2024-04-24

「おまえはぜんっぜん俺を大事にしてくれない。テメーなんかいらねーよ!」

 

深夜2時。彼が小部屋の出入り口を塞ぐように仁王立ちになり、壁を叩きながら怒鳴り散らしはじめて3時間は経っていた。

生育環境から私は罵倒暴力も慣れていたため、特に慌てることも怯えることもなく無表情だったと思う。

夫婦って結構同じ事考えてるんだな、虫の声しか聞こえない閑静な住宅街に夫の怒鳴り声は響き渡ってるだろうなと思った。

 

結論から言うと離婚した。

別れを切り出されたので応じただけだが、元夫はその後別れたくないと号泣したり絶叫したり大の字になって泣いたり、義両親を使って再構築するよう一年近くかけて説得させたりした。

義両親は事情を知らないので、彼の話を鵜呑みにして私を責めた。

彼は2人になると「お前は俺を騙したんだ!」と怒鳴り散らしていたが、家族がいると萎らしくしていた。

彼は日常的に私を殴り、首を絞め、髪を引っ張っていたし、悪意ある性的暴行もされた。前戯なしに無理やり挿入されたのだ。数時間殴りながら。

俺は仕事を辞めたいのでAVソープで稼いで養ってくれ、俺の借金を肩代わりしてくれと日常的に言っていた。

好きだ好きだというので交際したが、多分彼は私のことが好きではなかったんだと思う。

初対面で「死にたい」と言い、過去の辛い記憶を背負っている彼を慰めた時、まさか自分も同じようにPTSDになるとは思っていなかった。

告白された時、がっかりした顔をさせるのが可哀想で付き合ってしまった。別れ話のたびに死ぬと言っていたから、ここまできてしまった。

 

「お前は俺の悪口ばかり周りに言いふらしてるんだ!ひどい女だ!」

なんの話をしているのかわからなかった。私は彼の愚痴や悪評を周りに聞かせたことはなかった。

後になってわかったことだが、彼は自分に都合の悪い話を全て伏せて周りに私が悪いと吹聴していた。彼の周りの人はどの人もみんな口を揃えて私が悪妻だというらしい。

でも、彼が刃傷沙汰を起こしたことは誰にも言ってなかった。事実を知った人たちは手のひらを返した。

義両親に相談したら、「親に心配なんてかけたくなかったのにおまえはひどい」と怒っていた。

いかに私が酷くて最悪か、新婚当初からずっと言っていた。気に入らないなら別れれば良いのに、別れることは許されないと絶叫していた。一生かけて俺を幸せしろと。

 

別れたら新しく殴れる女を探すと言っていた。

今にして思うと去勢してやればよかったなと思う。世の女性たち申し訳ない。

その後、私は大変大事にしてくれる人が見つかったので幸せにやっている。

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