最近『構造と力』を一読した。
80年代には一世を風靡した一冊であり、本書は衒学的な表現に溢れ、一見難解そうに感じるかもしれない。
しかし主張としては至ってシンプルである。
フーコーやデリダに触発されて書かれた本書は脱構築や反権威主義化に向かうアカデニズムの潮流を明確に示したに過ぎない。
それでも本書を現代に読む価値はある。
何故なら本書で指摘するのは共同体の解体並びに神話の終焉でもあり、資本主義の加速化によって新たな価値観の創出と新たな神話の出現を預言しているからだ。
平たく言えば、資本主義の加速は貨幣の価値を高める。それも神話レベルにまで。
共同体が失われ、多様性が尊重された結果、共通の絶対的な価値観が”お金”のみとなる世界。
このような社会を予言していたのだから慧眼という他にない。
本書は現代にこそ読むべき一冊なのかもしれない。尤も、今の時代に浅田彰を読む人間がいるのかは甚だ疑問だが。
Permalink | 記事への反応(2) | 13:51
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