだった頃』という2012年発行の本がある。アイドルとして活動した女性たちのインタビューを集めた本だ。
この本に収録された元ギリギリガールズの「もちづきる美」のインタビューが、12年の時を経て、再び注目を集めている。
過去12カ月間の「もちづきる美」というキーワードの検索ボリュームの推移をみると、とあるゴシップが世に出てから伸びているので、インタビューに登場する「芸人M」は渦中の芸人かもしれないと思い、ページを開く。
―-大人気の「芸人M」が、芸人仲間からもちづきる美の電話番号を金で買い、何度も電話をかけてきた。
彼女はのらりくらりと交わしていたが、「ギリギリガールズ」の意地悪なメンバーが言いふらしてMの耳に入り、もちづきる美は激怒したMに殴打される。それでもMの怒りはおさまらず、殴られた側なのに、Mの事務所に謝罪に出向いた……と言う内容だった。仮にすべて真実だったら、Mのしたことは脅迫と暴行である。
同じページにこんなくだりもあったのが印象的だった。
アイドル活動で吐血するほど苦労して、何本もCMに出ていたのに、彼女たちの仕事のギャラはたった10万。それを聞いて自分ごとのように怒ってくれたのは、岡本夏生だったという。
“「もう、ギリギリちゃんたち、何、利用されてんのよ!」そこはドンと言わなきゃだめでしょ。言えないんだったら、私が言ってあげようか? まかせてよ!」”
“「夏生姐さんは、いろいろ頑張ってくれましたね(笑)。いろいろアドバイスももらったんですけど、結局はダメでした。夏生さんは“ダメだったわ。なかなか手強いわねぇ”と言っていました(笑)」”
文中の「(笑)」がもの悲しい。幼少期の不遇な生育環境、意地悪なメンバーからのいじめ、芸人Mからの暴力など、つらい思い出のオンパレードのインタビューに登場した、唯一の優しい人だった。
イケメンの三浦春馬が自殺した時にブサメンが「俺より圧倒的に上の立場のくせに」と嘆いてた
ずっと低空飛行の奴がちょっと地上に落ちてもかすり傷ですむけど、地上2000メートルにいる奴が墜落すると致命傷なんだろうな
この場合の「落ちる」とは様々なものがあるが、一つは「老い」である
「並の顔の女」はいわゆる「チヤホヤ」は大して受けないが「迷惑なナンパ」や「痴漢」など女特有の嫌な目にだけはしっかり遭う
だから若さによるデメリットの方が大きい(そこらへんは単純な美醜だけでなく性格や地域による差もある)
男から見たら価値を失い「性欲対象としてマスト」ではなくなり「ただの普通の人間」になる40以降とかの方がそういう女は生きやすい
「それなりに美人で若い頃はチヤホヤされたが、老いたら一気にチヤホヤされなくなった」女は墜落死する
あるいはそこまで行かなくても盛大にヘラる
はるかぜちゃんのお母さんは昨年50歳の誕生日を迎えるにあたってものすごいヘラりまくっていた
「もうすぐ女の子じゃなくなる」と49歳の女がまだ女の子のつもりで書いていた
まだ自分は女の子として価値がある、とアピールするためか告白されたとかナンパされたとか49歳が書いていた
はるかぜちゃんママは若い頃に芸能活動していて、出産後も炎上騒動などあるまで(はるかぜちゃん3歳ぐらいまで)はネットでアイドル活動をしていた
https://archive.ph/http:/geojweb02.geocities.co.jp/PowderRoom-Rose/4612/*
https://archive.md/http:/www.asahi-net.or.jp/~zh7t-iskw/*
そういった「芸能活動していたが年を取ったらフェードアウトするしかなかった女」は多分老いがめちゃくちゃ辛い
そういう女は子供を産んで「私そっくりな娘ちゃん」を可愛がることで癒やされるコースを辿り、やがて「孫ちゃん」を得ればいいのだが、「娘ちゃん」がしくじることもある
はるかぜちゃんは芸能人としてのピークが年齢一桁の頃で既にオワコンであり、「老いによる墜落」をはるかぜちゃんママは追体験してしまったが故に余計にヘラったのだろう
本文は秋元康プロデュースの大人数アイドルに関して思うことをざっばらんにまとめた。批判しかないけど現役で活動してる個人というよりはグループのシステムに対する疑問とか違和感。
リリース曲に対して良い曲が少なすぎる。大半の曲に対して若くて可愛い女の子がキャピキャピしてて癒される以上の魅力を感じない。人数が多すぎてダンスや歌唱に差を感じ辛く、この人じゃ無ければというメンバーがいない。選抜メンバーは顔面とキャラ、メディアでの露出具合で選ばれてるだけだと思う。
・報われなさすぎる
ブスだの太っただの痛いだの好き放題いわれ、SNSに写真をあげると身につけてるもののブランドや値段まで特定される。異性との交友関係や彼氏の存在が発覚すると大炎上して謝罪や活動休止させられ、ファンの期待する清楚でピュアな存在を貫かなければならない。時にはストーカー被害も受ける。貴重な若く美しい時間の全てをかけてファン(見ず知らずの他人、しかも大半が中年男性)に媚びるってなに?
・卒業後何すんの?
貴重な10代後半から20代中盤を中途半端なダンスや歌唱、ファンへの媚売りに捧げた挙句、年を食えば卒業という形でお払い箱になり、新たな若くて可愛い子にとって変わられる。大半がその顔面の強さを生かして俳優やモデル、タレントになるわけだがいずれも狭く厳しすぎる世界。それって本当に自分のやりたいこと?最早芸能界以外で生きる術がないだけでは?
アイドル活動は誰かを元気づけたり勇気づけたり、自信のない自分を輝かせる場所だったり素晴らしい側面もあると思うけど、未来ある若者が搾取されている部分が多すぎるように感じる。
また、そんな場所にひとたびオーデションを開けば何千人という子女から応募が殺到するという事実もよく分からない。女の子ってそんなに承認欲求強い人多いの?
何よりゼノグラがあまりにもアイマスじゃないアイマスだったので
アイマスっぽいアイマスアニメをちゃんとやってくれたことに感謝すべきで
今でも1本のアニメとしての出来はよくないと思ってる
前半はある程度キャラ紹介パートを兼ねているとはいえ、すべての話が散逸的だし
後半も基本的にはそれぞれの話は独立していて互いに影響を与えていない
錦織監督お気に入りの菊地真回は評判高いけど、全話通して見たら別になくてもいいレベル
千早が弟殺して母親と険悪になってるのを文春にすっぱ抜かれて声が出なくなるのを春香が救う話
その後、忙しくなった仲間との時間が取れずに春香がアイドルをやる意義を見失ってしまう話
が全く相互に影響を与えてないのは割と致命的だと思う
春香は「なんでアイドルやってるかわからん鬱だ死のう」ってなってアイドル活動休止して
で、ここからみんなに元気を与えてた春香を今度はみんなが救うんやろなぁ
特に春香に命を救われたと言っても過言ではない千早の活躍には期待できるやろなぁってなってたら
春香は一人で町を徘徊して幻覚見て落ち目の男アイドルに再会して
みんなすげー感動してたけど俺は普通になにこれおもんなってなってたわ
にごちゃごちゃ言うなって言われたらそうなんだけど
最初に
推し個人を特定するようなコメントはやめてください、二次加害に繋がります。
私は推しがさらに苦しむことを望んでこの文章を書いているのではなく、性暴力により私の推しに起きた影響や性暴力を知ってしまったいちオタクの苦悩を文章として公開することで、世間の性暴力に対する視線がさらに強いものとなり二度とこのような事態が発生しないようになって欲しいからです。
フェイクを入れていますが分かる人は分かってしまうと思います、知らんぷりしてください
私 初めて好きになったアイドルがこのアイドルを辞めた推しだった人
推しの話していることが知りたくて、推しのメイン言語をほぼ丸一日聞く生活を2、3年していたら理解できるようになった程大好きで狂っている
推し 世界で一番可愛いダンスの上手なアイドル、アイドルという職業は推しのために生まれたのではないかと思うほど天性のアイドルだった。
性犯罪者(加害者) 推しのアイドルという職業上で関わりがあり、推しより身長が高く体格も良く年齢も上
優しいみたいな印象を持っていた
数年前推しが精神的な理由で活動を続けるのが難しくなったと脱退の発表をした、脱退前の活動には表情の陰りがあり少し心配していたので納得した、してしまった
当時も不思議だなと思ったぐらい最後の活動は少し奇妙な形だったのに
(この時には事務所に被害を報告していて、今後の活動について協議していたと後に知った)
その後は一年ほど前まで推しが早く良くなることを願いながら推しの動画を見続け元気を貰い、自分自身の生活を頑張って生きる日々
生死もどこにいるのか何も分からない期間をどうにか数年間堪えていたらある噂が入ってきた
噂はある推しと同じ国のアイドル(性別や世代や大体の条件が一致する)人が関係者に性被害を受けたらしいというもの
私はオタク仲間から情報共有を受けて衝撃を受けた、推しが当てはまってしまうから
噂が嘘であって欲しかったし(オタク友達から流れてくる噂は嘘の可能性もあるし)、もし推しだとしたら私の知っている人が加害者だと分かってしまう状況だったのでひたすら違う理由を探した
これは当てはまらない、この情報があるからおそらく違うだろうとか寝不足になりながら2日程違う理由を探し回り
多分違うそうだよねそんなわけないからと自分に言い聞かせ、頭の片隅に追いやり考えないようにして暫く忘れて動画の推しを見て愛でながらの生活に戻った
数ヶ月後に噂を思い出してもう一度調べたら推し以外に当てはまらない詳細も一緒に噂に付いていた、息が苦しくなってどうすればいいのか何もわからなくなっていった
全ての仕事に加害者が関わっていたし、常に加害者の顔がチラついたから
オタクも知っていて、私の中でいい印象の人が推しに加害をした事が理解できなくて常にその事しか考えられない、一人の人生を壊して楽しかったか?今も都合いい事言ってるみたいだけれど、今も加害をしている自覚はありますか?
今まで推しで精神の崩れを立て直していたのに自分の精神の不調が直せなくなり、なんなら推し(に加害した人)のせいでさらに崩されようとしていたら推しがSNSを始めた
推しは生きていたし、数年ぶりに見た推しの写真は最高に可愛くてずっと前から大好きな人そのもの
また推しが見れるようになったことが嬉しくて、起こったことが悲しくてたくさん泣いた。
私はアイドルだった時の推しの動画が見れなくなったのに、新しく踊った動画を投稿してくれる人が好きで好きでどうしようもない
なぜ私の好きで好きでどうしようもないアイドルがある1人のせいで精神的にアイドル活動を続けられなくなり、数年後に始めたSNSにやんわりと過去に起きたことに触れた投稿をして、アイドルはもうしないと言わなくてはいけなくなったんだろうか
なぜ私の推しだけこんなに大変で、被害を受けたせいで人生で一番大きな夢だったものを諦めるという決断を強いられたのに相手はまだ謝罪をしたり加害を辞めないんだろうか
常に苦しいのは被害を受けた側だなんておかしいよ、加害者にもっとキツい罰を与えてくれ
私は加害者がヘラっとした態度なんて取れないぐらいメタメタにしてやりたいのに刑が軽すぎてずっとヘラヘラしている加害者をずっと許せない
でも自分でSNSなどに加害者の誰々はこんなことをしました!!と言うと推しが被害を受けたことも一緒に流れてしまう
女性が自身の自己決定として、ミニスカやへそ出しなどのファッションをする
女性が自身の自己決定として、セクシーな格好でアイドル活動する
胸を大きく描くこともアウト
創作によって提供される情報が、性的消費を肯定している、みたいな作りなんだけど
生物として、女性に魅力を感じないとか、そっちのほうが不自然じゃん?
で、対応したコードを実践したときには、特定の対象には評価されたいはずなのよ
でなければ、「化粧変えてみた」とか「髪切ってみた」とか心底どうでもいいことになるはずで
それに反応しないといけないのおかしいじゃん
意中の男が「いいね」と思う格好は、そのへんの有象無象も「いいね」って思うんだよ
だけども、フェミの理屈を聞くと、平常時は全員まったく無反応無関心であるべきで
でもでもでもでも
女性がそれを評価して欲しいまさにそのジャストタイミングだけにおいては
相手はそれをきちんと評価して、相応の反応することが求められるわけ
馬鹿かと思うんだよね
研究費用ガーとかいってる方々はアイドル活動でも始めるといいと思う
今ならVでもやればいいじゃん
とにかく、アカデミアの看板があれば売るために専門外の領分に踏み込んで雑なこと(正しくないこと)書いても許される風潮は滅ぼそう
日本だけじゃなくて海外の本でもそういう本が売れたりするからもうなんだかねって気持ちになる
もちろんこういった本が完全に無価値ではないけどね?
本というまとまった情報があれば前提の共有が出来るし、正しくない情報や偏った見識が含まれていてもプロの手が入った読み物なので読みやすい
けど本来、権威(アカデミア)をありがたがるのは、研究や試験や論文の評価の作業(数字やまとめに妥当性があるかなど)を省略出来るからなんだよね
売るために専門外の領分に踏み込んで雑なこと(正しくないこと)書いても許されるなら
ジュニアアイドルやらせてる親が性的虐待で通報されないのはなんで?
(皆賢いからわかると思うけど、プライベートゾーンを守れないような露出の多い衣装、極端に短いスカート、水着だの着せる親に関してね。)
性的消費目的だろ明らかに、て思うんだけど、これは児童福祉法に触れないの?
特に自分の子どもにそんな際どいことさせる親、明らかにヤバいと思うんだけど。子どもをなんだと思ってるの?何が目的なの?本当に人間?
親が子どもに向けられた注目を自分のものと勘違いして、承認欲求を満たしている節があると思うんだよな。虎の威を借る狐。子どもの価値はお前のものじゃねえんだよ。もう自分でやれよアイドル。
成年になったらまだいいよ、自分の身体の使い方を自分で考えられるようになってからなら。自己判断だし好きにすればいい。そのために”成年”の括りはあると思うから。
子どもたちが憧れる”アイドル”の言葉をちらつかせて、いいように釣って、性的に消費することの何とおぞましいことか。
気持ち悪い中年ジジイどもにハアハア言われながら写真撮られたり、身体を触られたり、それって”アイドル”の仕事ではないだろ。
ジュニアアイドルにたかってるジジイどもは、”ジュニア”だからたかってるだけ。その子の踊りが上手いからとか、センスを感じるからとか、そういうことではない。でもちやほやされることが子どもは(おそらくジュニアアイドルさせている親も)嬉しくて、勘違いしてしまう。
アイドル活動することを非難してるんじゃないよ。”アイドル”と称して子どもを持ち上げて、何も知らない子どもの行動を操って、大人たちの欲求を満たすような気持ち悪い行為をやめろって言ってるんだよ。
話はちょっと脱線するけど、親が子どもの写真SNSにあげるのもやめて欲しいよな。子どもの人権ってないのかな、親なら子どもの肖像権を好きに使っていいの?鍵垢以外で、自分の子どもかわいいからSNSに載せよう!てどんな発想??自分たちで大事に保管しておけばいいじゃん…
子どもに同意があればいいとか言う奴いそうだけどさ、幼児や小学生なんかがSNSの危険性とかデメリットを理解できるのか?という話。自分の写真や動画が全世界にばらまかれることがどれほど重大なことなのか、成人済みの大人でさえ分かってない奴が多いのに。同意も何もないだろ。そういう親に限って自分の都合のいいように子どもの意思を操るんだよな。SNSに載せるときは「子どもが載せて欲しいって言ったから♡」とか言うくせに、子どもが思う通りに言うことを聞かないときは「子どもなんだから私たちの言うことを聞きなさい!」って言う。子どもの主張は、自分たちの都合のいい時だけ受け入れる。
BAND-MAIDが米国を中心に海外で非常に人気が高いということは聞いたことがあるだろう。
だが、実際にMVを見てみると少し違和感を感じるはずだ。メンバーの多くは期待していたほどメイド風でもないし、楽曲はさほどポップでもKawaiiでもない。かといってギャップで驚かせるほどの音の凶悪さもない。普通にJ-POPの影響も感じられるクールなハードロックである。あまりハードでない曲も多い。
ましてや2023年2月にリリースされた「Memorable」はシンプルなバラードで米国のシンガーソングライターが歌ってそうな曲調だ。
しかしYouTubeでは、この曲を聴いて屈強な米国の男たちが涙を流している。いったいどういうことか。
BAND-MAIDは10年の歴史の中で様々な文脈がつきすぎて初見のリスナーにはわかりづらくなっている。本稿ではそのあたりを読み解いていきたいと思う。
BAND-MAIDの面白さは、計算された部分からどうしてもはみ出してしまうほころびにある。計算高くプロデュースされたバンドのように思われがちだが、じつは誤算の歴史であり、その誤算を受け入れ逆に強みにしてきたバンドなのだ。
そもそもBAND-MAIDの始まりは小鳩ミクプロジェクトだった。秋葉原の有名メイド喫茶出身でアイドル活動もやっていた小鳩ミクがアイドルグループ解散をきっかけに、違う方向性の音楽をやりたいと今の事務所に売り込みに来た。それならば過去の経験を活かしてメイド+バンドのコンセプトで行こうとすぐに決まった。
二人目のメンバーはニコニコ動画で見つけてスカウトした。そこから人脈をたどりメンバーを増やしてバンドとなった。つまりメイド文化の経験があるのはじつのところ小鳩ひとりなのだ。
そして最初のほころびはすぐに来る。
演奏力のしっかりしたメンバーを集めてしまったがゆえに、出音が本格的なロックとなってしまい、そうなるとアイドル出身の小鳩の声と合わないのだ。
こういう場合、普通に考えたら楽曲をポップな方向に軌道修正するはずだが小鳩の決断は違った。このロックテイストの曲に似合うメインボーカルを入れることにしたのだ。
ツインボーカルとは言うものの小鳩はコーラス中心になる。自分がメインのプロジェクトだったはずが脇役にまわる。当時は楽器も弾けなかったのでバンド内での居場所もあやしくなりかねない。
メインボーカルを入れた5人体制で制作されたファーストアルバム「MAID IN JAPAN」は、今思うと一番コンセプトにぶれがない作品となった。
全員が可愛いメイド服を着たビジュアル。最近の曲に通じる片鱗はあるものの、今よりもポップで聴きやすい青春パンク風やロック調J-POPの楽曲が多いアルバムだ。
ただそのコンセプトもすぐにぶれていく。小鳩以外のメンバーはやはりメイド服があまり好きではなかった。
またしても誤算である。さほどこだわりのないギターのKANAMI以外はいかにもなメイド服を着るのをやめた。
そしてまたこの時期は楽曲の方向性もJ-POP風だったり、ポップロックだったり、よりハードで過激なロックに振ってみたり、迷走していた。
事務所的にはそろそろ潮時かと解散させることも考えていたらしい。
そんな頃に意図せず大ブレイクしたのが初期の代表曲「スリル」だ。
これまで以上にヘヴィなサウンドにクールでわかりやすいボーカルラインが乗ったハードロックである。ファーストシングルのカップリング曲という位置づけだったが、このMVが翌年海外のWebラジオで紹介されて一気に火が付いた。
そしてこの曲がその後の方向性を決定づけた。
BAND-MAIDの特徴のひとつはそのライブ本数の多さである。ツアーに出ると毎日か一日おきでほとんど休みなくライブをおこなっている。「スリル」がブレイクした翌年の2016年は国内19箇所ツアー、8カ国のワールドツアー、その他国内外の単発のイベントに参加している。
Wikipediaにあるライブ日程はツアーのみで単発のイベントは書かれていないが、それでも今どきのバンドとしては異常な数である。こうしてライブを重ねることでライブバンドとしての実力を着実につけていった。
そしてまた、メンバーの創作能力も向上し、この頃から小鳩ミク作詞KANAMI作曲の作品が増えていく。
ここへきてBAND-MAIDは外部の作家の力を借りず自分たちだけで勝負する本物のバンドになっていった。
楽曲を聴いているだけではわかりづらいBAND-MAIDの特徴がもうひとつある。小鳩がメイド喫茶やアイドル文化からバンドに持ち込んだのは可愛らしい服装だけではなかった。
それがショーアップされたステージである。曲間のMCはエンターテイナー小鳩の本領発揮だ。
萌え萌えきゅん的なある意味痛いコールアンドレスポンスやトークは、最初は苦笑いの観客でさえ巻き込んでファンにしてしまう。メイド服を拒否したメンバーもこのあたりは寛容で観客との距離の近さを楽しんでいるようだ。
こういった通常のロックバンドにはない、とことん楽しませるファンサービスが海外ツアーでファンの心をわしづかみにした。
https://youtu.be/iqhgc963Ga0?t=368
テレビ出演や雑誌のインタビューなども無口なミュージシャン気質のメンバーに代わり、小鳩が担当しバンドのスポークスマンとしてサービス精神いっぱいにしゃべっている。
観客を惹き付けるタレントであるとともにマネージャーやプロデューサーのような立ち回りもこなす。そんな彼女のことをある海外リアクターはスイスアーミーナイフのようだと表現した。
しかし、そんな各地で大盛況のライブツアーも世界的な疫病で突然打ち切られる。予定していた初の武道館公演も中止になった。
前述のようにBAND-MAIDのライブは単なる演奏会ではない。ショーアップされたファンとの交流イベントとしての意味を持つ。
ある海外ファンは「BAND-MAIDは曲をリリースするのではない、体験をリリースするのだ」と言っていた。
そんなバンドにとってライブができないことは大きな打撃となった。
まさにこれからというタイミングで、バンドは2年以上立ち止まることを強いられた。
そしてついに2022年、待望のライブツアーが再開されることになった。
8月に国内ツアー、10月に全米ツアー。だが世界中からライブイベントが消えた後である。ライブを楽しむ文化自体が失われたかもしれないし、当時ファンだった人たちがバンドに興味を持たなくなっているおそれもあった。
しかし、ふたを開けてみれば見事にソールドアウトだった。ツアーバスで各地の会場に訪れると、そこには2年前と変わらない熱量のファンがバンドを待っていた。
この忘れがたい経験をもとにツアー中にメロディを書き、日本に戻るとすぐ、ファンに向けた感謝の気持ちをつづった歌詞を乗せ曲として完成させた。
それが「Memorable」だ。
歌詞に込めた思いと、決して平坦ではない道をメイド服姿の小鳩ミクが歩くMVの意味を世界中のBAND-MAIDファンは完全に理解して心を打たれるのだ。