VTuberへの「ただの絵が」的な文句に「お前は文字だろ」って返しは(もう相当手垢が付いてるけど)うまく言ったもんだと思う。
今VTuberと呼ばれる人たちは基本的に創作されたプロフィールを建前として持っていて、見る側も積極的にそれを剥ぐようなことはしない。
その建前の存在にキモさとか滑稽さを感じてるから「絵が」って表現が面白いツッコミになるんだと思ってるはずで、
(現実での名前や顔を出さずに活動している人、イラストを仮の顔として立てる人自体は昔から普通にいる)
「絵」であること自体は肯定してるって意味では「お前は文字だろ」ってのはちょっとずれた返しではある。
でも今、かなりの割合のVTuberは最初に決めた設定を完璧に演じきることを求められていなくて、
設定そのものでも「中の人」そのものでもない、「AというVTuberとして話している姿」を楽しむことが多くなっている。
これはたとえば、Bというアイドルが「Bというアイドル」を演じているのを見るのと大した差はないと思う。
演じる姿を決めるとき惰性的に過剰な設定がまぶされているだけで、だから最近は、外見と名前以外はほとんど「設定」を纏わないVTuberもそれなりに出ている。
「ただの絵が」と言う奴がいたとき、「絵なんかじゃないですよ?」とか「こんなに受け入れてる人がいる」とか下らない反論してもしょうがない。
彼/彼女が「絵」であることを無視してるわけじゃない、「絵」と声を手段にネットに繋がっている人と文字を手段に繋がっている人がいる、
というのを認めた先にあるのが「お前も字だろ」で、だからこの返しにはどこか腑に落ちる感じがあるのだと思う。
月ノ美兎が言ったからだろ