(1) 自動車、飛行機、火力発電など、あらゆる装置や仕組みは、100%完全なものではなく必ずリスクが存在し、トラブルや事故が発生します。飛行機などは、時には人命を奪うような事故の発生も含め試行錯誤を積み重ねて進化してきました。
(2) 原発も同様でありリスクばかり強調しても意味がないし、ゼロリスクの発想では科学技術の進歩はないとの考えもあるかもしれません。しかし原発の事故とその他事故は、本質的な性質が全く違っていると私は感じています。
(3) 飛行機や火力発電の事故でも死亡者が発生することがありそれは悲惨なものです。しかしこれらの事故は、一定時間が経過すれば、事故被害の程度は固定化し確定します。失われた命の数も、被害地域の範囲も、事故後ある一定の時期からは、基本的には増えることはないのです。
(4) 一方、原発の事故は、福島第一原発の例を見れは分かる通り、事故発生後11年が経過するというのに、未だに被害の程度は固定化せず、広がる可能性があります。
(5) 福島第一原発から漏れ出た放射線や、今も漏れ出ている放射線、さらに今後も漏れ出るかもしれない放射線が、人体や環境にどのような悪影響を与えるのか、確実な予測がついてはおりません。
(6) つまり原発事故は、その事故の影響が相当程度の時期まで収束しないこと、これがその他の事故と大きく違う点だと私は考えています。一般の事故は、その事故を被った人に被害は限られ、被害の及ぶ範囲も一定の場所に限られる場合がほとんどです。
(7) しかしも重篤な原発事故は、世代を超えて悪影響を及ぼす可能性もあります。一般の事故の悪影響は基本的に個人にとどまりますが、原発事故の悪影響は、個人を超えた人類の存在、そのものに及ぶ可能性もあります。環境についても、何世代に渡って利活用できない空間を作り出すことになっています。
(8) 原発とその他の事故には、こうした本質的な違いがあることを認識しなければなりません。原発以外の科学技術と違い、試行錯誤によって進化することが難しいのが原子力技術だと私は感じています。
ここまで引用
この(1)~(8)までのtweetの中で(7)の「世代を超えて悪影響を及ぼす可能性」という言葉を「遺伝的な影響」ととらえて、「放射線による遺伝子の損傷が世代を超えてひきつがれるということはない。なのでこれは福島原発周辺の住人に対するデマ」という風にフレームアップしてしまっているひとたちがいるようなんだけど、さすがにそれは無理筋じゃないですか?
「世代を超えて悪影響を及ぼす」といのは「その事故の影響が相当程度の時期まで収束しないこと」を指していて、その影響というのは「福島第一原発から漏れ出た放射線や、今も漏れ出ている放射線、さらに今後も漏れ出るかもしれない放射線」による影響を意味していることは明確じゃないですか?
もしかして(7)の「しかしも」を「しかし」ではなく「しかも」ととらえているのかな?そうすると「(6)(7)の影響に加えて遺伝的影響が...」という解釈も可能だが、文章にない「遺伝的影響」という言葉をおぎなう想像力が必要だし、そもそも文章のつながりとしておかしくなるでしょ?(6)の「一般の事故は~」をうけて「しかし重篤な原発事故は」と読むんじゃないの?じゃないと「一般の事故は~」の受け先がなくなっちゃう。国語の試験で "(7)の冒頭にふさわしい接続詞は「しかし」か「しかも」か"っていう問題が出たら、ほとんどのひとが「しかし」を選ぶんじゃないのかな?
知るも知らぬも、
大阪の席