2021-12-18

バイト日記

 お客様から、「官製はがきってありますか?」と聞かれた女子フリーターアルバイトさんが、私に「官製はがきって何ですか?」と聞いてきたので、「官製はがきとはこれです」と、普通はがきを出して見せたら、

「それが官製はがき……!? 普通はがきって書いてあるのになぜ!?

 と、女子フリーターアルバイトさんは驚愕していた。あ、そうか。郵便局はとっくの昔に官から民になってる訳だから郵便局が売り出しているはがきを今となっては「官製」とは言わないんだな。

 お客様が欲しかったのは「普通はがきインクジェット用のやつ」だったのだが、残念ながら当店では取扱いしていなかった。インクジェット年賀はがきしか置いてないのだ。

 先週、インクジェット年賀はがきを一度に60枚お買い求めのお客様がいた。女子フリーターアルバイトさんが応対していたのだが、ハガキの数え方がぶきっちょ過ぎてお客様困惑していた。

 数え切れなくなり、「数えるのちょっと手伝ってください!」と女子フリーターアルバイトさんが助けを求めて来たので、「こうやってやるんだよ」と年賀はがきの束をクネクネして扇型に開いてから数えて見せた。それを横で見ていたシフトリーダーが、

「すごーい! 増田さんって元事務員ですか!?

 と本気で驚いていた。ていうか、お前もか……。

 お客様の中には、店員仕事のやり方をむやみやたらと厳しい目で見ている嫌な人がしばしばいる。はがきやお札やチケットなどをお客様の前で数える作業は、出来れば半ばパフォーマンスのようにスマートにこなせた方が、無駄に怒鳴られたりしなくて自分精神衛生によい。私も過去はがきの数え方がなってないせいでお客様から叱られた上に、意地悪な先輩パート従業員から追加で怒鳴られた経験があって、泣きながら覚えた。と、女子フリーターアルバイトさんとシフトリーダーに話した。

 で、昨日、Aさんがお客様から年賀はがき40枚を頼まれて、すごくぶきっちょに数えていてお客様に眉をひそめられていた。もしかしてはがきの数え方が下手なくらいで死にたくなるほど怒鳴られた私のような人間こそ珍しいのでは? という気がしつつ、Aさんにもはがきスマートな数え方を教えた。

 まあ、無駄っちゃ無駄だけど、せっかく仕事をするならスマートに美しく……バーテンダーとかみたいに、と思うのだけど、時給の安いコンビニバイトでそこまでしても? とも思い、だがしかしバーテンダーって高級なバーならともかく、そこらのお店に勤めてる人だと案外お給料高くないのでは? とも思ったり、増田心は複雑に揺れた。

 一つ言えるのは、姿勢よく仕事してると、腰痛にはなりにくいということだ。

  • 銀行員の知り合いのお札の数え方がかっこよくてたまに見せてもらってたんだけどキャッシュレスになってそんな機会もなくなってしまった

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