2022-08-30

正社員にならないかって言われてる


社員の数だと数百人の会社に勤めている。非正社員だ。俺は専門学校新卒カード就職することができず、派遣労働者としての日々を過ごし、それでどうにか今の会社採用された。

不動産仕事なんだが、慎重なチェック能力が求められる仕事をしている。アルバイトでもできそうな仕事なんだけど、失敗した時に組織の損害が大きいタイプ仕事だ。不動産登記申請関係になる。

タイトルなんだが、正社員に誘われてる。でも、止めた方がいいんじゃないかという思いもあって、ちょっと難しい状況だ。

それなりの役職の人(以下Bさん)から直接誘われてる。可能性は期待していいと思うんだが、踏み切れないでいる。きっかけになった出来事を言ってみたい。

うちの会社土地を買ったり売ったり開発したり、建物とかの解体も、とにかく不動産だったら手広くやっている。で、そこまで手広くやってるものから一般地域住民会社に恨みをもってる人がたまにいる。

そういう人は、何度も会社の窓口にやってきて応対を求める。年数回の人もいれば、月に1回の人もいる。ある時だった。75才前後の爺さんが妻子(※当然高齢)を連れだってうちに来た。詳しくはいえないが、うちの会社が二十年前に損害を与えたらしい。損害賠償をして何もかも元に戻してくれ、ということだった。正直どうしようもない案件だったし、法的にする必要もなかった。

遠く離れたデスク仕事をしながら、その爺さんの主張をたまに聞いていた。正直言って、主張以前に痴呆が進んでいるみたいで、ぜんぜん内容が伝わってこない。でも、最初あんなことになるなんて思ってもみなかった。

その人を見たのが午前九時頃だ。それで、いつの間にやら定時になって帰り支度をしていると、なんとまだその3人が窓口にいるではないか

息も絶え絶えといったらあれだけど、ずっと主張を続けている。すでに何人も交代で対応にあたっているようだ。その時はBさんが対応してたけど、ついに根負けして自分から席を離れて俺の方にきた。

で、帰り支度の俺に「増田君。対応してもらえるか」と言った。

定時だったけど、でも爺さんのことが気になって窓口に向かった。それで、訳の分からない話をだいぶ聞かされた。ずっと相槌を打ったり「そうですね」と返事をしていた。

で、夜になった。これあかんやろと思った。爺さんの呼吸も変だったし、婆さんや息子さんもどう見てもぐったりしている。でも、爺さんは主張をやめない。

俺は、Bさんとほかの管理職の人に離席を促された。で、言われたのだ。「やってくれ」と。気は進まなかったが、自身も疲れで脳がどうにかなっていた。行動に出た。

「○○さん。このままでは埒があきませんから。体調も心配です。帰っていただきます」と言って、爺さんを椅子ごと持ち上げて、そのままエレベーターまで歩いて行った。

途中、爺さんは無理やり抵抗してきたから、椅子だけ蹴り落として、バックドロップになりかけみたいな形で二人でエレベーターに乗り込んだ。

Bさんがヘルプに入ってくれ、無事に爺さんを外まで出すことができた。タクシー会社が徒歩一分のところにある。これで大丈夫だ。爺さんは妻と息子に連れられて、片足を引きずるようにしてBさんが呼んだタクシーに乗り込んだ……。



それが半年上前の話になる。翌日だった。「昨日はお疲れさん」とBさんが言ってくれた。「お前いい体格だけど、あんなに頼りになるなんてな」と褒めてくれた。

以後、役職の流れなど吹っ飛ばしてBさんからの依頼が増えた。簡単仕事もあったが、ほとんどは相応の難易度のものだった。だが、中にはどう見てもグレーな案件があった。会社規則上はまともに処理できないそれらを、登記申請の実務に通じた俺に依頼して、限りなくブラックに近い墨色を、せめてブルーブラック程度に薄めることをしていた。法務局を騙すようなことはしたくなかったが仕方ない。

で、冒頭の話になる。

Bさんから社員になってくれ」と言われた。来年の4月採用新卒に混ぜてやるとのことだった。俺はまだ一応若い。見た目はおっさんだが。

年収は、日本サラリーマンの平均より△30%ほどを提示された。地方都市若者としてはいい方だ。有給だって年に5日以上もあった。好待遇といえる。

しか就職してもいいのだろうか。今の仕事は嫌いではない。通常の人間にとっては死ぬほど面倒くさいことを、チマチマと片付けていけるのが俺のいいところだ。

でも、正社員になったら違う仕事になってしまうんじゃないか。Bさんの下に付けられて、黒いことをやらされるんじゃないだろうか。

それが気になって、まだ返事ができないでいる。どうしよう。迷っていても仕方がないので、増田で書いてみることにした。最近の人気エントリで、相談的な内容のやつが上がっているのを何件か見た。このエントリにも助言が寄せられていたら嬉しい。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん