毎日歩いているうちにいつも途中で追い越すお姉さんが気になってきた
お姉さんはこれから刑場に赴くかのようにうつむきかげんでがっくり肩を落とし、重い足取りでノロノロ歩いていた
はたから見ていてもこりゃメンタルやられちゃってるねと察するレベル
死にそうな気持でゲボ吐きそうなのをこらえてるんだね
ある晴れた日、新しい職場に慣れてきて調子に乗ってきた自分はお姉さんの背後から「元気だしなよ、そのうちいいことあるさ」と陽気に声を掛けた
心の中で
それはおとといのことだった
駅のトイレを借りてから職場へ向かうと、いつもよりかなり遅いタイミングでお姉さんの背中が見えた
お姉さんに追いつくかな、でもそろそろ職場に着きそうだなと思っていると、お姉さんはすーっと自分と同じ職場に入っていった
あれ?勤め先同じ?
同じなの?