2022-02-23

格闘ゲームを始めて辞めた話

先に言っておくけれど、これはよくある「私には格闘ゲームは向いていませんでした」以上でも以下でもない、要約すればただその一文で終わる日記だ。

からそういう記事辟易してる格ゲーマーたちは今すぐ読むのをやめるか、あるいはあらんかぎりの罵倒コメントしていってほしい。

これを書いてるやつは、努力が足りなくて、知能指数が低くて、学習能力がなくて、自分の勝てるゲームしかきじゃなくて、我慢の足りないガキで、きっと社会ごみくずなんだろうと書き込んでいってほしい。

それらはきっと全部正しい。だからこれは負け犬の遠吠えですらなく、ただ教室の隅でめそめそ泣いてるメンヘラ戯言だ。

格ゲー初心者だった。

動画を見て、楽しそうだな、と思った。始めたきっかけはそんなところだった。

なんとなく憧れがあったかアケコンから始めた。

好きなキャラクターから入るのがいいと聞いたから、ちょっとトリッキーそうなキャラを選んで使っていた。

はじめは満足に動かすことすらできなくて、CPUにもぼろ負けする始末だった。それでも楽しかった。

ようやくCPUに勝てるようになってきて、対人戦に潜った。負けたよ、たくさん負けた。ボロボロになって、知人に教えを乞うた。

コマンド練習をした。コンボ練習をした。立ち回りの練習をした。相手の動きを観察した。情報インプットした。安定なんて最初はしなくて、それでも食らいつくように練習した。

その時から、少しずつ不安が募っていった。

コマンドが出ない。安定しない。

昇竜竜巻や半回転なんかじゃない、ただの波動が。右向きも、左向きも、どちらも。

持ち方を変えた。少しは安定した。トレモじゃ9割安定するようになった。

それでも、対人になれば結局出なかった。9割成功していた技の実戦での成功率は2割に満たなかったと思う。

意識配分の問題だと言われた。正しかった。9割出るように練習してると聞かれた。悔しかった。それでもそういわれるのも仕方のないことだと分かっていた。自分が全部悪い。

ミスをするとすぐさま狩られた。隙を見せているのだから当たり前だ。次第に同じレート体の人間にも負け始めるようになった。多少勝って得た自信も楽しさも全部消えて、残ったのは「波動も出せない」という自己嫌悪だけだった。

そこから先は地獄だった。誰に言われているわけでもないのに、波動を一回ミスるだけで頭の中の自分自分自身を責め立てた。間違いなく頭の中のソイツの言っていることのほうが正しくて、だから余計に辛くなった。

しばらくした後、俺は無意識スティックから手を放していた。もちろん試合中に、だ。

怖かった。辛かった。苦しかった。スティックを握って、コマンドが出なくて、また自分に責め立てられるのが。

から俺は、格ゲーを辞めた。

辞めるまでの過程でのミスはいろいろあると思う。

トリッキーキャラじゃなくもっと暴れてるだけで勝てるキャラを選ぶべきだったとか、アケコンから始めるべきじゃなかったとか、そもそもコマンドのないゲームにすべきだったとか、あるいはもっと努力すべきだったとか。

それらはきっと、今からでもどうにかなることだとも思う。

けれどもう自分中には、格ゲー投資するだけの気力が残っていない。

辛いことを避け続けてもいいことなんてないと分かってるけれど、それでも無為時間を、気力を溶かすんじゃないかと思うと恐ろしくてたまらない。

から俺は逃げるようにして、自分の中でこう結論付けた。

「私には格闘ゲームは向いていませんでした」。

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