「プロとはそれによって金を貰っている人」という言葉があるが、これはあくまで「アマチュアとプロの切り分けにおけるプロの定義」であり、プロフェッショナルという言葉の定義ではない。
大抵のサラリーマンは言われたままに作業をしているだけであり、工夫や判断もその作業の一環として存在するだけだ。
つまりは、会社から与えられた責任の範囲という柵の中、檻の内側でしか動けない。
だがプロフェッショナルは違う。
プロフェッショナルの前にはその世界の限界を超えた未知の地平が広がっている。
多くのサラリーマンたちは結局の所、誰かが既に通ったあとの道を進みながら、既に通った誰かの痕跡を頼りにして歩んでいる。
通い慣れた道に降りつもったばかりの雪の上に最初の足跡をつけたことを「俺は誰も踏み込んだことがない場所に勇気だけを持って挑んたぞ」と勝手に満足するのがせいぜいだ。
プロフェッショナル達の挑む未知の領域とは、そんな天の気まぐれによって産まれた偶発的な新規性ではなく、少しずつ切り開かれた密林の奥地、山の頂きにあるものだ。