2024-05-21

「割」っていつから使うようになったんだろう。

あれね。打率とかの割合単位のことね。

ちょっと調べたら、これは「歩合」の単位とされていて、その方面で調べれば過去使用例がわかるらしい。小学生教育方面だと「最初借金の利率で使われた」って説明があったけど、その初出までは書かれてなかった。まあ小学生がそこまで興味持たないだろうからしょうがいか

正直、興味を持ったのは「分」との歴史的前後関係なのだ勘違いしがちだが、「1割1分」の時の「1分」は1%で0.01だが、「五分五分」のときの「五分」は50%でこれはつまり0.5,つまりこの場合の1分は0.1になる。数字の扱いが違うだろうと思ったかもしれないが、「割」はもともと十分率の単位で、十分率を単位とすればその1分は0.1で正しいのだ(このへんはWikipediaにも書いてある)。これを無理やり百分率で例えると、1.1%を「1%1分」と書くようなものだ(実際には今はこういう書き方はしない、例示として書いた)。

とはいえ借金の利率なら最初から「分」で表してもそれほど困るような気がしない。実際前述にもあるようにことわざでは「割」使う場面少ないしね。「割」だけが先に使われていて、その大雑把な率が使いにくくなったから分をあとから付け足したのか、まえは「分」で示していたのが何らかの都合(借金特別扱いしたいとか)で「割」を使うようになってそっちが当たり前になったのか、たぶんどっちかなのだ

税率を割合で示すようなことは租庸調の時代からやってたみたいだから、たぶん文献は豊富にあるはずなんだが、こんな簡単なことがネット検索でわからない。調べるキーワードが足りないだけかもしれないけれど。

 


(追記: ついでにまとめ)

みなさん反応ありがとうございます結果的人力検索になってしまいましたが、もともとこれはそれを目的として投稿したものじゃなくて、自分が「ここまで調べた」のまとめとして書いたものでした。いずれ調べが捗って本当に感謝しています

とりあえず、

ようで、「割」だけが先に使われていて、その大雑把な率が使いにくくなったから分をあとから付け足した、の予想がそこそこ近かったようだ。

 

調べているうちに出てきた新たな疑問としては、

あたり。このへんは今回の疑問から少し外れるので、まあそのうち。

 


ひとつ追記

リファレンス使えば」。これね、時々思う。実際使ったこともある。とある地名表記ブレを、行政機関があまり一般的じゃない方統一した、って時に、それが単なる自治体PR(統一したほうにはそのPR要素があった)なのか、それともまあそうするだけの根拠があったのか、疑問に思って、「その地名の2つの表記古文書での使用頻度」を調べてもらった。ちなみに結果としては30件くらい見つけてもらって、見事に半々っぽい結果だったのでまあ納得することになった。

今回は今回で調べてもらってもいいのだけど、前に頼んだ図書館にはおそらくこれ関連の古文書少ないのよ。そうすると一般書籍記述のあるもの探してもらうことになる。それだったらネットで同じような疑問を持ってそれ調べた人の成果を探したほうが早いの。リファレンス使うとその図書館調査には2,3週間かかることもあるのね。だったら自分で調べてたどり着けなくなってから頼んだほうがいいと思った。そうね、「分」の1/4 1/10 1/60問題についてはそのうち聞くかもしれない。

  • 水割りをください ウイスキーがお好きでしょ

  • https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/05/page5_24.html この「割」は,鎌倉時代から室町時代にかけての金利の単位として用いられました。当時の文書には「和利」という文字で表現さ...

    • ありがとー。 これはトリビアで、誰も調べなくて構わないんだが、室町以降から江戸時代になる直前まではなんで記録が残ってないのか気になるな。(1)安土桃山が短いから室町の一部に...

  • 百分の一を意味するとの誤解 割合を言うときには、「三割二分六厘」というように表現する。「割」そのものが 1/10 を意味する数詞であるために、「割」とともに「分」を使った場合...

    • その参考文献、リンク先が変わったのかリンク間違えたのか、引用に使っている当該ページがない(目次だけ共通であってあとは章ごとに分割されてる)。そのリンク先の近くにあったから...

    • 何言いたいのか全く分からん

  • 三省堂の漢和辞典「漢辞海」の「割」の解説より 日本語用法①②略 ③わり。十分の一。古代の出挙スイコにおいて、稲束一束(=十把)に対する利率を、把を単位として「五把利」な...

    • 辞典を調べれば現在把握されている初出の出典が書かれてるよってトラバしようと思ったら、先に内容が書かれてた

  • 「五分五分」の用例は「四分五裂」みたいに、単に「分かたれている」という意味合いである、ってこともありそうだ。

  • そんな時は図書館のリファレンスに聞けばいいのでは

  • 5分5分は単に比率じゃないのか? 5:5

  • ところで「一寸の虫にも五分の魂」の「五分」は長さの単位としての分(1寸の1/10)というのが国語辞典の解説のようだ。 そもそも漢語の「分」とは何であるか。漢和辞典を引くと A三(数)...

    • 単位としての1/100の説明があるやつは、全部その1/10に別の名前の単位がある。 1尺=10寸、1両=10匁、1元=10角。   割の語源関連(1束=10把)もそうだけど、そこまでは存在していて、その後に...

  • 「涅槃寂静」っていつから使うようになったんだろう そもそもそんな小さい数を使う機会なんてなかったのでは

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