はてなキーワード: ざんばらとは
今の所、それほど面白くもないが、ジャンプのテッパン作品という感じがする。誰でも見られる。
ここまで人気を博すのだから、きっともっと何か強烈な惹きがこれから出てくるのだろう。
MAPPAだなあ…という感じはあまりしないが、EDとかMAPPA感ある。好き。
あと、OP曲は「たぶん歌い手の作品だろう」と思ったらラストダンスの人の曲か。似た感じがするもんな。
ところで同ジャンプ人気作品である鬼滅の刃だが、アニメのリアルタイム放送時はAbemaで流れるcmが非常に煩くて嫌悪していた。
あの曲のサビとともに「がんばれおれ!がんばれ!」と繰り返されて非常に神経に触った
(あのcmを全く見ておらず、ufotable作品だと知っていれば普通に全話終了後に視聴したものと思われる)
そんな状態だったのに何故アニメを見て漫画も読むことになったのか記憶があやふやなのだが、多分他に何も見るものが無かったからだと思う。
見てみたら、冒頭の竈門炭治郎のポニテがとても可愛いと思ったから視聴を続けることになった様に思う。
あと、テレビ放送分では鬼舞辻無惨のパワハラ会議が一番好きな場面なので、あそこで一気に気分が上がった(最終回かよ)
あのビジュアルでイルカ先生の声で酷いことを言うとか最高だなと思った。
それで、ちょっと今朝のNHKの「はね駒」の弘次郎を思い出した。
娘のおみつが出産で弱ったからだをいやすため、実家に戻っていたが、
嫁ぎ先の吉川家の姑は、おみつを肺病と疑う。
肺病のうわさもひろがっていることから、と
嫁入り道具を送り返して離縁を言い渡されてしまう、
そのことを知ったおみつは、ショックから病気が悪化し、亡くなってしまう。
橘家は、打ちひしがれてしまい、しばらく、おみつロスの状態が続く。
おみつの父の弘次郎はそうした吉川家への非難とはまったく正反対の境地に至るのだ。
橘家当主の弘次郎はいう。そもそも、おみつを嫁に出した自分の責任だと。
また、武家のプライドに固執し、普段から人付き合いを憚ってきたことが、
弘次郎は、おみつの墓前でちょんまげを切り落とし、ざんばら髪にしたうえで
突然の決断ではあるが、並々ならぬ弘次郎の思いが伝わり、一家は上京を即断する。
大変、興味深い。
跡継ぎを生む道具としてしかおみつを扱ってこなかった吉川家のふるまいは、
現代の価値観からすると、なおさらひどく感じるが、しかし、当時としてもおそらく
子供を産んで弱った母親を離縁させ、息子に再婚させるなどという姑のふるまいは、かなり非常識だったに違いない。
しかし、弘次郎は、吉川家に対して、一切そうした批判をしなかった。
おみつが病にふせっているときに元気づけるために、
生まれたばかりの赤ちゃんにおみつを会わせてやってくれ、と懇願しに吉川家にいったときに
長女のおりんがずっとついていなければいけないと心配するほど、グダグタになっていた。
そんな弘次郎だったが、
小刀を抱えておみつの墓前に向かうシーンで、もしや自傷行為か、と思わせておいて
心を入れ替えて上京する、という、なんともポジティブすぎる決断をすることになった。
東京で、何をする、ということも何も決めていない。決めているのは、ただ家族で上京するということだけ。
動揺するおりんに弘次郎はいう。
おまえにとっても東京のほうがいいだろうと。
弘次郎は、こうして、吉川家を一切非難せず、変わるべきなのは自分だ、という境地に至る。
本当に、このシーンは、はね駒の見どころの一つだと思う。
当方すでに人生の半分くらいを米国で暮らしてるおっさん増田です。
なぜこのような前置きをするかというと、この国のオリンピックへの冷遇ぶりはかなり特出してて、俺がこれから書く話もそういったバイアスがあるよってのを念頭に置いてほしいからです。なにせこの国じゃ自国のスポーツイベント(スーパーボール、ワールドシリーズ、NBAファイナルなどなど)が至高で、他国の国際大会とか知らねって考えだし、オリンピックに至っては「午前中や深夜の放送じゃ視聴率とれない」という理由で地上波では生放送なし&夜のゴールデンタイムに録画済みの編集版を放送ってのがデフォの国なんで。
最近もやもやしてるのはね、ここ数年ほど親戚やら大学時代の友人やら仕事先で知り合った人とか日本から様々なゲストが来て話す機会があったんですけどね、特に東京圏の人ってのもあるんでしょうが、みんな口々に「2020年の東京オリンピック」の話題を持ち出すんですよ。なんか初めて参加した飲み会で話題に困ってとりあえず血液型を聞くくらいのノリで。やれ国立競技場を作り直すとか、インフラ作り直すとか、警官やタクシーの運転手がみんな英語の勉強で大変とか。
もちろん話を聞いている場では俺やほかのアメ人も黙って会話にのっているんですが、みんななんで日本でオリンピックがあんな前段階からお祭り騒ぎになってるのかぴんとこないんですよ。だって長くてもたった2,3か月のイベントじゃない?とりあえず他のアメ人に「hey Masuda、東京オリンピックって何がそんなにすごいんだ?」って聞かれても「日本では国際大会が人気で、特にオリンピックはスーパーボールとNBAファイナルが合体したくらい人気あるよ」っていうと「へーーー」って反応くるんですが、後々その東京オリンピック関連で5兆円以上つぎ込んでるって聞くとみんな絶句するんですよね。いや俺も毎回絶句してるんだけどね。
スポーツ施設に巨額投資が動くってのは理解できるんですよ。実はロサンゼルスに数十年ぶりにアメフトチームが戻ってくる!(札束で他の都市のチームを引っこ抜いた)ってことでそのチームの本拠地周辺では最新スタジアム建設やら、駐車場やインフラの新設、近隣のショッピングモールや住宅地の再開発とかで巨額の金が動いているんですが、でもこっちはこれから数十年にわたって活躍してくれるからちゃんと元取れるじゃないですか。でもオリンピックってたかが数か月でしょ?オリンピックやったからって劇的に観光客が増えた国なんて聞いたことないし。
んで東京オリンピックについてはよーわからんところでは大金が動いてるみたいですが、肝心のバリアフリーとかが全然進んでない。実は俺の妻と2歳児&5歳児の4人家族で昨年末に東京観光してきたんですけどね、さすがに大江戸線みたいなローカル線には期待してなかったけど、山手線まわりだったらもうバリアフリー整ってるかなーと淡い期待でいったんですがところがどっこい!山手線まわりでもエレベーターがどこにあるかわからん&大量にある階段にエスカレーターも皆無で毎回動き回る子供連れて&ベビーカー抱えて移動だけで死ぬかと思った。。。なんだよオリンピックにむけてバリアフリーにするんじゃなかったのかよ??(ひょっとして今年か来年中に大型改装する予定でもあるの?)多分エレベーターとか探せばあったんだろうけど10年ぶりくらいに来たから駅もデカすぎて探せねーよ。
あと相変わらずuberやlyftも使えない。これ日本から来た人に愚痴っても「東京はタクシーすぐ捕まるから」とか「白タクとか不安」とか言われたんだけど、世界のどの都市いっても携帯一つでタクシー呼べて料金支払いも携帯アプリで済ませられるuberになれると、子供つれてタクシー止まりそうな駐留エリア探すだけでも苦痛なんだわ。おまけに日本語話せない連中とかだと運転手の片言英語ききながら目的地説明せにゃならんのでしょ。ありゃメンドイ。日本の人って政府とか大企業にはしきりに「規制緩和」とか訴えるくせに、民タクや民泊みたいに自分らの生活に直結する自由化には「安全・安心」を盾に頑なに反対するよね。うーん、そのメンタリティだから行政の規制緩和も進まないんじゃん?だって現場にいる人からしたら民タクや民泊の自由化と一緒じゃん。
俺が一番もやもやしてる点ってさ、おそらく日本の多くの人も「東京オリンピックフィーバー」の茶番感やら虚無感になんとなく気づいてるんだけど、いまさらそんなこと言っても水を差すだけって批判されるから馬鹿馬鹿しいと思いながらも一緒に祭りにのってる感がありありと伝わってくるんだよね。政治家なんて「東京オリンピックがありますから」とか意味不明な理屈でたった数か月のイベント用に重要法案をバンバン通してるしさ。
なんか普段なら反対者がでて通らない法案とか巨大予算のビックプロジェクトをみんな「東京オリンピックがありますからそれまでに終えましょう」という虚無感たっぷりな大義名分つかってガンガン押し切ってるんだよね。茶番だってわかっている連中も、これがあるから一緒にのってるんだろうね。
思い返せば日本人って白虎隊やら戊辰戦争やら神風特攻隊やら、ずっと続く強者よりも一瞬だけ輝いて散っていく敗者に共感する気質があるから、東京オリンピックもその一瞬の花火を楽しむためにみんな盛り上がってるのかな?って最近思うようになってきた。でも一瞬の花火にしては使う額がすごすぎるよね。
この東京オリンピックがあまりに巨額イベントに膨らんじゃったから次回のオリンピック会場に立候補する都市が激減して、24年と28年なんてかろうじて挙手したロサンゼルスとパリに速攻で決まった流れとかアホすぎる。東京なんて裏金さんざんばらまいてようやく獲得したのに。。。
追記
冒頭でさんざん「俺の書き込みは在米歴ながくてかなりバイアスかかってるからねー」って念を押しておいたのにそこ無視して「おまえが言うな」的なレスがあってはてな村は相変わらずやなぁと微笑ましかったぜ!
それは自覚してるw ただとりあえず思いつくおもてなしトーク(てかもてなしてるのはこっちのほうなんだがw)が全員五輪ネタだったから、やっぱファン&アンチともに日本ではでかいイベントなんだなぁって。
正論だけどあの辺の都市は上の政治家から下の底辺までオリンピック誘致しようなんて思ってないからべつにいいんじゃね?笑 おれも子供小さいうちにニューヨーク観光なんてする気おきないもの。子供がいくとこじゃないっしょ。
商業主義に走った初期はちゃんと黒字だったから国際的スポーツ興行として割り切っても合格でしょ。問題は近年は国のメンツ(笑)やら巨額の費用負担で予算だけが右肩上がりで大赤字確定のクソイベントじゃん。だから24年と28年の開催地候補もローマやブダペストとか大半の都市が「金かかりすぎるからやめるわ」って次々辞退して、最後に残ったロサンゼルスとパリに自動決定したっていうお寒い状況じゃないっすか。
違うよ。スポーツ興行としてちゃんと黒字でペイできたら合格。オリンピックは次世代に借金だけ残すクソイベントだから茶番。
いやーおれも勢いに任せてキーボードを滑らせたら我ながらそのオチに苦笑したけど、でもさすがに米国の一都市で行われる大会のためにわけわからん連邦法をどさくさ紛れに通すなんてことはないでしょ。。。(あ、でも今の大統領はそれ以前の問題が!
私が休学を決めるまで
http://t-ritama.hatenablog.com/entry/2016/05/12/215446
こんなブログを読んだ。壮絶。
ぶコメも見たが「親のせいにするな」とか「育ててもらってなんだその言い草は」という意見がなかったので
ずいぶん皆の意識も変わってきたなと思った
以前、私には友人がいた。
まだ若い女の子だったが、げっそりと痩せているのが気になるくらいの子だった。
彼女をA子とかりに呼ぼう。
だけど、妙に髪の毛はざんばらでとにかくいつもげっそりしていた。
ある時、かるく教えてくれたんだが22歳のときに子宮がんになったらしい。
結局、治療をして治ったのだが、抗がん剤治療その他の副作用がきつく、とんでもない弱り方をした。
がんそのものは治ったのだが、体が治療によって弱りすぎて働けなくなった彼女は家でニートだった。
がんの治療に数百万かかってしまったので、父親は彼女をなじってよく暴力をふるっていた。
とにかく弱って働けないのだが、看護師免許をへたに持っているので、役所などへ行っても救済をされることはないのだ。
看護師免許を持っているのだから看護師として働け。あんだけ求人あんだろうがという具合である。
看護師の仕事は体がタフでないとやっていけない。手術とがんの治療でへとへとになったA子にとても勤まる業務ではない。
そしてさらに面倒なのは、彼女のしんどさは「がん治療の後遺症によるもの」であって、いま現在は病気ではない。書類上は彼女は健康体なのである。
大脳はけして強い器官ではないのだ。ちょっとした衝撃ですぐに弱ってしまうのだ。
その後A子はちょっとだけ小康状態を取り戻して、週に2回だけ家庭教師のアルバイトを始めた。
稼げる金額がわずかだと父親はまたも彼女に暴力をふるうのだった。
私はA子がなんらかの形で福祉に救われるべきだと思っている。当時も今も。
その後、A子と連絡がつかなくなった。
いまどこでどうしているのか。まったくわからないができれば生きていてほしいなと思う。
非上場の中小企業(売上20億/利益1億・社員数200名)で働いているんだけど、
つまり、毎期ずっと赤字かトントンだったのを、色々やって、黒字に見せかけていた訳です。
それを使って金融機関から新規の借入を繰り返し、自転車操業で回しておりました。
借入金は取っておけば良いものを、役員報酬、配当、賞与などでさんざんばら撒いた結果、
現預金は皆無、借入枠も使い切って、現在は借金返済に追われている有様です。
経営陣自らやっていることだから、社内通報しても意味はないし、
告発するなら、税務署、決算書を提出している取引先企業、取引先金融機関を考えています。
決算書を精査すれば見破れることなので、半年かけて徐々に通報すれば、バレる可能性は低いはず。
もちろん、税務署は赤字を黒字にしたことなんで、動かないだろうけど。
あとやっぱり、金融機関は実態分かってるよなぁ。貸付ノルマと責任があるから不問にしてただけだろうし。
これまでに得た情報
・登場人物:「おしゃれ」でない女子A、「おしゃれ」な女子B、セクハラメガネ
・「変わる」話である。
・「おしゃれ」でない女子と、「おしゃれ」な女子は同一の役者が演じている
http://pokonan.hatenablog.com/entry/2015/03/20/000637
これだけの情報が揃えば、第二話を予測するなどアメリカのドラマの展開を予測するより簡単である。
[駅のプラットフォーム]
アナウンス「ハクスリー駅〜ハクスリー駅〜お降りの際はお忘れ物がございませんよう〜……」
人影のない構内で彼女がぼんやりと乗り継ぎの電車を待っていると、
少し離れたところで彼女に背を見せ、泣きながら衣服やハイヒールを脱いでいる茶髪の女性を見かける。
同僚の女子B……? なぜこんなところに……? でももしかしたら違う人かも……。
振り返った茶髪女性を見て、女子Aはおどろく。髪がざんばらになり、化粧が落ちてうつろになったその女の顔は――
言葉もなく見つめ合ったのち、謎の茶髪女性はぷいとそっぽを向き、列車の迫る線路へと歩み出す。
騒然とする構内。飛び交う駅員の怒号。
彼女はとっさの判断で、謎の茶髪女性が残したハンドバッグを掴み、プラットフォームから走り去る。
ハンドバッグから出てきた免許証によると、やはりあの茶髪女性は同僚の女子Bであったらしい。
いつもはまともに相手しないのだが……。
女子A「セクメさん、女子Bさんのことですが……私と似てるな、って思ったことありません?」
質問の仕方がわるかったか……女子Aはきゅうに恥ずかしくなる。
女子A「すいません、ごめんなさい、なんでもな……」
女子A「え?」
野暮ったいメガネをかっこ良く外すセクハラメガネ。その素顔はイケメンだ。
地下四階行きのボタンを押すセクハラメガネあらためセクハラ慎太郎。
女子A「地下四階……一般社員は出入りが禁じられているはずでは?」
メガネをテイクオフしたセクハラはいつもの軽い調子ではなく、どこか威厳ようなものを発していた。
セクハラ慎太郎「いつか言ったことがあったよな。『君と彼女では需要が違う』と。どういう意味だかわかるか」
女子A「それはあのコが職場の華で、わたしは単なる仕事仲間…‥」
セクハラ慎太郎「違う。『需要』とは、ふつう、商品や消費物に対して使う言葉だ。つまり、そういうことなんだよ」
そういうことと言われても…‥
女子A「あの、なにをおっしゃっているのかさっぱり……」
エレベータが地下四階に到着する。重い鉄の扉が開く。
女子A「こ、これは――」
会社地下四階。多数のポッドのようなものが敷き詰められており、その内部には緑の液体のなかでチューブに繋がれた……
女子A「"わたし"が……こんなに……」
セクハラ慎太郎「そのとおり。『君たち』は、いわゆる、『クローン人間』だ」
女子A「なんで……どうして……」
セクハラ慎太郎「君も知っての通り、我が社はバイオ医療技術の開発に力を注いでいる。『臓器倉庫』という単語はご存知かな? なんらかの病気や事故で損傷したり、老化で弱った内臓を、クローンで作った『若いころの自分』の健康なそれと入れ替える」
女子A「なんかそれ、アメリカのダメなSF映画でいっぱい観た」
セクハラ慎太郎「これは現実だよ、君。某大型百貨店のイメージキャラクター、ルミ姉さんが二十歳から年をとらないのを不思議に思ったことがないかね」
あのゾンビめいた声が脳内に蘇る。今なら10%、オフッフッフッフッ……
セクハラ慎太郎「正解を言ってしまえば、彼女は五十六歳だ。移植は内臓だけでなく、皮膚や頭髪も可能だからな」
女子A「私も、クライアントのための臓器倉庫ってわけなんですね」
セクハラ慎太郎「いいや。さっきも言ったろ。『需要が違う』と。君は『製造』されたときから臓器の内部に疾患を抱えていた」
たしかにそうだ。そのせいで低血圧がひきおこされ、いつも朝に元気が出なかった……。
セクハラ慎太郎「商品としては不適格だったわけだ。欠陥に気づいた研究員たちは君を即刻処分しようとしたよ。……だが、私はアウトレット品が好きでね。このメガネもtwitterで宣伝されていたレイバンの激安品だ」
セクハラメガネ「私は独自のプロジェクトチームを立ち上げ、君を実験材料にすることにした。教育を施し、記憶を捏造し、うちに社員として迎え入れ、セクハラをはじめとした様々な負荷をかける……」
女子A「その記録を撮る……いつも私にまとわりついていたこのカメラはそのためだったんですね」
セクハラメガネ「察しがいいな。だが、ストレステストは会社をだますための方便にすぎない。私の目的はもっと別のところ、高い次元にある」
セクハラメガネ「革命だよ、君。変わりたいなら、変わらなければ」
飢えにあえぐ子どもたち。泣きながら子供を死体を抱く母親。すべてを警戒するめつきの男たち。何もかもが絶望に塗りつぶされている。
女子A完全体「セクハラさん……これがあなたの望んだ世界ですか……?」
女子A完全体「まさか……わたしの願いがあんなことを引き起こすなんて……」
セクハラメカメガネ「後悔しているのかい? でも、これで宇宙の寿命は延長された。人間という種はよりよく改良された。きみは正しいことをなしたんだよ」
女子A完全体「でも、そのせいでルミ姉さんは……」
セクハラメカメガネ「彼女のことは忘れろ。必要な犠牲だった。革命には常に英雄を必要とするものさ。人間は物語を欲するんだよ」
女子A完全体「でも私達は……人間以上の存在になってしまった」
セクハラメカメガネ「君は自分が望むところへ、望む時代へ、いつでも行くことができる。君はその能力がある」
女子A完全体「そうね……わたし、昔から行きたい場所があったんです。新宿にある大きな百貨店で……名前はLUMINE」
セクハラメカメガネ「ほう。1976年3月10日に開業し。地下2階・地上8階の建物。8階にはたかの友梨ビューティクリニックをはじめとする美容関連が中心のフロア。7階から6階はカフェ・レストラン、5階は雑貨と書店、4階から地下1階まではアパレル店が大半を占め、地下2階はスイーツ・レストランのフロアになっていて、連結するルミネ2の七階にはお笑いの聖堂ルミネよしもとがある、カップルから家族づれまで、休日を過ごすにはうってつけの文化の発信地、あのルミネ新宿か」
女子A完全体「いっしょに来てくれますか、セクハラメガネさん」
セクハラメカメガネ「もうセクハラメカメガネだけどね。いいだろう、行こう。行って、一緒にこの終末を楽しもう。ルミネは、とてもすばらしい場所だから――」
2014年面白かったマンガだとかベストなんちゃらだとかでよく見かける松浦だるま先生の「累」を読んでみたが、面白いことは面白い……けどそこまで2014年を代表する名作として語られるような作品か、というと疑問が残った。設定は大変興味深いんだけど実際の本編が設定負けしてるっつーか。
これは既に書いてるブロガーさんもいらしたんだけど、主人公の累がとんでもない醜女という設定の割に可愛らしすぎる作画なんですよ。長すぎる前髪で顔を半分隠してるさまが、わたモテのもこっちみたい。(もこっちは可愛いよな。)なので、自分を見る人が皆あまりの醜さに眉をひそめ、ほとんど誰からも優しくされないような人生を生きてきた累が、それゆえに他人の美しさをかすめとるという凶行につい及んでしまう、そのことの凄みがいまいち伝わりにくい。
何かの作品の欠点について語るのに他の作品を引き合いに出すのは下の下だというのは承知の上であえて言えば、山岸涼子の「舞姫 テレプシコーラ」にはそれこそ本物の醜女が出てくる。主人公のクラスに転校生として登場する須藤空美だ。小学校5年生にして全く女性らしさのないガリガリに痩せた長身、地味なだけで端正でもない目鼻立ち、ざんばら髪に荒れた肌。そんな須藤空美の容姿は、キングダム序盤の河了貂よりももっと、男にしか見えない。だが女だ。
その上須藤空美は大人しく、というより暗く、必要な会話も十分に交わせないし学校も休みがちなので女子からは浮いてしまい男子からはいじめられるようになる。「舞姫 テレプシコーラ」はバレエ漫画であるのだが、貧乏で育ちの悪い須藤空美は、主人公の実家でやっているバレエ教室に興味を持つが体験レッスンの日にも平気で遅刻してきた挙句(ただし遅れた理由はある)挨拶もできないし、使う人が居ないからと貸与されたバレエシューズをそのまま自分のものにしようともする(ただし思い直して返しに来る程度の善良さは持っている)。須藤空美の抱えている事情は特殊だ。貧乏すぎるので母から児童ポルノの撮影モデルをさせられている(ただし母が空美を食い物にしているかというとそうとも言えず、男との絡みを伴う撮影は母も断固拒否しようとする)。父親はアル中で働かず、どうせ生活保護を貰うのだからとパートに出る母親を常に馬鹿にする。父親の姉である伯母はかつて偉大なプリマだったので空美は幼い頃から一流のバレエを習うことができたが、今は伯母が心身を病んでいるので世話をするためにたびたび学校を休まざるを得ない。父親の家系はかつて名のある地主だったようで、伯母のバレエでの妹弟子であったとおぼしき母親にも貧しさとうらはらな気位の高さが稀に見え隠れする。
おそらく貧しさとか醜さとかいったものはそういうものなんじゃないかと思う。本人にはさして大きな悪意はないのだが、抱えているものが特殊で大きすぎるがゆえに周囲の人と普通のコミュニケーションが取れず、ごく自然に浮いて、いじめられる。その点「累」は何かと悪意が明白すぎる。累自身の悪意も周囲の累に対する悪意も明白なのにそれを支えるはずの醜さの描写が象徴的でしかなくて、しかもどちらかというともこっちみたいで可愛いときている。だからいかにも作り物めいていて、あたかもB級ホラーかレディコミか、といった風情なのである。決してつまらない訳ではなくて、醜さの扱いが軽いのだと思う。でも野菊が出てきてからは割と面白くなったと思うけど。と言ってもこれもどこか大映ドラマっぽい面白さなんだけど。
少し話が逸れるが、累が丹沢ニナの顔をしている時に演出家と懇意になるエピソードがある。演出家はニナの顔をした累の中に、累がその人生で感じてきた執念や情熱の片鱗を見てそこに魅かれるが、逢瀬に現れた本物のニナを別人のように感じ拒絶する。ここはなかなか胸のすく演出で、見た目が醜い女の方が最初のハードルを越えて話してみたら美人より話していて面白かったというのはよくあることじゃないかと思う。同時に、デレマスアニメに出てくる前川みくが劣等感を抱えているという件を思い出す。正直噴飯ものである。語尾に「にゃん」とかつけられる程度の劣等感。みくにとってはアイデンティティを賭けた決死の選択かもしれないが、醜女にはもちろんそんな選択肢は初めからないのだ。中途半端に可愛い子ならではの心理を細やかに描いてくれたらデレマスの評価は一変するのだが、今のところはただの薄っぺらいアニメだなーと思っている。しぶりんは最高。