2024-04-10

今回の塗り絵騒動に関して思うところ

炎上自体の是非は「基本的には作者がNOと叩きつけたものはなんであれNOである」で一貫していいと思うけど、それはそれとしてフランス人が怒る気持ち何となくわかるんだよなあ。

今回のファンアートは、日本著作権で言えば「同一性保持権」と「翻案権」の二つを、それぞれ侵害している。

この法律尊重権という名称フランスにもちゃんとあって、なんであれば範囲日本より広く厳しい。

にも関わらず今回の多くのフランス人が怒ったのは、作者の言葉が、著作権問題などではなく「筆者本人の芸術的問題だとしている」と受け取られたからだろう。

基本的に今回の作者の主張は全く間違っていない。同一性保持権はその作者が望む表現保護する機能を持つので、「自分が納得するクオリティ(と受け取った)があれば、看過する」というのは何も著作権行使として問題はない。

ただ原作者が叩きつけたNOの文章は、平たく言えば「あなた技術では、ファンアートと認めることはできない」と解釈されてしまう。

著作権において作者と二次創作者の権利には当然力関係がある。

けれども創作者としてのプライドは、どんな建前があるにせよ平等存在していた。

著作者自分意図しない表現自分作品で行われたことで自尊心を傷つけられたように、自分なりに愛情を示し技術を注ぎ込んだものに、その作品創作者直々から「創意工夫もなく~」と断じられ傷つけられたのだろう。

なんとなくそんな風に考えたのは、フランス人側のリプライのやり取りを見たことがきっかけだ。機械翻訳掲載する。

リプライ者「正直なところ、削除すべきだと思う。作者本人に頼まれたのであれば、プライドエゴを捨ててやるべき。迷惑だけど、それが現実。(恐らくファンアートのこと)いいことだとは思うけど、そのせいで、今、マンガ家サイバーハラスメントを受けている。削除すれば全て元通りだったのに。このような無意味憎悪の波を見るのは残念だ。」

ファンアート作者「私は侮辱されていませんでしたか?」

リプライ者「きちんと翻訳をすれば、マンガ家あなた侮辱しているわけではなく、自分が考えていたキャラクターとは色も意味もまったく違うと言っているとわかる。攻撃性はない。また、仮に「工夫もセンスもない」が事実であったとしても、自問自答し、この言葉進歩し、自分欠点を消していったはずだ。消したくないというあなたエゴが、このような事態ととサイバーハラスメントを生み出したのだ。あなた謙虚さが火を消し、プロフェッショナリズムを示すことができたかもしれないのに。」

今回の件で日本フランス、双方が国辱し合う謎の光景が繰り広げられたが

正に「無意味憎悪の波」だと感じる。

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