2024-04-15

自虐とは他虐であり、自分自身への差別偏見だという話。

先日こんなものを見た。

https://twitter.com/kanare_t/status/1775778556557316153

瞬間的に腹と頭の中に濁ったものが湧いた。

見なければ良かったと思ったが見てしまったものはもう仕方ない。

出来るだけ早く忘れるか、と思ったが、しかしこれを見たことで“私はなにがどうして嫌いか”が明確なものとなったので、これもひとつ経験か……と思い、書き記すことにした。

私は自虐が嫌いだ。

今までも漠然と思ってきたことだが、それに明確な理由が見えた。

自虐とは他虐だということ。

本当に“自分だけを貶めている”自虐なんて滅多に無い。

「私はこういうところが変なんですおかしいんです」と自分を貶めているようでいて、発言者と同じ性質を持つ他者までも貶めることになっている。だから嫌いだ。

この発言者は「みんな」と呼び掛けている。「私と同じような性質を持つ者はおかしい」と不特定多数に周知している。これは他虐だと思った。

勿論これを見て気にならない人もいるだろう。この発言についた返信もいくつか見たが、概ね発言者同意するものや、同じように自虐的なものが見られた。私にはそれもまた他虐の上塗りに見えた。返信していないだけで、静かに傷ついている人はいるかもしれない。

そしてもうひとつ自虐自分自分に(そして自分と同様の性質を持つ人に)差別偏見の目を向けることでもある。だから嫌いだ。

この発言者は、自分趣味嗜好を掲げてそれを異端視する言葉で表し、自らその趣味嗜好への異端視を促すような文を発信した。そのことに大きな不快感を感じた。

アカでの内輪ノリなら良いかもしれないが、開かれたアカウントでこれを発信し、広く拡散されて様々な人の目に届き、「気づいた」人が、読書を楽しく思えなくなる可能性がゼロだとは言えない。

しかもこの発言者小説家だ。読者がいるのだ。これはその読者たちも異端視し、「自分おかしいのだ」という差別偏見を持たせてしま可能性のある文だとも思え、不快感の一端になっている。

私自身は世間読書率がどうであろうと構わないが、自分職業にも関わる物事を取り上げて「こういうことが好きな人おかしい」とわざわざ呼び掛けることがが何かにプラスに働くとは思えない。私がこの発言者作品の読者だったらこの文に失望しただろう。

そもそも対象自分であろうと他人であろうと、何かしらの嗜好や特徴を取り上げて異常だ変人だなどと(褒め言葉として使っていたとしても)表すこと自体が嫌いだ。

それが犯罪や命に関わることでないなら、どんな性質だろうとなにを好んでいようと等しく普通人間だ。私はそう思いたい。

これらのことを改めて考え、言語化するきっかけになったということでは、あの発信に出くわしたのもそれなりの価値があったのかもしれない。

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