2023-08-01

ビジネス上の「相手気持ちを察する能力」は古いか

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/anond.hatelabo.jp/20230730203009

↑これのコメント

shields-pikes この妻側を批判してる人は仕事ができなそう。バイトならいいけど、夫婦は家庭の共同経営者でしょ? まともなエンジニアなら仕様変更指示があれば、影響範囲まで見るのと同じ。文脈を推測しないのは責任感の欠如。

だけど、ちょっと問題ありなコメントだと思った。

会社でこんなエピソードがあった。

日本人女性が得意な「調整」という業務があった。顧客からIT技術の導入依頼を受けると、対応できる各所に連絡取りまくって日程や人員を調整する業務だ。顧客たちの曖昧不明瞭な依頼を処理することが大切だ。重要スキル

だ。

これらの能力男性よりも女性のほうが高い傾向がある。男性は調整が不得意で、調整が出来ずに心労で潰れる男性が3人も出て問題化した。日本人女性からこそ得意な業務なのだだろう、と思っていた。しかし、何と会社はこの業務中国アウトソーシングした。中国人の傾向として

  • 顧客に気を使ってこずに、反論してくる。
  • 言われたことは完璧にやるが、言われないと何もしない。
  • 日本語が苦手なので「察して欲しい」が全く通じない。

があった。そして、このアウトソーシング大成功だった。調整の業務は大幅に効率化し人員が削減できた。調整ミスも無くなって品質改善された。

何故かというと、反論してくる、言われないと何もしない、「察して欲しい」が全く通じない。ということで顧客たちの曖昧不明瞭な依頼が無くなったのだ。素晴らしい能力だと思われた「相手気持ちを察する」は、無駄コストを生み出し調整ミスを発生させる要因だった。

とはいえ顧客から見れば曖昧不明瞭な依頼が出来なくなったのはサービスレベルの低下だったかもしれない。ただ俺は以前から顧客側の姿勢傲慢だと感じていたので、ここが改善されたのが一番良かったと思っている。

もちろん「察する」は素晴らしい能力だ。「察する」が出来ない人を残念に感じる場面は俺も多い。ただ「察する」に頼りすぎる日本の現状は問題ありだと思っている。元の育児エントリも「察して欲しい」に頼った結果、妻の怒り爆発という失敗を誘発した。

id:shields-pikes さんのコメントに話を戻すけど、「文脈を推測しないのは責任感の欠如」というのは古いIT業界の考えで、「文脈を推測しないと読み取れないのなら、文脈が悪い」というのが現代的なIT業界だと思う。それと「仕事ができなそう。バイトならいいけど」というマウント悪口を使っているのは兼重宏一的な上司連想させる。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん