2023-09-03

温泉宿の子どもだった

別府に生まれ育った。実家温泉宿だった。

学校休みの日、きまって両親は働いていた。土曜も、日曜も、祝日も、夏休みも、春休みも、正月も。

家族団欒というものをした記憶ほとんどない。

学校友達にも親が旅館飲食店で働いている子が何人もいて、みんなうちと似たような感じだったから、それが普通なんだと思っていた。

でも、自分家族旅行に行ってみたいと憧れてわがままを言うことはままあったので、本心では寂しかったのかもしれない。

幸いにも自分には1歳下に妹がおり大変仲が良かったので、親がいないときは一緒にゲームをしたりビデオを見たり絵を描いたりして遊んでいた。

先日、別府市が、家族旅行で学校を休んでも3日間までなら欠席扱いにしないことにするというニュースを見た。とても良い取り組みだと思った。

自分子どもの頃に同じ取り組みがあったとしてもうちの両親なら結局休まず働いていそうだが、制度ちゃん活用する家庭もたくさんあるだろう。

家族との時間を大切にしながら働いている親を見ていれば、自分も将来は別府で働こうと思う子どもたちも増えるかもしれない。

自分は両親のようには働けないと思い、実家を継ぎたくない一心東京へ逃げもう何年も連絡をとっていないが、そうならない未来もあったのかもしれない。

別府は、硫黄臭さこそあれどとても良いところだ。

末永く愛される観光地として続けられるよう、働く人も、その家族も、幸せでいてほしい。

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