初めてあなたを見かけたとき「すてきな人だな」って思ったのを覚えています。でもわたしはこんなだから。人気者のあなたに話しかけることもできずに、あなたの姿を遠くから眺めているだけでした。
そのあとしばらくして。ご縁が続いて、ご一緒することが増えましたね。ちょっと照れくさそうな笑顔や、「次はどうしようか」と考え込む仕草に、どんどん惹かれていくのが自分でわかりました。
共通の友人が増えて、月に何度も一緒に遊ぶようになって、たくさんいろんなお喋りをして、あなたのいろんな面が見えてきて。
食べ物の好みが同じで、共通する趣味が意外と多い、ってわかったのもそのころでした。「だったら二人でいかがです?」って最初にお誘いしたら、二つ返事で受けてくれましたね。嬉しかった。実はね、ずいぶん勇気が必要だったんですよ。
博物館めぐりに、お夕飯会に、植物園。海にも連れていってくれましたね。どれも楽しかった。日本酒と和食、特に魚が大好きなあなたと、いろんなお店を探検しましたよね。カウンターで隣に座って肩が触れるのにドキドキしたり、向かいに座って、お顔を見ながらお喋りしたり。どっちも好きでした。
恋人ができた、って教えてくれたとき。ちゃんと笑えてたでしょうか。変な顔になってませんでしたか?おめでとう、っていいながら、「こんな関係ももう終わりになるのかな」って思ってました。でも、あなたは相変わらず一緒に遊んでくれたから。気づかないふりで、甘えることにしました。酷いけど、もしかしたらいつか。ってそう考えたことだってありました。
ずっと好きでした。もう遅いけど。
「すてきな、大事なおともだち」なんてごまかしてたけど、「すてきな、大好きな、大切な唯一の人」だったんです。告白なんかできませんでした。そんなことをしたら、二人の関係が壊れてしまう、ってわかってたから。
でも。こんなことになるのなら。全部ぶち壊しにしてでも、もっと早くに。そうしたらなにか違う今日を迎えられたかもしれない。そう思ったりもします。
また遊ぼうね、って。そういってくれましたよね。真に受けていいんでしょうか。この先の、いくつかの予定、全部全部楽しみにしています。
だいすきなあなたへ
女のほとんどがそうであるけど、男にもたまに告られ待ちのひとはいる 告られるほど好きになってくれた人と付き合うタイプ
待ってたわけじゃないんです。そんなことしてもどうにもならないって、知ってました。 わたしじゃだめだって、最初から知ってたから。言わなかったし、言えなかったんです。 情けな...