あらかじめ断っておくと、私がAVを見たのは今回が初めてではありません。AVを見て安心したという感情抱いたのが初めて、ということです。
おおよそ2週間ほど前のこと。折角の休みの日なのに、一日中雨で、倦怠感に襲われていたのを覚えています。
何もしたくない、Xのタイムラインもつまらない。フリーレンの最新話を見終わった私は、特にそういう欲もなかったのですが、某成人向け動画配信サイトを開きました。
どのような動画を見たかは特に言及しませんが、概していえば、ネット上のいわゆる特殊性癖のようなものはもちあわせて居ないので、
ページを開いてすぐ表示されるトレンド動画、おすすめ動画の欄を適当にスクロールしていました。
扇情的で過激なサムネイルが並ぶ中で、私に悍ましい衝撃を与えた一つの動画がありました。
(後述の事情があるため、動画の内容、URL等は添付しませんし、コメント欄でも尋ねないでください)
そのサムネイルにうつる、メガネを掛けた女性の横顔が、私が高校1年の頃に好きだった少女とそっくりだったのです。
本当にそっくりでした。その動画はどうやら無断転載動画の様で、10分足らずの長さに編集されており、その女性の顔を正面から捉えた瞬間はありませんでした。
でも、あの子が持っていた大らかさ、透き通るような白くて柔らかそうな肌、少し長い前髪、そして黒い眼鏡。
どれも、往時の私が彼女の隣の席でずっと見続けていた、その横顔そのものでした。
私が惚れた横顔が、知らない中年男性と戯れているのが、私には耐えられませんでした。
無断転載動画ですので、元の動画タイトルは分からず、調べようもなく、また、もう一度その動画を見る気概もなく、
性欲も全くわかず、料理する気もなく、風呂に入って、Uberを頼んで、すぐにその日は寝ました。
そして、今から3時間ほど前のこと。また同様の理由で、今度は別の某成人向け動画配信サイトを見ていると、同じ転載動画を見つけてしまいました。
しかも、丁寧にその動画の概要欄には元の動画タイトルも記されていました。
私は逡巡する隙なく、検索窓にペーストし、一番上のリンクを開きました。シークバーはおおよそ2時間弱の動画であることを私に告げます。そして、全部見ました。全部、見ました。
多分、私は泣いていたと思います。AVで初めて泣きました。そして、AVで初めて安心しました。
いくつかのカットで主観視点が含まれており、そこで女性の顔の正面のシーンがあったのですが、どれも、私の憧れていた彼女とは似つかなかったからです。
私は、なんで自分が安心しているのか、感覚としても、言葉としても理解することができません。コメント欄でも国語教諭よろしく、私の気持ちの解説などしてほしくありません。