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2015-04-15

ムゲンプチプチ

プチプチ梱包材)を潰す感覚を味わえるみたいなおもちゃあったけど

あれのニキビ版があったら流行ると思う。

というか欲しい。

実際に肌に貼って潰すと中から白い粘液を模したものにゅっと出てくると気持ちいいと思う。

鼻の毛穴アブラ版も欲しい。

2014-09-30

秋のりんごの話

良く晴れた、ある秋の日。

からころとカウベルのような音を立てて、喫茶店に一人の女性が入ってきた。

正確に言えば、扉に付いているのは高地で放牧されていた牛がつけていたもの喫茶店マスターが旅先でもらってきたものであるので、事実カウベルの音なのだが。

ふと、目をやると、カウンターの上に2つのりんごが置いてある。

りんごだ」

秋恵はそうつぶやいてから、ひどく恥ずかしくなった。りんごを見て、りんごだ、とつぶやくのはなんというか、あまりにもそのままだったからだ。

他に誰も聞いている人が居ないかを確認してから、秋恵は買い出して来た材料を片付ける為に、店の奥に向かった。さほど大きくはない喫茶店なのだが、カウンターの他に何故か調理室がある。

「……よし」

今日は、キッシュを作ろうと心に決めていた。しかし、調理室に入っていざ準備をしてみると、なぜか少し不安がある。秋恵の中では、料理は特技の中には入っていない。どちらかと言うと、手芸であるとか、もっと具体的に言えば手袋を編むのは中々のものだと思っている。

しかし、まだ季節は秋である手袋プレゼントにするには少し早い。

今日マスター誕生日なのだ

サプライズパーティーをする予定で、他のメンバーマスターを外に連れ出している。まずお茶時間ケーキちょっとしたものサプライズをして、夜はしっかりごちそうを作る予定だ。

まだキッチンは秋恵だけである。というよりも、料理に自信がなかったので、少し早めに来て先に進めようと考えていたのだ。

秋恵の不安は大きくなる。挽き肉とほうれん草カレーマスターに美味しいと褒められたので、パーティーらしくキッシュにしようと挽き肉とほうれん草を買ってきたのだが、良く考えたらカレーから美味しかったのであって、キッシュにしたらぱさぱさにならないか?チーズかいるのだろうか?

冷凍パイ生地を使って作ったことがあるのはアップルパイだけだ。アレは自分で食べたのだが中々美味しかった。先ほど見たりんごが脳裏をかすめる。

マスター趣味で、五香粉だのクミンシードだの、調理室には様々な香辛料が溜め込まれている。当然シナモンもある。

「……よし」

もし、誰かが使うつもりのものだったら謝ってあとでスーパーに買いに行けば良い。ちょうど2個あるし、使ってしまおう。

そう思って喫茶店内にとって返したところで、からころと音がなった。

秋恵がりんごに手を伸ばしたタイミングで、ちょうど目があった。

「あー!お姉ちゃんそれあたしのプレゼント!」

春香が大声を上げる。

「え?いや、ちょっと使わせてもらうかなーと思ったんだけど」

さすがの秋恵も、自分が買ってきたわけでない食材勝手に使おうとしていたのでしどろもどろに返答していたのだが、途中でハタと気がついた。

「……りんご?あんた、りんごプレゼントなの?」

「なによ!ちゃんとマスターにも聞いたんだからね、今欲しい物が何かって!」

それを直接聞くなよ、サプライズだぞ妹よ、と秋恵は思ったのだが口には出さない。どうせ面倒な事になるのが目に見えているからだ。この妹は基本的に善良で模範的市民なのだが、内弁慶である。そして、すぐに懐いて身内扱いするので、知り合いに対して弁慶である。もう、ほぼ弁慶だ。

「ひどい!4つも食べたの?信じらんない!だから彼氏にも逃げられるのよ!」

彼氏関係ないだろ。それにあたしまだ」

「ひどいひどい!マスターリンゴが6個食べたいって言ってたから、ちゃんと昨日のうちにスーパーで買って来て、これから磨こうと思ってたのに!」

りんご6個?」

ものすごく嫌な予感がする。秋恵は妹をこれ以上刺激しないようにしたいと心の底から思ったのだが、好奇心が勝った。

「それって、もしかしてApple6って言ってなかった?」

「そうよ!だからリンゴ6個買ってきて」

まだ妹が何かを喚いているが、秋恵は聞いていない。そう、妹はこういう奴なのだ春香ちゃんって天然だねと常連客に言われて、農薬なんか使ってませんと突然怒るような娘なのだ

秋恵がほんのりと妹の天然さ加減に心温めていると、ついに弁慶物理的に攻撃を仕掛けてきた。慌てて説明を再開する。

「いや、待てって。あたしはまだ使ってないって。これからちょっと借りてパイをつくろうと思ってただけで」

「借りるって使っちゃったら返せないじゃない!」

春香正論を語るが、論点はそこにはない。

「だから、まだ使ってないって。あんたのりんごには手を出してないから

「今触ってたじゃない!」

「いやだから

結局、春香が納得して残ったりんごを磨き始めるのに、45分かかった。大幅なタイムロスである

「もう!誰が4つ食べちゃったのよ」

「そりゃわかんないけど、意外とマスターあたりじゃないの?」

秋恵もなんとなくりんご磨きに付き合わされている。こんなことをしている場合ではないのだが、もはやキッシュを作るのと春香を同時に相手にするのは無理だと心の何処かで諦めている。

からころからころと、扉が大きめの音をたてる。

りんごを磨きながら扉を見やると、無理やり渋い顔を作っているマスターと、夏代が入ってくるのが見える。

「わたし食べた」

先ほどまでの騒動を三割増しで春香マスターに報告していると、夏代が唐突告白した。

春香が目を大きく見開いたのをみて、慌ててマスターが補足を入れる。

「僕が先に食べようって言ったんだよ。ね、夏代ちゃん?」

「先に見つけたのはわたし」

「どういうことよ!ナッちゃんマスターといつのまにそんな関係になったのよ!」

秋恵が黙ってりんごを磨きながら噛み合わない会話を聞いていると、なんとなく全貌が掴めてきた。

まり、こういうことだ。

昨晩、春香りんごを6個買ってきて、カウンターの上において帰った。どうやらビニール袋に入れたままだったようだ。プレゼントの扱いが雑だぞ妹よ、と秋恵は思ったが当然口には出さない。

閉店清掃をしていた夏代がカウンタービニール袋に目を留め、閉店前精算をしていたマスターが、りんごを剥いて夏代と一緒に食べたということのようだ。

「おいしかった」

「当然よ!あたしのプレゼントなんだから!」

もうぐだぐだであるマスターも一応気がつかないふりで渋い顔をしていたはずだが、すっかり嬉しそうな様子を隠そうともしない。

「まあまあ、結局は僕へのプレゼントを僕が食べたんだし、良いじゃない」

「もう!マスターがそう言うなら、しかたないけど!」

春香は、マスターに頭をなでてもらってすっかりご満悦である。秋恵は、磨いているりんごを夏代がじっと見つめてくるのが少し気になるが、取り敢えずは無視して気になっていることを聞くことにする。

「ナッちゃんさ、ふゆねぇは?」

ケーキを取りに行った」

もうサプライズでもなんでも無いなと秋恵は思ったが、主に春香のせいなので気にしないことにする。

「や、なんか変だなーとは思ったんだよね。冬美さんがお散歩しませんか、とか言うから。まあ今日は暇だし、ちょっと休憩がてらと思って、冬美さんと夏代ちゃんと一緒にお散歩に出たら」

冬美は散歩の途中で唐突に、厠に、と言ったらしい。マスターはそこがツボだったらしく、いやあ女性が言うと雅だねとか何とか言っているが、それにしてももう少しマシな言い訳は作れなかったのかと秋恵は思う。

「待ってるつもりだったんだけど、冬美さんも時間が掛かるから先に帰っててって言ってたし、先に帰ってきたんだよね」

お茶する予定だったから」

そのお茶サプライズパーティーという打ち合わせを昨晩きちんとしたはずだし、トイレ時間がかかると女性が言うのはどうだろうと秋恵は思ったが、もはや何を言っても無駄な気がしてきている。

からんころんという音とともに、冬美が大きな箱を持って店内に入ってきた。

「あら、みんなでお茶の準備かしら?」

本人は自然なつもりなのだろうが、どうみてもケーキが入っている箱を持っているし、不自然まりない入り方に秋恵は少し目眩がする。

「そうだね、じゃあお茶にしようか。コーヒーで良いかな?」

「わたしミルクティー」

「あたしははブラックミルクティーなんて子供ね!」

「じゃあ、わたしはマスター特製のブレンドにしようかしら」

「……あたしもブレンドで」

それでもお湯を沸かしカップを揃え、豆を挽いてミルクを温めてと、マスターを中心に淀みなく準備が進むのは、流石に喫茶店での作業に手慣れた姉妹ならではのものだ。

4人がカウンターに並んで座り、マスターカウンターの作業側に立っている。いつもの光景だ。

普段と違うのは、明らかにケーキが入っている箱が不自然中央に置かれていることだ。

「実はこのケーキは、……バースデーケーキなんですよ!」

冬美がたっぷりと溜めてから箱を開き、驚いたでしょう?という顔でマスターを見上げ、マスターはとても嬉しそうだ。まあ、嬉しそうだからもう何も言うまいと秋恵は諦めてりんごを磨いている。

「あたしも!りんご!ほら、お姉ちゃんも渡して!それあたしのプレゼント!」

春香に続き、秋恵も大人しくマスターりんごを渡す。ほんの少しだけ渡すのが寂しいと秋恵が思ったのは、丁寧に磨いたからだろうか。

「いや、嬉しいな。ありがとう。僕、結構りんご好きなんだよね」

秋恵がApple6がりんご2個になったと知ったらマスターがどんな顔をするだろうかとぼんやり想像していたが、隣からそわそわとした雰囲気が伝わってきたので、怪訝に思って見てみると、冬美が明らかに何かを企んでいる顔をしている。

これは何かまだプレゼントがあるな、サプライズ意味が解っている流石は最年長者だと素直に秋恵は感心した。

「実はですね~、もう一つ」

「え?りんごがまだあるのかな?良かった、生のりんごは好物でね」

「ナマの?」

秋恵は反射的に聞いてしまってから、後悔した。隣の冬美が笑顔のまま突然硬直したからだ。嫌な予感がする。

「そう、僕は焼きリンゴとかはギリギリ大丈夫なんだけど、アップルパイみたいに煮てあるやつがダメでね。くにゅっとした食感がどうにも苦手で」

マスター基本的には喫茶店マスターらしく空気を読むし、苦手な食べ物でも相手から出されたものは断らない。ましてや冬美がプレゼントするもの拒否することはありえない。例え砂まみれでも笑顔で食べるだろう。

「も、もう一つは……あ、あたしからの歌です!」

パイは出さないの?」

冬美の無理矢理のリカバリーを夏代が台無しにするが、まだマスター笑顔のままだ。

「な、ナッちゃんもほら、一緒に!ハッピバースデートゥーユー!」

ハッピバースデーディアと一緒に歌いながら、秋恵は思い出す。そういえば調理室でキッシュを作ろうとして不安になったのは、甘い匂いが残っていたからではなかったかシナモンが目立つ位置に出ていたのは何故だったかりんごは元々6個あり、マスターと夏代が食べて、今マスターが2個持っているということは、残りの2個はどこに行ったのか。そして、キッシュを作っていないことに気が付き溜息をつきそうになるが、嬉しそうに蝋燭の炎を消すマスターをみて、まあ、幸せそうならば良いかと秋恵は思い直す。

喫茶店の外は、秋らしく良く晴れている。

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【第0回】短編小説の集い

http://novelcluster.hatenablog.jp/entry/2014/09/18/121657

はてブでは「id:zeromoon0 」を入れて感想をいただければ恐縮です。

2014-07-20

定期通過駅で降りて次の駅までうろうろ歩く趣味の2人、ふたたび

http://anond.hatelabo.jp/20140718131158

つづきです。さらに長文になりました。すいません。

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「へえ、それは渋い趣味だね、じゃあ特に目的なくゆるゆる次の駅まで行くんだ」

趣味合致におどろきつつも、あんまりそのまま「おれもおれも」と迎合するのは気が引けました。

しわざとらしく、厭らしいと思われるんじゃないかな、と考えていたのかもしれません。

はい、まあダイエットも兼ねてるんで歩くことが目的ですかね」

「でもちょっと食べ過ぎだよね。相殺されちゃうよね…」

あはは…」

美味しそうにプリンを食べながら笑う女の子は、まあいってしまえばぽっちゃり気味だったし

美人というよりはかわいい寄りで、それに大抵の人たちはそのかわいさすら横において「愛嬌あるよね」で終わってしまいそうな女の子でした。

タイプかと言われれば、そうでもないが、遠すぎもしない。いやしかし。

ひとしきりランチを終えて、ガサガサとゴミを片付けると、女の子は「それじゃあ、おじゃましました、いきますね」と軽い足取りで立ち上がり、

にっこり笑って、小さく手を振って「今度はおじゃましないようにしますねー」と去って行きました。

名前も、連絡先も、たずねることも、たずねられることもなくほんの数十分の邂逅は終わりました。

ただ、友人の言っていた「自分の好きなことを好きな人は必ずいる」という言葉は間違いではないという確信を得ることはできました。

これだけでも充分な収穫です。たかだか2ヶ月でこの成果であれば、きっと…

そこからさらに2ヶ月の月日が流れました。

引き続き、休日仕事帰りも趣味に浸りつつ過ごしていましたが、その間にあった出会いといえば

酔っぱらい7人、客引き5人、掃除のおばちゃん3人、犬猫多数、ニワトリ、亀、職務質問2回。

そもそも女の子との出会いは皆無でした。

ここいらへんで当初の目的を思い出してみます

彼女が欲しいから結婚したいから

そう、ちょっと忘れかけていたのです。趣味に没頭しすぎました。

何を格好つけていたのか、あの時の女の子こそが運命出会いだったのではなかったか? 後の祭りです。

偶然も三度続けば奇跡かもしれませんが、自分奇跡が起こったとしても現実的にそこから新たな未来を切り開く冒険者ではありませんでした。

いまさらあの時連絡先聞いておけばよかったと思ったところでどうにもなりませんでした。

女の子にたどり着くすべなど、もうありませんでした。

それにたどり着いたとして、どうやってもう一度声をかければいいのでしょうか。


もう一度、奇跡が起こるしかない。そして、三度あることは、四度もあったのです。


遅刻は確定でした。

目が覚めたのが普段なら既に職場近くの駅に到着する時間

いくらがんばったところでどうにもならない。迷惑だけはかけたくないので上司関係各所に謝罪連絡をいれました。

上司はもう仕方ないし、のんびり来なよ、慌てて事故ったりしてら余計面倒だしねと言ってくれたので、1時間遅れで自宅を出発しました。

始業の早いうちの職場のおかげで、普段は通勤ラッシュに巻き込まれずにすみます

いつもより遅い通勤電車は。まさしく通勤ラッシュにぶち当たっていて、

ぎゅうぎゅう詰めの電車はガタゴト息苦しく走っています

とある駅に到着しました。ドアが開き、沢山の人が降りて、また沢山の人が乗り込んできます

一人の女性が持っていたカバンの角が、ドムッと鈍い音をたててみぞおちに食い込みます

「あっ、ごめんなさ…あれ?」

「えっ」

あの女の子でした。

あの、女の子、でした。

ドラマならスローモーションになるところでしょうか。あるいはその瞬間「つづく」って出るところでしょうか。

いや、あまりにもベタな展開すぎて脚本段階でダメ出しがかかるところです。

あの時と違う、落ち着いたジャケットスカート姿。メガネは黒縁になっていましたが、確かにあのときの、あの女の子でした。

女の子女の子で、こちらに気づいたようで「あ、もしかして神社…きゃっ」

言いかけたところで、3列待機していたサラリーマン集団突入してきて、通路の真ん中にいた2人は押し流されて、

ドア側の隅っこで背中合わせになってしまいました。身動きがとれません。

夢にまで見たあの女の子がすぐ後ろにいる、という事実と、振り返ろうにも動けないこの状態。

そもそも振り返ってなんて話せばいいのか、女の子は気づいてくれているようだが…

自分の降りるべき駅まであと20分くらい。途中駅で降りる人は少ないから、むしろ混雑は悪化するはず…どうする?

唐突降臨した四度目の奇跡と、下手に与えられたこの考える時間のせいで、ぐるぐるぐるぐるしていました。冷や汗すらかくほどに。

その時でした。不意にトントンと肩をたたかれ、にゅっと頬の横に手が伸びてきました。

握られた携帯電話の画面に文字がありました。

『でんわばごうおしえて』

即座に意味理解出来ました。こちらも液晶画面に電話番号を表示させて、後ろ手に捻るようにして女の子のほうに向けます

ポチポチ携帯操作する音が聞こえたかと思うと、SMS着信音が小さく鳴った。

ここはしずかちゃんのパパの名言をそのまま借りたい。

さなさなしかデフォルトのままのピヨンというこの音が、

天使のラッパの音みたいにきこえた。 あんなに楽しい音は聴いたことがなかった。

『また、おじゃましちゃいましたね。びっくりしました』

http://anond.hatelabo.jp/20140723132031

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