今さっき夕飯を食べ終わり、皿洗いも終わった。
どうせ一人分なので、明日洗ったっていいのだけれど。
夜も深まってきたので、台所から給湯器の「お湯張り」ボタンを押下する。
静かな空間に、「浴槽にお湯を入れる準備ができました」とのアナウンスが響く。
そこからは浴室に向かい、浴槽への蛇口を開けなくてはいけない。
準備だけでなく、自動的にお湯の放流もしてくれればいいのに、とか思いつつ、今日も浴室に向かう。
その浴室に向かうまでの間、そう、この合間にいつも考えることがある。
それは「浴槽にお湯を入れる準備」とは何かということだ。
数少ない話し相手である給湯器に、そう言われるたびに、色々と妄想してしまう。
例えば、あの浴室では誰かが待っていて、私が遠慮がちに声をかけたら、驚くような大きな声で返事が返り、
どこから来たのか知らない大きな木の樽から、湯気たっぷりで本当に熱々なお湯を、あの狭い浴槽に入れてくれそうなイメージがある。
例えば、ふんどしとハチマキをしてる、やや年老いたおじさんたちがお湯をせっせと浴槽に組み入れてくれそうな気がする。
いや、浴室だって銭湯みたいな広い空間になってるかもしれない。だって、そんなおじさんたちが一生懸命お湯を入れてくれているのだ。
浴槽だって、木の樽をたっぷり使うほどの広さが期待できる。お湯だって、木の樽に入れて運ぶのだから、遠くの温泉から来たものなんだろう。
おじさんが居なければ当然に木の樽もない。もちろん、蛇口も浴槽もない。
浴室さえもない。
それでも、給湯器はこう言うと思うんだよね。
一人暮らしって夢広がるよねー
うちは台所にお湯張りボタンがあって、湯船の栓さえ閉めてる確信があればそれおすだけで台所に「お風呂が入りました」って響き渡るやで
いいなぁ
しかも沸いたときの歌まで流してくれるから正確には「ぴんぽろぴんぽろぴろぴろぽろぽろりん♪ お風呂が入りました」なんだけど老人性難聴で最近あまり聞こえない 炊飯器は「ミド...
お風呂以外もあるんだね
わりと最近の家電はしゃべるよね。まあ加湿空気清浄器は「U12」ってエラーコードとLEDランプだけでそっとメッセージ出してくるけどね。 そういえば、実家のじいさんが「加湿...