駅の検索をしていた。Google mapが出てきたので覗いていると懐かしい地名が目に入った。
「今どうなってんだろうなあ」なんて軽い気持ちでそちらに寄り道することにした。
卒業した小学校や一部のスーパーはまだ昔のまま残っている。いや、昔のままというわけにはいかない。小学校は体育館を改修したり遊具がなくなっていたりと、場所は変わってないが昔とは少なからず趣が異なっていた。
通学路を歩いてみる。・・・・・全然わからない。多くの空き地に住宅が建てられ、当時あった家も建て替えられたりしているので景色がまるで違う。道路も増えている。
実際に歩けば距離感を掴めると思うが、Google mapだと見知らぬ街の風景に思えて方向音痴になる。どこを歩いてるかわからなくなってくるくらいだ。
迷子になったら途中で地図に戻ってまた黄色い人を落として地図の中に入る。
まさか生まれ育った街で迷子になるとは思わなかった。たとえそれがGoogle map上だったとしても…。
どうにか当時の自宅までたどり着いた。その家はまだ建て替えられてはいなかった。見た目もそのままで他の誰かが住んでいるようだった。
走馬灯のように幼い頃の記憶が蘇る。隣の家に1つ下の友達がいてよく遊んだな。ここの家の塀にボールをぶつけて苦情を言われたな。集会所で夏祭りをやったな。
もう数十年経ってるから細かいことまで思い出せない。なんとなくそんなこともあったなと懐かしむ程度だ。
自宅の周囲も散策してみよう。近所にあった八百屋や幼稚園はもうなくなっている。何年かに一度綺麗な花を咲かせていた山桜の林もなくなっていた。
随分と変わったなあ。
そこで人間が生活していく以上街並みの変遷は世の常とはいえ、自分の中身も書き替えられたような感覚になり空虚な不安を覚える。
また、年々変わり続けていくそこでの生活を考えると面白くもある。
そうか、今住んでいる場所も変わり続けてるんだよな。その場で暮らしていると見逃してしまう。時間が連続していると変化に対して違和感を持たずにやり過ごしてしまう。
懐かしくもあり、新鮮でもあり、なかなか有意義な時間を過ごしたと思っている。
機会があれば子どもでも連れて実際に行ってみるかな?