2024-05-17

高度な科学の力は魔法区別がつかない

幼少期よりある身体症状に悩まされていた私は、保険のきかない薬という高度な医療科学の力を借りて元気になった。まるで魔法のように困りごとは消え、人生を楽しむための障壁はすべて消え去った。

ところが最近、その魔法を使いすぎて血が固まってきたらしい。血液検査の結果を見た医師に薬を控えるよう言われ、処方箋は当然ながら貰えなかった。断薬期間を設け、それから血液検査をしてみようとのこと。納得して帰った。

断薬期間は大変だった。すっかり忘れていた苦しみを思い出し、しか対処法を忘れていたので昔より苦痛だった。魔法のない生活に慣れた頃、再度病院に行った。そこで聞いたのは思いがけない言葉だった。再投薬は難しいという。医師検討した結果、薬の影響力が強かったので、専門家として処方するわけにはいかないとのことだった。

てっきり薬をもらえる気でいたのでびっくり、そしてガッカリだった。どうにか処方してもらえないかと食い下がってみたものの、医師意思は固かった。代わりになる薬を提案され、それを処方してもらうことで決着した。

どうやらもう魔法は使えないらしい。あり得た未来なのに、悲しい。

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