2024-03-27

さようなら2020年エアコン

2020年の夏、私の部屋にエアコンが設置された。

当時、私は21歳。17年間、わたしエアコンのない実家の一室で夏を過ごしていた。


嬉しすぎて、当時の私ははてな匿名ダイアリー記事を残した。

現代の夏にエアコンなしで過ごすのは無理だろう、これは38歳の人が昔を懐かしんで書いてるんだ」

と、当時ウキウキで書いた日記についたコメント

わず笑みが浮かんだ。わかる〜本当に無理だった。

私が使っていた部屋は西側夕方はまさに灼熱地獄

丁度勉強机がまさに陽の差し込む先にあって、そこから見えるピンクカーテンの奥、夕日が炎のように揺らめいていた。

持病の偏頭痛悪化し悶え苦しむ私に、医者が「涼しい部屋で寝ることが1番の薬だ」と、灼熱地獄での睡眠ドクターストップをかけたおかげでエアコンが設置された。

それからの夏は本当に快適で、けれどどれだけ電気代がかかっていることだろうと怯えていた。お父さんお母さんありがとう

涼しくしている部屋によく家族が入ってきて、「うわ、涼しい〜」と驚いたあと、いつも笑っていた。



明日、私はこの実家を出ることになった。

当時の日記に、「あと何回の夏をこの部屋で過ごすのだろうか」と書かれていた。

およそ3回だった。あっという間だった。

当時は、これから先、日常が変わっていくことがとても不安で、もうずっと実家にいるぞ!何がなんでも家族一緒にいるんだい!という気持ち日記を書いていた。

けれど、それはあっけなく変わってしまった。

家族日常はまた変化する。

まだ荷造りが完全に終わっていないし、立つ鳥跡を濁しまくりで、なんならちょっと長めの旅行に行ってきますわ〜くらいの感覚だけど。

それでも、これからは私がいない状態で、この家の時間は進んでいく。

エアコンのある17年を、この部屋で過ごすことはなさそうだけど、それでもそんなことは気にせず時間は進んでしまうし、わたしはいずれ38歳になる。

変わっていくことは今も怖い。だけど、2020年の夏、あの頃の私が残した思いが、今の私を安心させている。

今この時感じたこと、思ったことを忘れないこと。

小さい頃の思い出。今、家族何気なく話していること。

全部は無理でも、こうして欠片を残しておくことで、いつか38歳の私が安心できると思う。



あの部屋で、これからはほかの家族が涼しく寝てくれたらいいな。

ほら、現代の夏をエアコンなしで過ごすのはやっぱり無理だからさ。

涼しい部屋でしっかり水分を摂って、みんな健康で、元気で過ごしてほしいな。

  • ほら、現代の夏をエアコンなしで過ごすのはやっぱり無理だからさ。 無理じゃないよ

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