はてなキーワード: そうかあとは
来ていた、と書いたのには理由がある。
昨日、いつものように会社に出勤してから1時間ほど経ったあとの話だ。小休憩がてらiPhoneの画面を操作していたら、なにかの拍子に見覚えのない通知画面が出てきた。よく誰かのインスタが更新されたとかいうお知らせもパッと表示されるだけされて押さないと消えなかったりして溜まりがちなので、その類だろうと思った。しかし何か違和感をおぼえ、一度手癖で通常画面に戻したが、すぐにまた通知画面を開く。そうしたら、だ。COCOAから「陽性者との接触確認がされました」という文章が送られてきていたのだ。どうりで見覚えのないアイコンだったわけだ。送られてきていたのは深夜3時過ぎ。きっと睡眠の間にちょっと目をさましたときにiPhoneを触って、通知に気づかないまますぐにまた寝たのだろう。だから朝、起動したときに通知が最初の画面になかったわけだ。
しかしもう、私は堂々と出勤してしまっている。今更「COCOAに通知がありました」と言うのも……と思いながら久々にCOCOAのアプリを開く。そうしたらいつ接触があったのかを確認できるというので、そのボタンを押してみた。それによると、接触があったのは先週の火曜日だという(時間等の詳細は分からなかった)。火曜日というと、ただ職場へ行って家に帰ってきただけ…つまり恐らく、電車の中だろう。職場にも「COCOAに陽性登録しました」なんていう人は居ないし、それ以外に考えられない。そうかあ、電車の中かあ。それにしても、1週間以上前かあ……。
上司に言うべきか否か迷い、私は結局言わなかった。1週間前に接触していたかもらしいです、と言われたところでもう出社もしているし、それまでもずっと私は会社に来ていた。だから今更だろうと思ったのだ。そうして今日も、私は職場のデスクでパソコンと向き合っている。
やっぱり、子供を産んで会社を休んでも、そうでない人と同じペースで出世させろというのは無理があるって思うんだよなあ
流石に妊娠出産で仕事を辞めさせられるのは酷いというか、それまでの育成コスト投げ捨てるようなもので勿体無いなと思うけど、では職場に年単位で穴を開けても、その間もずっと働く人と同じに出世できるとしたら、それは妊娠出産をしない男、そして同じく独身や不妊の女、どっちからも不満が出ると思うんだよ。
それじゃ子供に恵まれない人はどうするのか?そう言う人も、好きなタイミングで長期に休んでも良いということ?意地の悪いことを言うが、「あの人が休暇に入ったせいでこちらも仕事がいっぱいになって大変なので、私も休暇とります。他の方でなんとかしてください」となっても良い、ということ?
子供が産みやすくなる社会って本当にそれなのか?ってすごく思うんだが。
前の、医者は男が多くなるように医学部で合格させるというのは不当な差別と言われていた話も、あなたの子供が高熱が出て病院に駆け込んだら、今日は○○先生はお子さんの急病で帰宅されましたので、閉院しました。他所に行かれてくださいと言われてもそうかあ、仕方ないなあと諦めがつく、ということなの?
こういう主張を聞くとつい、それで不当な苦労がかかる人のことはどう考えてるの?と思ってしまい、モヤモヤしてしまう。あなたの思い通りの社会は誰かの不幸の上に成り立つけれど、あなたがその不幸になる側になるとしても、同じ話ができるの?と言いたくなる。
例えば上記の全ては余剰人員を常に用意することで解決するけれど、そのためにはすべてのサービスや品物の価格は上がることになる。人件費が倍かかるんだからそりゃあそうだ。でも、そういう値上げのこと、企業や国の努力が足りないとみんな叩くじゃん。お金も労力も提供しないが幸福だけ欲しいなんてアホくさ、と思って、いつもこの手の話題すごくモヤモヤする。主張する側の人ってどういう考えなの。
自分はYouTubeの再生前広告が非常に鬱陶しく感じるタイプで、しかしあれはあれで普通に広告効果が上がってるということで不思議だった
鬱陶しさを感じる点が真逆なのはおそらく能動性・受動性あたりが関わってくる
インターネット老人会レベルだとハイパーリンクを踏むことは明らかな能動的行動で、テレビでのコマーシャル中断は慣れもあってか受動的な側面が強い
対してネット歴が浅い、もしくは2018年かそれ以降ぐらいのサイト構成から触り始めた人だと、形式上選んではいるんだけども大体がレコメンドなので前のめりになってないから再生前広告にはたらく反射神経が抑えられてる。しかしテレビで「観たい映画に自分で時間を合わせて観に行く」「初めから終わりまできっちり観る」能動性と集中の高さが、コマーシャルの引っ掛かりを引き起こしてる
と書いたところで、単純にYouTubeのコマーシャル密度考えたらテレビが多いって言われても仕方ない、ってくらい陳腐な結論出ちゃった
久しぶりに開いたfacebookで、昔一緒に働いていたエンジニアさんの投稿を見つけた。
40代後半で伴侶を見つけ、なんでも一緒に暮らしているとのことだった。(過去の投稿を遡って知った)
それを見た時に、なんだかショックを受けた。
自分でもとても不思議だったのだけど、思い返せばその男性のことが少し好きだったのかもしれない。
彼は変わった人だった。
いわゆる業務委託で、一緒に仕事をしたのは1年ほどだったが、太っちょで、擦り切れたダボダボのTシャツを着て、昔ながらの技術マニアなエンジニアさんだった。
雑誌ムーの話や、ネットが電話回線だった頃の話、2ch黎明期の話なんかで盛り上がった。
最初は偏屈そうな顔をしていて、早口だし、体も大きいしでなんだか少し怖かった。
でも話してみたら、よく笑うし、趣味の話なんかは私が知らないことでも楽しそうに話すので面白かったし、なんだかんだとても面倒見がいいので歳下のエンジニアさんにも慕われていた。
キラキラした女子社員に話しかけられるとちょっと寡黙になるのも可愛かった。
私もそっち側の人間と思われていたそうだが、中身はオタクだったので一緒にガオガイガーのテーマをカラオケで歌って以来壁がなくなったように思えた。
年齢もだいぶ離れていたので、異性としては全く見ていなかった。きっと向こうもそうだったと思う。
それから私が会社を離れ、facebookからも遠のいて数年後、冒頭の出来事があった。
今思えば、彼と話している時はとても楽しかった。おじさんなのに好きなこと話す時は少年みたいにキャッキャしていて、息継ぎどこでしてるのか分からないぐらい饒舌になってる姿を見たくてあえて彼の好きそうな話題を勉強して振っていた時すらあった。(馬鹿にしているわけでなく、楽しそうな彼の姿を見るのが好きだった)
今頃、そうかあの時、彼のこと少し好きだったんだなと気付いた。
思い返せばたしかに納得することも多かったが、やはりめでたい事だし、きっとお嫁さんの前でまた趣味の話を早口で楽しそうに語ってるんだなと思い「おめでとうございます!」とコメントしてfacebookを閉じた。
二日前、オモコロで催眠術の記事を読んだことをきっかけにYouTubeで催眠術の動画を見た。ヒプノディスク(なんかようわからんぐるぐるするやつ)を見ているうちに手が開かなくなったりとか、そのまま目を閉じるとまぶたが開かなくなったりとか。そういう5分に満たない動画。数年前にこれを試したときはてきめんに効いて驚いたのだけれど、今回は二度目だからか、当時よりも大人になったからか、はたまたヒプノディスクってヒプノシスマイクみたいだな…と邪念が湧いていたからか、催眠に対して抵抗することができた。アッもしかして"ヒプノ"は催眠を表す単語ですか?
その流れでおすすめに上がった前世催眠…前世瞑想…?の動画を見ることにした。こちらは30分程度の大作である。人生の30分をこれに使うのかと思ったけれど、どうせ暇なので、惰性のままに再生ボタンを押した。導入。ゆったりとした女性の声が私にリラックスを求めてくる。部屋を薄暗くし、マットレスに横たわり、命じられた深呼吸を繰り返しているところでアロマを炊けばよかったかとほんの少しだけ後悔した。埃をかぶっているアロマランプはこういうときに使うものだろう。たぶん。
さて、動画の女性は私が完全にリラックスできたていで話を進めていく。私の精神は深呼吸くらいでリラックスできないし、身体は深呼吸くらいで脱力できないのだけれど、まあ、しかたがない。というか呼吸って意識すればするほどに浅くなりませんか?ほんとうにアロマを炊けばよかったと思ったよ。とにかく彼女は私に目を閉じろと言った。私は閉じた。あなたは海にいますと言われた。海。これまでの人生の1/3を海沿いの町で過ごしてきた私は海のイメージに自信があった。今となっては思い出の中にある海。真っ暗な空とそれよりも深い色をした海面、テトラポットに打ちつけられる波の音と飛沫、寒さでざらざらとするような潮風とその匂い。遠くで空港につながる道が光っている。
「満天の星が輝いています。あなたを包む風はあたたかく……」と女性が言った。後出ししないでほしかった。思い出をまるめて捨てた私はおそらく海外だろう美しい砂浜を作り上げることに努めた。
この時点で結構いっぱいいっぱいというか、彼女が想定している私の脳内と実際にかなりの乖離があったのだけれど、彼女はペースを緩めてくれない。その海の中からなにかがあなたを案内するために迎えにくると言われ、それは人かもしれないし動物かもしれないし物体かもしれない、とにかくあなたが安心できるものだと。ところで、私はそれまでの時間を乙女ゲームにかけていた。攻略対象のpicをずっと見つめていた私が急拵えで作った「私を迎えにきた安心できるもの」は当然のように攻略対象だったわけだ。
いや、ちがうだろ、と思った。
私はそのイメージを打ち消すと、白いワンピースに身を包んだ幼女を一心不乱に想像した。案内役が幼女で安心できるのかと言われたらNOだと今になれば思うのだけれど、そのときは焦っていた。幼女は……というか動画の女性は私を海底に導いた上で目の前に門があるとぬかす。門。門か。門ってなんだろう。コナンのアニメで出てくるあれかな?両開きの扉がついているやつ。もうそれでいいよ。妥協が肝心だ。この門をくぐると私は前世を体験できるらしい。いよいよである。
これはもうほんとうにイメージの話であるのだけれど、事件の始まりを予感させる扉の先で脳内に浮かんだものはショッキングピンクだった。女性が足下を見てくださいと命ずる。なにを履いていますか?それとも裸足でしょうか……ゴールドのハイヒール……ハイヒールということはドレス……いやでも前世でパーティードレスを着るか?ドレス……なんかもっとこう異世界転生して悪役令嬢になった主人公が着るような……マリーアントワネットみたいな…………連想ゲームのような感じで私の前世は決まった。中世ヨーロッパの貴族の令嬢。連想ゲームというか乙女ゲームの世界から抜け出せていない感じは否めない。あと、ショッキングピンクはまじで関係がなかった。なんだったんだよ。
女は「前世のあなたがいちばん幸せだった場面に飛びます」と言った。私は飛んだ。素直だから。その場面の私は幼女の姿をして椅子に座っていた。優しそうな侍女が私の長い髪をくしで梳かして、ととのえている。指先や表情から彼女が私をかわいがってくれていることは明らかだった。嬉しいなあ。幸せだなあと思ったけれど、これをいちばん幸せな瞬間とするならば前世の私はよほど不幸だったのか。はたまた、ありふれた日常の一幕こそがほんとうの幸福なんだよ、そういう教訓だろうか。とにかく私は侍女のことが大好きで彼女にハグをしていると「今度はあなたがいちばん愛情を感じた場面に飛びます」と指示が入る。飛んだ。そこは、舞踏会か、なにかしらのパーティーの壇上だった。17歳の私はそのきらびやかな席で主催である父親に娘だと紹介されている。そっかあ、そうかあ。だれに紹介しても恥ずかしくない娘か……
ぶっちゃけ、これが前世のはずはないのだ。わかっている。ただイメージを作ることを強制された脳内の中で自分の欲望は思いがけず、はっきりと浮かぶもので、要するに私はすでに父親がいない。彼は再婚した先で新しく家庭を築いている。そうして私は、私が、両親にとってよくない娘であったことがずっとコンプレックスだった。そのことで苦しむ夜は数年単位で訪れていないのだけれど。
なんだかしゅんとしてしまった。あと、この場にさっきの侍女がいないことがさみしかった。なんとなく彼女はすでに私から離れているような気がしていた。さっきから母親の影がないこともなにかしらの表れかと悲しい思いがする。
しかし感情に浸る間もなく「現世であなたをレベルアップさせるための場面に飛びます」と女がめちゃくちゃを言った。それはもう私の脳内にないだろって。そのイメージの材料は無意識下にでもないだろって思ったのだけれど、だからなのか、使い回しのように私は海辺にいた。差分変化として夕暮れだった。隣に妙齢の女性。
彼女は厳しい目で海をながめていた。馬鹿にしているようでもあった。ただ、私は怖い顔をしているけれどこの人はほんとうは海で遊びたいんじゃないかな?と考えていた。誘ってみようかな。ああでも彼女も美しいドレスを着ているから海に入れないか。でも……「あなたは前世から戻ってきます。少し先の未来でレベルアップしたあなたはなにをしていますか」私は職場にいて、四月に入職したり異動してきたりしたまだ親しくない同僚にいっしょに仕事しましょうと持ちかけていた。それを終えて、大変だったけれどやってよかったですねえと笑った。
これで前世旅行はおしまい。不思議な三十分間だったので記録しておきたいと思って、これを書いた。なんの意味もない。この話をしたら友達からは「新興宗教か?」と訝しまれたのだけれど、それはほんとうに私もそう思うよ。